はじめまして!株式会社tacoms代表の宮本(@Seita_Hareta)です。
tacomsは、飲食業界向けに「Camel(https://www.camel-series.com/) 」というVertical SaaSを提供しているスタートアップです。
創業して約4年間、これまでほとんど会社の発信などしてこなかったものの、採用を強化している中で、候補者さんから「会社のことを調べてもどんな雰囲気なのかよくわからなかった」と言われることも増えてきたため、もっとtacomsのことを知ってもらおうと、会社の公式noteを始めます!
今回は第1弾ということで、代表の私から、tacomsの創業から現在の事業に行き着くまで、そして私たちがこれから実現したい未来について書いていこうと思います。
もしこの記事を読んで、少しでもtacomsや私たちの事業に興味を持っていただける方がいれば、お気軽にご連絡いただけると嬉しいです!
大学生向けのフードデリバリーサービスからスタートした創業期
今でこそ飲食業界向けにDXを推進するようなB2B SaaSプロダクトを作っているtacomsですが、2019年の創業当時は今とは全く別のプロダクトを作っていました。
最初に取り組んでいたプロダクトは、「大学生向けのフードデリバリーサービス」。
今聞いても、本当にうまくいかなそうな匂いがプンプンしますが笑、当時は、「打倒UberEatsだ!」ということで相当に気合を入れて取り組んでいました。
実はtacomsは学生起業のスタートアップで、私が大学2年生になったときに創業した会社です。
当時は、
- 大学にある学生食堂は、メニューが変わり映えしない上にあまり美味しくない
- 大学周辺の飲食店大学生の昼休みは50分ほどしかないため、大学周辺の飲食店へ行き、混み合う中で列に並び、ご飯を食べて、キャンパスに戻る、という一連の動きでほとんど休み時間が潰れてしまう
- 配達時間をランチタイムに絞り、配達エリアと配達する飲食店を絞ることで、配達効率の良いデリバリーサービスが作れるのではないか
といった仮説で事業を立ち上げようと考えていました。
※創業時のオフィスの写真。創業者と3人ほどのインターン生とで、
狭いアパートの1室でプロダクトを開 発していました。
また、当時海外でもいくつか似たような領域でスタートアップの大型調達・M&Aの事例も出ていたこともあり、これだけ飲食店の多い日本のマーケットでも同じくチャンスがあるのではという目論見もありました。
大学生向けのフードデリバリーサービスには1年弱取り組んだものの、結果的には様々な要因からなかなか事業としてスケールする未来を描き切れず。。。ピボットを余儀なくされます。
しかし、この1つ目のプロダクトを開発する中で、今のCamelという飲食店向けのSaaSプロダクトに繋がる、飲食店の課題に触れることになっていくのです。
デリバリーに取り組む飲食店に起きていた課題
当時展開していた大学生向けのフードデリバリーサービスは、ビジネスとしては大学周辺の飲食店から、大学キャンパス内や大学周辺の住宅へ、料理をデリバリーして配達料を頂く、というモデルを取っていました。
この事業をうまく立ち上げられなかった1つの要因が、飲食店へのデリバリーサービスの導入がなかなか進まない、という課題でした。
私自身も様々な飲食店様に「今までの店舗運営に加えて、僕たちのデリバリーサービスを導入してもらえれば、売上が上がります」と提案に歩き回っていたのですが、飲食店さんからは導入を断られる毎日。。。
多くの飲食店の方と色々とお話をする中で見えてきたのが、これまでのイートイン主体の店舗運営をしながら、デリバリーやテイクアウトといった「店外」からの注文のオペレーションを構築するのは、飲食店さんにとってすごく難しい、という問題でした。
※実際にヒアリングに回らせてもらった店舗さんのキッチンの様子
具体的に、当時お話をしていた飲食店さんの例では、
- UberEatsや出前館などのデリバリーサービスを導入しているのに加え、テイクアウトの予約を電話で受け付けているため、店舗のオペレーションが煩雑になっている
- また、アルバイトは海外留学生も多く、日本語も完璧には読解できないため、複数のデリバリーサービスのタブレットの操作を1つずつ理解できず、教育のコストも上がってしまっている
- とはいえ、店舗の売上のうち、20%近くをデリバリーとテイクアウトが占めていてこの数年で比率が上がり続けており、オーナーとしては今後も力を入れていきたいとは思っている
- しかし、上記のようなオペレーション面の理由から、イートインとの両立が難しく、今後デリバリーやテイクアウトをビジネスとして継続できるかわからない
といった深刻な悩みをお聞きすることも。
そういった飲食店さんからの声から、イートインと、イートイン以外のデリバリーやテイクアウトといった店外注文の両立を簡単にできるようなプロダクトにはニーズがあるのでは?と今のCamelの開発に進んでいくことになりました。
Camelというプロダクトの立ち上がり
私たちが現在提供しているCamelというサービスは、様々なデリバリー・テイクアウト・モバイルオーダーサービスとAPIを通じて連携することで、
- デリバリーやテイクアウトといった、イートイン以外の店外の注文や売上は、全て1台のタブレットで一元管理できる
- 既に厨房内に設置してある、POSレジシステムやキッチンプリンターなどと連携することで、イートインと店外の売上・注文データを統合管理できる
といったことを実現するサービスです。
これにより、店舗ではイートインのオペレーションを崩すことなく、簡単にデリバリーやテイクアウトといった店外の売上獲得に向き合うことができるようになります。
サービスの開発当初、飲食業界のコネも経験も、そもそも社会人経験ですら全くない学生であった私たちは、まずは本当にこのプロダクトにニーズがあるのか検証するべく、手当たり次第に自分達の知っている飲食チェーン企業様のお問い合わせフォームに、Google Slideで作ったサービス構想資料とfigmaのデモURLを貼り付けて、「こういったサービスを開発しようと思っているのですが、ニーズはありますか」といった内容のお問い合わせを手当たり次第送ってみました。
その結果、おそらく50社ほど、しかもほとんどが大手チェーンの企業様にお送りしている中で、50社のうち約20社近くの企業様からご返信を頂き、更に国内でもトップ規模の超有名大手チェーン企業様からもご連絡を頂けるという引き合いの強さ。
これはPMFの匂いがするぞ、ということで本格的に資金調達を進め、プロダクト開発に注力していきました。
※実際にフォームに対して返信をいただいたメール。実際にここからお取引に繋がり、
現在もサービスをご導入頂いている大切なお客様に。
プロダクトローンチ後は、コロナ禍によるデリバリー・テイクアウト需要の高まりも相まって、多くの飲食店様からの引き合いを頂き、一気に導入も加速。
また、2021年末にはXTech Ventures・ANRIを引受先とした3億円の資金調達も行い、正式ローンチから約2年で、街でよく見かける飲食チェーンさんから、地方の個人店さんまで、日本中の多くの飲食店様でCamelをご利用頂けるようになりました。
Camelを通じて目指す将来像
ここからは、私たちがどのような成長を遂げ、飲食業界にどのように貢献していきたいと考えているのか、という点について書かせてください。
現状は一元管理サービスという立ち位置で市場に価値を提供しているCamelですが、まだまだ飲食業界に対しては小さな影響しか与えられていません。
今のプロダクトを起点に、業界に対してより大きな貢献ができるような事業へと成長させていくべく、今年に入り社内で改めてCamelというプロダクトの向かうべき先を議論し、プロダクトビジョンという形で言語化しました。
打ち立てたプロダクトビジョンは、「店外注文を、飲食経営の柱に」。
現状の提供価値から更に役割を広げ、飲食店にとって、店外注文、すなわちイートイン以外の事業がきちんと飲食店経営の柱となるために必要なことは全てトータルでサポートするプロダクトへと進化するぞ、という意思の表れでもあります。
こういったプロダクトビジョンを定めたのは、単にコロナ禍によりデリバリー・テイクアウト市場が拡大した、という背景だけではもちろんなく、よりマクロ的な社会変化の観点からも、飲食業界にとってこれらの店外の領域のビジネスに取り組む重要性が高まっている、という背景あります。
例えば、単身世帯比率の増加や、共働き世帯数の増加など。これらはこの数十年かけてずっと起き続け、今後も日本社会において長く起き続けていく変化です。
具体的には、単身世帯の若者が週5で外食していたところが週の半分くらいはデリバリーを頼むようになったり(私のことです)、専業主婦として毎日晩御飯を作っていたお母さんが共働きになって仕事帰りに飲食店で料理をテイクアウトして家族みんなで食卓を囲んだり、といったような形で、日本全体で食習慣が自炊一択だけでなく、より多様で選択肢の広いものになっていく、という大きな変化に繋がっていくのだと考えています。
こういった変化の中で、出来上がった料理を自宅で食べる中食市場はこの数年間ずっと継続して成長しています。
一方で、そもそも今後減少していく日本人の人口に対して、店舗数も多い日本の飲食業界は今後さらに激しい競争にさらされることになるのが明確であり、飲食店としてはこれまでのイートインのみのビジネスだけでなく、いかに中食市場の需要をデリバリーやテイクアウト等のビジネスを通じて取り込み、店舗のイートイン以外でもいかに消費者に対して豊かな食体験や感動を届け、店舗のファンを増やせるか、という価値提供の重要性が増していくのだと感じています。
そういった、業界としての大きな変化に対して、私たちとしては現状のプロダクトだけでなく、更にVerticalに・かつコンパウンドにプロダクトを連続的に立ち上げていき、業界としての大きな変化を下支えできるか、というチャレンジをしていきたいと考えています。
実際に、今年の秋ごろに向けて新しいプロダクトのローンチの準備をしており、それにより更に既存のお客様に対して大きな価値提供ができるようになる予定です。
さいごに
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!少しでもtacomsの理解や興味につながれば嬉しいです。
プロダクトを連続的に立ち上げていくというのは、すなわち、いろいろなポジションで採用を強化していく、という話に他なりません。
もちろん、tacomsでも本当に多くのポジションで、全力で採用を行っています!
こちらのnoteを読んで少しでもtacomsに興味を持っていただけた方は、ぜひ会社HPから、ご連絡いただけると嬉しいです!カジュアルにお話ししましょう!