アート・コミュニケーションプラットフォーム「ArtSticker(アートスティッカー)」を軸にアートビジネスを展開するスタートアップ「The Chain Museum」に、メディカルアドバイザーとして、精神科医・産業医の濱田章裕さんが参画しました。
これまでのキャリア、メディカルアドバイザーとしての参画の決め手や、今後チャレンジしていきたいことなどをインタビューしました。ぜひご覧ください!
■プロフィール
濱田 章裕さん/メディカルアドバイザー
精神科臨床に携わりつつ、産業医・労働衛生コンサルタントとして、働く人々の心と身体の病の予防に医学的なアプローチで積極的に関わっている。また、クリエイティブカウンセラーとして、クリエイターやアーティストの原体験や生活習慣、発想のプロセスに着目し、よりよい状態で創作活動を続けられるよう支援する活動『クリエイティブ・カウンセリングルーム』も展開。医学の領域からどのようにアートシーンに貢献できるかを日々模索している。 東京代官山ロータリークラブ所属。CYPARメディカルアドバイザー。
〜濱田 章裕さんへの3つの質問〜
Q1:精神科医・産業医は具体的にどういうお仕事ですか?
人々にとって身近な存在である“心”に寄り添いたいと思い精神科医になりました。その後、病院の外で生活をしている大多数の人々に対しても医療や健康をもっと身近に感じて欲しく、それを伝えることが不調への何よりの予防になると思い、産業医になることにしました。
精神科医と産業医とでは活躍のフィールドや対象、業務内容が大きく異なります。精神科医は医療機関において、心に病を持つ患者さんに対して問診などを通して、その人の心の中の状態を明らかにし、アセスメント(診断)をし、治療を行うなど診療行為をします。
一方、産業医は医療機関の外に広がる社会で、主に企業で働く社員に対して、(診療行為ではなく)日々の面談を通し、日頃の体調管理や働き方に関するアドバイス、休復職の判断、治療と仕事の両立支援まで、その人らしい働き方・生き方が続けられるようサポートをする役割を担います。
最近ではメンタルに不調を感じる人々が多く、また、メンタル不調を相談しやすくなったという時代背景も相まって、産業医にも精神科医的な側面が一層必要となってきています。
Q2: The Chain Museumへのアドバイザーに就任されたきっかけ、感じている魅力は?
代表の遠山正道さんより、The Chain Museum(以下 TCM)に関する初期の構想を聞かされていた頃から、その存在は気になっていました。その後、CYPARにてクリエイティブカウンセラーとして様々なクリエイターにインタビューする機会があり、医学の立場からクリエイティブ領域に何か貢献できないかという思いが強まりました。そのような折に、TCMからお声がけいただき、今回「メディカルアドバイザー」として参加させていただく運びとなりました。
TCMが運営するサービスの一つである「ArtSticker」がアーティスト・ギャラリー・ユーザー(鑑賞者や購入者)を繋ぐ横断型プラットフォームであるということには大きな魅力を感じています。
これまでは、ユーザーがアーティストと接しその人柄を知る機会、またアーティストが自らの作品の魅力を直接ユーザーに届ける機会は限られていたかと思います。現代アートの特徴の一つは、アーティストが存命であることが多く、ユーザーと直接会話をすることができる点であり、ArtStickerはそれを後押ししてくれる存在なのだと思います。
また、これまで縦割りだったギャラリー同士が第三者のキュレーターを介することや共同で展示会を開催することにより、アーティストやギャラリー間の新たな交流が生まれ、関係性がより強固なものとなり、ひいては日本におけるアート文化の醸成に繋がるのではと考えています。
Q3:今後、The Chain Museumでチャレンジしていきたいことは?
3つあります。
1つ目は、WEB連載や、トークイベント、絵画鑑賞法などのワークショップなどを通じて、医学的な観点からアートの魅力や向き合い方を紹介することです。一方で、ワークショップ等イベントの機会やそこで得られた結果を元に、アートが人々の心身に及ぼす影響について専門機関と共に研究を行い、論文発表などを通して学術的な成果も上げていきたいと考えています。
2つ目は、アーティストに対して、より良い健康状態で作品を生み出し続けるための健康管理の方法や自身の特性との向き合い方などの秘訣についてWEB連載や大学での講義などを通じて発信していけたらと考えています。
3つ目は、現在TCMがオフィススペースを中心に進めているアートのレンタル事業に関して、クリニックや病院、健診機関などへと展開することにより、受診の際に感じる緊張や不安、病へのストレスなどを少しでも緩和させることができればと考えています。
これらのチャレンジの積み重ねにより、人々がアートの持つ医学的な側面に触れ、アートをより身近なものとして感じられるようになり、そのことがアートの存在意義の一つとなって、文化として一層根付いていくことへの一助になればと切に願っております。
参考記事
▼濱田 章裕さん特別コラム | アートがオフィスにもたらす効果とは
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