こんにちは!事業開発Grpの井口です。
今回は、「知られざる「木の世界」~武田製材見聞録」第3弾!
武田製材見聞録は今回で最終回になります。
前回の記事 知られざる「木の世界」~武田製材見聞録~その② がまだの方はこちらを読んでくださいね🌲
今回の記事はこんな方におすすめ!
・木材について理解を深めたい方
・木について知りたい方
・木材コーディネーターに興味がある方
目次
モクマオウ
リュウキュウコクタン
ヤエヤマノコノチチ
まとめ
名前すら聞いたことがないような木にも、実はしっかりとした用途があるということ。
モクマオウ
次は名前が厳ついモクマオウです。
名前のイメージ通り?とても重い木で、武田さんは日本にある木の中で最も硬い木だと言います。
木材好きのバイブルである【原色】木材加工面がわかる樹種辞典(河村寿昌、西川栄明, 2019)には、国内自生種で最も硬いと記載されています。
このモクマオウ、樹皮や葉が注目ポイントです!というのも、遠目で見るとマツのように見えて、実際に近くで見るとやっぱりマツのように見えます。
ところがマツと近い種類というわけではなく、それどころか実際には針葉樹でもなく広葉樹に分類される、見た目と分類が一致しない変わった種です。
1200種もいると、変わったやつも紛れ込んでいますね...。
モクマオウの葉っぱ
リュウキュウコクタン
次はリュウキュウコクタンです。リュウキュウコクタンは日本では数少ない黒い材の取れる樹種です。
材は非常に緻密で重く硬いのが特徴です。黒いのは心材部分で、辺材部分は対照的に白い材であるため、非常にコントラストの強い面白い色の木でもあります。
このリュウキュウコクタンは沖縄の伝統的な楽器、三線の棹材として重宝されています。
そのため、「リュウキュウコクタン 木材」で検索すると、三線店が端材を売っているという情報が出てきました。沖縄の古民家では、床柱や床框に利用されており、現在でも見ることができます。
リュウキュウコクタンの床框
ヤエヤマノコノチチ
最後に紹介するのは、武田さんイチオシのクロウメモドキ科に属する、ヤエヤマノコノチチ!
このグループの特徴は、心材(木材の中心部分)と辺材(木材の外側部分)のコントラストがはっきりしていること。なおかつ、心材の発色が豊かで光沢があることです。同じグループには、ナツメやケンポナシなども含まれており、やはり発色と光沢が豊かで見る者を楽しませてくれます。
また、このネコノチチは葉っぱのつき方にも注目です。
右、右、左、左、と同じ方向に2枚ずつ葉っぱを出していきます。このような葉っぱのつき方(葉序)はコクサギ葉序と呼ばれ、コクサギやサルスベリ、ヤブニッケイなどにも見られる特性です。
まとめ
武田製材さんのお話を伺って印象的だったのは、
名前すら聞いたことがないような木にも、実はしっかりとした用途があるということ。
私たちの生活圏から見える山々がスギやヒノキばかりになって久しい今、元々そこに存在していた多様な樹種たちが、どのように使われていたのかを想像するのは難しいですよね。
しかし、ここ武田製材では、そんな「その他の木」を求めて全国各地から人々が訪れているのだそうです。忘れ去られた木々に新しい命を吹き込むこの場所は、多様な樹種の価値を再発見する特別なフィールド。その姿は、まさに雑木利用のメッカといえるでしょう。
スギやヒノキだけじゃない、もっと奥深い木材の世界―ここには、私たちがまだ知らない木材の可能性が無限に広がっているのです。
この記事を読んで、木や木材コーディネーターについてもっと知りたいという方はぜひお気軽にご連絡ください。
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