前編、中編ではチーフになり、後輩を育成する立場へ。そしてPMやアーキテクトとして、これまで以上に広い範囲からプロジェクトを見るようになった
システム事業部 世戸 竜馬さん。
役割が変わる一方で、エンジニアを取り巻く環境そのものも大きく変化しています。その一つがAIです。
コードを書くこと自体が仕事の中心ではなくなっていく中で、世戸さんが以前より強く感じるようになったのは、「つくる楽しさ」とは少し違う感情でした。
それは、自分がつくったものによって誰かの仕事が楽になる「嬉しさ」。
後編では、AIによって変わるエンジニアの仕事と、クライアントや仲間との関わりを通して見えてきた、世戸さんがこれから届けていきたい価値について聞きました。
8.AIで、「コードを書く」仕事は大きく変わった
Q.AIの進化によって、世戸さん自身の働き方にはどんな変化がありましたか?
A.今はもう、AIがないと仕事ができないくらい使っていますね。
エンジニアの仕事というとプログラムを書くイメージがあると思いますが、僕の場合、コードを書く作業にはかなりAIが入っています。AIが出したものを修正するときにもAIを使うので、自分でキーボードを叩いて一からコードを書く時間は徐々に減っています。
コード以外でも、システムの仕様を説明する資料など、以前は時間をかけていた作業にAIを使うようになりました。
AIにコードを読み込ませて仕様を理解してもらい、スライド作成まで進めることもできます。
仕事の進め方は、全体的にかなり変わりましたね。
9.「つくる楽しさ」から、「早く届けられる嬉しさ」へ
Q.コードを書く機会が減った今、仕事の楽しさも変わりましたか?
A.「楽しい」と感じる瞬間は、正直かなり減りました。
以前のように、自分でコードを書いて、それが動くこと自体を楽しむ機会は少なくなっています。
ただ、その代わりに「嬉しい」と感じることは増えました。
AIを使えば、つくりたいものを以前より早くつくれるので、その分お客さまにも早く届けられます。
実際に使っていただいて、「ここが良かった」「こうしてほしい」とフィードバックをもらえることは嬉しいですね。
もちろん、「この外部システムを使えばもっと簡単に実装できそうだな」と考えることには、今もエンジニアとしての楽しさがあります。
10.クライアントの仕事が楽になるところまで考える
Q.クライアントとの関わり方にも変化はありましたか?
A.かなり増えています。
これまでは実装を担当することが中心だったので、クライアントと直接やり取りする機会はそれほど多くありませんでした。
今担当しているプロジェクトでは、実際に事務所を訪問してお話ししたり、チャットでやり取りしたりする機会があります。PMになったことで、これからはさらに増えていくと思います。
クライアントと直接話せるようになったことで、仕事の目的も少し変わってきました。
以前は「つくること」そのものが目的になっていた部分もありましたが、今は、ユーザーがどれだけ満足したか、ユーザーの業務がどれだけ楽になったかを考えるようになっています。
11.目の前の作業を、システムで少しでも楽に
Q.実際に、「これはユーザーの役に立てた」と感じた仕事はありますか?
A.今、労働関係のシステムをつくっています。
例えば残業代を計算するために、これまではタイムカードなどの資料を目で確認して、勤務時間を読み取る作業がありました。
そこにAI-OCR*を使って文字を読み取れる機能をリリースしました。
さらに、読み取った情報から残業代の計算までできる機能も提供し始めています。
リリースしたばかりなので、まだ実際の反応をすべて確認できているわけではありませんが、これまで人の目で確認していた作業を減らせるので、少しでもユーザーの仕事を楽にできたら嬉しいですね。
※AI-OCR(AIを活用して画像などの文字を読み取り、データ化する技術)
12.自分が拾うことで、誰かが開発に集中できる
Q.ユーザーだけでなく、一緒に働くメンバーに対して「役に立てた」と感じたことはありますか?
A.システム開発をしていると、アカウントの発行など、直接開発すること以外にも細かなタスクが発生します。
そういうタスクは、自分から拾うようにしています。
僕が対応することで、ほかのメンバーが開発しやすい状態をつくれたらいいなと思っているからです。
実際に、その部分を評価していただいたこともあって。それは嬉しかったですね。
プログラムを書くことそのものを楽しんでいた頃から、つくったものが誰かに届き、その人の仕事が楽になることに嬉しさを感じるようになった世戸さん。
その変化は、AIによって仕事の方法が変わったからだけではありません。
チーフになってチームを見るようになり、後輩を育成し、PMとしてクライアントと話す。関わる人が増えるにつれて、「自分が何をつくったか」だけではなく、「その先にいる人に何を届けられたか」まで見るようになっていました。
ユーザーの作業をシステムで減らすことも、メンバーが開発に集中できるよう細かなタスクを拾うことも、その視点から生まれた行動です。
“つくる人”から、“人と仕事を前に進める人”へ。
エンジニア4年目の今も、世戸さんの「できる範囲」は広がり続けています。そして、その先にあるのは、技術そのものだけではなく、技術を使って誰かの仕事をより良くするエンジニアとしての姿なのかもしれません。
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