私は元々、故郷である鳥取県のとある町役場で働いていました。
そう、いわゆる地方公務員だったのです。
様々なご縁があって、いまは愛媛のWeb広告代理店で勤務しています。
「公務員が民間企業へ転職する」
そう聞いて、ポジティブなイメージを抱く方は多くないのではないでしょうか。
確かに、官⇒民への転職は大きなリスクと言えます。特に近頃の社会情勢を鑑みれば、われながらデカい決断をしたものだとしみじみと感じます。
とはいえ、年々勢いを増すWeb広告業界。
その中でも「広告運用職」という特殊な業務は、実に挑みがいのある分野だと考えています。
とりわけ元公務員の視点から見ると、「公務員こそWebマーケティングや広告運用に向いているのでは?」と思うこともしばしば。
今回は、元公務員の立場として、広告運用の醍醐味を語りたいと思います。
公務員から民間企業への転職を考えている方。
広告運用職への転職を考えている方。
どこかに面白い会社はないかと探している方。
公務員の方や、そうでない方にも、広告運用職の難しさと面白さをお伝えできればと思います。
この記事を開いてくださったのも何かのご縁です。
どうぞ、最後までご覧ください。
広告運用という広大で奥深い沼へご招待いたします。
脳細胞が沸騰するまで最適解を考える難しさ
さて、弊社の提供価値は次の一言に尽きます。
「常にお客様の企業価値を最大化するサービスを提供すること」
そのためには、脳から豆の木が生えるくらい悩みに悩む必要があります。
どのような広告施策が最適か。どの媒体にどれくらいの予算を割り当て、どのような広告を打ち出すか。
広告代理店としてではなく、お客様である事業者様の一社員になったつもりで考え抜くこと。
当たり前と言ってしまえばそれまでなのですが、しかしそう簡単なことではないのも事実です。
お客様によって商材が異なるのはもちろん、予算規模や広告の目的によって、施策の方向性から大きく違ってきます。媒体、広告メニュー、広告文やバナーなどのクリエイティブの選び方に無限の選択肢があるわけです。
(ところで、広告業界では広告のテキストや画像、動画などを”クリエイティブ”と言います。なんで形容詞やねん、と常々疑問なのですが、そういうもののようです。不思議ですね)
その無限の選択肢の中から、正解を探すことはできません。おそらく正解などないのでしょうし、あったとしても、それを言い当てることなどドクター・ストレンジでもなければ不可能です。
広告運用職の仕事は、その暗中模索の中で広告の効果を最適化することに他なりません。
あるクリエイティブが効果的かどうかは、配信してはじめて明らかになります。
どんな媒体の設定が最も費用対効果がよくなるのか、それも日々の運用の中で探っていくしかありません。
画面上の様々な数値、シグナルから、仮説を立てて検証を繰り返すことで、最適化のポイントを見つけ出すのが運用職の役割です。
かてて加えて、画面にだけへばりついていても、良い成果を上げられるとは限りません。
広告を出すのはネット上ですが、広告を届けた先にいる人々は、ネットの世界にだけ存在するわけではないからです。
広告を打ち出すうえでは、顧客心理の理解が欠かせません。どんな人が、どこで広告を見て、どのような感情を抱き、どのように行動するか。マーケティング業界では、ペルソナだとかインサイトだとか言われますが、そういう概念的なものに固執するのではなく、とにかく「あなたに届けたいんです!」という気持ちをもって、クリエイティブの制作や媒体の運用に臨む心構えが必要だと信じています。
そうした顧客心理は、画面上ではほんの片鱗を垣間見ることしかできないでしょう。
実際に広告主様のサービスを購入・体験してみたり、顧客心理をとことん追求してみるなど、徹底した現場感覚を兼ね備えてこそ、理想の広告運用者になれるのではないでしょうか。
公務員時代は、この「現場感覚をもつ」ことの重要性を常に説かれていました。
人口が少ない小さな町でしたから、不特定多数の「住民さん」ではなく、「どこどこの誰々さんのために」と現場に出ることもしばしばでした。
役所の職員だけでなく、教師や警察官の皆さんなど、現場で汗を流す方々にとっては、この現場感覚の難しさと大切さに共感していただけるのではないでしょうか。
正解がない世界で、徹底した顧客理解と現場感覚をもって、最適解を追い求め続けること。
それが広告運用の醍醐味です。
ニューロンが捻挫するほど苦心して絞り出した施策やクリエイティブが、実を結ばないこともあります。
そんなときの悔しさや無力感ときたら。
けれども、そんな悔しさがあってこそ「次こそは!」と臥薪嘗胆し、あらゆる打ち手を積み重ね、とうとう成果を上げられたときの感動はひとしおなのです。
そして更なるステップアップ――より難しい案件や、複雑な配信施策、媒体に挑み、ニューロンがちょうちょ結びになるまで考え、起死回生の一手を見出し……と限りない最適解の追及を繰り返すのです。
どうでしょう。魅力的な沼ではありませんか?
あっちもこっちも沼しかない……ここはパンタナルか!
広告を出稿できる媒体は、GoogleやYahoo!、Facebook、Twitterなど多岐にわたります。運用するうえでは、それら媒体を深く理解することが欠かせません。
そのためには、何はともあれ公式ヘルプを熟読することが大切です。
基本的なこと、大切なことは公式ヘルプに書いてあります。
わからないこと、曖昧なことがあれば、第一にヘルプに目を通すべきです。
教科書であり虎の巻、六法全書にしてアカシックレコード……とは大げさに過ぎますが、まあとにかく何かあったら読む、くらいの無碍にできない存在ということです。
さて、役所で働いた経験のある方ならお察しかもしれませんね。
公式ヘルプとは、まさしく役人にとっての「法規集」そのものです。
法律ほど小難しいわけではありませんが、どことなくややこしい言い回しだったり、ページ内の至る場所にリンクがあるため、掘り下げれば掘り下げるほど延々とヘルプ内を徘徊し続けることもしばしば。条例の参照元の法律をたどり、さらにそれが引用されている別の法律を……と探り続けるあの感覚に似ています。
そうはいっても、地方自治法や財務規則などを読んでいたときに比べれば、格段に理解しやすいのは確か。イジワルな条文ずれの改正もなければ、滅多矢鱈に連続し重複する()に苛まれることもありません。法規集に慣れているならヘルプを読み進めることに抵抗はないはずです。
迷ったらまず公式ヘルプ、という習慣を身に着けられれば成長に大きくつながります。
公務員として法律規則に慣れ親しんだ方。
公式ヘルプという新たな読み物に挑戦してみませんか?
……まあ、ヘルプを読んだからといって媒体をマスターできるわけでもないのですが。
媒体を運用していると、時折「なんでじゃ!」と叫びたくなる挙動をすることがあります。
確かにヘルプには書いてある事柄だったりします。仕様上のふるまいかもしれません。けれども、こちらの意図したこととは540度くらい違う動きをすることが、まれに(又はしばしば(若しくはよく))あるのです。
ヘルプを読み込んで理解したつもりになっていても、そこはやはり人工知能、意図を汲み取ってくれる機能はまだまだ完全ではないようですね。
そんな「なんでじゃ!」特性は、媒体によってまちまちだったりします。
運用者によっては好きな媒体、苦手な媒体があるようですが、私はこの「なんでじゃ!」特性をうまく乗りこなせるかどうかが決め手だと思っています。まだまだ媒体の経験数は多くないのですが、媒体ごとの沼にはちゃんと(?)ハマっています。
そう、広告運用の世界は沼地だらけです。ブラジルのパンタナル自然保護地域なみの湿地帯で、運用者たちは日々奮闘しています。
ご安心ください、ワニやらヘビやらピラニアやら、そんな怖い動物はたぶんいません。
その代わり、自分にとってもっとも居心地のいい沼地を探し出し、自由自在に泳ぎ回るための訓練が待っています。それができれば悠々自適、あなたがその沼の主です!
どうです運用沼、ますます魅力的でしょう?
同席対面五百生、盲亀浮木
公務員では経験できない魅力があるのも、運用職、ひいてはビジネスの醍醐味だと思っています。
元公務員だからといって、別に公務員をディスりたいわけではありません。
むしろ、このような状況においても他者のことを考え、日夜業務に明け暮れる公務員の皆様には敬服するばかりです。
国や県、市町村の職員の方々。学校の先生や消防士、自衛隊、警察官など、一口で公務員と言ってもその業態はさまざまで、どれもこの社会を維持するためには欠かせない存在です。
とはいえ、もし私が役所で働き続けていたら、きっと経験できなかったであろうことが多いのも事実。
民間企業に移ってもっとも実感したのは、ビジネスの世界の厳しさです。
会社としては、利益を出さなければ続けていくことができません。公務員時代にも少子高齢化や人口減少に伴う「消滅可能性自治体」という問題はよく取り上げられていました。ですが、自治体が「存続」することと企業が「存続」することは、同列には語れません。
来年、急に自治体が消滅することはあり得ないでしょう。しかし企業ならばあり得ます。数字は無機質でシビアですから、いくら汗水を垂らそうと、それが利益につながっていなければ企業にとっては無価値である、なんてことが往々にして起こり得ます。
ビジネスの現場が戦場に例えられることがありますが、広告運用はまさしくその最前線です。
一件でも多く、お問合せやお申込み、購入につなげること。どんな厳しい状況であっても、可能性のある施策を見出し、広告主様のため、そして広告主様がサービスを届ける顧客のために、最善の手を尽くすこと。
そうすれば、良い結果はあとからついてきます。
成果が数字で一目瞭然である点が、広告運用の厳しさであり、醍醐味でもあります。
私は公務員からの転職であり、Web業界どころかビジネス自体がど素人でした。そんな中でも、濃密な研修と丁寧な上司や先輩社員のサポートがあり、前線で戦えています。
(たまにプライベート・ライアン状態になりますが、熟練の先輩運用者たちによる3000万人力のサポート体制があり助けられています。本当に感謝しかありません)
何よりも、自分の考えた広告文が、施策が、運用が、誰かのためになることほど面白いものはありません。
弊社の社是は「同席対面五百生」、人と人との出会いは500回ほどの生まれ変わりを経てようやく実現するものだ、という言葉です。私がShiftと出会い、転職できたのもそれくらいの奇跡的な確率ですし、あなたがこの記事をここまで読んでくださったのも、同じくらいの、いやそれ以下の確率――まさに盲亀浮木ほどのご縁があってのことだと思っています。
運用の沼がどうこう、などと書いてきましたが、突き詰めれば「楽しみながら誰かの役に立てる」仕事が広告運用職です。
転職先を迷っている方。
公務員から転職したい方。
これからの仕事にやりがいと楽しみを見出したい方。
ぜひ、この機会に株式会社Shiftの広告運用職をご検討ください。
ニューロンが震えるほど刺激的で、パンタナル以上に広大で挑みがいのある領域があなたを待っています。
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