外国人観光客に人気が高い日本のお菓子。天創堂では外国人観光客に人気のお菓子を全国各地から発掘し、小売店に卸販売を行っています。日本ではあまり知られていないお菓子でも、インバウンド客に大人気となることも。
奈良県奈良市にある多口製菓が作る「白雪いちごちゃん。」や「ちょこれーと大福」も人気商品の一つ。
販売スタートから徐々に人気が出始め、インバウンド客が月数万人は訪れる大阪の中心部にある店舗で、月200万円以上売り上げたことも。多口製菓のお菓子は、なくてはならない主力商品なのです。
メーカーの魅力的な商品があってこそ事業が成り立っている。だからこそ、弊社代表の粕井は「商品に真摯に向き合うメーカーの想いを理解したうえで、大切に商品を扱っていきたい」と考えています。
そこで今回は弊社代表の粕井が、お菓子作りへのこだわりやメーカーとしての想いなどを、多口製菓常務 多口浩文さんにお聞きしました。
いたずらメールから始まった取引!?現れたのは坊主の社長
ーどんなきっかけで天創堂と取引が始まったんですか?
多口「いたずらメールが粕井さんから来たんだよ(笑)」
粕井「いたずらメールじゃないですよ!(笑)」
ーいたずらメール!どんな内容のメールだったんですか?
多口「ま、それは嘘やけどね(笑)うちの「白雪いちごちゃん。」を扱わせて欲しいってメールをくれたんだよ。実は最初、大手の量販店に商品を置く気は全くなかったんで、断ろうと思っていたんだけどね」
ーそうだったんですね!
多口「メールが送られてきて、その後すぐに電話がかかってきたんだよ。うちの社長が粕井さんの電話に出たんだけど、「どうするかあとはお前に任せる」って言われたんで、とりあえず会って話を聞くことになって。それで粕井さんがうちに初めて来たんだけど…坊主なんだよ!!まるで修行僧だったよ!」
粕井「あの時は丸坊主でしたね(笑)」
ー坊主頭はびっくりしますよね…
多口「さらに会ってびっくりしたのが、若い!メールだと何歳かわからないじゃない。しかもスーツじゃなくて…」
粕井「当時はビリケンさんのポロシャツを着て営業していました(笑)」
多口「ビリケンさんのライセンス事業もやってるんでって言われて。なるほどな、と」
ー天創堂の卸先は大手の量販店。敬遠されていたのに、なぜ天創堂と取引しようと思っていただけたのでしょうか?
多口「とにかく熱心だったんよ。もう、その一言に尽きるんじゃない?「インバウンド客向けにうちのお菓子を売りたい」って言われたけど、その当時はそこまで売りげが上がると想定してなかったから。やっぱり粕井さんの熱心さが決め手だったと思うなぁ」
初めての取引から共に歩んできた道、そしてこれからの道
ー取引が始まってからはどのように進んでいったのでしょうか?
多口「最初の頃は伝票がないとか、何だかんだで2日に1回ぐらい天創堂のパートの人が電話してくるんだよ。まいったなぁ(笑)」
粕井「うちも卸事業自体、初めてで。「判取?帳合?」と卸の専門用語を調べながら手探りでやっていたんです。その節は大変失礼いたしました!」
ー広い心で天創堂を見守ってくださっていたんですね
多口「(笑)けど、そのうち一気に販路が増えて。天創堂のスタッフさんが東京の新宿や銀座とか、色んな店舗を開拓してくれたから。うちの商品の売り上げもかなり上がったね」
粕井「大阪でも道頓堀の一店舗だけで200万以上、一回で10ケース以上の注文をいただきました」
多口「商品が足りるかなぁ、足りるかなぁって不安なぐらい(笑)」
粕井「取引先のバイヤーさんに「どうしても明日欲しいから持ってきて」って頼まれて、多口製菓さんまで、商品を直接取りに行ったこともありました。いわゆる「爆買い」の影響で。団体が来て一人で何個もがばっと買っていくんです。あっという間に足りなくなってしまって」
ーそのぐらい人気だったんですね!そもそもなぜ多口製菓のお菓子を扱いたいと思ったんですか?
粕井「大阪のお店で「白雪いちごちゃん。」を見た時、かわいいパッケージに惹かれて思わず手に取りました。取引先の小売店には試食がないので、パッケージは重要なんです。「白雪いちごちゃん。」は、美味しそうなイラストが描かれてるから、観光客がぱっと見ただけでどんな中身かわかる。「絶対売れる!」ってそう確信したんです」
多口「しかも奈良のメーカーやしな。粕井さんの地元の(笑)」
粕井「そうですね(笑)あとはお菓子の品質です。類似商品もありますが、「白雪いちごちゃん。」は中に入っているいちごの粒は大きいし、周りをコーティングするチョコレートにもこだわってらっしゃるんですよ」
ーやはり人気には訳があるんですね。商品を作る上でのこだわりを教えていただけますか?
多口「「白雪イチゴちゃん。」で言うと、いちごの酸っぱさかな。チョコレートにちょうど合う酸っぱさがあるんだよ。いちごの粒は一粒、一粒検品してるし、コーティングするチョコレートにはムラがないかもチェックする。お客様には見えない部分でも、絶対に欠かさないね」
粕井「コーティングしたチョコにほんの少し、ピッと小さな穴が開いていてもダメなんですよ」
多口「完品という基準を作っているから、その基準に合わないものは提供しない。奈良に観光で訪れる方たちに失礼のないものを作りたくて。うちの商品の中でも「神鹿物語」は、もうワンランク上の、話題にできるような商品を作ろうと春日大社の白い鹿をモチーフにして作ったお菓子。最中の中のミルク餡に アーモンドと吉野の柿が入っていて。地元奈良県産のものを入れたいなって。アーモンドはオーブンでローストしてる。ひとつづつ手作業でやってるんだよ」
ー形もすごくかわいいですね!!
粕井「これは残念ながら地域限定販売なので、うちでは扱えないんですけどね(笑)」
ー欲しい人は奈良に来てね、ということですね(笑)
新しい挑戦を続ける多口製菓ですが、今後天創堂と一緒に取り組みたいことはありますか?
多口「できれば天創堂直営のお土産ショップを作って欲しい!うちの商品は僕がレイアウトするんで(笑)」
粕井「いいですね!多口製菓のコーナーを作って実演販売をしてもらえたら、海外のお客様も喜んでくれそうですね」
多口「うちは主に国内のお客様メインに商品を販売しているけど、SNSの配信は多言語表記をするなどの取みも始めているよ」
ー最後に多口さんから見た天創堂のいいところを教えていただけますか?
多口「うーん・・・・・・・・(笑)」
粕井「何でもいいんで(笑)なにか一つでも!」
多口「やっぱり社長自体が前向きなところかな!向上心ある方にとってはとてもいい会社だと思うよ! (営業プレイヤーの)張君や金君のような国外出身のスタッフが活躍しているっていうのも、今後もっといい風になっていく要因の一つじゃないかな。だってわざわざ自分の国を出てきてるんだよ、「働きた い!」と心から思う会社じゃないと勤められないだろうし。社風もあるだろうけど、みんな社長のスピードについていきたいって思ってるからでしょ」
粕井「そう言っていただけて、とても嬉しいです。僕たちもずっと見守ってきてくださった多口さんをはじめ、メーカーさんたちともっと大きな夢が実現できるように頑張っていきます」
ー多口さん、ありがとうございました!
お客様に見えないところまで繊細なこだわりをもち、真摯にお菓子作りに取り組む多口製菓。その姿勢があるからこそ、国内のみならず海外のお客様にも愛されるお菓子が作られるのだと感じました。その真摯な姿勢に応え、天創堂もメーカーさんをしっかりと支えていける存在となれるようにこれからも尽力していきます!
天創堂ではメーカーさんの素敵なお菓子をもっともっと世界に届けるため、2018年から「ご当地商品輸出事業」を本格的にスタートしました!その要となる仕事、「貿易事務」を募集しています。あなたの仕事が日本のメーカーの海外進出のきっかけとなり、ひいては日本のお土産を世界の人たちの元へと届ける事になります。
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(文/三上 由香利 写真/中西 将史)