株式会社操電は「誰もが電気を自由に操れる オープンな世界をつくる。」をミッションに掲げる仮想発電ベンチャーです。
現在は国の後押しも盛んであるEV充電サービスを展開したい企業様に対して、事業展開に必要な様々な各機能や業務プロセスをホワイトラベル方式でワンストップでサポートしています。顧客のフロントとなるハードウェア(充電器)はもちろん、導入先の事業者向け管理システム、一般ドライバーへ提供するアプリのソフトウェア開発/運用。さらには工事に伴う現地調査や施工管理、補助金の代理申請に至るまで幅広くサービスを展開しています。
株式会社操電 Soden | EV充電プラットフォーム株式会社操電(Soden)は、EV充電サービスの企画、プラットフォーム開発、設置工事までをワンストップで提供し、EV充電イsoden-inc.jp
しかし日本においてEV車の普及はまだまだ発展途上であり、EV自体に乗ったことがない方も多いかと思います。またハードウェアとソフトウェアが密接に絡み合うエネルギー領域においてどのような開発運用がされているのかについても、あまり多くは周知されていないかと思います。
今回はそんな未来の社会インフラを前進させるため、日々ハードウェアとソフトウェアを行き来しながら開発運用を行っている操電開発チームを代表するお二人にこれまでのキャリアと事業内容についてお伺いしました。
左:内藤さん、右:山里さん
株式会社操電 取締役
内藤克徳
大手SIer企業を経て、2013年にファウンダーとして動画スタートアップを設立し、プロダクトの開発からマーケティングまで様々な領域で事業を推進。2022年6月30日に株式会社操電を創業。EV充電プラットフォームの開発全般を統括。
操電開発パートナー / CoWorker株式会社
代表取締役社長 山里 一輝
東海大学理学部物理学科卒。大学在学中にランサーズ、モイ(ツイキャス)、リクルート、富士山マガジンサービスにて開発業務に従事。卒業後、Yahoo! Japanに入社し、大規模広告システムの開発を担当。2019年2月にCoWorker株式会社を創業。教育/医療/インフラなどあらゆる領域のシステム開発/コンサルを担当。
これまでのキャリアについて
−− まずお二人のこれまでのキャリアについて教えてください。
内藤:内藤:自分は大学で経営学部を専攻、卒業したのちに新卒でSIerとして大手商社の基幹システム開発に6年ほど従事していました。学生の頃からグローバルな環境で働くことに興味がありつつ、チームで動き物事を動かしていくことが好きだったからです。
開発は主にウォーターフォール型で、大きなシステムかつ影響も大きい中できっちり仕様を固めたり関係者を巻き込みながら物事を丁寧に進めていくことを学びました。
その後、ファウンダーの一人として起業をすることになるのですが、代表は小学生の頃からの幼馴染でした。ビジネスプランが決まったタイミングでそれまでいた会社を退職し、会社を設立。そこから約10年間、動画ドメインを主軸にさまざまなフェーズの変化を経験しながら自身の役割を広げていきました。システムエンジニアからデザイン、広報、マーケティング、ビジネスと、その時々で求められる仕事に向き合い続けました。振り返ってみると、長いようですごく短い時間だったように感じます。
その後、2020年に起きたコロナ騒動を機に自分もリモートワークに切り替えました。そのタイミングで出勤に伴う移動時間がなくなり、久しぶりに自由な時間が生まれたんです。その過程で自然と仕事というものを会社単位ではなくプロジェクト単位でとらえ直すようになり、他社のマーケティングの仕事をお手伝いするようになりました。その中で出会ったのが現在の操電代表であり、当時の株式会社ベルリング代表を務めていた飯野さんです。
当時は救急車や消防車の開発や販売をしていたベルリングにおけるB2B及びB2Gのマーケティングを私が支援する形で一緒に仕事をしていました。その後、飯野さんと共に、EV領域で新たに起業する形となりました。
山里さん:自分は大学で物理学を専攻していたのですが、在学中からプログラミングを独学で学び、ランサーズ、モイ(ツイキャス)、リクルートなど様々な企業で開発業務に携わらせていただきました。
シリコンバレー(サンフランシスコ)で働きたいと思っていたので、思い切って大学を休学し、知人に紹介いただいた企業で半年ほど駐在員としてアメリカでシステム開発をしておりました。
さらに同じタイミングで知人から学生起業にも誘われていたので、昼は駐在員として開発し、夜は遠隔で日本とやりとりをしながら学生起業した会社の開発をするという日々が続きました。
また大学卒業後は新卒でYahoo! Japanに入社し、大規模広告システムの開発を担当しました。在学中にもさまざまな出会いがあり、本当に優秀なエンジニアを間近で見る機会にも恵まれましたが、同時に独学で走り続けてきた自分に対する限界も感じるようになっていました。
そんな中で「優秀なエンジニアの側で、自分を底上げしたい」と一念発起し、Yahoo! Japanという環境を選びました。結果的に1年半という短い期間ではありましたが、実際に優秀なメンバーとさまざまな業務に携わりながら多くの経験をさせてもらいました。
Yahoo! Japanを退社した後は複数社のスタートアップの取締役CTOを勤めました。しかし長く事業と向き合う過程で心身に大きく負荷をかけてしまうタイミングがあり、大きく体調を崩したのを機に目の前の仕事を手放して1から自分と向き合い直すことにしたのが約2年前です。
その後、しばらくして個人で立ち上げていたCoWorker株式会社の活動を主軸とすることに決めました。元は個人活動の延長で作った法人だったのですが、いつの間にか教育、医療、インフラなどあらゆる領域のシステム開発、コンサルを幅広く担当するようになりました。それと当時に、自分の中で「仲間と一緒に、楽しく仕事をしていきたい」という価値観が再び掘り起こされ、長く付き合いのあったメンバーに声をかけて組織化し、今に至ります。
また操電との出会いは約1年ほど前になるのですが、内藤さんと共通の知り合いがいたことがキッカケです。
内藤:当時は充電インフラの開発を全方向で、かつ早急に立ち上げる必要があり、基盤からアプリ開発まで幅広く一緒に並走してくれるパートナーを探していたんです。その過程で山里さんをご紹介いただきました。
山里:まずは事業構想からお伺いしたのですが、EVインフラという領域そのものの面白さや魅力を感じました。またハードウェアとソフトウェアを密接に連携させながら開発するのはエンジニアとしてもチャレンジングなことだなと思い、さまざまなピースが噛み合いCoWorkerとして開発を支援させていただく形になりました。
また当時から操電では「ビジネス」「開発」「ユーザー体験」の多軸にきちんと重きを置いていることも決め手になりましたね。
EV充電インフラ開発の魅力と面白さ
−− 現在の事業内容と、開発者視点から見えるエネルギー領域の魅力について教えてください
内藤:操電では現在、EV充電インフラを中心にハードウェア、ソフトウェア、施工管理、助成金の申請代行、運用を含めたソリューションをホワイトラベル方式でワンストップに提供しています。
具体的にはEV充電サービスを自社で持ちたいなと思った事業者様が迅速に、EV充電サービスをスタートするために必要なノウハウと仕組みを丸ごと提供している形です。充電器はもちろん、管理ソフトから一般利用者が使うアプリまで幅広く手掛けています。
エンジニアチームとしてはハードの規格や施工スケジュールを考慮しながら実装に落とし込んでいく必要があり、常に企画と開発と現場を往復、整理しながらプロジェクトを進めています。現在わたしが開発全体のPMとして、山里さんが10人強の開発チームをマネジメントしながらリモートを中心とした開発体制を回しています。
毎日Slackを通じて企画や仕様を含めたオープンな会話をしつつ、週次の定例でアジャイル開発を回しています。リリースも毎月行っており、ハードウェアの要件も含めての改善サイクルを担保するための工夫をしています。
山里:また内藤さんはデザイン経験もあるため、要件定義の精度が高く、エンジニアにとって実装しやすいというのも心強いです。サービスを作り込むときにUIUXにこだわっているのがヒシヒシと伝わってきますし、代表の飯野さんも「こういうものを作りたい」というビジョンが明確で、開発がとても進めやすいです。
またリアルなデバイスがある上でのソフトウェア開発であるということも、非常に面白い要素だと感じています。実際に充電器を手元に置いて弄ったり、充電器の試験場まで足を運んでアプリや管理画面との連動、制御ができているかテストなども行っています。
開発中には内藤さんと一緒にEV充電インフラが充実している台湾まで直接足を運び、実際に現地で稼働しているEV充電サービスや工場の視察に同行したこともありました。
とにかく現地に行ってみないと分からないことや開発しきれない部分もあるので大変ではありますが、作ったものがリアルな世界で動いているのは素直に面白いですし、リリース後に設置された充電器を見て誇らしい気持ちにもましたね。
内藤:また開発において、ウェブに閉じた開発とは異なる点も多々あります。
例えばEV充電インフラならではの技術として活用されているOCPP(Open Charge Point Protocol)という、電気自動車の充電器を管理する国際標準通信プロトコルがあります。これを取り入れることによって充電などの課金や充電器の保守・運用などを専用の端末や特別なネットワークを介さず行うことができるようになるのですが、これはサービスのインフラ構築にも大きく影響しました。
一つ一つ仕様を読み解き、テストをクリアした時は本当に嬉しかったですね。
EV充電インフラの現在地
−− 世界的にEV充電器及びEV車の話題は盛んに議論されていますが、現在の日本における状況と見解について教えてください。
内藤:現在の日本において、EV充電インフラは第2の拡大期を迎えています。
第1期は2010年代に大手自動車メーカーや電力会社が中心となり、0-1のインフラ立ち上げが進みました。そこから10年ほど時間が経過した今、電気自動車の利用者も徐々に増えた中で充電インフラも頻繁に利用されるようになり、その結果として新たな課題が多く顕在化したのが現在だと考えています。
次の10年はその顕在化した課題をどう解決していくのか。答えは一つではありませんが、設置者、EVオーナー、事業側が三方良しになるような仕組みとソリューションを提供していくことが重要だと考えています。
中でも充電器を設置する人や事業者にとって魅力的なものにならないと、目下の日本における充電器インフラの充実は成し得ません。充電器を導入した後の運用まで含めて、より良いサービスとユーザー体験をお届けしたいと思います。
山里:またEV利用者の声を聞いていると、総数も重要ですが充電器の出力もこれからますます重要になってくると思います。もちろん低出力の充電器が十分に活躍するシーンもありますが、やはりガソリン車と比べて充電に時間がかかることのデメリットを懸念する声も多くあります。
これらを踏まえて各社が総力を上げてインフラを拡充させていくことに加え、操電としては他社にはない独自の価値を開発、提供していく必要があります。そのためにも質の高い仮説をもとに、素早い実装サイクルを回していく開発体制を今以上に強化していきたいと思っています。
EV充電から拡張する未来と事業
−−今後の事業や開発について教えてください。
山里:まずはEVドライバーが安心して快適に車を走らせることができる世界を作りたいのですが、ハードウェアもソフトウェアもまだまだ発展途上です。EV充電サービスだけでも、やりたいことや開発したい機能が山積みなのが現状です。
また社内だけでなく、関連企業や事業者とも力を合わせながら開発に取り組んでいくフェーズだと感じています。
内藤:また現在の日本におけるEV充電器はあくまで充電する役割のみに留まっていますが、実は将来のエネルギーインフラとしての大きな拡張性を秘めています。
近年では世界的なEV普及の波によって蓄電池の技術と需要が飛躍的に伸び続けているので、今後どんどん価格も抑えられてくるはずです。それに伴い、大規模な工場やビルなど限られた分野でしか導入されてこなかった蓄電池が、EVを皮切りに小規模事業や地方自治体、一般家庭でも手軽に取り入れられる未来もそう遠くはないはずです。
そうなると、これまで電気をあくまで「消費」することしかできなかった人々が太陽光発電等と組み合わせることによって自ら発電したり、それを蓄電池に溜めて売ったりすることができるようになります。また災害時には予備電源になったりと、災害が多い日本における意義はますます強まっていくと考えています。
受け手でしかなかったエネルギーをあらゆる人が自由自在に操り、生活に取り入れ、豊かに活用していく。利用者にも環境にも優しい仕組みが整い、エネルギーが民主化する時代がやってくるのは必然だと思います。海外から遅れをとっていると言われがちなエネルギー産業ですが、これからの10年で一気に巻き返していきたいですね。
お二人とも、ありがとうございました。
操電では、エネルギー業界を共に開拓するエンジニアを探しています。
操電では現在、開発をリードするソフトウェアエンジニアを探しています。操電のことはもちろん、EV業界や充電インフラ事業、エネルギー業界に少しでも興味を持っていただけたらまずカジュアルにお話しできれば嬉しいです。皆さんのご応募をお待ちしています。
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