「スーツをかっこよく着れる仕事がしたい」
彼の志望動機はこれだけだった。
Kosuke君は大人しそうなのに、めっちゃくちゃ頑固。
「僕はそう思いません」
「それやるの、何の意味があるんですか??」
毎日反発。いつでも反発。どこでも反発。
素直にやらないし、暗いから成果もでない。
歩合で稼げていない彼の、ある日の晩ご飯がすき焼きで。
お母様から「箸をおきなさい。あんたに食べさせる肉はない」 と言い放たれる。
今では笑い話ですが、当時は真剣にこんな自分のままではダメだと、
取り組む姿勢が変わっていった。
お客様への接し方が豪快になった。
だから成果はそこそこ出るようになった。
ただ、次のステップに中々進まなかった。
(成果は出しているのに、何で先に進めないんだ、、、!)
そんなある日、担当リーダーが、
マネジメント会議に参加後現場に入ることになっていたので、
Kosuke君に現場を任せることに。
午後、リーダーのRyosuke君が到着。
彼が入ると、圧倒的に現場の雰囲気が変わった。
「リーダーが入ると雰囲気違いますね。さっきまでは全然だめだったんで、、、」
とKosuke君が言うと、Ryosuke君に
「あなたはここに経営者になりにきてるんですよね?
最初のステップとしてリーダーになるんですよね?
経営者がそんな事言うと思いますか?!」
と強く言われたそう。
Ryosuke君に真剣に言われたのは、この1回だけ。
自分に足りなかったのは成果ではなく、経営者としての姿勢。
その後Kosuke君の取り組みは大きく変わり、圧倒的な成果を出し昇格。
今春、彼のチームも伸びてきている。
私利私欲を満たす為だけに頑張っていた彼が、
周りに良い影響を与えられる本当にかっこいい人間になるとハードワークしている。
誰が伸びてくるかわからない。
Kosuke君の成長は、私の先入観を1つ消してくれた。