転職活動をしていると、「アットホームな職場です」「やりがいのある仕事です」「風通しの良い環境です」という言葉を何度も目にすると思います。
Shakeは、HRShakerという求人媒体の運用代行サービスで、たくさんの企業の求人原稿をつくっています。その中で、私たちはこうした言葉をできるだけ使わないようにしています。この記事ではその理由を、支援先107社の求人原稿5,578本を分析した結果と一緒に紹介します。
なぜ求人は「アットホーム」だらけになるのか
求人原稿を書くとき、多くの担当者は他社の求人を参考にします。他社も同じように参考にしているので、同じ言葉が業種を問わず広がっていきます。
これらの言葉が嘘だというわけではありません。問題は、どの会社にも書けてしまうことです。求職者は1日に何十本もの求人を見比べます。どの求人にも「アットホーム」と書いてあれば、その言葉は比べる材料になりません。それどころか、「具体的に書けることがない会社」と受け取られる可能性もあります。
数字で語っている求人は、3本に1本だけ
HRShakerで運用した5,578本の原稿を分析すると、「%」や「円」などの数字を使って待遇や実績を書いている原稿は35%でした。
「未経験」について触れている原稿は39%、「休日・有休」について触れている原稿は32%あります。ところが、それを数字で裏づけている原稿はわずかです。「有休あります」とは書いても、「有休消化率100%」とは書かない。ここに多くの求人に共通する弱点がありました。
応募を集めた求人は、抽象語を「事実」に言い換え
応募が集まった求人は、抽象的な言葉を消したのではなく、事実に言い換えていました。Shakeが支援した企業の実例を紹介します。
「有休あり」から「有休消化率100%」へ
北陸のランドセル製造業のパート募集では、有休の取りやすさを消化率という数字で示し、冷暖房完備をタイトルに入れました。9ヶ月で105件の応募が集まりました。「取りやすい」は感想ですが、「消化率100%」は事実です。
「残業少なめ」から「残業月平均3時間」へ
北陸の土木・管工事業の施工管理募集では、勤怠データから出した「残業月平均3時間」を原稿に書きました。残業の多い建設業界から転職を考えている人にとって、「少なめ」よりもはるかに信じやすい情報です。
「地域密着」から「現場まで車20分」へ
同じ建設会社では、「地域密着型の働き方」を「現場はすべて車20分圏内・遠方転勤なし」と言い換えました。会社の自己紹介だった言葉が、通勤時間という求職者にとって大事な情報に変わっています。
「風通しの良い職場」を、オフィスの事実で伝える
東京の雑貨ブランドメーカーでは、「オフィスは直営店のすぐ上にあり、代表を含め社員同士の距離が近い」という事実で、風通しの良さを伝えました。この求人は10ヶ月で431件の応募を集めました。
抽象語を言い換えるときの例
- アットホーム:社員数○名、平均勤続○年、社長との距離
- 有休あり:有休消化率○%
- 残業少なめ:残業月平均○時間(実測値)
- 地域密着:現場・お客様まで車○分、転勤なし
- 風通しが良い:オフィスのつくり、会議の進め方
- 安定企業:創業○年、取引社数○社
- 研修充実:同行○ヶ月、独り立ちまでの期間
- 頑張りを評価:昇給実績○円、インセンティブの計算方法
- 女性活躍:女性比率○%、産休からの復帰率○%
- 大手と取引:取引先の規模、取引の継続年数
書けない項目があれば、それは原稿ではなく制度の問題です。制度をひとつ改善して数字をつくれば、その数字がそのまま求人の強みになります。
Shakeの仕事は、会社に眠っている事実を掘り起こすこと
求人原稿の説得力は、文章のうまさではなく「どの事実を書くか」で決まります。
HRShakerでは、クライアントへのヒアリングを通じて、有休消化率、残業の実測値、現場までの距離など、社内では当たり前すぎて誰も書いていなかった事実を見つけ出します。それを求職者が比べられる数字に置き換えて原稿にし、掲載後もクリック率や応募率を見ながら改善を続けます。
Shakeが大事にしている考え方のひとつに「IQよりEQ」があります。ロジックだけでなく、クライアントや現場の「声にならない想い」をくみ取ることを大切にしています。事実を掘り起こすヒアリングは、まさにその力が問われる仕事です。
Shakeについて
Shakeは、富山と東京の2拠点で中小企業の成長を支援している会社です。求人媒体の運用代行「HRShaker」、AIによる業務自動化「AIShaker」、ブランド構築「BRANDShaker」の3つの事業で、中小企業の「人が採れない」「社長に時間がない」「選ばれる理由が創れない」という悩みに取り組んでいます。
Shakeでは、一緒に中小企業の挑戦を支える仲間を募集しています。少しでも興味を持っていただけたら、「話を聞きに行きたい」からお気軽にご連絡ください。