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2025年の年頭にあたり株式会社スペースデータ宇宙戦略本部より、以下に謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
新年あけましておめでとうございます。2024年の4月に本格的にスタートした、スペースデータの宇宙事業は、関係者の皆様に多大なるご支援を賜り、急成長を遂げて参りました。改めて、感謝申し上げます。
新しい年を迎えるに辺り、2024年の取り組みを振り返ると共に、2025年に向けた取り組みをご紹介いたします。スペースデータを支えて下さる全ての皆様と2025年を共に歩むための道しるべとしてご覧頂けましたら幸いです。
スペースデータのミッション
スペースデータでは、「宇宙の民主化」をビジョンに掲げ、宇宙をインターネットのように身近にするための研究開発を行っています。約30年前、インターネットは一部の専門家のものでしたが、今日、子供から大人まで誰もが使えるインフラとなっています。
宇宙はまだ、一部の専門家のものです。私たちは、宇宙をインターネットのように身近な存在に変えて行きます。
「宇宙の民主化」を実現するために、デジタルツイン、宇宙ステーション(Space Staion OS)、宇宙ロボットの3つの研究開発と事業に取り組んでいます。
宇宙デジタルツイン
概要
宇宙空間は実際に行くのに高い費用がかかるため、デジタルツイン環境で様々なシミュレーションを事前に行う需要があります。当社では、宇宙ステーションや月面を重力なども含めて再現し、実際に宇宙に行かなくても似た体験ができる環境の構築を進めています。
宇宙ロボット開発や科学実験では目的に合わせてシミュレーション環境を構築する必要がありましたが、宇宙デジタルツインを活用して打ち上げるまでの検証を低コストで実施できます。また、宇宙飛行士の訓練や宇宙旅行のシミュレーションにも活かせます。
実際の宇宙環境に限りなく近い環境を構築するために、JAXAと連携して宇宙デジタルツインの開発を進めています。
事業紹介ページ : https://spacedata.jp/business/space-digitaltwin
2024年の取り組み
2024年10月には、JAXAとの共創を発表しました。翌月の11月には、JAXAの協力を得て開発した「バーチャルISS」を世界最大のPCゲームプラットフォームであるSteam@で全世界に無償公開しました。また、これに続き12月には、「バーチャルISS」のうち「きぼう」日本実験棟の3Dモデルを2週間限定で無償配布しました。
「バーチャルISS」は、JAXAが実際に宇宙で取得したデータに基づき、国際宇宙ステーション(ISS)をデジタル上に再現したものです。
合計で50を超えるメディアに取り上げて頂き、Vtuberの配信での活用、日本科学未来館での展示、Space Travelium TeNQでの展示等、ゲームユーザー、クリエーター、教育を中心として多様なユースケースを確認することが出来ました。
さらに、この取り組みはSNSを中心に広く拡散され、「宇宙の民主化」というスペースデータのミッションを効果的に発信するマーケティング施策としても大きな成果を上げました。
「宇宙×エンタメ」「宇宙×教育」に、大きなニーズを確認できたため、2025年は本領域の事業化に向けた取り組みを促進します。
2025年の取り組み
宇宙デジタルツインを2つの方向性で発展させる計画です。
①宇宙ステーションから太陽系への空間の拡張と宇宙物理シミュレーションの高度化
国際宇宙ステーションから、アルテミス計画を中心にニーズの高まる月面、そして太陽系全体へとデジタルツインを拡張します。
当社のデジタルツインは、三次元空間を忠実に再現することに留まらず、各惑星の物理環境をシミュレーションすることで、エンターテインメントやゲーム、教育用途から宇宙機の設計・検証まで幅広い活用が可能になります。
2024年12月19日にカーネギーメロン大学の研究チームが発表したオープンソースの物理シミュレーションプラットフォーム「Genesis」は、ゼロから設計し直された汎用的な物理演算エンジンです。このプラットフォームは正確かつ広域な物理シミュレーションを実現し、ロボット開発の可能性を大きく広げました。
同様に、宇宙機開発においても汎用的な物理演算エンジンは多くの利点を提供します。具体的には、正確な物理環境の再現により設計効率の向上や信頼性の強化、開発コストの削減、安全性の向上など、宇宙機開発へのハードルを大きく下げることが可能です。
②宇宙機のシミュレーションツールとしての発展
当社は、航空宇宙・防衛分野をはじめ、さまざまな産業分野で活用されているシステムズエンジニアリングの考え方や、モデルベースシステムズエンジニアリング(MBSE)の手法と掛け合わせた新たなデジタルツインの開発を提案します。
これにより、宇宙機開発の効率化と信頼性向上を実現し、国際的な規格化の潮流に乗ったデファクトスタンダードの構築と提案を目指します。
さらに、実世界との精度検証を通じて、信頼性の高いシステムの提供を計画しています。また、この検証データをオープン化することで、透明性と信頼性の向上を図り、国際的な研究・開発コミュニティに貢献します。
これに向けて、1/1付けで開発体制を強化しました。
宇宙ステーション(Space Station OS)
概要
次世代の宇宙ステーションのOSを開発しています。オープンソースの宇宙ステーションの制御ソフトウェア「Space Station OS」の開発を推進し、オープンアーキテクチャを採用して、人類全体の宇宙ステーションの開発と利用を促進しています。
事業紹介ページ :https://spacedata.jp/business/spacestationos
2024年の取り組み
2024年11月に「Space Staion OS」をリリースしました。オープンソースとして、世界中の技術者と宇宙ステーションの開発、利用を共同するというコンセプトのもと、構想とアーキテクチャ、一部機能を搭載したOSを公開しました。
その後、Github上で全世界の技術者と共に「Space Staion OS」の開発を進めています。また、共同開発のために隔週で国際的に開かれたテクニカルミーティングを開催しています。
公開から約1か月半の間に、世界中から多くのエンジニアの皆様からの技術的提案を受領しています。
2025年の取り組み
2025年は2つの開発目標を実現します。
①フライト品への実装に向けた各機能(モジュール)の開発完了
宇宙ステーションOSの機能全体の開発完了を目指します。これを実現するために、宇宙ステーションOS全体の仕様を公開すると共に、各専門領域の世界的研究者や技術者をテクニカルアドバイザーとして迎えることで、スピード、品質の双方を担保する計画です。
②様々な分野のロボット開発・エンジニアとのコラボレーションにより、多様な技術アイディアを宇宙機開発に取り込む
多様な領域の技術者が宇宙開発に参入するきっかけを作ることが「Space Staion OS」の重要なミッションの1つです。
2025年は社会的インパクトの大きい研究開発チーム、複数分野のロボット開発者とのコラボレーションを企画しています。プロジェクトのマーケティング、PRにとっても重要な取り組みです。
フライト品に向けた技術開発に留まらず、「宇宙の民主化」というミッションの実現に向け、世界中の人たちに宇宙開発を身近に感じて頂けるプラットフォームとしての発展を目指します。
宇宙ロボット事業
概要
宇宙ステーションで動く宇宙ロボットのソフトウェアとハードウェアを開発しています。宇宙飛行士の作業をロボットが代わりに行うことで、省人化を進めます。地上から遠隔操作できる宇宙アバターにも応用できる汎用性のあるロボットを目指しています。
また、このロボットは、様々な先端技術の実証プラットフォームとなることを目指しています。具体的には、先程紹介したSpace Station OSの実証や、宇宙でこれまであまり活用されてこなかったAI技術などの実証に取り組む計画です。
事業紹介ページ :https://spacedata.jp/business/spacer-robot
2024年の取り組み
宇宙ロボットの設計、及び設計の実現性を確認するためのハードウェアの開発を行いました。合わせて、搭載予定の宇宙ステーションの搭載規格に準拠するために、安全性を検証しました。
2025年の取り組み
宇宙ステーションへの打ち上げに向けて開発完了を目指します。
また、宇宙旅行のアバターとしての役割、宇宙飛行士の作業支援、生活支援としての2つの役割を果たせるよう、周辺システムの設計やマーケティング、PRにも力を入れていきます。
例えば、デジタルツインと連動することで、宇宙旅行や宇宙体験をより身近にしたり、宇宙飛行士の作業支援が容易になります。
2025年も才能溢れる素晴らしいチームと共に
2025年も才能溢れる素晴らしいチームと共に、さらなる挑戦を続けて参ります。当社のエンジニアは、JAXAをはじめとする研究機関での兼業や、大学での教授職・研究職など、多方面でその能力を発揮し、業界をリードする存在として活躍しています。
一人ひとりの挑戦がスペースデータの価値を高め、同時に当社の取り組みがメンバーの新たな可能性を広げる、この相乗効果こそが私たちの強みであり原動力です。
また、当社のビジョンや価値観に共鳴する多くの才能と連携し、宇宙開発の新たな可能性を広げる共創の場を築いて参ります。
2025年も、技術、政策、事業、マーケティング・PRが一体となり、世界の宇宙開発を牽引するプロジェクトを推進して参ります。
最後になりますが、今年もスペースデータへの変わらぬご高配を賜りますことをお願い申し上げます。