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「文系」の私が想画に機械学習エンジニアとしてジョインするまで

はじめまして。想画で機械学習エンジニアとして働いている尾﨑と申します。

2023年の5月に想画にジョインし、2ヶ月ほどが経ちました。私自身、想画に来る前はエンジニアとしての経験はありませんでした。どういう経緯から機械学習エンジニアを志すようになったのか、想画に興味を持った理由などについて、書いていきたいと思います。


目次
・今、どんな仕事をしているのか
・前職の経験と機械学習との出会い
・想画にジョインするまで
・最後に


今、どんな仕事をしているのか

現在は主に下記の2つの業務を行っています。

- MEGURUのナンバープレート解析モデルの開発

想画では機械学習による画像認識技術を使用し、MEGURUというサービス(https://www.wantedly.com/portfolio/projects/67311)を開発しています。

ナンバープレートの読み取りを利用して業務効率化を図る、というものなのですが、読み取りに利用する機械学習モデルの開発・性能向上を行う業務に携わっています。



- MEGURUの営業サポート等(資料作成等)

前職が営業職であったということもあり、MEGURUの営業面でも既存メンバーの営業活動の支援を行う業務にも一部関わっています。


前職の経験と機械学習との出会い

大学では商学部に所属し、卒業後は一貫して営業職としてキャリアを積んできた「文系」の私が、なぜ機械学習に興味を持ち、エンジニアを志すようになったか、そしてまた、なぜ想画にジョインしようと考えたかについては、様々な想い・きっかけがありました。以下、それらについて紹介していきたいと思います。


営業職を通じて実感したものづくり業界の課題

大学を卒業してからは約10年ほど、半導体製造設備や機械部品を製造する企業の海外営業職としてキャリアを積んできました。営業として様々な顧客や取引先と関わる中で、日本の製造業界全体としての課題−ITによる仕組み化やデータの利活用がうまく進められていないため、それぞれの企業の強みが十分に活かされていない−を強く実感するようになりました。

(1)需要に応じた製造の最適化の問題

→半導体設備やその部品メーカーにおいて、激しい需要変動に対して「どのように需要予測を行い、柔軟かつ迅速な生産体制を敷くことができるか」が重要な課題であると考えています。需要変動の背景には全般的な景気動向であったり、国際情勢だったり、はたまたそれぞれの企業の都合であったり、、、考慮すべき変数は極めて多くかつ複雑なのですが、そうした動向を人間がうまく予測することは容易ではありません。需要を読み誤ってしまうと、急激な需要上昇局面では生産が追い付かず、機会損失が生じたりすること等がまま、あります。このような課題に対して、機械学習などを活用することで対処することができるのではないか、と考えるようになりました。

(2)人に大きく依存する製造工程が少なくない

→製造業では多くの工程が存在しますが、自動化を行えず、完全に人的リソースに依存する工程も少なくありません。例えば製造品の検査の工程などがそれにあたるのですが、ただでさえ人手不足と言われ、人的リソースに関する負担が課題視される中、技術を利用した仕組み化を進めることで状況を大きく好転させることができるのではないか、と考えました。

今後、製造業に携わる企業のそれぞれが世界に飛び出し、激しい競争を勝ち抜いていくためには、こうした根本的な課題の解決は不可欠と言っても過言ではありません。

もちろん、営業職として業界に居続けることで改善を進めることもできるとは考えましたが、いつしか「その仕組みを自分で作ることでダイレクトに課題解決を行いたい」という想いが日に日に強まってくるのを感じました。そうした想いを実現するために私が必要と考えたのが、機械学習に関する知識及び開発することのできるエンジニアリングスキルでした。

機械学習入門、そして就職活動

既に述べたような課題の解決のためには、データ分析(需要予測)や検査(画像認識)に応用できる機械学習が大いに役立つのではないかと考え、学習を始めました。想画に入社するまでには主に下記のような内容について学びました。

(1)機械学習を学べる民間スクールに登録し、6ヶ月程のコースを修了

−Pythonの基礎

−機械学習の基礎(Numpy、pandas、教師あり学習、データクレンジング、スクレイピング、DL(CNNによる男女識別)、Flask、HTML、CSS、MNIST認識等)

−自作モデル(製品検査モデル(VGG16利用))開発

(2)業務内作業効率改善のため、Pythonを利用したデータ分析、Openpyxlを利用した集計作業等の実施


想画にジョインするまで

そうした経緯から営業業務と並行して機械学習に触れる毎日を送っていましたが、将来的に自ら仕組みを開発することも視野に入れつつ、実際に機械学習の開発に携わる機会を持ちたいと考えるようになったため、転職を考え始めました。

他方で当初は下記のような理由から転職活動を積極的に行っていたわけではありませんでした。

- 完全未経験からチャレンジできるチャンスが多くなかった

もちろん、昨今の需要の高まりから完全に未経験でのポジションを提示しているケースもなくはないのですが、待遇面でほぼ新卒と同様の扱いとなってしまうなど、既に家庭も持つ私にとっては厳しい条件でのスタートとなってしまう場合がほとんどでした。

他方、想画では私自身のこれまでの経験も含めて評価していただき、また、入社に当たっては基準が極めて明快な試験(企画課題・技術課題)を通じて評価をしていただいたこともあり、結果的に恵まれた条件を提示していただき、入社することができました。もちろん、想画の経営方針と、技術的側面以外の面での経歴・スキルがマッチしたという部分が大きかったものとは感じていますが、エンジニアとしても営業職としても、すべてを総合的に、また真正面から評価していただけたことは、非常に幸運であったと感じています。

- 地理的な制約条件

当時、家庭の都合で愛知県への移住を真剣に検討し始めていた時期だったのですが、機械学習を含む最先端の技術に触れたい、という私自身の希望と、条件面とを同時に満たす企業の殆どは首都圏にあり、希望エリアには多くありませんでした。

想画では機械学習やセンサー関連技術など、私が関心を持つ技術を広く扱っており、また、ほぼ全員のメンバーがリモートで業務を行っているため、愛知県からのリモート勤務を前提として就職を考えていただけたため、私にとってはこれ以上ない環境でした。

そうした背景から想画への応募をし、無事、合格をいただけることになりました。


最後に

完全に未経験の私がこうして実際にモデルを開発する業務に携われていること、想画との出会いがあったことは大変、運が良かったものと感じており、また、そうした環境で働けていることに満足している毎日です。

一方、機械学習についての学習を進めるにあたっては、もう少し自分なりに工夫・努力できる点があったなと、振り返ってみて感じるところがいくつかあります。この記事を読んでくださる方々には、おそらく、未経験からの機械学習エンジニアへの就職を考えていらっしゃる方々もいらっしゃるかと思います。この点に触れつつ、記事のまとめとしたいと思います。

- 実装の機会をなるべく多く持つ

想画では入社にあたり技術試験(特定分野の画像認識を行うモデルを開発)を受験しましたが、実際に取り組んでみると、経験の不足を強く感じました。

もちろん、機械学習については基礎から学び、自作モデルを開発した経験もあるため、ある程度対応できると考えていた部分もあったのですが、実際に取り組んで見ると、多くのエラーや精度不足に悩まされ、多くの時間を費やすことになりました。

これは実務に携わってみてから感じていることでもあるのですが、モデルの開発においては、ある程度の経験則や「慣れ」が必要であり、それらの要素は一朝一夕に身につけることはできません。

ただただ理論を学習するだけではなく、実装し、改善を行う経験をもっと積んでおけばよかったと反省しています。

昨今はオープンソースの学習データもあちこちに転がっていますし、Kaggleなど、コンペを通じてモデル開発を行うためのプラットフォームも少なくありません。そうしたリソースをうまく活用して、なるべく経験値を高めておくことをおすすめします。

- 泥臭さは重要

前述の経験に通ずる部分でもあるのですが、モデルの開発には時には極めて泥臭い手法をもってして、精度改善に努めるべき時があります。

現実世界の課題は、とりまく要因や求められる精度の水準が様々であるため、公開されているモデルでは十分な結果を得ることが困難な場合がほとんどです。そうした場合、もちろんパタメーターの設計やアルゴリズムの選定等、モデル自体に関する検討も重要である一方、学習データを精査したり、オーグメンテーションを行うことでしか改善が難しい場合もあります。

往々にして極めてアナログな方法(自分で一つ一つのデータを目で見て、修正し、またはアノテーションを行う等)が絶大な効果を発揮する場合があります。そうした「泥臭さ」を厭わず、改善に努めようとする姿勢が、モデル開発にあたっての最も重要な要素の一つであると考えています。

想画では採用を前提としないカジュアル面談も行っていますので、もしご興味がある方はいつでもご連絡ください!

皆様とお会いできる日を楽しみにしております。


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