人材業界って、人を紹介する仕事?
「人材業界に興味ある?」
そう聞かれて、
「転職エージェントみたいな仕事ですよね?」
と思った人もいるかもしれません。
もちろん、それも人材業界の一つ。でも、人材業界には求人情報を届ける会社もあれば、企業と求職者をつなぐ会社もあり、派遣スタッフの就業を支える会社もあります。
同じ「人材業界」でも、実は仕組みも仕事内容もかなり違います。
今回は、人材業界を見るなら最初に知っておきたい「求人広告・人材紹介・人材派遣」の違いを3分で整理します。
まず30秒で!人材業界とは?
ざっくり言えば、人材業界は、
「働きたい人」と「人を必要としている企業」の間にある課題を支援する業界です。
企業側には、「応募が集まらない」「必要な人材を採用できない」といった課題があります。
一方、働く側には、「どんな会社が合うのか分からない」「仕事を探したい」といった悩みがあります。
その間に入り、さまざまな方法で採用や就職・転職などを支えているのが人材業界です。
ただし、ここで大事なのが、
「どうやって解決している会社なのか?」
を見ること。
人材会社だからといって、全部同じ仕事をしているわけではありません。
なお、人材業界にはこの3つ以外にも、HR Tech、採用代行(RPO)、研修・教育など、さまざまなサービスがあります。
求人広告って何?
求人広告は、企業と求職者が出会うための**「入口をつくる」**仕事と考えると分かりやすいです。
求人サイトなどを通じて、企業の求人情報を仕事を探している人へ届けます。
ただし、仕事内容は「求人を載せて終わり」とは限りません。
会社やサービスによっては、企業の採用課題をヒアリングして、「どんな人を採用したいのか」「どう伝えれば応募につながるのか」を考えたり、求人内容を設計したり、掲載後の効果を見ながら改善したりすることもあります。
ちなみに法律上は、求人情報を提供するだけなのか、企業と求職者の間に入って雇用成立をあっせんするのかによって扱いが異なります。厚生労働省も「募集情報等提供」と「職業紹介」を区別しています。厚生労働省
人材紹介って何?
人材紹介は、
「仕事を探している人」と「採用したい企業」の間に入り、雇用成立を支援する仕事」
です。
厚生労働省では「職業紹介」を、求人と求職の申し込みを受けて、求人者と求職者の間の雇用関係の成立をあっせんすること、と定義しています。厚生労働省
人材紹介会社では、求職者側を担当する**CA(キャリアアドバイザー)と、企業側を担当するRA(リクルーティングアドバイザー)**などに役割を分けている会社があります。
一方で、一人の担当者が企業と求職者の両方を担当する「両面型」の会社もあります。
つまり、「人材紹介会社に入る=全員がキャリアアドバイザー」ではありません。
どちらを担当するのか、両方担当するのかは、会社や配属によって確認する必要があります。
人材派遣って何?
ここは、人材紹介と混同されやすいポイントです。
大きな違いの一つは、**「誰と雇用関係があるのか」**です。
人材紹介の場合、紹介によって採用が決まれば、基本的には、
求職者 ⇄ 採用企業
の間で雇用関係が成立します。
一方、人材派遣では、
派遣スタッフ ⇄ 派遣会社(派遣元)=雇用関係
派遣会社 ⇄ 派遣先企業=労働者派遣契約
となり、派遣スタッフは派遣先企業から仕事上の指揮命令を受けます。
厚生労働省も、派遣元が自ら雇用する労働者を、派遣先の指揮命令を受けて働かせるものと説明しています。厚生労働省
つまり、
紹介=採用につなげる
派遣=派遣会社が雇用した人が派遣先で働く
という違いがあります。
求人広告・紹介・派遣、何が一番違う?
3つをもう一度シンプルにすると、
求人広告
→ 出会う「きっかけ」をつくる
人材紹介
→ 企業と人を「つなぐ」
人材派遣
→ 雇用した人材を企業へ「派遣する」
です。
同じ「企業の人材不足を支援する仕事」に見えても、誰に何を提供するのか、どう売上が生まれるのか、求職者とどこまで関わるのかが違います。
だから会社を見るときは、「人材会社だから」で一括りにしないことが大切です。
同じ「人材営業」でも、仕事内容は全然違う
「人材業界って営業が多そう」
というイメージを持っている人もいるかもしれません。
でも、「人材営業」も中身はさまざまです。
求人広告の営業なら、企業の採用課題を聞いて、求人媒体や採用サービスを提案する仕事があります。
人材紹介の法人担当なら、「どんな人を採用したいのか」を企業から聞き、採用要件を整理します。
CAなら求職者と面談し、経験や希望、価値観を整理しながら求人提案や選考を支援します。
派遣営業では、派遣先企業への提案に加えて、派遣スタッフの就業フォローなどを担当する会社もあります。
「人材業界が向いているか?」だけでなく、「人材業界のどの仕事が自分に合いそうか?」まで見ることが大切です。
人材業界で身につきやすい力
仕事内容によりますが、人材業界ではヒアリング力・提案力・課題発見力・関係構築力・数字への意識などを使う機会があります。
例えば、相手が「いい会社に入りたい」と言っていても、「その人にとって“いい会社”とは何か」まで聞かなければ、本当の希望は分かりません。
企業側も同じです。「人が欲しい」という言葉の奥に、なぜ採用が必要なのか、どんな人なら活躍できそうなのかという課題があります。
そのため、相手の話を聞いて、課題を整理し、提案する力を使う仕事が多いのが特徴の一つです。
人材業界の大変なところ
人材業界は「人の役に立てる仕事」という面だけでなく、ビジネスとして成果を求められる仕事でもあります。
企業と求職者の希望が必ず一致するわけではありませんし、求職者の意思が途中で変わることもあります。
職種によっては売上目標やKPIなどの指標を持ち、採用や入社といった成果に向き合うこともあります。
さらに、人の就職・転職という大きな意思決定に関わるからこその責任もあります。
ただし、目標の設定方法や担当人数、営業スタイル、評価制度、働き方などは会社や職種によって異なります。
「人材業界はこう」と決めつけず、企業ごとに確認しましょう。
こんな人は、人材業界を見てみてもいいかも
例えば、
人や企業の意思決定に関わる仕事に興味がある。
相手の話を聞いて、課題を整理することが好き。
人だけでなく、企業やビジネスにも興味がある。
成果が数字で見える仕事にも興味がある。
そんな人は、人材業界の中に気になる仕事があるかもしれません。
ただ、「人が好きだから人材」という決め方だけでは少しもったいないです。
誰と関わり、何を解決し、どうやって成果を出す仕事なのか。
ここまで見てみましょう。
こんなイメージだけで入ると、ギャップがあるかも
「人と話すのが好きだから」
「人の役に立ちたいから」
「自分も就活エージェントに助けてもらったから」
どれも、人材業界に興味を持つきっかけとしては全く問題ありません。
ただし、そこで企業研究を止めないこと。
人材業界もビジネスなので、顧客がいて、売上があり、目標や成果と向き合う仕事があります。
「人の役に立ちたい」の一歩先にある、実際の仕事内容まで確認してみましょう。
就活生が勘違いしやすい人材業界
「人材業界=キャリアアドバイザー」
→ 求職者支援だけでなく、法人営業、求人広告、派遣、採用支援などさまざまな仕事があります。
「人材紹介と人材派遣は同じ」
→ 違います。特に大きいのが雇用関係です。派遣では派遣元と派遣スタッフに雇用関係があります。厚生労働省
「人材会社のお客様は求職者だけ」
→ 企業側の採用課題を支援する仕事も重要です。
「人が好きなら向いている」
→ それだけでは判断できません。営業、目標管理、企業理解、課題解決など、職種によって求められることは変わります。
「人材紹介会社は、求職者から紹介料をもらっている」
→ 少なくとも「人材紹介は求職者から必ず紹介料を取る」と理解するのは誤りです。手数料には法令上のルールがあるため、サービスごとの仕組みを確認する必要があります。厚生労働省
人材会社を見るなら、ここを比較しよう
企業研究では、最低限この7つを見てみましょう。
① 何の人材事業をやっている?
求人広告?紹介?派遣?それとも複数?
② 誰がお客様?
個人?企業?両方?
③ どの領域に強い?
新卒、中途、IT、医療など、対象は会社によって違います。
④ 自分は何を担当する?
求職者側?企業側?両方?
⑤ 分業型?両面型?
特に人材紹介を見るときは確認したいポイントです。
⑥ どうやって売上が生まれる?
会社のビジネスモデルを理解すると、仕事内容も見えやすくなります。
⑦ どう評価される?
KPI、売上、採用決定、プロセスなど、何を重視する会社なのか確認しましょう。
説明会で聞いてみよう!
人材会社の説明会に行ったら、会社ごとの違いが見えやすい質問をしてみましょう。
「新卒1年目は、求職者側と企業側のどちらを担当することが多いですか?」
「営業職では、どのような指標で成果を評価していますか?」
「企業側と求職者側は分業ですか?一人の担当者が両方を担当しますか?」
「1年目は、どのような業界やお客様を担当することが多いですか?」
「若手で成果を出している方には、どんな行動の共通点がありますか?」
会社説明を聞くだけでなく、自分が入社したら実際に何をするのかまで確認するのがおすすめです。
30秒でおさらい
✓ 人材業界は「人を紹介する」だけじゃない
✓ 求人広告・人材紹介・人材派遣では仕組みが違う
✓ 人材紹介と人材派遣では、雇用関係も違う
✓ 同じ人材会社でも、仕事内容・顧客・評価方法は違う
✓ 「人材に興味がある」の次は、「どの人材ビジネスに興味がある?」まで考えてみよう
X-careerのCPから一言
「人材業界、ちょっと面白そうかも」と思ったら、次は**“誰を、どう支援する仕事に興味があるのか”**まで一緒に整理してみましょう。
求人広告・人材紹介・人材派遣では、同じ人材業界でも仕事はかなり違います。
気になる会社を見つけたら、
「この会社って、何で売上をつくってる?」
「入社したら、企業側と求職者側のどっちを担当する?」
くらいの感覚でCPに聞いてください。
「人材業界に興味がある」で終わらず、自分は人材業界の“何”に興味があるのか。
そこまで分かると、会社選びはかなりしやすくなります。