自然の中でチームワークを発揮し楽しい空間を作るキャンプ。羊SUNRISEが開催した社員キャンプの狙いと、参加スタッフに対してどんな成長を促すことができたのか、関澤社長に伺いました。参加者がお互いにコアな部分に踏み込むことで、普段の店舗勤務では得られない気づきのチャンスがあったようです。
なぜ社員旅行にキャンプという形を選んだか
-今回のキャンプはどのような参加者で開催されましたか
社員は全員参加で、あとはYoutubeでもお馴染みのアルバイトの陳くん、さらに取引先や協力会社、友人の経営者など総勢15名くらいが参加しました。
-社員旅行にキャンプという形を選んだ理由を教えてください
以前に若手経営者が交流するキャンプに店長の石川と二人で参加したことがありました。不動産会社の主催で、そこの会社の若手社員や秘書がサポート役として参加するようなキャンプです。
もちろんキャンプも楽しくてハマるきっかけになりました。大好きなサウナもありましたし。さらに、その会社では新入社員研修で必ずキャンプをやると聞きました。キャンプをやると、その時自分がすべき動きを理解している人間とそうでない人間がはっきり見えるというんです。確かにキャンプは荷物をほどいたり片付けしたりやることが山のようにあります。自分で考えて率先して動く人間と何もしない人間がはっきり分かれる。これは人物評価という面で面白いイベントだなと思いました。
その後プライベートでも家族でキャンプをするようになったんですが、計画を立てるという側面からも面白いなと。車に詰める荷物の量は限られていますし、キャンプ場で何をするかを決めなければ持っていく荷物も選べない。社員に計画を立てさせることで成長につながるのではないかと思いました。
もう一つ大きい理由が、現在羊SUNRISEのスタッフが「茨城出身」「非茨城出身」で分かれれてきていて。僕や石川が茨城出身ですし羊SUNRISEを語る上ではもはや茨城というワードは避けては通れない。「非茨城出身」のスタッフは茨城に来たことがない人が多いので、キャンプを通じて茨城の空気を感じて欲しいなと思いました。羊SUNRISEで提供する野菜も茨城産を多く扱っていますし、茨城を知って茨城を語ることでより深みが出るかなと。
濃密なコミュニケーションを取れる環境を作った
-キャンプをするにあたってルールやテーマは提示しましたか
僕から提示したのは非常にざっくりしたものです。「茨城でキャンプやるよ」「テントとサウナ持っていくよ」「料理はこれを作るよ」くらいで、あとは参加者自身で計画を全部立ててもらいました。一つ決めたルールは誰かと一緒にキャンプ場まで来ること。そうでないと一人で電車で来る人が出てきちゃうんで、行程や車での荷物の運搬も含めてキャンプの一部ということを徹底しました。
-一緒に来るメンバーの組み合わせは何か意図がありましたか
基本的にはなるべく全てのメンバーが交流できるような組み合わせを、行きと帰りで組みました。羊SUNRISEは通常のシフトだと5人でお店を回すので、全員が一度に会うことはほとんどありません。普段できないコミュニケーションを取る貴重な機会ですので、なるべく普段会いにくいメンバー同士を組み合わせるようにしました、車で往復4時間あったのでたくさん話もできたのではないかと。
-キャンプはどんなロケーションで行われたんですか?
アジトみたいな宿舎がある山の中にあるキャンプ場で行われました。宿舎の厨房と土間で調理をして、外にはテントサウナと水風呂を設置してという感じです。参加者全員男だったのでまさに合宿ですね。
キャンプを通し人間として成長してほしい
-キャンプを通じてメンバーの成長とか、日常のお店の勤務では気づかなかった部分は何か見えましたか?
最初にお話しした「自分がすべき動きを理解している人間とそうでない人間」は実際よくわかりました。お店では比較的大人しくしているんだけどキャンプで的確な動きをしていて感心したスタッフはいましたし、割と主張が大きいんだけど意外に自分からは動けないスタッフもいたりとか。スタッフそれぞれの根本的な生きる力を確認することができました。
今回ゲストとして招待したのが20代30代の若手の経営者やビジネスの最前線で活躍している人たちでした。羊SUNRISEも同世代のスタッフで運営しているので、彼らから刺激を受けて欲しいというのも狙いで。
飲食店ってどうしても普段働いている店の中での仕事ができるできないとか、業務に直結する考え方みたいなところで優劣を決めてしまう傾向があります。でもそれはすごく狭い世界の話。一歩外に出ればもっと視野が広がるしすごい人はたくさんいる。キャンプで店の外の世界に触れることで成長してほしいなと思ったんです。
もちろんゲストはお客様ではあるんですが、キャンプという空間の中ではもっとコアな部分に踏み込める仲間になれる。踏み込むことによって痛みもあるし気づきもある。今回も夜中にゲストと本気のトークをする中で泣いてしまったスタッフもいました。もちろん、それが本当に成長に直結するかというと本人次第ですが、気づきを与えるきっかけになることを期待しています。
今後も羊SUNRISEではキャンプを定期的に開催してレクリエーション及び成長の場にできればと。今世の中的には会社の飲み会とかイベントに強制参加させることを良しとしない空気があります。しかし、羊SUNRISEはお客様に対して熱さ売りみたいなところがあるので、裏側が実は冷めているというのはあってはならないと思うんです。社員に関しては必ず参加してもらって、その熱さや思いを共有してもらうことが彼ら自身の成長につながるのではないかと考えています。