1
/
5

INTERVIEW 01ーアフリカでビジネスをする人々にとって、信頼関係を築く架け橋となりたいー永井 健太郎 (社長)

INTERVIEW 01

ーアフリカでビジネスをする人々にとって、信頼関係を築く架け橋となりたいー

永井 健太郎 (社長)

・東京大学卒業:在学時はベンチャーでEコマースサイトの構築等に従事

・JICA(国際協力機構)に入社:アフリカを中心に民間セクター開発・インフラ開発に従事

・シカゴ大学(米)でMBA取得:ファイナンス、戦略選考

・マッキンゼー&カンパニーに転職:マネージャーとして営業・販売戦略・M&Aに従事

・株式会社Afri-inc設立

新卒で政府系機関に入社し、その後MBAを経てコンサルタントに転職。4年間マネージャーとして勤務したのち、株式会社Afri-incを設立。公的機関から民間企業まで多岐にわたりキャリアを積んできた永井さんだが、なぜ仕事を辞めて起業することになったのか。インタビュー第1号は、永井さんのこれまでのキャリアとAfri-incへの想いを聞いてみた。

【アフリカの企業をサポートすることで、経済を回す側になりたい】

Q. コンサルタントを辞めて起業しようと思ったきっかけを教えてください。

―消去法です(笑)。そもそも、新卒でJICAの仕事を経験してから、自分がアフリカの経済を回す側になりたいと漠然と考えていました。JICAでは、アフリカの学校建設や社会インフラのプロジェクトに関わっていたのですが、うまく使えないと結局その国の経済は回らないんです。それで、回す側に回ろうと。経済学でいう経済主体(国・家計・企業)のうち、「企業」をサポートできる仕事をしたいと考えるようになりました。そして、それを実現するための方法として恐らく起業が最善かな、と判断しました。

Q. なるほど。ではなぜJICAの後にコンサルタント会社に転職されたのですか。

―JICAのときに描いた夢を実現する方法が分からなかったからです。なので、「ビジネス」とは何かを一から学ぼうと、MBAへの進学を決めました。

Q. 実際にMBAに進学してみてどうでしたか。

―学ぶものは多かったですね。授業はもちろんですが、アメリカには新興国向けの最先端の事業モデルがたくさんあって、刺激を受けることが多かったです。

Q. それは興味深いですね。その後マッキンゼーに転職されたということですが、どのようにAfri-incの起業につながったのですか?

―マッキンゼーには1か月の長期休暇制度があるんです。そこで、ウガンダに渡航していろいろな企業へヒアリングをしていたんです。そしたら、企業の抱える悩みをいろいろと聞いて……今のSenri (商品名: https://afri-inc.com/senri/) の基となるアイディアが生まれました。

Q. ウガンダの企業が抱える悩みとは?

信頼できる取引相手を探すことです。日本でビジネスをする場合って、信頼できる取引相手を見つけるのはそこまで難しくないと思うんです。でもこれがアフリカになると極端に難しくなる。例えばメーカーは、信頼できる販売業者を見つけるのにとても苦労しています。そして結果として、良いものを作ってもうまく売れない、良い顧客をつくっても良い商品を売れないという状況が発生していました。

Q. そうなんですね。ビジネスにおける日本とアフリカの違いってなかなか知ることがないので興味深いですね。先ほど少し触れていたSenriについても教えてください。

【努力した人が正当に評価される仕組みを提供したい】


ウェブとアプリを組み合わせた、営業活動の生産性を上げるためのサービスです。発注管理や営業の活動記録がアプリでできるようになっています。これによって、営業活動の生産性は上がりますし、真面目に働いている人が正当に評価されるようになります。

Q. 真面目に働く人が評価される仕組み、素敵ですね。具体的に売り上げに貢献するのでしょうか。

―日本じゃなかなか考えられませんが、現地では、ずる休みをしたり、ちょろまかしたりする従業員も少なからずいるんですね。でもこのサービスがあることで、一生懸命働けばそれが記録として残り、認められます。実際に、このSenriを導入した企業で、営業マンの1日の訪問数が30%増加したところもあります。それから、受発注をこのシステムで一元化することで、配送までにかかる時間を短くすることができます。以前は、発注を紙に書いて計算していたので、計算ミスや誤発注も多発していました。また、このシステムでは顧客情報の管理も可能なので、信頼できる取引先を蓄積でき、データに基づいた営業戦略を立てることができるようになりました。これらの改善は、売り上げにつながると考えています。

Q. 魅力的なポイントがたくさんのサービスですね。Senriをローンチしたときのアフリカの企業の反応はどんな感じでしたか?

―今でこそ100社が導入してくれていますが、当初は苦労しました。セールスオートメーションという概念自体を知らない企業もたくさんあって、いかに使ってみたいと思わせるかは試行錯誤の連続でしたね。

Q. 始まりはやはり苦労することも多々あったんですね。逆にワクワクするときはどんな時ですか。

―顧客が喜んでくれたときです。特に、半信半疑でSenriを使い始めた企業から「助かっている」と言われたときは嬉しいですし、もっと良いものをつくりたいという気持ちになりますね。もちろん厳しいフィードバックをもらうことも多々あるので、それは社内で毎週検討しています。

【Afri-incをアフリカNo.1の企業にしたい】


Q. では、永井さんの考える、Afri-incの魅力を教えてください。

―ずばり、現地の人々のいろいろな姿が見えること、そして彼らと一緒にビジネスの世界で戦えることだと思います。ご存知の通り、アフリカは、ビジネスを進めるうえでの環境がまだまだ整っていません。でも、その中でも、一生懸命前に進もうとしている現地企業はたくさんあるんです。そんな企業と面と向かって、彼らに価値のあるサービスを提供し、サポートしていくことが我々のミッションです。ケニア・ナイジェリア・ウガンダと、100を超える企業を相手にしていますが、それぞれ組織のあり方や企業文化、考え方などが千差万別で、まさに世の中にまだない百科事典を作っているような感じです。なんだか大きなものが創れそうな感じがしませんか?(笑)

Q. アツいですね。聞いてるだけでワクワクしてきます。逆にAfri-incの抱える課題などはありますか。

―我々はインターネットの会社に見えて、自分たちがインターネットを使っていないことですかね…(笑)。これまでは良いものをつくることにひたすら注力していたので、戦略的な営業を行っていませんでした。(ひたすら電話帳の1ページ目から電話をかけていました。) でもそろそろ脱皮して、ネットを活用したマーケティングとプロモーションを戦略的に行っていきたいと考えています。それから、やはり人材の採用です。事業の成長拡大は、人に紐づいています。アフリカでも日本でも、「良い」人と仕事ができれば、「良い」ビジネスができると考えています。なので、今後スピード感を高めて事業拡大をするにはどうするかという点は考えていかなければなりません。

Q. なるほど。良い人材が良いビジネスを創るということですね。最後に、Afri-incの今後の目標を教えてください。

アフリカNo.1のIT企業にすることです。アフリカの企業の信頼の架け橋となることで、アフリカ全土を盛り上げていきたいですね。

Q. 素敵ですね。「自分たちのつくったサービスが信頼の輪を広げ、それが経済を回す」、とても魅力的なビジョンだと思いました。

永井さんには、次々回、具体的な業務内容と前職(コンサルタント)とのつながりについて、もう一度お話いただきます。

そして次回は、Senriを実際につくっているエンジニアの杉山CTOです。お楽しみに!

Invitation from 株式会社SENRI
If this story triggered your interest, have a chat with the team?
株式会社SENRI's job postings
8 Likes
8 Likes

Weekly ranking

Show other rankings
Like Amane's Story
Let Amane's company know you're interested in their content