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生徒たちの「苦手と嫌い」にきちんと伴走していく 文章を書くのが嫌いだった私だからこそできる役割(東明館高校3学年クラス副担任国語科教諭 深町典子)

保護者の気持ちを知りたくて 教師の前に民間企業へ就職

福岡の大学を卒業し、民間企業に就職して1年半働きました。その後、福岡県の公立高校や中学の非常勤講師を4校掛け持ちする形で2年ほど過ごし、東明館にやってきました。2022年度で10年目の在籍になります。高校3年生クラスの副担任を務め、生徒指導部では生徒会を見ています。

6歳下の弟がいたのもあり、小さいときから近所の子どもたちと遊ぶときに何かを教えることが多くて、この頃から漠然と「教える仕事がしたい。教師になるのかな」と感じていました。中学生の頃には教員免許が取りたいと思っていましたね。

ただ、大学を出てそのまま教師になろうとは思いませんでした。大学の部活動を通じて先輩方の話を聞く中で、卒業してすぐに教師になるのではなく、社会を一度知っておくべきだと感じたからです。

教師は生徒だけでなく、保護者にも向き合います。保護者は教師以外の仕事をしている人が圧倒的に多いです。保護者の気持ちを知るには企業に入り、その環境を肌で感じながら仕事をする必要があると思ったんです。大学4年時には教育実習も受け、教員免許を取得した形で民間企業に就職する道を選びました。

なんで自分の感情を書く必要があるの?文章嫌いだった私

今でこそ国語科の教師をしている私ですが、小学生の頃から作文や感想文を書くのが嫌いでした。「なんで文章に自分の感情を書かないといけないのか。そんなの人に見せても意味がない」と思っていたんです。

しかも、自分の感情が乗った文章を先生が採点して点数をつける。点数を稼ぐには先生の気に入るような感情や感想を入れた文章を書かないといけないのかな…。小学校高学年の時にはそんな気持ちを抱いていましたし、人に文章を見せたい欲もありませんでした。

ただ、中学・高校になるにつれて自分になりに折り合いをつけて文章を書けるようになったので、その気持ちはなくなっていきました。

生徒ひとりひとりの理解度を把握して伴走を図る

この経験は、私が生徒たちに向き合うスタンスの原点になりました。例えば私は小論文の指導をしていて、生徒たちの作文の内容を否定しないようにしています。小論文の形や見せ方を工夫すればよいなと思う部分を指導していく形を取っています。その上で、授業で生徒たちがどこを理解していて、どこでつまずいているのかをきちんと把握するように努めています。

授業を通じて生徒たちに身につけてほしいのが「思考回路をつくる」こと。国語は全ての教科の理解するための土台となる日本語の読解力や思考力を身につける教科です。

苦手や嫌いが続いてしまうと、学ぶことも苦痛になってしまうし、国語が苦手になってしまうと、ほかの教科も苦手になってしまうかもしれない。少しでも問題や課題を解ける経験を積んでもらいので、生徒ひとりひとりの理解度を把握した上で伴走するよう心がけています。東明館は公立の学校よりも1クラスの人数が少ないので、ひとりひとりの能力を伸ばせる環境は整っていますね。

東明館の特色「先生と生徒の近さ」を活かした指導

こうした指導ができるのは、東明館の特色でもある「先生と生徒の距離の近さ」が活かされているからだと思っています。東明館の卒業生に「東明館らしさってなんだろう?」と聞くと、大半が「先生と生徒の距離が近い」と答えてくれます。

他県の高校生とオンラインの交流会があったときのことです。このときはZoomを使った交流だったのですが、生徒たちが率先してZoomを使って私たち教員にもスムーズな操作をする方法を教えてくれたんです。もちろん教師として求められた役割はきちんと果たしていく必要はありますが、生徒たちに任せることが生徒の学びにつながることもあるんだなと思いました。

生徒の「苦手と嫌い」取り除きに注力していく

2023年度からは、これまでのコース制から「総合選択制」に変わり、生徒自らが受ける授業を選択することになります。クラスという枠組みを超えて、学年全体・学校全体で目標に向かって進んでいくことになります。生徒の個性を伸ばすためには、基礎学力を身につけるのが必須です。特に国語は授業を通じて文章力やプレゼン指導など、思考回路をつくるための学びが必要になります。

私自身も高校までは国語の基礎を積めず、センター試験の点数が伸び悩んだ経験があります。今は試験の点数だけでなく総合型選抜(旧AO入試)の対策も必要になります。私たちの授業を通じて、これからの時代を生き抜いていく生徒たちを育てていきたいです。

これに加え、東明館が2022年度に打ち出した「対話によって変わり続ける学校」という方針の下、生徒同士の対話、教職員同士の対話を通じて、相互理解や多様性を身につけてほしいですね。

東明館を卒業するときには自分のやりたいことや夢を見つけて、叶えるための努力の仕方が分かっていればいいと思っています。そうなれば、社会のどこにいっても通用する人間になっているはずです。まずはその第一歩として、生徒たちの学習における「苦手と嫌い」を取り除くことのに力を注ぎたいと思います。文章を書くのが嫌いだった私だからこそ、そんな生徒たちの気持ちにより添えるはずですから。

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