甲子園球児やプロ野球選手も絶賛する野球の練習機器「SAKUGOE」という製品がある。野球にかかわる人なら、知っている人も多いかもしれない。

実際に、北海道日本ハムファイターズや福岡ソフトバンクホークス、横浜DeNAベイスターズなどのプロ野球チーム、履正社高等学校や東海大学菅生高等学校などの甲子園出場校でも導入されている。

この「SAKUGOE」が、地域の野球チームからの相談から生まれ、我が成光精密や大阪市港区の町工場が連携して開発したという話は、知る人ぞ知るストーリーである。

① Garage Minatoへの相談がきっかけ

ベンチャー企業の支援や地域連携を進める「Garage Minato」に1件の相談が寄せられた。地元港区の野球チーム「関西HANG」で監督を務める弓場直樹氏から「野球のスタンドティーを改良して、より良い練習ができるようにしてほしい」というものである。

スタンドティーとは、野球のボールを台にセットし、打撃の練習を行う機器である。投手が不要で、何度も練習ができる利点があり、従来の野球の練習にも導入されていた。

しかし、スタンドティーのデメリットとして挙がるのが、器具そのものの耐久性の問題だ。ボールを載せる先端部分が壊れやすく、買い替えの頻度が高い。また、スイングの衝撃によってティー台が倒れることもあり、それをわざわざ起こすのに手間がかかる。こうした煩わしさから、スタンドティーに力を入れようとしても長続きしないケースがある。（出典：ベースボールチャンネル）

② 開発プロジェクトスタート

成光精密・Garage Minatoをはじめ、大阪市港区の町工場7社と22人のチームにより、スタンドティーの開発が進められた。

同じ地域だからこそできる連帯と、だれもが「やりたい！」という熱意により、毎週ミーティング、毎週新しい試作品を作成、毎週実験が続けられた。いくつかの試作品を改良し、今までにない形のスタンドティーの開発に成功した。

耐久性も、部品を工夫することで簡単に安価に交換できる。スタンドそのものが倒れないため、いちいち起こす作業は不要。既存のスタンドティーではバットでボールの下を叩けず、ゴロを打つ練習しかできなかったのに対し、フライを打つ練習ができる機構に仕上げたことで、効率的な練習を実現した。

これは、ボールを乗せる部分を"あえて倒し、戻るように設計"することで、どれほどバッティングを行っても壊れない頑丈な設計となっている。

そして、発起人の弓場直樹氏も、最初の相談からわずか9か月で株式会社HANGを創業、現在も野球をはじめとしたスポーツの課題を解決すべく、商品開発を進めている。

③ 甲子園優勝にも寄与！？地元高校とも連携しPR

大阪府豊中市の履正社高等学校も、「SAKUGOE」を導入しているチームの1つである。導入後の2019年の甲子園では見事初優勝を飾った。長距離打撃を支える「SAKUGOE」は、野球の練習を変えつつある。

そんな「SAKUGOE」開発を、大阪市阿倍野区の大阪工芸高等学校の学生にも注目され、三年選択C 映像技術B ビデオ実習授業の一環で紹介ビデオを作成して頂いた。当社の高満社長やGarage Minato、大阪テクノマスターの仲間たちも出演している。是非一度、見てほしい。大阪市立工芸高等学校の正式リリースはこちら。

④ プロからも絶賛される「SAKUGOE」その後

2020年度頭のサンケイスポーツでも、福岡ソフトバンクホークスの中村晃選手が使用している姿が取り上げられた。

また、スポーツ系YouTuber「トクサンTV」にも取り上げられ、16万回以上再生されている。

そんな「SAKUGOE」も、Yahooショッピングで販売されている。当社「Garage Minato」にも見本が展示されているので、是非一度、手に取って見てほしい。

今後も成光精密・Garage MinatoはHANG社の成長を見守るとともに、多くの挑戦者を応援し続けます。