はじめに
こんにちは!SEQSENSEのクラウドチーム・フロントエンドエンジニアの岩田です。
今回はAWS re:Invent2022(アメリカ・ラスベガス)に日本企業で唯一、デモシアターで登壇及びEBCラウンジでデモ展示という形で参加したので、レポートとしてお伝えしたいと思います。
- 11/28〜12/1までベネチアンリゾート・EBCラウンジにて常設デモ展示
- 11/28の18時(アメリカ時間)にベネチアンリゾート・デモシアターにて登壇
re:Invent2022の概要
re:InventはAWSのクラウドサービスに関わる技術的なセッション・ハンズオンなどに参加できるグローバルラーニングカンファレンスです。
日時:2022年11月28日(月)〜12月2日(金)
主催:Amazon Web Services
現地(アメリカ・ラスベガス)の会場に全世界から過去最大の50000人以上が参加し、オンラインでは30万人以上が参加しました。日本からも多数の方が現地で参加しており、おおいに盛り上がりました。
SEQSENSEについて
「世界を変えない。」をミッションに掲げ、深刻化する働き手不足の解決策として、ロボットの製造・開発をしています。ソフトウェア、ハードウェア、クラウドシステム、サービス設計から導入にかかわるコンサルタント業務までを自社で一貫して行い、現在は警備ロボットを中心にサービスを全国で展開中です。
◆自律移動型警備ロボット『SQ-2(エスキューツー)』紹介動画
参加経緯について
2022年8月末頃に、AWSのIoTチームからの方からSEQSENSEでのAWS IoTやAmazon Kinesis Video Streams(以降、KVS)のロボティクス分野での活用事例についての登壇やロボット実機を用いたデモをやってくれないかというお話がありました。
ロボットをアメリカに輸送するなど大きなハードルもありましたが、SEQSENSEとしてもビジネス上のメリットも大きく、エンジニアの採用活動等にも大きなインパクトをもたらす可能性が高いため参加することに決めました。
登壇者について
◆渡辺 敦志
ロボソフトチーム所属、ロボティクス/クラウド分野のアーキテクト/エンジニア
◆岩田 允仁
クラウドチーム所属、フロントエンドエンジニア
渡航までの準備について
渡航までに以下の準備を行いましたが、苦労した点、学んだ点、新たな発見などが多くありました。
スライド・原稿準備
今回の登壇では、ロボティクス分野において、主に下記二つのAWSのクラウドサービスをどう活用し、どのような利点があるのかなどを中心にご紹介させていただきました。
- Amazon Kinesis Video Streamsを活用したビデオストリーミング機能
- AWS IoT Coreを利用した警備ロボットの大規模な管理・運用方法
AWSの方との数回の打ち合わせを行い、登壇の内容はシステムアーキテクチャの説明やロボット実機を用いたデモを見せるという内容に決まりました。スライドは9/26のドラフト版締切と10/17の最終版締切のフェーズを経て、レビューして頂いた後に最終版が完成しました。
デモの内容については、実際にロボットを巡回させて、リアルタイムで映像を配信しているところやKVSに保存した録画映像を見せるなど、AWSを活用しているところを中心に説明する内容となりました。後述しますがロボットが実際にアメリカに輸送できるかどうかが直前まで確定しなかったり、輸送中に壊れてしまうなどのリスクもあり、社内オフィスにあるロボットでデモをする可能性などもあったため、デモの内容については大きく苦労しました。
スライドはこちら
https://d1.awsstatic.com/events/Summits/reinvent2022/ROB002_How-AWS-IoT-empowers-SEQSENSE-to-manage-autonomous-security-robots.pdf
ロボットの輸送準備
渡航までの準備で一番大変だったのが、ロボットをアメリカに輸送することでした。輸送会社選定等の手続き等はAWS側が担当してくれることになりましたが、輸送手続き(各種書類等)に関しては社内でやる必要がありました。
現時点でSEQSENSEには輸出入を取り扱う部門がなく、輸出入に関する知見が社内にはほぼ無かったため、ほとんどが初めての作業でしたし、土日祝を含めてギリギリまで輸送会社とのやりとりしたり、資料作成するなど本当に大変な作業だったと思います。
結果としては無事ロボットを輸送することができ、EBCラウンジでの常設デモや登壇中のデモを実機を用いて行うことができたのでよかったと思います。会社としても海外輸送に関する知見が得られたので、今後のビジネス展開にも活かすことができる経験になったのではないでしょうか。
また、ロボットを輸送できたことがre:Invent参加の1番の成功要因だったと思うので、中心となって担当していただいた高尾さんにはめちゃくちゃ感謝したいです。ロボットが輸送できてなかったら登壇も常設デモでも、これほど興味を持ってもらえなかったと思います。
USのリージョンへの環境準備
基本的に東京リージョン(ap-northeast-1)でプロダクト環境は用意していますが、今回はアメリカ・ラスベガスでの登壇・デモをするということで、レイテンシーの問題もあるため、USリージョン(us-west-2)でデモ環境を準備しました。
東京リージョン以外で動かす想定がされていなかったのもあり、リージョン間を跨いで設定を変更するなど環境構築が大変でしたが、マップを作成したり、ロボットに巡回させるなど、実際の動作を確認しながら構築しました。
環境構築を担当していただいた石村さん、ありがとうございました。
前日の準備
27日に現地の会場(3-The Venetian)へ行き準備を行いました。滞在先はBally’sというホテル(11-Flamingoの下のブロックのあたり)で見た目は結構近いかと思いますが、徒歩だと30分近くかかります💦
午前中から準備するのでBadge Pickupを空港で行う必要があったため、空港まで受け取りに行きました。そこで現地でサポートしていただいたAWSの方と記念撮影しました。(左からAWS・三平さん、SEQSENSE・渡辺さん、SEQSENSE・岩田、AWS・Lindonさん)
Badgeを受け取った後はEBCラウンジ(ベネチアン4F)へ行き、準備を行いました。無事アメリカまで輸送されていたロボットを開梱して、EBCラウンジのマップ取りや巡回の動作確認を行い、常設デモの準備は完了しました。
開催前日ですがAWSの関係者やイベントスタッフの方が興味を持って話しかけてきていただいたりしていたので、この時点でもre:Inventへの参加することへの期待感の高さを感じることができました。
この後Speaker Ready Roomでのスピーカーとしてのチェックインやデモの紹介ビデオ撮影などを行いました。
最後にデモシアター(ベネチアン2F)に移動して、登壇する場所でのマップ取りを行いました。まだデモシアター自体も準備中でしたが、その中でマップ取りをさせていただきました。
夕方だったので一般参加者のBadge Pickupが始まっており、デモシアターまでの移動中にロボットに興味を持ってくれて話しかけてくれた方や写真を撮ってくれた方がたくさんいて、ここでもre:Inventへ参加することへの期待感の高さを感じました。
EBCラウンジでの常設デモ
エグゼキュティブ・ブリーフィング・センター・ラウンジの名前のとおり、エグゼクティブの方達が基本的に使用する場所だけあって、さまざまな企業や団体のエグゼクティブな方達に訪れていただきました。(国連の職員の方や、AWSのIoTサービス全体のVPエグゼクティブの方などなど)
基本的には2台のロボットをEBCラウンジ内で巡回させておいて、用意していただいたモニターにコンソールの画面を表示しておき説明を行いました。(私は英語ができないのでほぼコンソール画面の操作だけでしたが、、、)
AWSの方の厚意により、Powered by AWSのステッカーを貼らせていただいて、常設デモを行いました。
イベント中、参加者は基本に以下のようなBadgeを首から掛けていたのですが、一般参加者は黒、AWS関係者は黄色、エグゼクティブの方は銀色のように、どういったロールなのかが判別できるようになっていたので、銀色のネックストラップの方がロボットに興味を持って近づいてきていただけた時にはAWSのサポートの方含めて全員に緊張が走りました💦
デモシアターでの登壇
40人ほどの方に見ていただいている中でSEQSENSEメンバー2人+AWS三平さんの全部で3人で登壇をしました。
ピンマイクの切り替えがスムーズに行かなかったのと、登壇のスライドを見せるPCとデモで使用するPCを切り替える必要があったのですが、登壇前の確認では問題なかったPC切り替えがうまくできずというアクシデントなど(他にもいろいろ)もありましたが、無事に最後まで登壇することができました。
登壇中にはロボットを写真や動画で撮影してくれた方や、OSSポータルサイトへのQRコードを読み取ってくれた方なども多くいたので、登壇としては大成功だったのではないかと思います。
ちなみにオンラインでの視聴はできないセッションでしたが、ロボットから撮影しているリアルタイム映像を見ながら東京のオフィスから応援していただいていたようです。また、日本から参加していたエンジニアの方にも登壇終了後に声をかけていただいたりしました。
最後に
デモシアターでの登壇翌日からは渡航したSEQSENSEメンバー2人ともが新型コロナに感染してしまったため、常設デモはAWSの方に対応していただきました。また、滞在していたホテルに隔離されてしまい、リモートで診療を受けても処方薬を受け取りに行くこともできずに困っていましたが、AWSの方にお願いしたところ、快く受け取りに行っていただきました。re:Invent中のサポートのみならず、その他にもさまざまなサポートをしていただいたAWS三平さん、Lindonさんには心から感謝申し上げます。
また社内でもさまざまなサポートをしていただきました。みなさまのサポートのおかげで無事にre:Inventに参加することができたと思います。ありがとうございました。
まとめ
以上のとおり、re:Invent2022(アメリカ・ラスベガス)において日本企業で唯一デモシアターでの登壇とEBCラウンジでのデモ展示を行いました。
re:Inventに参加したことにより多方面で大きな反響があり、国内外含めて多くのコンタクトをいただいている状況です。グローバル展開を含め、今後も大きな課題等はありますが、今回の参加は大成功だったと思います。
私個人としては、新型コロナに感染してしまって全期間でデモの対応ができなかったこと、予定していたAWSの方達(KVS)とのディナーができなかったこと、他のセッションやデモなどを見て回れなかったことについては残念ではありますが、海外のカンファレンスで英語で登壇するという経験はなかなかできないと思うので、手をあげてみてよかったと思います。また、英語力が皆無なので、英語がしっかり話すことができれば世界が変わるだろうと強く感じたので今後頑張りたいと思いました。
(追記)AWSのブログでも紹介されました!
We Are Hiring!!
警備ロボットを一緒に開発する仲間を募集中です!
AWS re:Invent2022において、日本企業で唯一デモシアターでの登壇及び常設デモをおこなったシステムの開発を一緒にやりませんか?
- クラウドエンジニア(クラウド、バックエンド、フロントエンド)
- ロボティクスソフトウェアエンジニア
- AIエンジニア
◆エンジニア採用リンク
◆OSSポータルサイトリンク