「お休みの日ですか? 最近は服が好きなので古着屋さんを巡ったり、YouTubeでビジネス系や都市伝説の動画を観てますね。面接で新卒の子たちと会話のきっかけを作るために、若者に話題のドラマなんかもチェックしてます(笑)」
気さくな笑顔でそう語るのは、ビジネスオペレーション本部の本部長を務める中野 嶺太(なかの りょうた)さん。「本部長」という重々しい肩書とは裏腹に威圧感は一切なく、社内では「一番笑っている本部長」と評されるほどです。
しかし、彼が率いるのは採用、広報、インサイドセールス、WEBクリエイティブ、マーケティングまで、STAYGOLDの成長エンジンを担う重要組織。28歳で最年少本部長に抜擢され、現在30歳を迎えています。
なぜ、アルバイト入社だった彼が、若くして本部長へと登り詰めることができたのでしょうか?
「早期にキャリアアップしたいのに、成果が出ずに焦っている
「自分の強みが分からず、将来に漠然とした不安を抱えている」
そんな壁にぶつかっている20代・30代のビジネスパーソンへ向けて。綺麗事一切なし、劣等感を原動力に変えて突き進んできた中野さんの愚直な思考プロセスと、AI時代を勝ち抜く「キャリアのメソッド」をお届けします。
プロフィール|中野 嶺太(なかの りょうた)
ビジネスオペレーション本部 本部長
愛知県出身。高校卒業後、銀行や工場勤務、フリーターを経て、2019年4月にデータ集計のアルバイトとしてSTAYGOLDに入社。その後、正社員へ登用され、マーケティング、インサイドセールスの立ち上げ、部長職を経て、最年少で本部長に就任。現在は、採用・広報・マーケティング・WEBクリエイティブ等の領域を統括する。休日は古着屋巡りやドライブを楽しんだり、YouTube(ビジネス系・都市伝説系)やドラマ観賞をしている。
時給1,200円のアルバイトと、「見返したい」という強烈な劣等感
── 中野さんのキャリアのスタートはアルバイトだったんですよね。きっかけは何だったんですか?
中野: 高校を卒業して入った銀行を3ヶ月で辞めて、工場で働いたりフリーターをしたり……正社員としてもう一度働く自信もなかったんです。STAYGOLDに応募した理由も、正直「時給」でした。
当時やっていたカフェのバイトが時給1,000円で、STAYGOLDのデータ集計バイトは1,200円だったので「200円高ければ1日8時間で1,600円、月20日で3万円増えるじゃん!」って(笑)。面接の時も「半年でやめて起業します!」なんて生意気なことを言ってました。
── そこから正社員になり、スピード昇進されていくわけですが、当時はどんな感情で働いていたんですか?
中野: 当時の自分を突き動かしていたのは、強い「劣等感」でした。特別な学歴もないし、新卒で入った会社もすぐ辞めてしまって……「自分は何もできないんじゃないか」という恐怖が常にあったんです。当時の焦りや挫折感はすごかったですね。「見返してやりたい」という強烈な反骨心がありました。その劣等感から逃れるように、自分は「なぜ?」を愚直に突き詰め始めたんです。
もともと幼少期から、何か現象が起きた時に「なんでだろう?」と気になると、根本の仕組みを突き詰めずにはいられない癖があって。その「なぜ?」を深掘りする癖が、ビジネスの現場にそのままハマったんです。
「なんで今この事業が伸びてるんだろ?」
「なんで広告で集客できてるのに利益が伸びないんだろ?」
と、表面上の数字を受け止めるだけじゃなく、構造そのものを分解して深掘りするようになりました。
Excelの関数も猛勉強して、データ集計からマーケティング施策まで必死でやり込みました。自分が動いた分だけ数字が目に見えて伸びていき、過去の何もできなかった自分と比べて、圧倒的に成長できている実感が何よりの原動力でしたね。
「結果を出せばいい」と過信していた暗黒時代。マネジメントの壁と挫折
── 順調に正社員になり、成果を出してチームを持つ立場になったと思うのですが、そこで大きな壁にぶつかったとか。
中野: 本当に黒歴史というか、自分の「暗黒時代」がありました。自分が成果を出すことに必死すぎて、「指示した通りにやって結果を出せばいい」みたいなスタンスでメンバーに接していたんです。「自分が成果を上げればいいんだろう」って高を括っていました。
結果は惨敗でした。チームはギクシャクして、メンバーもついてこない。成果が出るどころか、組織として全く回らなくなってしまいました。
── 自分がプレイヤーとして成果を出すことと、組織を動かすことのギャップですね。
中野: 「自分がボトルネックになって、会社の成長を止めているんだ」と痛感しました。一人のプレイヤーとしてどれだけ成果を上げたところで、チームを動かせなければ限界がある。「もう自分にはこれ以上のポジションは無理なんじゃないか」と、夜も寝ずにベッドやお風呂の中で2〜3時間もずっと考え込みました。
自分のやり方を根本から変えなければ、これ以上先には進めない。傲慢だった自分を捨てて、本気で仲間と向き合おうと決意した瞬間でした。
28歳で本部長へ。キャリアを引き寄せる「周りの温度を上げる力」
── そこからどのようにマネジメントスタイルを変えていったのですか?
中野: 「一方的に指示して管理する」のをやめました。メンバーがどうすれば成長できるか、どうすれば楽しんで成果を出せるかに徹底的にフォーカスしたんです。
関わり方を変えたら、メンバーが目覚ましい成長を遂げて、嬉しそうに成果を報告してくれるようになりました。自分で成果を出すよりも、関わった人が成果を上げて楽しそうにしている姿を見た時の方に、何倍もやりがいを感じたんです。「あ、仕事の面白さってこれだ」と開眼しました。
それからはインサイドセールスの再建や採用領域まで自分から買って出て、28歳で本部長に就任しました。
── バイトから数年で最年少本部長へ駆け上がった中野さんが考える、若手が「最速でキャリアアップするための思考法」を教えてください!
中野: 前提として、「キャリアアップを目的にしないこと」が一番大事ですね。「本部長になりたい」が目的になると、ポジションや役職にあぐらをかいて、成果や周囲に向き合えなくなっちゃうので。「キャリアアップして何がしたいか」が重要なんです。
その上で、思考法としては大きく3つあります。
1. 若いうちは好き嫌いせず何でも打席に立つこと
20代前半って人生の「ゴールデンタイム」なんですよ。正直、会社から完璧な成果を求められるというより「本人が成長するための機会」にお金を払ってもらえている期間なんです。30代以降になると、会社は「得意で結果が出ること」しか求めなくなる。だからこそ若い時期に、自分の限界や枠を勝手に決めず、苦手なことでも何でも乗っかってみる。これが後からめちゃくちゃ効いてきます。
2. 強みを探すより、弱みの角度を変えて武器にすること
面接でも「強みは何ですか?」って聞くと、みんなコミュニケーション力とか思考力とか同じことを答えるじゃないですか(笑)。増えてきたテンプレートみたいな答えよりも、本当に面白いのは「弱み」なんです。たとえば「楽観的すぎる」という弱みも、角度を変えれば「リスクを恐れずに挑戦できる強み」になる。自分の弱みを理解して、それをどう成果に出力できるか。それができる人は圧倒的に強いです。
3. 周りの温度を上げる力
そして3つ目が、僕が最も大切にしている【周りの温度を上げる力】です。
── 周りの温度を上げる力ですか。具体的にはどういうことでしょうか?
中野: 自分の振る舞いや発言で、一緒にいるチームの雰囲気を前向きにできるかどうかです。
例えばこういった取材のインタビュアーから依頼があったとき、たとえ社内連絡でもスタンプ1個で済ませるのか、「ぜひ来てください!」とびっくりマークをつけて返すのか。それだけで相手の受け取り方も、場の空気もガラッと変わるじゃないですか。日々の挨拶やコミュニケーションひとつでも、相手が前を向けるような接し方を心がける。そうやってメンバーに関心を持ち、チーム全体の空気感を良くしていくことがすごく大切なんです。
合理的な数値分析やロジックは、今後AIがすべて人間以上にやってくれます。だからこそ、周りの温度を上げて「この人と一緒に働きたい」と思わせる「人間力」がある人に、チャンスは絶対に巡ってきます。
本部長としての使命感と、僕が「成長できる場」を作り続ける理由
── 今後のビジョンや野望を教えてください。
中野: もちろん本部長という立場は責任も大きく、周囲からの見られ方を意識しなければいけない場面も多くあります。でも、だからこそ自分の持つ権限を最大限活かして、「みんなが成長できる環境」を作り続けていきたいと思っています。
僕と関わったメンバーが、少しでも「中野と関わって人生良くなったな」と思ってくれたら、それが一番嬉しいですよね。
── 最後に、キャリアに悩んでいる20代・30代の読者へメッセージをお願いします!
中野: 20代前半で積み上げたプライドやこだわりなんて、社会では何の役にも立ちません。だからこそ、変にプライドを持たずに「素直でポジティブ」でいること。
上司や仲間から言われたことを「一旦やってみよう」と乗っかってみる。失敗を恐れずに打席に立ち続けてほしいですね。
アルバイトから最年少本部長へと登り詰めた中野さんの物語は、決して「特別な天才の成功体験」ではありません。人一倍の劣等感やマネジメントでの失敗を経験し、泥臭く「自分と周囲」に向き合い続けた結果です。
AIが論理や数値を瞬時に導き出せる時代だからこそ、最後に評価されるのは、
「この人と一緒に仕事がしたい」「この人がいるとチームが前向きになる」
と思わせる「人間力」ではないでしょうか。
成果が出ずに焦っているなら、まずは目の前の仕事への向き合い方、そして隣にいる仲間への一言から「温度」を上げてみませんか? その小さな変化の積み重ねが、気づいた時にはあなたのキャリアを誰も予想しなかった高みへと運んでくれるはずです。