株式会社Squadは、「この世で最も人を生かす企業であり続ける」という理念を掲げ、デジタル広告運用プラットフォーム「Squad beyond」を開発・提供しています。リリースから約4年でARR12億円を突破し、現在は「10→100」の非連続な成長を目指す第2創業期の真っ只中にあります。
今回は、2024年に中途入社したカスタマーエクスペリエンス(CX)マネージャー、徳川さんにインタビュー。福岡の老舗広告代理店で人間力を武器にキャリアをスタートさせ、東京の美容系ベンチャーを経て、なぜSquadという環境を次の舞台に選んだのか。ラグビーで鍛えられた人間性を組織文化の核に据え、サポート組織を「事業を勝たせる攻めの集団」へと進化させる徳川さんの挑戦に迫ります。
徳川 裕喜隆 / カスタマーエクスペリエンス(CX)マネージャー
2017年新卒。1社目は福岡の広告代理店にて、テレビや紙媒体を中心とした営業に約6年半従事。その後、東京の美容系ベンチャーでECモールブランド運営やPR、インフルエンサー事業を担当。2024年、株式会社Squadへジョインし、現在はCXマネージャーとして組織全体のKPI設計や仕組み化を牽引している。
「成果が出ない広告」の悔しさが原点。福岡の広告代理店で学んだ人間力
──徳川さんは新卒で福岡の広告代理店を選ばれたそうですね。ルーツからお聞きしてもよろしいでしょうか。
私の人生を語る上で欠かせないのがラグビーです。小学校から始めましたが、高校選びの際に厳しい環境で自分を律したいと考え、あるテレビ番組で紹介されていた規律の厳しい高校への入学を決意しました。そこで過ごした3年間で「真っ当な人間」としての土台が鍛えられたと感じています。
広告代理店に進んだのは、正直、テレビという媒体への強い憧れと「キラキラした世界で働きたい」という純粋な好奇心が大きかったですね。(笑)。
──福岡での6年半は、どのような経験をされたのですか。
一言で言えば「泥臭い営業」の日々でした。九州という土地柄、当時は人間性や繋がりで仕事を取ってくることが当たり前の文化でした。
中でも忘れられないのが、最初に出したフリーペーパーの広告です。骨董品の買取業を営むクライアントから予算をいただき、デザインや入稿を必死に行いましたが、結果は「成果ゼロ」でした。期待してくださったお客様に何の価値も提供できず、そのまま契約が終了してしまった。当時のマスメディア広告では、なぜ失敗したのかという詳細な分析や、即座のネクストアクションを取ることが難しかったんです。
この時の「せっかく大切なお金を頂いたのに、クライアントを勝たせられなかった」という悔しさが、私の「成果への執着」の原点になっています。自分の介在価値を数値で証明できないもどかしさが、現在のキャリアを形作っています。
認知から購入へ。デジタル領域への転身で見えた「手触り感」のある支援
──その後、東京の美容系ベンチャーへ転職されています。なぜデジタル領域へ?
マスメディア中心の業務に危機感を覚えたからです。世の中が急激にデジタルへシフトする中で、自分だけが新聞やテレビの枠を売っている状況に「このままでは置いていかれる」と強く感じ、実務でデジタルマーケティングを学べる環境を求めて上京しました。
2社目ではSNS広告やインフルエンサーPRを担当しました。そこでは数百万、数千万といった「インプレッション」や「いいね」を追っていましたが、また新しい壁にぶつかりました。
──どのような壁だったのでしょうか。
「認知」は取れても、その先のお客様の「購入(成果)」まで踏み込みきれないもどかしさです。PR施策でどれだけ動画が回っても、それが実際に売上にどう寄与したのか、数値としての「手触り感」が欠けていた。
そんな時に、Squadの代表である杉浦さんやメンバーと出会いました。会社イベントでサッカーの日本代表戦を大画面で観戦する機会があったのですが、その場の雰囲気がとにかく楽しそうで、かつ全員が同じ方向を向いている活気を感じて、「この人たちと働きたい」と直感したんです。
何より惹かれたのは、Squad beyondが広告の「不透明さ」を打破できるツールだったからです。クリックから成約までが可視化され、すべてがデータという「事実」で示される。ラグビーを通じて「真っ当でありたい」と考えてきた私にとって、結果が曖昧なまま報告するもどかしさを解消し、顧客の課題に真正面から向き合える環境は非常に健全に映りました。かつて成果を出せず悔しい思いをした経験があるからこそ、ここなら本質的な支援ができる。その確信が、ジョインの決め手です。
顧客を「自走」へ導く、データに基づいた攻めのコンサルティング
──実際にSquadに入ってみて、組織文化をどう感じていますか。
Squadには「善人」しかいない、というのが率直な印象です。これは単に優しいという意味ではなく、善悪の分別がつき、他者への配慮が「当たり前の基準」として極めて高いレベルで浸透しているということです。
──「当たり前の基準」とは具体的にどのようなことですか。
例えば、オフィスのトイレのシンクが常にピカピカに保たれています。誰に言われるでもなく、使った人が次の方のために綺麗に拭き取る。離席する際に電源コードやマウスを整えることも含め、そうした誰かのための些細な行動が暗黙のルールとして根付いています。
この「人として素敵であること」が、CXという仕事においても大きな武器になっています。顧客に対しても「この人を勝たせるために何ができるか」を、損得勘定抜きに自発的に考えられるメンバーが集まっているんです。
──CXチームのマネジメントにおいて、特筆すべき強みはどこでしょうか。
SquadのCXは、単なる「操作説明」や「トラブル対応」の枠を超えています。私たちが向き合っているのは、国内のインターネット広告媒体費の約30%、年間約9,000億円規模が配信される巨大なプロダクトのデータです。この膨大なデータを背景に、顧客が成果を最大化するための「勝ち筋」を共に見つけにいくことが私たちの役割です。
具体的には、広告の配信データとSquad beyond上で制作されたLPのデータを掛け合わせ、どの広告とどのクリエイティブが最も購入に繋がっているのかを一気通貫で分析します。ヒートマップを見て「ここでユーザーが離脱しているから、このコンテンツは不要かもしれません」といった踏み込んだ提案をしたり、レポートから改善の糸口を特定したりと、実務に即したコンサルティングまで行います。
私たちが最終的に目指すのは、顧客が自分たちだけでレポートを読み解き、最速で改善サイクルを回せる「自走状態」に導くこと。もし分析の過程で、別の機能を使えばさらに成果が伸びると確信すれば、顧客のPL改善のためにこちらから能動的に追加提案も行います。
顧客とチームが一体となる組織へ
──マネージャーとして、KPIの設計も変更されたとお聞きしました。
以前のCXは、「チャットの対応件数」や「レスポンス速度」といった作業ベースの指標を追っていました。しかし、それはあくまで「手段」であって、本当の意味での顧客成功ではありません。そこで、私はKPIを「アドオン提案額」や「契約のアップグレード数」といった、顧客の成果とSquadの事業成長が直接連動する指標へとシフトさせました。
──伴走型のCSを希望する方には、少しハードルが高く感じるかもしれません。
そう思われるかもしれませんが、実は逆なんです。作業件数を追っている間は、メンバーの意識は自分のタスクに向いていました。しかし、指標を「顧客の成長への貢献」に変えたことで、メンバーは「どうすればこのお客様をもっと勝たせられるか?」と、本当の意味でお客様の隣に立って考えられるようになったんです。
顧客の広告成果が上がり、その対価としてSquadへの信頼が増し、売上も伸びる。この「三方よし」の状態が可視化されることで、チームには今まで以上の「一体感」が生まれました。
──現場の声をプロダクトに反映させる「開発とのハブ」としての機能はいかがですか。
CXが現場で吸い上げた「ここが使いにくい」「こんな機能があればもっと成果が出る」という生の声は、専用フォームを通じて即座にテクニカルサポートや開発チームへ届けられます。単なる要望伝達ではなく、開発の優先順位を判断するための「事実」としてデータを添えて共有するため、改善のスピードが非常に速いのが特徴です。
──「MECHANISM FIRST(仕組み化・資産化)」についても、現場主体で進んでいるそうですね。
私の指示を待つのではなく、メンバー自らが「この作業は時間の浪費だ」と感じた瞬間に仕組み作りに動く文化があります。例えば、特定の相談が来たら自動的に解決策が提示されるSlackの連携フローや、誰が担当しても高品質な伴走ができるコミュニケーションの型化など、毎週のように新しい仕組みが現場から生まれています。「誰かが頑張って解決する」のではなく、「誰もが当たり前に解決できる仕組みを創る」ことに全力を注ぐ。この姿勢が、実質1日7時間という限られた時間内での圧倒的な成果を支えています。
個の人間力と組織のメカニズムで市場を変える。未来へのビジョン
──今後の組織としての目標を教えてください。
短期的には、メンバーがより「自分の時間は今、本当にユーザーのために使われているか?」をさらに自発的に問い直し、付加価値の低い作業を徹底的に排除できる環境を深めていきたいです。
中長期的には、CXメンバー全員がSaaS事業の深奥や広告技術、さらには競合他社の動向までを高いレベルで理解し、単なるサポートを超えた「顧客の経営に並走するパートナー」へと進化させたいと考えています。
──最後に、どのような方にSquadの門を叩いてほしいですか?
「人のために動ける誠実さ」を持ち、かつ「圧倒的な吸収力で市場価値を上げたい貪欲な人」です。
正直、まだ完成された組織ではありません。だからこそ、自ら仕組みを創り、顧客を勝たせるために試行錯誤できる楽しさがあります。個人が持つ力を組織の仕組みで最大化させていく、そんなプロセスにワクワクできる方。ぜひ一度、気軽にお話ししましょう。