1
/
5

「本来のデザイナーの役割って?」転職を機に変わった、デザイナーとしての働き方

大学時代の恩師から「デザインを使って社会課題を解決する」という研究テーマを与えられ、それを基にデザイナーを志したという、阿部さん。

前職時代はベンチャー企業に入社し、在籍する中で社員約20人が約200人まで増えるという成長フェーズを経験。事業の拡大をデザイナーとして支えました。

一方、そうしたフェーズを見届けたことで阿部さんの中に生まれてきたのは、自分の役割を果たし切ったある種の達成感。改めて自分が目指したい理想の「デザイナー」とは何かを考える中で、たまたまスタディストに出会い、転職を決めました。

転職を機に変わったという、デザイナーとしての働き方と現在の環境についてインタビューしました。

<プロフィール>
開発本部 プロダクト部
プロダクトデザイングループ 阿部 夏希さん
2022年12月にスタディストにプロダクトデザイナーとして入社。既存事業に加え、新規事業にもデザイナーとして参画。大学時代からデザインを学び、前職では実践的にUI/UXデザインに対する知識を深め、2020年には人間中心設計スペシャリストの資格を取得。社外では副業として、地元・京都市西京区のフリーマガジン『西京じかん』編集長として活動。

「デザインは本質的な課題解決の手段」
入社前に感じた自分とスタディストの共通点

——元々、大学の頃からデザインに携わっていたとお伺いしました。

はい、私が通っていたのは経済学部だったんですが、学部の中に「文理総合インスティテュート」という枠組みがあって、その中の「環境デザインインスティテュート」に所属していました。総合的にビジネスで活躍する人材を育てることを目的に設立されたこともあって、経済だけじゃなくて、経営や環境デザインなども教えてくれたんですね。

とくにデザインについては、ゼミに入ってからその時の恩師から色々と学び、その時に「デザインは社会の課題を解決するためにある」ということは徹底的に叩き込まれましたね。デザイナーが「形をデザインする仕事」だけでなく、より上流のところから関わっていくことで「人と人、人とモノをつなぐ、良い関係性を生み出す」「それによって社会を良くしていける」という信念が生まれました。それは今でも私の中での“デザイナー像”のベースになっていると思います。

——そこから社会に出てデザイナーになり、2社を経てスタディストへと転職してきたわけですが、転職のきっかけはなんだったんですか?

いくつかの理由が重なった結果ではありますが、一つは入社して7年半の間に約20人だった社員が約200人まで増えて、大きな成長フェーズを乗り越えたことで一定の役割を終えたような気がしたこと。一つの山を、登り切ったような感覚です。

同時に、学生時代から自分がめざしていた理想的な「デザイナーの働き方」を考えたときに、前職の会社がデザイナー職への解像度が少し低かった気がしたことも大きいです。

当時、いわゆるプロダクトマネージャーやディレクターの役割の社員がとても少なかったのと、私自身デザイナーとして課題解決のために根本から関わっていきたかったので、プロジェクトを立ち上げてロードマップを引き、要件整理、ユーザーリサーチ、進行管理……ということまでやっていました。

前職の会社が考える“デザイナー像”よりもかなり広い範囲の仕事をやっていたと思います。それでも自分としてはデザイナーとしてやるべきことはやれていたので、ディレクターの役割も担うこと自体は不満もなく、それなりにやりがいを感じていたんです。

ただ、振り返るとディレクターとしての役割、UXデザイナーとしての役割を明確に評価されたことがなかったんですよね。色んなことをやらせてもらったし、評価の場でも伝えていたはずなんですけど。評価基準がデザイナーの職能を加味したものにはなっていなかったのだと思います。

——そこが「デザイナーに対する理解が足りない」と感じた部分だったんですね。スタディストでの働き方は、転職前からイメージできていましたか?

そうですね。やっぱり自分としてはUXデザイナーの役割を理解してくれている会社で働きたかったので、第一面接の段階から「どういう体制で開発してますか?」「どういうフローで動いてますか?」みたいな質問を、かなりぶつけました。

面接をしてくれたのが今の上司である磯野なんですが、そういう質問に対して組織図を見せながら明確に回答が返ってきたので心配事はクリアになった状態で入社できたと思います。もう一つ、私が持っている「人間中心設計スペシャリスト」という資格に対して価値を感じてくれたことも印象的でしたね。

面接やオファーを通じて、「デザイナーの役割」に対して自分の考えとスタディストの経営陣の考えがとても近いと感じたので、「この会社ならば理想的な働き方ができるかもしれない」と思って、最終的に転職することを決めました。

上司の磯野さんと阿部さん

プロダクトデザイナーとしての役割に
より専念できるように

——実際に入社して、働き方はどんな風に変わりましたか?

前職では、プロマネやディレクターの仕事とデザイナーの仕事の境界が曖昧なままで、その全部の役割をすることで、私なりに「事業の上流から入って課題を解決する」というデザイナーとしての役割を果たしてきたと思うんです。

でも、スタディストに入社してからは、会社側がデザイナーに対する理解もあるし、組織体制がしっかりしているので部署ごとの役割が明確になりました。各々の専門性がすごく発揮されているんですよね。開発のロードマップやプロダクトの方針に関してはプロマネのチームが引いてくれるので、本来のデザイナーとしての役割により専念できていると思います。

それに評価の部分でも今は、私が思うデザイナーとしての動き方でしっかりと評価してもらえるので、そこは気持ちとして本当に大きな違いです。

——今の仕事の中では、どんなところに面白さややりがいを感じていますか?

今現在は、「GENSEKIプログラム」というスタディスト独自の開発スキームから生まれた新規事業に参加しています。研修期間が終わってすぐに、MVP検証やベータ版開発などのフェーズから関わらせてもらって、一からプロダクトを開発したことがなかったので、そこはすごく面白く感じている部分ですね。

とくにMVP検証は、顧客が必要とする機能は最低限これだ、というところを明確に定義して、そこにどんな価値があるのかを証明しなければいけないんですが、そのリサーチやプロトタイプ検証など、なかなかやる機会がなかったことなので、すごくやりがいがありました。

日々、今までやってきたことと違うことに出会うし、毎日取捨選択の連続という感覚で今まさに進行中なので、ここからまた自分も成長するだろうなとは思っています。

——お客さまに会いに行く機会も多いとお聞きしました。

そうですね。パイロット企業さんが何社かいらっしゃるので、途中まで作ったもので一度フィードバックをもらいに行ったり、UIだけ作ったプロトタイプを触ってもらったり。2ヶ月くらいはそこに時間をかけてベータ版開発の基礎を固めていきました。

それ以外にも、必要であればお客さまに向けてヒアリングやアンケートも実施しますし、本当に必要とされているものは何かを現場で見ながらプロダクトを創り上げていける感覚はあります。

コア事業であるTeachme Bizの顧客基盤をベースに、新規事業へ注力

——改めて、スタディストではデザイナーにどんな役割が求められていると感じているか、お聞きしてもいいですか?

ちょうど、私が所属するプロダクトデザイングループのグループアイデンティティに、デザイナーが提供する価値として以下のような定義があります。

それが、「顧客と向き合い、真の課題を照らし出す。その課題を解決するために、プロダクトをよりよいものにしていく」というもの。

これを、デザインの力を使って実現していくことが私たちに求められているんですが、やろうとするとどうしても事業の根幹を理解しないと、課題も解決策も見えてきませんし、最適なユーザー体験の設計をすることもできません。下りてきた仕事をこなすだけでは本当の課題は解決できませんし、小手先だけの「見え方、見せ方」の世界になってしまうので……。

私としては、誰かの課題を解決しないデザインならば、会社でデザイナーとして働く必要もないかなと思っています。

主体的に提案して
形にできる環境がある

——実際にスタディストに入社してみて、何か驚いたこととかありますか?

そうですね…。業務時間のうち10%の時間を、業務外のことでも自由に時間を使える「ゴキゲンチャレンジ」という取り組みがあるんですけど、これって会社がメンバーのことを信頼していないとできないことだと思うんですよね。

もちろん、目の前の案件はみんな抱えているんですけど、でも「それだけやっていたら生まれないものがある」っていうことを理解して、その仕組みを作った方々はすごいなと思っています。普通、売上や利益に直結することに「時間を使ってくれ」っていう会社が多いじゃないですか。

——確かに社内留学制度もありますし、学びやクリエイティブな環境を実感しているメンバーは多そうですね……。

自チームを超えた連携も多いので、そういうオープンな環境もその要素になっていますよね。
例えば開発部でいうと、隔週に1回、全社に向けてレビュー&オフィスアワーという時間を設けて、全社に向けたレビュー会をやっています。

リリース結果の共有などもそこで見れますし、重要な機能開発があればその進捗も共有されるので、会社の状況は把握しやすいですよね。何か相談事があればその場で営業さんやサポートチーム、開発の方に向けて議題に上げたりもできる。そういう会が定期的に開かれているのはすごくいいなと思いました。

あとは、いろんな部署で勉強会が開催されているのもよく見かけるんですが、そこで出てきた「こんなのあったらいいよね」というアイデアを、それこそ「ゴキゲンチャレンジ」の時間を使って開発のメンバーが「試しに作ってみました」とか、そういう動きが本当にすごい。

——ちょっとした会話だったのに、「作ってみたよ!」というアクションがすごく早くて驚くときがあると聞きました(笑)。

そうそう。入社した時にいろんな人に言われたのが、「『これやっていいですか?』って聞いてダメって言われることないよ」って。それもわりと衝撃的でしたね。

会社にとっていいと思うことであれば、よっぽど支離滅裂なことでない限りはやらせてくれるし、多少、職能とか部署から外れていても否定されることはなく、それは本当にすごい文化だと思います。

——そういった社内の雰囲気も踏まえて、スタディストに合うデザイナーってどんな方だと思いますか?

主体的に「こんなことがやってみたい!」と考えているのに、現状言えない環境にいる方には、すごくぴったりなんじゃないかと思います。私もそうだったように、やっぱり案件をたくさん抱えてそれをこなす日々になってしまうデザイナーさんもきっと多いと思うんですよ。

自分から提案して形にしていくことができる環境と、いろんな専門をもった方と連携してものづくりができる環境がスタディストにはあるので、そういう作り手として苦しい状況を変えていきたいという方に、ぜひ興味をもってもらいたいですね。

——阿部さん自身は、今後取り組みたい仕事とかありますか?

今AIの技術がどんどん発展していて、そこから、「もしかしてAIの技術を使ったらデザイナーのできることって、もっと広がるかもしれない」という気持ちになってきています。

もう一つは、せっかく今、新規事業に携われているので、ここでその知見や気づきをためていって、いずれ「GENSEKIプログラム」を通じて新しいプロダクトを提案してみたいです。

プロダクトデザイナーの職能でいえば、課題解決の手段を色々持っているはずなので、新しいアプリとか便利ツールとか、自分からいいものが生み出せるといいなって。スタディストには新しいアイデアを提案できる現場が色々あると思うので、一度はチャレンジしてみたいですね。

(取材・執筆/郡司 しう)

株式会社スタディスト's job postings
13 Likes
13 Likes

Weekly ranking

Show other rankings
Invitation from 株式会社スタディスト
If this story triggered your interest, have a chat with the team?