スタッフのレベルの向上と今後の組織の拡大を見越して、羊 SUNRISEでは採用と教育、評価制度の整備を計画しています。人材のミスマッチの改善と羊SUNRISEらしさの継承をする為の新たな取り組みについて関澤社長にお話を伺いました。
自分と同じレベルの接客クオリティを全スタッフが身につけてほしい
-現在羊SUNRISEが抱えている課題を教えてください
接客のクオリティや教育体制は課題ですね。羊SUNRISEで働くスタッフ全てが関澤と同じレベルの接客や調理をしてほしいと考えていますが、現状まだまだそういった状況ではありません。
羊SUNRISEイズムを体現するスタッフ育成を成功させるために、教育や研修制度の体系化を行う必要があると強く感じています。
現在特に課題なのが接客力にばらつきがあること、接客方法が属人化している、必要なことを教えるのが何かあったその都度になっていること、以上3点です。
変態的な羊への愛を採用条件に
-どのようにテコ入れをしていくことを考えていますか
現在は採用したスタッフは実際に調理接客をしてもらいながら成長してもらうOJT方式をとっています。この方法だと全体の業務に慣れるのは早いかもしれませんが、細かい部分のクオリティを高めづらいデメリットがあります。羊SUNRISEが重視する接客スキルはもちろん、羊に関する知識とか、調理技術や見せ方など。これらを確実にレベルアップするには、研修体制の整備が急務であることは間違いありません。
現在考えているのが、スタッフの習熟度に応じた以下5段階のランクを設けることです。
①変態的な羊への愛
②圧倒的な羊の知識
③調理スキル
④接客スキル
⑤経営視点
①変態的な羊への愛(採用必要条件)について
これまでは採用時点では特別羊への興味や愛情は求めていませんでしたが、今後は必須にする可能性があります。やはりもともと羊に対する強い思いを持っているといないのとでは、入社後のパフォーマンスが違う。
ある羊牧場経営者の息子さんが店舗で勤務していまして、彼が接客したお客様からの評判が非常に良くて羊肉の売れ行きも好調です。大学卒業した後の社会勉強にという感じでお父様から預かっているんですが、知識や愛情もさることながら熱量が他のスタッフと違う。勤務を始めて2週間ほどで食べログで彼の接客が高評価のコメントをいただくなど、目に見える結果も出ています。
「変態的な羊への愛」を採用の必要条件と掲げることで、採用できる人材の間口は少し狭まるかもしれませんが、日本全国にいる羊を愛する人たちに届く可能性は上がるのかなと。彼らと羊SUNRISEをつなげるような採用導線も作っていかなければなりませんね。
入社後の②〜④で想定しているのが、定期的な昇格試験に合格することで次のランクに上がることができる仕組み。羊SUNRISEで一番難易度が高い店舗業務が接客です。お客様の接客をできるのは店舗スタッフとしての最高レベルである④だけ。④にたどり着くまでに店舗の基礎的な業務や仕込みなどを通して、羊を扱うための知識と技術を完全に身につけてもらいたいと考えています。
土台がしっかりしていれば、接客時にお話しする羊についての蘊蓄や羊の話題に関するコミュニケーションも高レベルになるはずです。羊SUNRISEを面白い店と思ってもらいリピートや紹介をしてもらうためには、接客が最大のチャンスであることは間違いありません。
能力把握と評価を行い次のレベル感の組織に
-今いるスタッフに対しても新しい仕組みで落とし込みを行っていく?
はい、そこはきっちりと実施したいかなと。②〜⑤のランクに関しては羊の成度合いをランクの呼び名にしようかなと。例えば入社したばかりの②はラム、③はホゲット、接客をする④はマトン、マネージャークラスの⑤は羊飼いであるシェパードみたいな。
現在麻布十番の店長である石川もベビーラム辺りから始めてもらって(笑)。というのは半分冗談ですが、現在在籍するスタッフの能力把握と評価は改めて行う必要があると感じています。大きな組織改革ですので1年くらいは私自身にとっても痛みを伴うものになると思いますが、そこはしっかり乗り越えて次のレベル感の組織を作っていきたいですね。