『ロボットで世界を豊かに』というミッションを実現すべく、ロボカルを立ち上げた創業メンバーたち。何を想い・何を目指すのか。今だからこそ伝えたいメッセージをシリーズでお届けします。
今回は、代表の芦川インタビューPart2ということで、学生時代から2社立ち上げてきた芦川が3社目のロボカルの創業に至った経緯に迫っていきたいと思います!
◆登場人物
株式会社ロボカル 代表取締役社長 芦川
1987年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。在学中にインターネット関連事業を手掛ける(株)ミログの創業に参画。2011年(株)ハッピーズ設立。自賠責患者と全国の整形外科・接骨院をマッチングするバーティカルメディアを運営。業界No.1のポジションを確立。2021年1月(株)ロボカルを設立。
大きな課題が潜むロボット産業への挑戦
ーなぜ、これまでの経歴とは関係のないロボット産業に挑戦することを決めたのですか?
いろいろあるのですが、主に5つあります。
先に全て述べてしまうと、
1.大きな社会課題に取り組める
2.どんな業種業態にでも適応できる
3.グローバルに挑める
4.成長市場である
5.一緒にやる仲間が優秀
こんな感じです!
ー大きな社会課題とは具体的にどんな課題ですか?
これは後でも沢山お伝えしたいのですが、簡潔に言うと、労働生産人口減少という日本、世界が抱える課題を指します。
10-20年後にはさらに深刻な課題になっている働き手不足の社会においてやりがいが大きな課題だと思っています。
働き手の代替に最適な手段のひとつであるロボット事業に取り組むことで大きな社会貢献に繋がると考えています!
ーどんな業種業態にでも適応できるとは一体どういうことですか?
人が働いている仕事であればロボットで代替できます。鰻焼き・危険薬品運び・ネジ回し・重いもの運び・眼鏡製造etc 基本的にはなんでもOKです。
これだけ全ての業種業態を横串しで、あらゆる労働をロボットに置き換えられるって凄くないですか!?対象市場が想像もつかないくらい大きくてワクワクしてます!
ー確かに何でもできそうな気がしますね!それが”グローバルに挑める”ということにも繋がってくるのですか?
その通りです。
現に、産業用ロボットメーカー(ファナック・安川電機・ABB・川崎重工・KUKA)は既にグローバルへの輸出台数が国内販売数を上回っています。ということは、国内以上にロボット設備導入に関するニーズがグローバルに存在するということになります。それを解決している企業はないのでいち早くロボカルをグローバル展開したいと思っています。
ー市場としても今後伸びていくイメージですね
このご時世にも関わらず右肩成長の市場です。
2019年産業用ロボットの市場は1兆174億円(出典:富士経済研究所)。2021年産業用ロボットの年間受注額は1兆円を超えました。
ロボットを広義に捉えた「産業用制御およびファクトリーオートメーションの世界市場 (~2026年)」でみると予測期間中8.2%のCAGRで推移し、2021年の1331億ドルから2026年には1978億ドル(20兆円超え)の規模に成長すると予測されています。(by MarketsandMarkets)
やっぱり伸びているど真ん中の市場で勝負したいですね!
ーすでに仲間は集まっているのですか?
現段階で優秀な2名に協力いただいています。誰とやるかは本当に大切です。
業界を知り尽くした日比野学・矢部秀一がこのスタートの段階から参画してくれるのは貴重なチャンス。
ライフネット生命が出口さん岩瀬さんコンビで成功されたように業界知り尽くしている日比野とインターネットに精通している芦川コンビでスピード感もってやってます。
ものづくりの現場で起きている深刻な課題と政府の後押し
ー大きな社会課題についてもう少し詳しく教えて下さい
ロボット導入を希望する企業にも足を運び、社長さん達にヒアリングさせて頂く機会がありました。
業種によって異なりつつも往々にしてみなさん口を揃えていたことは「人」に関する問題でした。働き手(職人)が本当に集まらないと。IT業界でも人材不足と言われていますがビジネスの継続可否レベルで死活問題だなと肌身を持って実感したものづくり現場でした。
「働き手が集まらない」「人材採用難」「品質安定しない」「生産性あげたい」「単純作業、危険作業をさせたくない」「労働者の高齢化」「世代交代」など、深刻な悩みがあります。
ーものづくりの現場の課題がかなり顕在化されていたのですね
そうですね。
タイミングとしても今からやるべきだと考えています。
平成26年のOECD閣僚理事会の場で、安倍内閣総理大臣の基調演説にて総理自らの言葉で
「サービス部門の生産性の低さは、世界共通の課題。ロボット技術のさらなる進歩と普及は、こうした課題を一挙に解決する、大きな切り札となるはずです。ものづくりの現場でも、ロボットは、製造ラインの生産性を劇的に引き上げる「可能性」を秘めています。ロボットによる「新たな産業革命」を起こす。そのためのマスタープランを 早急につくり、成長戦略に盛り込んでまいります。」
と日本としてロボット産業を推し進めていく旨の発言をされています。
ー政府の施策が追い風になってるんですね!
現在募集を終えてしましましたが「ロボット導入実証事業」という補助金では、ものづくり分野やサービス分野におけるロボット未活用領域へのロボット導入の実証を行う事業者に対し、当該実証事業に要する費用の一部を補助するとされ、補助率が大企業1/2、中小企業2/3、補助上限額:5,000万円と大型の補助金制度がありました。
しかし、こういった補助金制度はほとんどの中小企業は知る機会がありません。政府の後押しがある今このタイミングだからこそ多くの中小企業に向けてロボット設備導入のメリット、素晴らしさを発信し、最適な導入を実現していけるタイミングであると考えています!
ーなるほど!今、ロボット産業にチャレンジする理由が分かった気がします
どうしても今やらなくてはいけないとは思ってません。
ただ、10-20年後、今より深刻に人手不足の問題が露呈されているならば今から準備して10年後の来るべき危機に万全の体制で備えたいと思っています!
また、CTOの日比野によると、ものづくり業界は「世代交代」が起こっているタイミングなので、若い世代がロボットを受け入れやすい環境がこの5-10年で加速したそうです。
「ロボット導入するならとりあえずロボカルに相談だよね」という未来を描いているので、今から一生懸命準備したいと思っています!
ロボカルが向き合う課題とは
ーここからはロボカルの提供する価値について聞かせてください
まず、ロボット業界をとりまく課題を整理すると、
1.ロボットを発注する側の情報が少ない
2.発注者とSierとともにコスト(時間・費用)が高すぎる
という2つが考えられると思っています。
発注者視点で言い換えると、情報収集が難しい、ロボット工場の選定が難しいといった具合です。試しにGoogleで「ロボット設備 導入」と検索してみてください!
ー確かにググっても情報が出てこないですね!
ロボットを導入したい!と思っても、全体像が書いてあるサイトが少なすぎてどこの誰に相談していいか分からないのが現状です。
発注者がまず知りたい情報としては3つの情報でしょう。
①ロボット導入の全体像
②自社に導入した場合のイメージ(流れ・費用・納期・メリット)
③自社が作りたいと思うものを実現してくれる最適なロボット工場(Sier)
このように基礎的な情報が足りない業界なので、発注者が直感的にロボットの良さがわかるようなWEBサイトを作っていきます!
ー基本的な情報発信だけでも十分に価値がありそうな業界ですね
実は導入に際する全体像がイメージできてからが本当の苦労です。どこのロボット工場(Sier)に発注したらいいかの情報がどこにもありません。
Google検索や口コミで何とかたどり着いた何社かと面談しながら業者を選定します。
相見積もりが取れるように数社の業者選定した後も問題は続出です。
提出された見積書費用の妥当性、業者の過去実績や評判、依頼内容が業者の得意分野かどうかも分からないわけです。
規模が小さい工場に限っては与信調査もしなくてはいけません。
こんな感じで、「ロボット設備を導入したい!」と思っても、とてつもなくムダなお金、時間、労力がかかってしまい、導入が進みにくいことが現状の業界構造が生んでいる課題です。
ー発注者側へのコストが大きいのがロボット導入の障害になってしまっているのですね
コストに関してはロボット工場(Sier)も同じです。
ロボット工場(Sier)は組織だって営業している会社はありません。
なので営業も一苦労です。案件獲得のために日々全国を飛び回らなくてはいけません。東京本社でも発注先が北海道であれば北海道の現場に赴きヒアリング・現場調査・提案書&見積書作成・コンペに勝つべく接待等の営業などをする日々です。
ロボット発注は1案件の規模が数千万円〜数億円と大きいため、営業した案件全てを受注できるわけではありません。無駄な見積作業を減らしたいことがロボット工場(Sier)の本音なんです。
ロボカルが提供する価値
ーロボカルが向き合う課題がよく分かりました!続いてはロボカルがどのように課題を解決するか聞かせてください!
先程のお話のようにロボット導入には 発注者・Sierともに導入に関するコストが高すぎます。ロボット設備を導入したいと思っている中小企業さんにとっては情報の壁が高いハードルです。
ロボカルはより多くの事業者様にロボット設備を導入してもらうために2つ行っていきます。
1つがWEBメディアでの情報発信。
2つ目が発注者の成し遂げたいことを実現する、つまりロボットを作ります。
ーロボットを自社で作るのですか!?
いいえ。
実際には自社では工場を持たないので、提携しているロボット工場(Sier)から最適な業者を選定しそちらにロボカルが発注することで、ムダを省き効率的なロボット設備導入を導きます。
ロボカルでは技術部門の者が、発注者様の成し遂げたいことを取りまとめて仕様、スケジュール、予算を策定します。
ーなるほど、ファブレスプラットフォーマーというポジションなんですね
そうです。
ロボカルが提供する価値を簡単にまとめますと、
WEBメディアでの情報発信により、ロボット導入に関する知識を提供すること。
発注者のロボット導入に導くことの2つです!
ロボカルのミッション
ーロボカルの目指す世界観やミッションについて教えてください
流行の言葉でいうと「ものづくり中小企業にロボットを使ってDXする」です。
とにかく、より多くの企業様にロボット導入を推し進めたいと思います。そのためには適切な情報を伝え、導入メリットを理解していただく必要があります。そして我々が間に立つことでムダなコストを減らし導入ハードルを下げていきたいと思っています。
ということで、ミッションは”日本と世界に「ロボット化」を押し進める”です!
この「ロボット化」というワードがものづくり現場で馴染みある言葉に早くなってもらいたいです!
そして、ロボットと共存することで人々の仕事、生活を豊かにしていきたいという壮大な夢としてビジョンは【ロボットで世界を豊かに。】を掲げました。全ての作業がロボットに代替されるとは思ってません。ロボットと人がお互いの得意分野の仕事をしながら豊かな社会を実現していきたいと思います!
ー最後にストーリーを読んでくださっている方に向けてメッセージをお願いします!
国内で3兆円のマーケットがあり、競合も殆どおらず、かつ勝ち切れる理由を当社は持っています。5年後にはグローバルマーケット(13兆円)も視野に入れ、IPOを目指しています。
当社のミッション・ビジョンや、挑戦に少しでも共感してくれる方、ロボカルで一緒に働きましょう!