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「AI×〇〇」の組み合わせで新しい挑戦を行う企業を多く見るようになりました。AIはこれからさらにテクノロジーが進化する領域と言われており、人々の課題を解決できる強い存在と考えられているためです。
私たちセーフィーも、AIの力を利用して事業に取り組む企業のひとつ。従来はリアルタイムでの共有が困難だった防犯カメラを、クラウド上で管理できるようサービスを開発。現在、すでにさまざまなお客様にご利用いただいた実績を持ちます。
そんな私たちが考える、クラウド防犯カメラの開発の先にある未来のお話を今回はお届けします。サービス開発に携わるメンバー3名の会話から、少しでもセーフィーの想いや考えを汲み取っていただけたら幸いです。
## エンジニアの心を掻き立てた、セーフィーのサービス
今回、セーフィーを代表して話すのは、代表の佐渡島、取締役の下崎、そして開発部長を務める入社したばかりのメンバーである山谷の3名です。山谷は、セーフィーへのジョインで5社目。あらゆる企業での経験を豊富に積んできました。
山谷 「もともとはカメラメーカーに勤めていたのですが、ソフトもハードもさまざま開発を経験しています。以前はデジタル回路やデバイスドライバの設計開発など比較的ハードウェア寄りの業務がメインだったのですが、時代の転換に伴ってソフトの設計や開発に軸足を移していきました」
その後、前職でAIとの出会いを果たします。
山谷 「AIの分野には、前職のモルフォで2013年から携わっていました。モルフォでは、画像処理ソフトウェアの企画開発に従事しました。スマホの登場によって、デジタルカメラの市場がグッと小さくなっていたので、ビジネスとして面白いと感じられる場所にいきたいと感じていたんです」
前職には、上場直前にジョイン。9年の歳月を経て、セーフィーへの転職を決めたそう。山谷は、今セーフィーに移る理由をこのように語ります。
山谷 「転職するかどうか、すごく悩んでいたんです。でも、話を聞いてみると、本当に興味を惹かれたんですよね。事業自体も伸びるだろうと確信があったので。また、自分たちの開発したソフトウェアが、自社サービスに利用される環境もすごく魅力的でした」
面白いと感じた一番の理由は、ありそうでなかった事業だったこと。カメラメーカーを経験した身として、カメラとクラウドの融合、という言葉に惹かれていたといいます。
一方、現在取締役としてサービスの開発に関わる下崎のキャリアは、ソニー木原研究所から始まっています。グラフィックスの開発を始め、あらゆるソフトウェア開発の上流工程から携わっていました。
下崎 「木原研究所では、グラフィックス系を中心に開発を行っていました。その後、研究所の解散と同時にソニー本体に戻りました。その後は、テレビの開発だったり、写真のストレージサービスなども開発していましたね」
その後、3Dグラフィックスの技術を取り入れた医療機器開発に従事。在職中は、アメリカ支社立ち上げのためにシリコンバレーに渡ります。
下崎 「アメリカに渡った後、縁あって前職への転職を経験しています。その頃から、自らの力でサービスを生み出したいと考え、代表の佐渡島たちとセーフィーを創業しました」
## セーフィーの強みは、圧倒的に高められたデータの質
AIスタートアップが乱立する中で、セーフィーは独自の立ち位置で事業の未来を切り開いています。AIを組み込んだ製品として、世の中に出す上でのやりがいや難しさとは一体どのようなものでしょうか。
下崎 「僕らが挑戦したいことって、お客様の課題を解決することなんですよね。お客様がハッピーになるソリューションの提供が一番大切なので、実装が現状では難しいような研究開発には重きを置いていないんです。世の中で使えるものをいかに出すのか。価格設定や開発難度などが通常とは異なる気がしています」
研究開発段階の技術を突き詰めるのではなく、すでに社会実装が可能な技術をいかに高い精度で製品に組み込むのか。それこそが、セーフィーが抱える一番の課題です。
佐渡島 「製品を作るといっても、デバイスのみアルゴリズムのみが完成している状態では意味がありません。両軸で開発を進めていかなければならないですし、とくにデータに関しては研究だけではなく実際のニーズを汲み取ることがなによりも重要です」
山谷 「セーフィーの場合、絶対的なデータ量では大企業に勝ることは難しいのですが、明らかに勝てると感じることがある。それは、データの質、の部分です」
ディープラーニングに取り組む企業では、サンプルとなるデータの量が企業としての強みになるケースが多いですよね。ところが、私たちは、量ではなく質で勝負を仕掛けているのです。
僕たちのサービスは、防犯カメラですから、そこに映るのはいたって普通の人々の普通の生活なんです。ディープラーニングを用いたサービス開発においてデータを集めるときに必要なのは、リアルな生活者の日常を映し出したデータ。SNSに投稿される写真のほとんどは日常ではなく非日常を映したイベントのデータ、今風に言うと”映えるデータ”がほとんどだと思うんですよね。」
下崎 「言い方を変えると、失敗した瞬間やうまくいっていない人々の何気ないシーンを集めることが今後に向けた価値になるんです。他社と比較してどうこうではなく、僕らのサービスから取れるデータは、少し性質が違うと思っていただけるとわかりやすいのではないでしょうか」
佐渡島 「AIが解決できる課題はさまざまです。ただ、どれを取っても共通しているのは『今この瞬間の課題を解決したい』というニーズ。過去の課題を解決するのは難しいですからね。たとえば、何気ない片付け指示や事故予測などは、AIが得意とする分野です。アルゴリズムだけなら難しいことはないのですが、それを取り巻く環境を理解しきれていないから、まだ実装には届いていない。それを実装して世の中に提供したいのです」
## 小さな解決策の集合体が、個人の課題を解決する世界に
現在のセーフィーは、AIの力を用いたクラウド防犯カメラサービスを作る企業。ところが、その先には、製品を通して得たデータを基にした新しい世界観が広がっているのです。
佐渡島 「今この瞬間にフォーカスしたビジネスは、エンジニアの目線からすると、比較的地味なサービスになるんです。だから、多くのAI企業は着手しようとしない。多くのAI企業は人に例えれば、様々な状況を分析し的確に指示を出すような『大人』レベルのAIを目指します。
一方、セーフィーでは、すごくシンプルな課題の解決に取り組もうと思っています。たとえばレストランで、スタッフ不足で片付けができていないテーブルを知らせたり、空いた席ができたらアナウンスしたり。言ってしまえば、『小学校低学年』ぐらいの判断ができるAIです。
小さな課題ですが、解決したい日常の問題は想像以上にたくさんありますし、いくつものAIを組み合わせれば非常に大きな価値を提供できると考えています。単一機能のAIを複数組み合わせるとは、『片付けできていないことを知らせるAI』『行列の有無を通知するAI』『行列の人数を通知するAI』を組み合わせるようなイメージです。派手ではないですが、それらをしっかりと解決に導くことこそ、僕らの使命だと思っています」
佐渡島が、こういった想いを抱く背景には、今革新を求められている物流業界の存在がありました。
佐渡島 「以前、とある物流倉庫を訪れた機会があるんです。行ってみて気がついたのは、入庫から退庫までの作業が本当に大変であること。出庫のタイミングを見て、Web担当者が手動でメルマガを配信していたり、出庫タイミングを電話で確認していたり……」
山谷 「そんな小さなことからでも、可能性を提示できたらすごくビジネスとして広がっていくと思うんですよね。サードパーティーが増えるのだって歓迎ですよ。基盤だけを作っておいて、お客様自身でカスタマイズして課題を解決できる未来だって訪れるかもしれないわけです」
下崎 「実際、モジュール単位での小さな解決策をプロダクトに込めて伝えていきたいと考えています。できれば早めに形を作りたいと思っているので、今年中にはプロダクトとしてなにか出せたら、とは思っています」
佐渡島 「映像から始まったセーフィーのプロダクト。プライベートな世界に入り込むことで上質なデータを確保し、未来の個人をアシストするプロダクトを新しく生み出していきます。私たちが考えるのは、いつだって人々の幸せ。常に、より豊かな生活を求めるために、開発を続けていくのです」
山谷 「考え方を変えると、僕らのビジネスではなんでもできるんですよね。事故の予測もできるし、アミューズメントの要素もあるかもしれない。お客様一人ひとりの課題と向き合いながら、コミュニティとしても発展していくセーフィーのこれからが、僕自身もすごく楽しみなんです」