採用は恋愛と一緒。自由に生きる人を増やすために、「自立してお互いをインスパイアできるプロフェッショナル集団」を目指して【代表インタビュー】
代表取締役 CEO 藤本 崇
こんにちは!ブランディング&マーケティング担当の小坂です。
弊社ではまだ人事の専任部署を設けていないので、代表・役員をはじめ、多くのメンバーが採用に関わっています。また採用プロセスもユニークで、候補者の方にびっくりされることも。まず初回から代表か役員メンバーと会っていただき、その後ほかの役員や社員など合計4〜5人のメンバーと1対1で面談するというのが、基本フロー*となっています。(*職種やエントリー方法などによって異なる場合があります)
今回は代表取締役CEO・藤本崇に、あえて面接とは呼ばずに「カジュアル面談」と呼ぶプロセスへのこだわりや、採用全般に対する考え方について、幅広く聞いてみました。
誇張もしないし、あえて口説きもしない。面談では“ありのままの姿”を洗いざらい話す
―うちの会社は採用手法が全体的にユニークだと思っています。特に初回に役員メンバーが行う「カジュアル面談」に関しては、「えっ、いきなり役員!?」と驚く人も多いですよね。3年も続けているということは、採用の成果の観点からも良いプロセスだという実感があるからでしょうか。
そうですね。限られた時間の中で、一緒に働く可能性のある「パートナー候補」としてお互いのことを知り合うための手法としては、これが一番良い方法なのではと感じています。特に「知り合う」という部分が重要ですね。初めて会った際に、相手の経歴やスキルのことを根掘り葉掘り聞くのも失礼ですし、こちらの想いを一方的にぶつけるような話し方もコミュニケーションとして不自然じゃないですか。とは言え、双方遠慮ばかりしていてもお互いにとってもったいない時間になってしまいますよね。
なので、どちらかが一方的に話すのではなく、あくまでフラットにお互いを理解するために語り合う。そんな場を創出したいと思い、あえて「面接」とも「会社説明」とも言わずに「カジュアル面談」と言っています。
大体1時間強で、お互いに『どんなことをやっているか/これからやりたいか』『どんな人と働きたいか』『自分はどんな人間(会社)なのか』についてじっくり話します。「代表との面接」ということを意識して、最初は少し構えている方もいます。私の方からは、冒頭に必ず「有意義な時間にするために、あなたが聞きたいことも遠慮なく聞いてくださいね」と伝え、質疑応答ではなくディスカッション形式で会話を始めるようにしています。また「カジュアル面談」という言葉に馴染みのない方も多いので、我々が考える「カジュアル面談」を定義した記事を面談前に送っています。このように極力対等な立場を担保した形で口火を切ると、カジュアルな雰囲気の中でもかなり突っ込んだ話をすることができます。
面談では、話が弾んで2時間以上話していたなんてこともザラですね。ご縁を感じる方とはこの「カジュアル面談」だけで“熱愛モード”に発展することもあります。初めて会ったはずなのに、終わるころには旧知の仲のような間柄になっていたりすることも。こういうことがあると、「たまたまウマがあった」で終わらせるのではなく、なぜその方との会話がスムーズに運び、どんなテーマの時に盛り上がったのかなどを振り返るようにしています。事業や仕事全般に関する「共感ポイント」がどのようなやりとりで掘り当てられたのかを意識して、それ以降の初回面談に生かすようにしています。“カジュアル”と言いつつ、内心ではかなり真剣に臨んでいるんですよ(笑)。
―「カジュアル面談」では、会社の課題や自身の欠点などを包み隠さず、ありのままを話す藤本さんの姿が「印象深かった」「人間味を感じた」と振り返る社員が多いです。
会社の組織が「ファミリー」なら、採用活動は「結婚を前提にした恋愛」と捉えています。デートで自分の良いところを見せたり、ロマンチックな演出で相手のハートを射止めたとしても、結婚後に“理想”というメッキが剥がれた現実と直面した時のガッカリ感って半端ないですよね。
それで結局、数ヶ月で“離婚”してしまったらお互いにとってハッピーではないので、「うちの会社はイケてるから、ジョインするなら今だよ」とは言いません。逆に「かっこよく見えているのは表からだけで、中はめちゃくちゃ大変ですよ」と最初から正直に伝えます。自分のことについても「僕も経営者としてはまだまだ未熟なので、力を貸してください」と言います。ありのままの現実を伝えて、それでも相思相愛になれたら“結婚”、つまり入社してほしいと思っています。実際に入社したメンバーと後日面談時のことを振り返ると、「あの面談で会社の現状や課題をちゃんと聞けたから、入社後のギャップも少なかった」という声を聞くこともあります。
―確かに、そういったミスマッチを予め防ぐという効果はありますね。一方で現状や課題を詳細に聞くことで、戸惑ったり、不安感を抱く応募者もいるかもしれません。
その通りです。むしろそれで良いと思っています。初回の面談でいきなり社長から会社の実情を聞いた方の反応は、引いてしまうか、すごく共感するか。きれいに別れるんですよね。
こちらが泥臭い苦労話をするじゃないですか。すると、お返しに個人のキャリアの中で起きた大変なことや失敗談を共有してくれる方もいます。こちらの悩みを聞いて、「自分だったらどうするかな」と、一緒にアイデアを出したり妄想に耽る方もいます(笑)。
こういった血の通った“手触り感”のある会話から、自然と、我々と一緒に奮闘する自分の姿をイメージできるのだと思います。
中には戸惑いや不安といった感情が出る方もいます。個人的にはそれは極めて健全なことだと思っています。スタートアップは不確実性が高い環境です。その不確実性を、「冒険」と捉えて楽しもうと思えるか、「リスク」と捉えて踏みとどまるかは表裏一体なのかもしれません。一つ言えるのは、楽しもうと思える方がカルチャーフィットする可能性が高いので、結果的に良いご縁につながることが多いですね。
メンバー1人ひとりの価値観に触れてもらうことが、会社の価値観を知ってもらう一番の近道
―私自身は「カジュアル面談」の後に設定された、総勢5~6人の役員や社員との個別面談にかなり驚かされました。
個別面談が続くと時間は取られますよね。でも小坂さんもあれだけ色んな人と話した上で入って良かったでしょ(笑)。これだけ時間とリソースをかける=「人にこだわる」というのは、弊社の採用に対する一番根底にあるスタンスです。スキルはもちろん大事ですが、会社の価値観(バリューズ)に心から共感できるか、という点は、パートナーとして末長く幸せな関係を築く上ではお互いにしっかりと見極める必要があります。
ただ、ここで難しいのは、バリューズには受け手によってさまざまな解釈の余地があると思っていて。例えば、面談時にバリューズを私の口から伝えて、相手が「共感します」って言ったら本当に同じ価値観として認識されているか? というと、多分そうではないんですよね。バリューズの捉え方や体現の仕方は、今いるメンバーの間でも一様ではないんです。
例えば“Enjoy the Waves(未踏への挑戦を楽しむ)”というバリューがあります。これについて、「新たなWaveをゼロから興したい!」という解釈で共感しているメンバーもいれば、「Waveに何度打たれても立ち向かうスタンスが好きだ!」というタイプもいます。
仕事や人に対する考え方のベクトルが揃っているかを確認するには、できるだけ多くのメンバーと会ってもらい、お互いが感じる「通じ合える」「気が合いそう」といったフィーリングを確かめ合うしかないのかなと。時間がかかっても、そういった丁寧な確認プロセスが、最終的には入社後の業務での連携や仲間愛につながると考えています。
ちなみに実務ポジションでもここまで多くのメンバーと面談させるポリシーは事業会社としては珍しいのかもしれません。私が起業する前に働いていた投資ファンドもそうだったのですが、少人数で高い収益を目指すプロフェッショナルファーム系の組織ではよく使われているプロセスです。私が前職の会社に入社した際は、ジュニアなポジションだったのにも関わらず、10人以上との面談が設けられました。ホンネを言うと疲れましたけど笑、ただ会う人会う人会話が本当に楽しかったのを覚えています。未経験の異業種への転職という不安もある中で、最終的に自分の入社の決め手となったのが「この人と一緒に働きたいと心から思える人が10人以上もいる会社は、選んで間違いないな」という直感でした。実際そこで働いた5年間は、自分に中で本当に素晴らしい経験となりました。
そういった私の原体験が、自分が創業したストリートアカデミーの組織に対しても「一緒に働く人にこだわるチームでありたい」「小さなチームで大きなことを成し遂げられる集団でありたい」という思想になって現れていると思います。
より安心で安全なサービスを目指して。企業として、サービスとしての細部をきちんと設計し、創り上げていく
―ストリートアカデミーは上場を目指していますが、それを踏まえて今後の採用方針をお聞かせください。
ビジネスモデルの骨子は完成しましたが、社会的に「教育のインフラ」として受け入れられるためには、企業としてもサービスとしても、さらなるレベルアップが求められるフェーズに来ています。特にサービスの安全性と信頼性は最重要テーマと捉えています。例えば講座の審査や情報セキュリティ、危機管理対策などについては、専門分野のエキスパートの知見が必要です。直近ではCS(カスタマーサクセス)チームを増員したり、今期からコーポレート本部を新設していますが、管理面での強化も急務です。
また弊社ではサービス運営に欠かせない職種が10種類以上もあり、この1年でやっとポジションごとに1〜2名の“スタメン”が揃ったばかりです。今後は各ポジションや役割における人材の層を厚くして、各々を組織立った機能として確立させていくため、あらゆるポジションで採用を強化しています。
このフェーズのベンチャー企業なので即戦力としてスキルセットは求めますが、「カジュアル面談」に象徴されるようにカルチャーフィットを非常に大切にしているため、我々のバリューズ(Enjoy the Waves / No Border / Be Professional)に共感していただけるかも、とても大事です。月並みな言い方になりますが、カルチャー x スキルの両軸でのフィットを目指しています。
色々と語ってきましたが、幅広くいろいろなバックグラウンドの方とお会いしたいと考えています。「社会にインパクトを与えるサービスづくりをしたい」「第二創業期の会社や組織を一緒に創りたい」という意気込みのある人、ぜひ、「カジュアル面談」にいらしてください。一期一会の出会いを楽しみにしています。
―藤本さん、ありがとうございました!
「まなびの選択肢を増やし、自由に生きる人を増やす」ミッションを共に目指す仲間を募集中!
当社では「まなびの選択肢を増やし、自由に生きる人を増やす」ミッション、「Enjoy the Waves(未踏への挑戦に楽しむ)」「Be Professional(最良を考え抜く)」「No Border(枠にこだわらない)」のバリューを掲げ、事業拡大に邁進しています。
少しでも興味を持ってくださった方、まずはお気軽にご連絡ください。