【R&D・プロダクト開発チーム座談会】「お客様への価値提供」をゴールに。最先端技術の研究からプロダクト実装まで“協働”で取り組む開発体制
スカイマティクスの開発体制における最大の特徴は、AIやGISなど最先端の技術研究機能と、それらをプロダクトに実装する開発機能が密接に結びついているという点にあります。
業務を担うのは、主に2つのチーム。サービスの基礎となる要素技術を研究し、製品に組み込まれる解析プログラムの開発を担う「R&Dグループ」と、R&Dグループが開発した解析プログラムを実際のサービスに落とし込む「プロダクト開発グループ」です。
今回は、両チームの役割と、どのように連携して業務を行っているのかを座談会形式でインタビュー。日々新たな技術を習得しながら、プロダクト開発とその先にあるお客様への価値提供につなげていく。そんなプロセスを協働する面白さを感じていただけたら嬉しいです!
目次
- プロフィール
- 研究成果をプロダクトに実装する、部署横断の開発体制
- 「お客様の声」を起点に、実証実験と改善提案を繰り返す
- 最先端技術の追求とビジネス視点の価値提供を“両取り”する、開発部門のプロフェッショナリティ
プロフィール
榎本 真貴/Masaki EnomotoR&Dグループ グループリーダー。大学院卒業後はGISや人工衛星の事業に長く従事。日立系列企業より2018年にスカイマティクスへ出向、任期終了のタイミングで正式ジョイン。現在はR&Dグループ全体のマネジメントを担当。松野 寛樹/Hiroki MatsunoR&Dグループ リサーチャー。前職ではクライアント企業向けの機械学習・画像処理案件を担当。そこで触れたGIS技術のさらなる活用をしたいと、2021年2月にスカイマティクスへ入社。AI機械学習による画像解析プログラムの研究・開発を手がける。吉川 昌宏/Masahiro Yoshikawaプロダクト開発グループ グループ長。SIerにて、民間企業向けに地理情報を用いたサービスの提供経験を持つ。過去の仕事仲間であったCEO・渡邉のリファラルで2020年にスカイマティクスへ入社。グループ全体のプロジェクト管理、マネジメントを担当。藤平 啓/Kei Fujihiraプロダクト開発グループ エンジニア。前職では、官公庁向けにGISデータの解析を行う企業に勤務。技術をより多くの人に活用してもらいたいと考えていたところ、スカイマティクスと出会う。2021年1月入社。現在はプロダクトオーナーとして開発~運用に従事。
研究成果をプロダクトに実装する、部署横断の開発体制
——まずは、それぞれの担当業務や役割について教えてください。R&Dグループは、どのようなことをしている組織なのでしょうか?
榎本:一言で表現すると、スカイマティクスの各種プロダクトに搭載する「AI解析プログラム」を開発するのが主な業務です。
スカイマティクスのR&Dグループは、2つのチームに分かれています。空から撮影した一枚の画像、つまり二次元データ処理解析の要素技術を開発する「2Dチーム」と、複数の画像データを合わせて立体的な地形データを作成するための解析を行う「3Dチーム」です。
各チームは画像を解析するための要素技術開発、先端技術調査から、プロトタイプの作成までを担っています。現在、在籍するリサーチャーは10名(2022年9月末時点)。私はマネージャーとして、各メンバーの得意分野や志向をふまえて研究業務をアサインしています。
松野:私は2Dチームに所属しており、画像処理にまつわる研究のほか、お客様への研究成果の共有などが主な担当業務です。R&Dグループには外国籍のメンバーも多いため、彼らとプロダクト開発グループや営業・CSも含めたプロジェクトチームメンバーとの橋渡しのような役割も任されています。
——続いて、プロダクト開発グループの業務内容も教えてください。
吉川:R&Dチームが手がけた解析プログラムをもとに、UI/UXの観点もふまえてプロダクトに実装するのが私たちの業務です。
プロダクト開発グループは、現在プロパー社員が8名(2022年9月末時点)。スカイマティクスでは『くみき』『いろはMapper』など複数のプロダクトを提供していますが、プロダクトや個別のソリューションごとにプロジェクトを立ち上げ、メンバーをアサインしています。
藤平:私は『いろはMapper』のプロダクトオーナーとして開発から運用まで携わっています。お客様がプロダクトをすぐ使える状態にするために、必要なデータを事前に搭載しておく導入支援のカスタマイズなども担当業務の一つです。
「お客様の声」を起点に、実証実験と改善提案を繰り返す
——プロダクトの開発はどのように進めているのでしょうか?
吉川:新規プロダクト開発においても既存プロダクトの改善においても、起点となるのは「お客様の声」です。まずは、営業やCSから「こんな要望が上がっている」と共有してもらうところから始まります。
必要に応じて、お客様の抱える課題や現在の業務フロー、プロダクトの使い方(ユースケース)などを私たちが直接ヒアリングすることも多いですね。
現状を把握し、お客様のお役に立てることを紐解き、機能やサービスに落とし込むわけですが、手段として画像解析が必要な場合はR&Dグループに相談し、提供価値を組み立てていきます。
——まずは、お客様の要望を汲み取るところから始めるんですね。
吉川:次のステップでは、まだプロダクト開発には移りません。「お客様の課題を解決するには、こういう見せ方がいいのでは」「こんな学習データを集めたら実現するのでは」と、プロダクト開発グループ・R&Dグループがお客様と共にアイデアを出し合いながら仮説検証を進めていくんです。
ここから両チームの連携を本格化させ、都度お客様からフィードバックをいただきつつ、どんどん価値の本質に迫るプロセスを重ねるようにしています。
榎本:『いろはMapper』は、まさにそうやってつくられたプロダクトですね。これまで自治体の職員の方たちは、農地に行って一箇所ずつ作物を確認していく、という大変な作業を毎年行っていて。
そこで私たちが提案したのが「空からドローンで農地を撮影して画像データを取得し、地図データ上に落とし込む」サービスです。その実現方法については、お客様から実際の業務をヒアリングしつつ精査していきました。
たとえば、いくら高品質なデータが取得できても、納品までに1ヶ月もかかるのではお客様の求めるスピード感には応えられない可能性が高いですよね。
お客様の不便をきちんとプロダクトで解消できるように「どのくらいの高さから撮影すれば十分な画像データが取得できるか」「画像の取得期間は適切な範囲か」「どのくらいの性能にすれば予算内に収まるか」などを段階的に検証していったんです。
お客様の課題やニーズを正しく理解して、どうすれば解決できるかを全員で考える。そして、実証実験を繰り返し、仮説検証を重ねながら一緒に最適解を探していく。このプロセスを大事にしています。
最先端技術の追求とビジネス視点の価値提供を“両取り”する、開発部門のプロフェッショナリティ
——R&Dのような研究組織は、一般的に独立したポジションであることが多いと思いますが、スカイマティクスでは開発組織と非常に距離が近いですよね。
吉川:全社で50名ほどの規模だということが要因として大きいです。加えて、お客様への価値提供を共通ゴールに置いているからこその風土だと言えるでしょう。
何かあったらすぐ側で相談できる関係性は、プロダクトの開発においてとても良い影響をもたらしていると感じます。
藤平:まさに最近、距離が近いゆえのメリットを実感する場面がありました。悪天候下で撮影した画像データの品質が良くなく、AI解析に必要なオルソ画像の写真データを作れないというトラブルが発生したんです。
すぐにR&Dチームに相談したところ、「こういう画像処理を施してみたらどうか」と的確なアドバイスをもらえて。そのおかげで、無事に画像データをAI解析に回すことができました。
松野:こうした連携は日常的にありますよね。
プロダクト開発チームのメンバーは、私たちR&Dがどのような取り組みをしているのか、何が実現可能なのかを、近くで見て知ってくれている。そのうえで、こちらがすぐ対応できるように要点をとらえた状況説明や相談をしてくれるので、とても助かっています。
——密なコミュニケーションが、仕事への成果にもつながっているんですね。
藤平:プロダクト開発側として、R&Dグループのメンバーが高い専門性と共に鋭い「ビジネス視点」をもって研究に取り組んでいるんだな、ということは日々感じていて。だからこそ相談や連携がしやすい面もあります。
松野:たしかに、R&Dチームでは「ビジネス視点」を意識して日々の研究やプロトタイピングを行っています。構想段階のサービスを形にするための基礎研究を積み重ねつつ、現在のプロダクトにすぐ実装できるAI解析にも力を入れている。スタートアップならではのスピード感のある動き方をしていますね。
榎本:会社としては「10年先の課題を解決」を掲げていますが、成果が10年後に出る研究ばかりを手がけていては、現在のプロダクトで価値を提供できません。
最先端の技術を追求することと、ビジネスとしてお客様へダイレクトな価値提供をすること。スカイマティクスは、その両取りが可能なきわめて珍しい環境だと言えます。
吉川:プロダクト開発会社として、全員がプロフェッショナリティを持って仕事に臨む。それが私たちが働くうえで大切にしているスタンスです。
——R&Dグループとプロダクト開発グループ、ともに高い専門性や技術を持っているメンバーが多いと思います。これからのスカイマティクスでは、どんな人が活躍していただけるでしょうか?
榎本:好奇心を持ってチャレンジし続けられる姿勢を持っている人にはぴったりなのではないでしょうか。
実は、入社当初はAIやGISなどの先端技術にあまり詳しくなかったというメンバーも少なくありません。ですが仕事に向き合ううちに、知識とスキルを実践でどんどん積むことができるので、ものすごく成長できるんです。それが、R&Dグループとプロダクト開発グループに共通する、スカイマティクスの開発部門で働く面白さですね。
探求熱心で勉強好きなメンバーとともにプロダクトを磨き込んでくれる新たな仲間を、心からお待ちしています!