スペースキーの小野です。2019年12月、東京国際フォーラムにてOutdoor Innovation Summit (アウトドア・イノベーション・サミット、以下OIS)を開催いたしました。OISとは、“時代の最先端でアウトドアをリードするアウトドア関係者・官公庁等異なる分野のリーダー・イノベーターが集い、アウトドア業界の新たな可能性が繋がり、未来が生まれることを目的として開催される日本最大級のアウトドア業界向けカンファレンス”。( https://www.ois2019.com/ より引用)
本年で3回目となるOIS。その熱気あふれる当日の様子をレポートします。
今年のテーマは『 Outdoor X -アウトドア クロス-』 開式として、弊社代表の佐藤が挨拶をさせていただきました。
「今回は“Outdoor X -アウトドア クロス”をメインテーマとしています。“X(クロス)”には、新たな視点と角度で新たな価値を創造するという意味を込めました。今年は台風によりアウトドアフィールドも甚大な被害に見舞われましたが、そのような気候変動の影響が直接的に降りかかる状況含め業界の課題にどのように取り組むべきか。
ひとつ示唆となったのは今年訪れたドイツ・ミュンヘンで開催された欧州最大のアウトドア見本市“ISPO”の視察でした。そこで感じたのは欧州のアウトドア業界の一体感であり、確立された業界団体の存在です。欧米の取組が日本に全てマッチするとは思いませんが、日本ならではの業界全体が集まる場所・メッセージを発信する機会がこれから必要とされるのではと考えております」。
『異業種からアウトドアという新市場を創造したマーケティング手法』 株式会社ワークマン 専務取締役 土屋 哲雄氏
プロ向けの作業着・用品専門店として確固たる地位を築いてきたワークマン。第2のブルーオーシャンとして目をつけたのがアウトドア・スポーツウエア市場でした。同社のマーケティング手法として土屋氏が一貫して主張したのは「見せ方を変えただけ」ということ。スポットライトやマネキンを用いた見せ方(UX)にすることで、新たな客層への獲得に成功しました。
同時に、企業文化のアップデートにも取り組んだ土屋氏。「データを活用した経営戦略に注力し、脅威となるECの台頭に打ち勝つべく、“10年保証”や“定価で負けない商品開発”を徹底して行いました」。マニュアル経営や標準化を推し進めながらもライバルの追撃を許さない、したたかな戦略について話していただきました。
作業服で培った豊富なノウハウを武器に、新業態でも「定価販売・継続販売」という従来の手法を貫徹。あくまで変えたのは“見せ方”。「低価格アイテムを売って客数を増やすというのがワークマンの創業当時からの目標です。たとえアウトドアブームが去っても高価格路線は絶対にやらない。それがワークマンの製品戦略です。そのうえで、アウトドアの裾野を広げる活動ができれば。業界を盛り上げる一翼を担えればと思います。」と抱負を語る土屋氏。アウトドア業界としても、業界内外から熱い注目を集めるワークマンの求心力に大きな期待をしています。
(講演後のコメント) 我々はアウトサイダーな立場ですが、アウトドア業界全体を盛り上げていきたいと思っています。
『グレートジャーニーを通じて生まれた、この星に生き続けるための物語』 探検家・医師・武蔵野美術大学名誉教授 関野 吉晴氏
関野氏が取り組んでいるのは、自然や宇宙とのつながりを身近な環境の中に再確認するプロジェクト。人類はアフリカで生まれ、今日まで世界の各地で拡散を広げてきました。人類はいつから、どのようなルートで来たのか。その軌跡をめぐる旅が「グレートジャーニー」です。
「私たちは自然がないと生きていけません。ですが、自然は人間がいなくても成立します。人間が自然の循環の輪の中にいないことが問題であり、この星で生き続けるために避けて通れない課題でもあります。」関野氏は様々な国における自然との関係を見て、こう提言しました。本講演ではその活動の一環である、インドネシアのスラウェシ島から石垣島までの航海について語っていただきました。
「自然から採取した素材で作った船で、日本まで移動したいと考えました。まずはカヌーを作るための工具作りからスタート。海で砂鉄を集め、それを製鉄し斧やノミを作りました。そこで実感したのは鉄の偉大さ。地球は鉄の惑星です。鉄による磁場があるから地球上でコンパスを使えるだけでなく、太陽風を跳ね返すことができ、私たちは地球に住み続けることができるのです。
スラウェシ島から石垣島までの航海は、予定では1年でしたが結果3年かかりました。自分でオールを使って漕ぐ、風や大気の影響を利用しながら進む。旅の最中は、五感を頼りに進みました。町で生活しているとその必要もないのですが、自然の中では頼らざるを得ない。
先住民などのアマゾンで暮らす人々は、自然の一部です。自分たちが出すゴミも森へ返す。一方で、プランテーション(大規模農園)は、そこで収穫したものを、土地の栄養も含めて根こそぎ持っていってしまう。そこが先住民との大きな違いです。我々は自然がないと生きていけないのに、自然の循環の輪の中にいない。地球というこの星で生き続けるためには、この問題に向き合わないといけません」。
かつて太古の時代から、人類は自然とうまく調和して生活を営んできました。今後も地球に住み続けるために、自然との関係を見直す時期に来たのかもしれないと強く考えさせられる講演でした。
(講演後のコメント) 言いたかったのは「自然との関係性」です。アウトドアをやる人は自然の中で活動する。どのような関係性をつくるかということ。太古の人たちは自然を壊さずに、上手く付き合ってきました。また、文明は農業から始まりましたが、それが今、崩れてきた。文明の恩恵を受けながら自然と上手く付き合っていく。どうやって付き合っていくかが、今後のポイントになっていくと思います。
『今地球で起きている気候変動をアウトドアの視点から考える』 気象予報士・防災士 正木 明氏/プロ・トレイルランナー 石川 弘樹氏/一般社団法人 Protect Our Winters Japan (POW) 代表理事 小松 吾郎氏/一般社団法人コンサベーション・アライアンス・ジャパン 監事 篠 健司氏
POW代表理事でありプロスノーボーダーでもある小松氏とプロトレイルランナーの石川氏は、プレーヤーとしてアウトドアフィールドで起きている変化を肌で感じていると言います。「ここ数年で降雪が減ってきたと実感しています。長野県と白馬村は2019年12月に気候非常事態を宣言しました。すぐには変わらないが、取り組んでいるという意思表示が大事。できることから進めていきたい。」と小松氏。「トレイルでは、多発する集中豪雨や台風により、山林斜面の崩落増加が起きています。そのため大会中止も各地で発生しています。ゴミの削減や再生エネルギーの使用、ランナーによる植樹活動など、大会を通じた取り組みをしていくことが大事かと思います。」と石川氏は話しました。
一方で、観測データから気候変動を読み解く気象予報士の正木氏は、今後も続く異常気象に警鐘を鳴らします。「1880年から、地球の気温は上昇し続けています。これまでにない環境の異常が起きている。この気候変動に、みんなが対応していかなくてはいけない事態が来ています」。また、正木氏はアウトドア業界についても以下のように提言しました。「温暖化が進むと、気候は極端になります。アウトドア業界は情報をうまく使って気候変動に適応していくことが重要。気象情報は生活情報から “ 命を守る情報 ” としての役割になりつつあります。それらの情報を使い、気象災害を防ぎながらアウトドアと接していくことが求められるでしょう」。
巷には様々な情報があふれています。情報を受け取る側もリテラシーを向上し、その問題に対して危機意識をもつことが求められているのだと実感しました。
(講演後のコメント) 正木氏:地球が昔と変わってきてしまった。これは明らかな事実です。今後、自然をいかに楽しむためには、自然の変化に合わせて楽しむ必要があります。早めに情報を受け止めていただいて使っていただくことが大切です。
石川氏:現場で起きていることを伝えて、受け止めて、アクションにつなげていただけたら嬉しいです。
小松氏:プレーヤーとして、最前線でアウトドアフィールドの変化を受け止めてきました。それを発信していくことが重要だと考えています。ここから皆さんがさらに広げていってもらえれば。みんなで頑張っていきましょう!
篠氏:アウトドア産業の健全性は、自然の健全性に直結する。自らの手で守っていくことに対して努力をすることが、ビジネスを持続する条件となっていくでしょう。活動の中で目にしてきたことを発信し、横のつながりをつくっていきたい。コンサベーション・アライアンス・ジャパンがその活動のコアとしての役割が担っていければと思っています。
『ニセコルールから見る、フィールド利用者の情熱と行政の権限の折り合いをつけた事例』 シーカヤックガイド/登山家/ニセコなだれ調査所所長 新谷暁生氏 一般社団法人コンサベーション・アライアンス・ジャパン 代表理事 三浦務氏
アウトドアを本質的に楽しむ人の情熱と、その対岸にある法律や規制。北海道ニセコ町はスキーリゾートとして不動の人気ですが、かつては国内で雪崩による死亡事故が最も多い山でした。そのような状況で、地権者や行政、事業者と調整を図りながら運用をスタートしたのが「ニセコルール」。その中心的な存在である新谷氏は、ニセコルールの運用について以下のように語ってくれました。
「ルールがあるからといって、事故は減らない。事故防止のために大事にしたのは“スキーヤーとのコミュニケーション”。ルールだからと権威的にやるのではなく、スキーヤーと同じ目線に立って、時には柔軟な対応もした。そのような対応が結果的に円滑な運用につながったのではないか」。
また、ユーザー側の意識の問題についても言及されました。「各地で雪崩講習会を実施しているが、雪崩被害者の約8割が講習会受講者だと言われています。問題は知識を受け取る側がどう考えているか。講習会では知識は得られますが、経験は積めません。知識はあくまで知識。経験を積まないとわからないことも多くあります。情報の受け取り側も知恵をもって、経験と照らし合わせながら雪山を楽しんでもらいたいと思います」。
(講演後のコメント) 新谷氏:現場の人間として、いつも考えているのは「事故を起こさせないためにどうするか」ということ。吹雪など悪天候のときは無理をしないでほしい。基本的なことですが皆さんにお願いしたいことです。もう1点大事なことは「過信しないこと」ですね。
三浦氏:知識を身に着けて経験を積んで、それでも過信しないということ。言葉だけを聞いて理解した気になるなということ。これは新谷さんは昔から繰り返し言われてきたことです。それがアウトドア活動の本質だと思います。それを今日、直にお話をきけて貴重な機会となりました。
『水不足という地球規模の課題に対しテクノロジーで解決するプロダクトの可能性』 WOTA株式会社 COO 前田 瑶介氏/WOTA株式会社 市橋 正太郎氏
水はイノベーションが起こりにくかった業界。そこにイノベーションを起こすべく立ち上がったのがWOTA社。同社COOの前田氏は、世界中の様々な場所で水に関する問題が起きていると話します。特にその問題を目の当たりにしたのが、2019年10月に起きた台風19号による被害。被災地のひとつである長野市は、千曲川の決壊により街中に下水が流れるという事態が発生しました。インフラも崩壊し電気設備が使えない中、同社では避難所に自社サービスであるAI水循環システムを搭載した入浴施設(WOTA BOX)を設置。多くの被災者がWOTA BOXを利用し笑顔になるのをその目で見て、被災現場での高いニーズを確信したと話してくれました。
今後は被災地だけでなく、アウトドアスポーツやイベントの現場でも、WOTAの可能性を広げていきたいと語る前田氏。「世界には、その国ごとに文化による水の使い方があります。よって、その国ごとに違う水の問題がある。あらゆる水問題を解決する手段にWOTAがなっていきたい。」と、サービスの可能性に期待を込めつつ、本講演を締めくくりました。
(講演後のコメント) 市橋氏:アウトドアで活動していくときに、水をポータブルにし循環して使えることで、もっと活動の可能性が広がるのではと考えています。ぜひいろいろな場面でWOTAを活用していただきたいですね。
前田氏:自然を楽しむうえで、いかにして環境負荷をかけずに楽しむか。水の面では、自由を獲得しつつも環境保護という責任も果たせるのではないかと思います。また、アウトドアから水循環が親しまれる状態になると、災害や防災にもフィットする。様々な場面で波及効果も得られるのではないかと考えています。
『欧州におけるアウトドア業界団体の立ち上げから現在までの軌跡』 European Outdoor Group(EOG) 代表 European Outdoor Conservation Association(EOCA) エグゼクティブディレクター
マーク・ヘルド氏
European Outdoor Group(以下、EOG)の代表であるヘルド氏は、EOGの役割と活動という大きく2つの点について話していただきました。
「EOGは、アウトドア業をする上での“許可と認可”をするために存在しています。健全なアウトドア業界の発展のために、ライセンスを発行する。それを元に、各事業者は活動しています。そもそも、アウトドアは事業規模が小さい業態のため、参入障壁も低かったという背景がありました。様々な所から参入してくるため、業界の透明性や持続可能性に関する問題が浮上します。このままでは業界そのものが暴走してしまう。ルールを作り健全な発展のために立ち上がるべく、欧州の19ブランド間で協議しEOGを結成しました。
まず行ったのがトレードショー(見本市)。トレードショーの成功により、権利と収入を得ました。優秀な人材を雇い、次に行ったのが、ビジョンの策定です。『1.ビジネスをしっかりやること。2.業界への影響をできるだけ少なくすること。3.自然へお返しをすること。』これらの行動規範に基づき、私たちは行動をしています」。
次に、EOGの具体的な活動内容について以下のように話しました。「ヨーロッパのアウトドア人口は、年長者がメインになりつつあります。ヨーロッパの野外活動が低下しているというデータも出ており、これはとても気が滅入るデータです。我々は常に、多くの情報を発信しています。規制や禁止物質に関すること、また、人々が野外活動に行ってもらうようなメッセージなど。政府には、もっと我々の声を聞いてもらわなくてはいけないと考えています。その点で、トレードショーは発電機のような、非常に重要な役割をもっています。アウトドア業界がうまくいくためには、単に製品を作るだけではいけない。共通の価値観によってまとまっていかなくてはいけないでしょう。また、自然にお返しするには、ネットで考えるだけでは足りません。消費者はしっかりとした価値や正当性を求めています。業界として、正常に発展し消費者に答えていくことが必要です」。
最後にヘルド氏は日本のアウトドア業界に向けてこう呼びかけました。「EOGはヨーロッパに留まることだけにこだわってはいません。グローバルに活動していかなくては。日本でも同じような組織をぜひ作ってください!業界に関わる人全員で見識をひろめて、世界評議会というような組織も立ち上げていきたいと考えています。我々は、我々の責任を全うしていくべきです。共に協力しあい、業界の発展に尽力しましょう。日本のアウトドア業界がさらなる発展をとげることを楽しみにしています」。
(講演後のコメント) 一番大事なことは、日本のアウトドア業界が一致団結して協力していくこと。その意識を忘れないでほしいと思います。かつてヨーロッパやアメリカは暴走気味に陥ってしまった経験からそう提言しました。いまアウトドア業界における問題は、1社がどうにかできる規模感ではないものが多い。天候変動や環境変化は、業界全体で取り組む問題です。アウトドア業界は自然と特に密接に関わっている業界。手を組んで進めていってほしいと思います。
『地域の自然資源をアウトドアフィールドとして再定義し、新たな観光の柱に』 元高知県知事 尾﨑 正直氏
日本の多くの地域が抱える共通した課題である少子高齢化に伴う人口減に対し、高知県では様々な対策を行っています。都会から遠く南海トラフ地震の脅威もあるなど、地域性のハンデも多い中、元高知県知事の尾﨑氏は「ないものねだりをしても何も生まれない。“地産外商”を柱に、高知県が持つ強みを最大限に活かした取り組みをしてきました。」と話します。食の観点で、地元ならではのグルメを選ぶ県民参加型の取り組み「高知家の食卓」県民総選挙の実施。歴史観光の観点では、坂本龍馬を筆頭に幕末の偉人をめぐるイベント「幕末維新博」を実施してきました。
一方で自然体験の分野は「一番難しいと認識している」と尾﨑氏。高知県が推す自然には仁淀川や四万十川などの「清流」、透明度抜群でダイビングにも最適な「柏島」、日本三大カルストのひとつで最も標高が高い「四国カルスト」などがあるものの、「どれも優れてはいるものの、ずば抜けているとは言えない。これらの自然資源にいかにして付加価値をつけて魅せていくかが課題」と語りました。
ここでキーになるのが、中山間地域の活用。高知県に限らず、多くの自然資源は中山間地域に存在しています。この部分に付加価値をつけることができれば、多くの自治体で「中山間地域の振興」という課題を克服することにつながるはずです。「中山間地域はすなわち、アウトドア。高知県にはまだまだ、磨けば光る地域資源があります。アウトドア業界に期待すると共に、一緒に磨き上げをするパートナーを高知県は求めています」。
(講演後のコメント) 日本の地方の皆さんは、アウトドア業界に対して大いに期待しています。自然資源に付加価値をつけること。プロの視点が入ることで劇的に変わることを私自身も経験しました。そういうことを期待している人たちが全国にたくさんいると思います。真の地方創生を成し遂げるために、その主力となるのがアウトドア業界だと。ぜひ田舎と一緒にタイアップをしてください!
『顧客コミュニケーションとアイデアから生まれた自社運営キャンプ施設”TINY GARDEN蓼科”について』 株式会社アーバンリサーチ 事業支援本部 シニアマネージャー 齊藤 悟氏
アーバンリサーチはアパレル企業でありながら、2019年にキャンプ場の運営を開始しました。なぜそこに至ったのか、齊藤氏が話します。「2003年に“Urban Research Doors”がスタートしました。当時はライフスタイルという言葉もない中、服を売るだけではなく「どこに、誰と行くのか」というスタイル重視で展開。その中の遊びのアイテムとしてアウトドア用品も取り扱うようになりました」。
2013年には、ブランド設立10周年を記念しリアルキャンプイベント“TINY GARDEN FESTIVAL”を開催。「目的は2つで、1つはブランディング。アーバンリサーチが持っている各ブランドが拡大するなか、境界線が曖昧になってきた。そこでキャンプを中心としたブランドマーケティングへ舵を切り、それを具体化するという意味合いです。もう1つは感動体験のシェア。キャンプを通じた感動体験をみんなでシェアし、コミュニケーションを図ることを期待しました」。
そして2019年の今年、蓼科湖のそばでキャンプ場“TINY GARDEN”を開始します。ここでは衣食住遊をよりシームレスに体験できる場を目指し、湖畔をテーマにしたオリジナルブランドも立ち上げました。「我々はプロのアウトドアメーカーではありません。そのため、アイテムのファッション性はキープしつつ、“TINY GARDEN”という体験を通じて本物であることの大切さを感じてもらえたら」。
最後に、齊藤氏は今後の事業戦略についてこう締めくくりました。「アパレルをはじめ様々な産業で今後はEコマースがより加速していますが、Eコマースでファンを作るのは非常に難しいと捉えています。同じアイテムを同じ価格で販売するとき、どこから買うか。その時に軸となるのは、その企業の背景にあるものが何かということ。“TINY GARDEN”を我々の想いを伝えるコミュニケーションプラットフォームとして活用し、このEコマースの時代のファン化を強めていきたいです」。
(講演後のコメント) アウトドア業界の発展という話がありましたが、アパレル業界の我々としては業界という垣根を超えてお互いがコンテンツを出しあってシームレスにやっていきたいと考えています。顧客にとってはそこは関係ないのかなと感じています。特に正解はないと思うので、我々の想いを込めながら進めていければと思います。
ブームで終わらないために。持続可能であるために。 いかがでしたでしょうか。歴史から環境問題、国内外、異業種などさまざまな視点を“X(クロス)”させてアウトドアを見てきました。普段、私たちは多くの情報を受け取っています。しかし、届いてほしい所に届いていないことが多いのも現実。このOISで興味を持ったり考えたりしたことを、ぜひ周りの方々と話してみてください。また、実際にフィールドに出てみて、変化や問題を体験してみてください。講演にもありましたが、知識と経験は別物。知識を得て経験を積み、アクションを起こしてほしいと思います。それがアウトドアの本質ですから。