桂川:本日は社長と社員の対談ということで、岩井社長と様々なお話ができればと思います。
よろしくお願いいたします!
岩井社長:おー!よろしくね!
今日はいろいろ話そうと思ってるから!
桂川:それは楽しみです!
人物紹介
岩井 勇二郎
株式会社ライズ 代表取締役
群馬県下仁田町出身→千葉県野田市在住
中堅ゼネコン、建設コンサルタントを経て27歳のときに現在の株式会社ライズを創業、代表取締役に。
【どこまでも人にこだわり、人を通じて100年社会に貢献する】
これがライズの企業ミッションです。
創業してどのくらい経ったときか、もうずいぶん前ですが社内研修か何かで社員が集まったときに、あれこれ話してたら「うち(ライズ)はこんな感じかなあ」って自然発生的に社員から出てきたのが、この言葉のベースです。
最近はライズのことを「人間くさい」って表現する社員もいますが、世の中でデジタル化やDXがいくら進んでも、とにかく人にこだわるサスティナブルな経営、これがライズとそして私のミッションです!
桂川 靖正
株式会社ライズ 人材開発部 課長
岐阜県下呂市出身→千葉県在住
大学では街づくりをテーマに研究していましたが、落単による2留の末、卒業目前の2月(汗…)にライズに内定。建設エンジニアとして新卒で入社後はRC造の5~9階建てマンション工事の施工管理を経験したのち本社勤務に異動になりました。
現在は現場経験を活かしながら採用面接官やキャリアアドバイザーのほか、弊社運営YouTubeチャンネルの動画制作やWEBサイト制作といったネット関連業務の担当も務めています。
"建設業界に挑戦してよかった"という自分の思いを、未経験から挑戦しようとしている若い人達に伝えていきたいと思ってます!
①会社創業の経緯
桂川:では早速なのですが、ライズという会社の立ち上げの経緯について教えてください!
岩井社長:そうだね。
20代の頃、ある小さな会社で働いていた時、そこの社長から独立を勧められたのがきっかけかな。でもまあ、そういう話になったのも、その社長と”喧嘩”して退職する事になったのが発端なんだけど。あ、でも喧嘩ってもちろん取っ組み合いしたとかじゃないから(笑)口論みたいな。
桂川:早速気になるお話ですね(笑)
どんな会社でどんな仕事をされていたんですか?
岩井社長:私が働いてたのは施工管理業務を行う小さな会社だったんだけど、普段は本社に私と社長しかいない規模の会社だったから、給与計算や請求書の発行、会計処理、人材の採用から顧客営業、更には社長の秘書というか、カバン持ちみたいな事まで私が全部やっていた。
要するに、社内の総務・経理・人事・営業までバックオフィスは私が一手に担っていた。社員数が50人くらいの会社だから出来たと思うんだけど。
桂川:”喧嘩”のキッカケは何だったんですか?
岩井社長:ははは・・・(笑)
バックオフィス業務は全てやってたから必然的に社長とは毎日密接に関わってくる訳なんだけど、そうすると凄く見えてくるんだよね、社長個人の行動ややり方・考え方・方針とか。
もう30年前位だけど、社長はイケイケ系のギラギラした人で。
当時は建設業界の景気がメチャクチャ良かったから、車はベンツ、時計はロレックス、高額なゴルフ会員権も持ってたし、投資用の不動産も購入したりとか、とにかく派手だった。
基本、朝は10時か11時に出社して(いわゆる重役出勤)15時には帰ってたしね。
まあ、そういう社長って当時は珍しくなかったんだけど。
それと、現場で働く社員の意見は殆ど聞き入れない社長だったかな。
結果的にどうするかは別にして社員の意見を聞くっていうのがホント足りなかった気がする。時代や世代の違いもあったし20代前半から会社経営をしてきた社長だったから自分の考えに自信もあったんだと思う。
桂川:それが嫌だった?
岩井社長:当時としては、こういう社長は多かったし、社長って何より経営結果が重要だから、身なりや投資、勤務時間どうこうとか、キレイごとや正論言うつもり無かったんだけど、結局その雰囲気について行けなくなったというか、やっぱり違うよなって思ったというか…
社長との考え方の相違ってことになるかな。とにかく本社には私と社長しかいないからね。何につけ社長と意見が合わないと仕事やりにくいから、退職する事になったんだけど。
桂川:どうして独立の話になったんですか?
岩井社長:喧嘩別れじゃないから(笑)辞めるとき社長といろいろ話したんだけど、その時に自分の言いたい事を結構社長に言ったんだよね。
当然ながら社長にも言い分はあるし、そもそも経営経験もない20代の若造がアレコレ言うわけだから
社長としては面白くなかったはずなんだけど、
「曲がりなりにもお前のやり方があるなら、自分でやってみろよ!」って社長に言われたんだよね。
私が会社の事をほとんど全てやってたし、施工管理の経験もあるって事を社長も分かってたから独立もできるだろう、って思ったんだろうね。
桂川:独立は即決だったんですか?
岩井社長:正直ビックリしたけど、会社をやりたいっていう気持ちは漠然とだけど前々からあったし、この会社でバックオフィスを全て任されていたっていう自信もあって決断するのに時間はかからなかった。
いろいろあったけど、今でも社長には本当に心から感謝している。現在の私やライズがあるのも、このときの社長の一言があったからこそ。
これが私の独立の経緯です。ベンチャー企業の熱のある社長みたいな創業秘話じゃなくてごめん(笑)
桂川:いえいえ。でもそんな経緯で独立されたんですね。独立後は、その社長を反面教師にされてきたんですか?
岩井社長:営業手法とか原価管理とか経営に対する貪欲さとか学ぶ点はたくさんあったよ。でも反面教師にしてきた点は間違いなくあるね。
今じゃ随分変わってきたけど、当時の施工管理の仕事はそれこそ日曜しか休みがなかったり、平日も夜8時、9時に帰れたら早いなって感じるくらいだった。
私も施工管理経験があって現場に出て働くことの大変さが身に染みてたから、その現場で生まれたお金の経路が、直接じゃないにせよ、ベンツやロレックス、高額なゴルフ会員権になったり現場社員の意見がシャットアウトされるのは違和感があった。
桂川:確かに岩井社長は、お金の管理や現場社員の意見には気を遣ってますよね。それに意見に対して出した判断の理由も話してますね。
岩井社長:まだまだ出来てない部分も多いけどね(汗)
桂川:独立のときって、不安は無かったんですか?
岩井社長:それが、全くなかったんだよね(笑)
それまで働いていた会社は私一人でバックオフィスを回している状態だったし、独立後は私自身が現場に出て施工管理をする予定にしてたから、売上の目途も立っていたしね。
あと、私のきょうだいや叔父は殆どが独立した仕事をしていたから、小さい頃から見慣れていたっていうのもあるかな。
桂川:ライズの創業にはそんな経緯があったんですね、初めて聞いたので新鮮です。
②創業からこれまでのこと
桂川:次に会社の歴史について聞きたいと思います。
創業からこれまでの歴史をざっくりと教えてください。
岩井社長:そうだね。
創業時ライズには自分しか社員がいなかったので、自分が現場に出て施工管理業務をして、その業務に対して売上を上げる。そんな感じで自分の売上から自分の給料を払う形だったね。
そして、請求書発行も給与計算も伝票処理も経理も納税もすべて自分。しばらくは決算も自分でやってたね。「現場」兼「経理」兼「社長」みたいな。そんな状態が1年か2年くらい続いたかな。
収入も20代後半にしては結構いい額だったから、正直不満も無くてね… だから最初は会社と言っても組織とかって意識や感覚は全くなくて当然ながら成長させるとか大きくするとかなんて考えは全くなかった。
でもその後、社員第一号が入ることになって状況が変わってきた。
その人は、私の奥さんの同僚の旦那さんで、証券不況から手に職を付けたいという事で証券会社を辞めたあとライズに入社してもらった。そこで初めて社会保険に加入した事がキッカケで「組織」ってものを
意識するようになってきたね。
それに、社員が入ったからには「昇給」させないといけない。会社の売上が上がって利益も増えないと昇給はできないから、「成長」って意識もこの時に出て来たと思う。
桂川:その後、どんどん社員数を増やしていったんですか?
岩井社長:どんどん、ではないかな。
意図的に増やしていったと言うより、この頃は知り合いの紹介や推薦のような感じで入ってきた社員が多かった。
顧客開拓も殆どが紹介で「岩井君独立したの?」「いい人いたら、うちに紹介して」と人から人づてにお客さんが増えていった感じ。だから、テレアポとかDMとか広告とか一切しなくて済んだ。緩やかだけど自然と拡大していった感じだね。
桂川:お客様からそんなに紹介してもらえたのは何か理由があったんですか?
岩井社長:それは1件1件に対する私の誠実な対応!(笑)
ま、それは言い過ぎだけど。
当時は施工管理の仕事だけだったけど、とにかく人と人とのビジネスだから、人に費やす時間を多くしたことが理由かな。
例えば採用する社員の面接には、当時から最低2、3時間かけてやっていて長い人は4、5時間ってことも結構あった。
今じゃコンプライアンスに抵触するかも知れないけど、当時はその人の学歴や職歴はもちろんのこと、家族状況、子供の入学・受験、ローン状況、きょうだい、結婚予定、生い立ち、出身地、価値感の掘り下げ、趣味の入れ具合、ワークライフバランス感覚、金銭感覚、前職の上司・部下との関係、出勤時刻、残業、何の書類を何時間で作成していたか、など聞くことが可能な、ありとあらゆる情報を教えてもらった。
それらを踏まえたうえで、その人が「どの現場に行ってもらうのがベストか」って考えてた。
私自身が施工管理の経験があるし、技術的な部分で「このレベルの仕事ができるなら、この現場がいいかな」っていう形のマッチングもあるんだけど、現場の適性って、それだけじゃ絶対分からないんだよね。
どういう人間関係、どういう職場環境なら、この人はやっていけるんだろうって事は、その人の人柄とか仕事感覚とか色んな事柄を踏まえて決めないと、ミスマッチが起きる可能性が高くなる。
Aという業務の経験があるから、Aの業務をやってもらおう、だけではダメで、それには、その人の事をたくさん知る必要があって、結果、面接でもたくさんの時間を費やすことになる。
でもだからこそ、ミスマッチが少なく定着率も良かったことでそれが客先からの信頼、ひいては紹介に繋がっていった感じかな。
桂川:岩井社長は自分で現場に出ながら、面接もしていたんですか?
岩井社長:そうだね。
だから面接は求職者の人には悪いんだけど、平日の夜や土日に設定させてもらっていた。平日夜の人は面接が長いから夜遅くなって申し訳なかったけど(笑)
桂川:それに加えて、経理処理も平日や土日にやっていたんですよね?
岩井社長:平日の日中は現場だからね。
留守番と簡単な事務程度の事務員さんは1人いたけど、社員の給与計算、請求書作成、保険加入書類作成などは全て現場が終わったあとの平日夜か土日自分1人でにこなしていた。確か社員が40、50人位になるまで続けていたと思う。
桂川:それは結構ハードだと思いますが…
岩井社長:まあね。今だと完全ブラックだね(笑)
でも、昔の施工管理って夜遅くまで仕事して土曜も仕事だったりしたから、時間的な感覚でいえば、そんな極端に違わなかった。
桂川:社員のフォローも平日夜や土日にやっていたんですよね?
岩井社長:そうだね。
どちらかと言えば、面接とか経理事務処理より、こっちの方が苦労したかなあ。
桂川:例えばどんな事ですか?
岩井社長:社員を現場に配属した後は、小まめにフォローするようにしてたんだけど、採用から配属まで一気通貫ですべて私が行っていたから、当然なんだけど、現場で何かあると社員は私に直接相談してくるので、それの電話対応とか重なったときとは、かなり大変だった(笑)
配属から約3か月間、毎日のように電話してきた社員もいたなあ。
桂川:3か月毎日ですか!社長の根気も凄いですね。
岩井社長:社員としては、当時は私くらいしか相談する相手がいなかったからね。
今じゃ懐かしい話だけど。
③会社の中で大事にしていること
桂川:会社を経営する上で大事にしていることを教えてください。
岩井社長:大事にしていることは大きく分けて2つかな。
1つ目は、社員の成長。
2つ目は、社員同士の繋がり。
1つ目、やっぱり仕事をしていく上で社員自身が成長してくれることが一番大事だよね。そもそも会社の成長って、社員の成長と一緒に成り立つもんだから。
10人の会社が100人の会社になるには、
・100人分の売上を上げる必要があるし、
・100人分の採用活動をする必要があるし、
・100人分の給与計算や経理処理をする必要があるし、
・100人分の人事をする必要がある。
売上を上げるにも、採用や総務・経理処理をするにも何をするにも、10人の会社と100人の会社では求められるスキルが全然違う。スキルを上げる=成長する、ってことだからホント大事なんだよね。
また逆にいうと、会社が成長しないと社員も成長しないとも言えるから経営する上で、この点はすごく意識してるかな。
桂川:社員の成長って意味では研修にも力を入れてますよね?
岩井社長:そうだね。
「7つの習慣」を役職者の研修に取り入れたのも、それが理由だね。
「7つの習慣」の説明は長くなるから省くけど、「Win-Win」「シナジー」「理解し理解される」など、まず人としての本質的なことは理解してもらった方がいいと思ったから。
「7つの習慣」とは?
アメリカのスティーブン・R・コヴィー博士の書籍で3000万部以上の世界的ベストセラー。
アメリカ建国から約200年分の「成功」にかかわる文献を調査分析したところ、
150年文の成功は、誠意、謙虚、忍耐、勤勉、節制、勇気、正義といった人格的な要素から
発生していた事から、これに基づいた成功への道筋を示している。
桂川:2つ目の社員同士の繋がりについては、どうですか?
岩井社長:ライズには現場で働くエンジニア社員と、バックオフィスの本社で働く営業・採用・経理などの社員がいるけど、毎日物理的に離れているから現場と本社との接点が限られてコミュニケーションを取るのも難しかったりする。
そうなると、現場側と本社側との間で誤解とか齟齬があったりするんだよね。
それに数百名いる現場社員は、建設分野とIT分野で分かれているし、建設の中でも土木や建築などがあって勤務場所も現場やプロジェクトごとに配置されているし、入社期が違うと接点も少ない。
(ライズでは中途採用でも毎月入社日を揃えて入社期を設け、同期という仲間をつくっている)
社員が物理的に離れているので、どうしてもコミュニケーションが不足しがちになって色んな行き違いも生まれるんだよね。だから、とにかくあの手この手で(笑)社員間のコミュニケーションを取れる施策をいろいろしてる。ここでその施策とか喋ると長くなるから別なところで紹介してもらうけど、かなり力は入れてるつもりです。
桂川:社員間のコミュニケーションを重要視してるところ、実感してます。
コロナ前の話になりますが、社員をよく飲みに連れて行ってくれてましたよね。
岩井社長:ははは、そうだね。
社員から誘われたら100%行ってたね。ま、自分が酒好きなのもあるけど(笑)今はコロナだから気軽に行けないよなあ。
桂川:社長を慕ってる社員は多いです。
岩井社長:そう言ってもらえると嬉しくなっちゃうけど。
桂川:経営者に飲みに連れて行ってもらえる会社って珍しいと思うんですよ。
特に若い社員って普段は上司を通して会社とやり取りしてるから、直接経営者と話をできるってホントいい機会になってた気がします。
あと社長はすごく人間くさいですよね。私が個人的にプライベートの相談をしに行ったら、わざわざ部屋を移して話を聞いてもらった事もありましたし。
私が入社したときも30名程いた同期全員の顔と名前を初日から憶えていて。面識のない社長に初対面で自分の名前を呼んでもらって嬉しかったのを覚えてます。
岩井社長:私が1ヵ月間丸々1人で研修講師してたときだよね。
研修までに覚えるの大変だったんだよなあ(笑)
④ライズの魅力とは?
桂川:ライズの魅力を教えてください。
岩井社長:さっき言ってくれた”人間くさい”というところじゃないかな。
人と人との繋がりが大きい事業をやってる会社だから人にこだわり続けてる。コミュニケーションを追求した施策をとことんやったり社員の自主性を促したり。
現場で働く社員が会社のことについて色んな提案をする「現場提案会議」ってあるけど、そこでは社員から挙がってきたアイデアを検討して、良ければ会社の制度として取り入れてる。
入社後の定期的な研修やYouTube「シャナイホー」、現場の役職者が集まるリーダー会議などもすべて現場社員が取り仕切って運営したりする。
桂川:現場で働く社員のフォローもそうですよね?
岩井社長:CSのことだね、うちの大きな特徴の一つだろうね。
CSは、Cheer(チア/応援する) and Support(サポート/支える)の略で、現場で働く社員専門のフォローチームのことだけど、同業種の企業でこのサポート体制をつくったのは実質的にライズが初。
今では他社でも同じような部署やチームを設けているけど、これだけは言い切れるね、サポートの質では絶対にライズが一番だよ!
桂川:私も同感です!ライズのCSはホントに親身になって社員の話を聞いてくれます。
それから本社社員の40%以上が現場出身というのもライズの特徴ですね?
岩井社長:そうだね。
現場のバックオフィスが本社だけど、その社員の4割以上が現場の事を知ってるから現場社員が本社に来たときや電話の対応とかも違ってくるよね。
現場のことを理解しているか、していないかで話が通じる通じないもあるし、それにライズでは、本社社員全員が現場社員のフォローをする体制になってるから現場社員としては自分の担当やCSじゃない社員でも相談をする事ができる。
桂川:現場社員は、本社に同期がいたりしますよね?
岩井社長:いるね、そのパターンは現場と本社のコミュニケーションが取りやすい。
桂川:あと、社内アプリもいろいろ作成してますよね?
岩井社長:結構たくさんあるね(笑)
例えば、現場社員と本社社員がどのくらいの間隔で接触したかっていうアプリ。
現場で働く社員は、どうしても会社や他の社員との接点が少なくなるし、接点が少なくなればコミュニケーションは不足する。そうすると前に話したように行き違いが生じたり帰属意識も薄れてきたりする。
何より、その社員が何に悩んでいるのか、職場環境に問題はないのかなど、今どういう状況なのかが把握できなくなってしまうのが最悪のパターン。状況が分からなければ、会社としても対応のしようが無いからね。
それで、それを無くすために何日間その現場社員と会社側が接触していないか把握するアプリを作って現場社員のフォローに役立てたりしてる。もちろん接触といっても、メールとか電話での挨拶程度の内容じゃ接触と認めてなくて、例えば、実際に会って一定時間話すとか会食などをカウントするようにしてる。
桂川:現場社員への定期的なヒアリングもありますよね?
岩井社長:賞与年2回と昇給のときに合わせ、年2回ヒアリングの機会を設けているけど、これは、現場社員自身が考える自己評価と会社側が行う評価の差異を埋めるためだね。
うちの会社に限ったことじゃないけど、社員と会社の評価って意外に食い違ったりするから。
社員は自分がA評価だと思っていても、会社の評価はBだったり。逆に、社員は自分がB評価だと思っていても、会社の評価はAだったり。これって、どちらにせよ、このまま放置しておくと良くないんだよね。
A評価だと思っている社員がB評価なら、どこが悪いのか理解させて改善させてあげないといけないし、B評価だと思っている社員がA評価なら、評価ポジションを認識させて先のことを促してあげないといけない。評価のギャップを埋める機会は本当に重要だと思っている。
⑤施工管理の魅力
桂川:施工管理の仕事の魅力について、岩井社長はどう思いますか?
岩井社長:よく言われているのは携わったビルとか橋が完成したときに味わう達成感だよね。
もちろんそれが一番だと思うけど、私が思う施工管理の魅力のもう一つは人が成長する上で必要な経験を他の職種よりたくさん積めるってことだと思う。
施工管理って、例えば測量とか絶対に間違えられない仕事なんだよね。建物の窓枠とか取り付ける際に、最初にその位置を決めるため墨出しという測量作業をするんだけど、ミリ単位までの精度が無いと、窓枠が入らなかったり、逆にスカスカで取り付けられなかったりする。だから現場では何度も確認作業をしたり細かなところまで気を配って仕事をしないといけない。
桂川:小さなミスが後々大きなトラブルに繋がるリスクがありますよね。
岩井社長:まあ、そうだね。
そもそも仕事って、どんな仕事でも間違いはよく無いんだけど、施工管理は、その緊迫感というか緊張感が他の仕事より大きい分、成長するんだよね。
緊張感のある仕事をした人と、ない仕事をした人では同じ期間働いたとしても成長度合いに結構差がつくと思うよ。
桂川:なにか、大変そうな気もしますが・・・
岩井社長:ははは、言い過ぎたかな。
緊張感がある仕事っていっても、当然ながら毎日働いている時間中ずっとそんな仕事って訳じゃないから(笑)
桂川:ですよね(笑)
岩井社長:こういう仕事の経験は、必ず人の成長に繋がるしホント有意義な仕事だと思うよ。
それと、施工管理って若いうちから「マネジメント」できる事が特徴だよね。実際に現場で作業するのは、いわゆる職人さんだけど、施工管理の仕事はその職人さん達との打合せや協議、日程や資機材や現場環境の調整だったりするから、要は職人さんを中心とした現場のマネジメントをする事になる。
でもマネジメントと言っても一般的にイメージするようなビジネス・マネジメントみたいな難しい話じゃないから。でもこれって、ホントなかなか他の職種では経験出来ないと思うよ。
これをマスターすると、人材としての価値は間違いなく上がる。マネジメントを経験したい人には持って来いだと思うし、これも施工管理の大きな魅力の一つじゃないかな。
⑥求めている人物像
桂川:どんな方に応募してもらうと嬉しいですか?
岩井社長:何ごとも要領よくパッっと出来る人というよりは地道に頑張れる人かな。
あくまでイメージだけどね、そんな感じ。
人間くさく、泥くさく、人との繋がりを大事にしてるような、やっぱり何はともあれ人としての温かみと言うか、そういうのがある人。
「愚直にコツコツぐるぐると。」
これ、私が以前に先輩から聞いた言葉なんだけど、私の中で大切にしてる言葉なんだよね。手っ取り早く楽をしようとせず愚直にコツコツと、地道に努力をしてぐるぐるとずっと継続していく。
こういう姿勢が、結局は会社も人間も間違いなく成長するって教えられたことがあって。こういうのに共感してもらえる人だと嬉しいよね。
桂川:あと社長は素直な人が好きですよね。
分からない事があれば素直に社長に言う社員が好きなんだろうなって思うことがよくあります。
岩井社長:そうだね。
ライズは未経験者が多い訳だから、知ったかぶりをしてるより分からない事は分からない、って正直に聞いてくれる人の方が会社としても何をしていいか分かるし助かるよね。
それに建設業界の人って教えるのが大好きな”教え魔”が多いから、素直に分からない事を聞けたら、間違いなく成長するしね。
⑦今後の経営方針
桂川:事業の方向性に関して何かありますか?
岩井社長:いまライズには建設分野とIT分野の2つでエンジニア人材がいるけど、同じエンジニア系でこの2つに共通性のある分野があれば新たに展開したいと思う。
ライズは建設分野からスタートしたけど、建設業界って数年前からDX化の流れが押し寄せていて、その流れの中から自然発生的にIT分野に進出した経緯があった。
両分野に共通性があるから建設からITに異動した社員もいるし、ITから建設に異動した社員もいていろんな意味で流動性が生まれ、いい結果に繋がっている。
こういった相互に共通性があって相乗効果が出るような分野があれば積極的に進めていきたいと思う。具体的に言えば、機電系(機械工学・電気工学・電子工学)や化学系などがそうかな。
桂川:ライズの今後について教えてください。
岩井社長:ライズの企業ミッションは、
【どこまでも人にこだわり、人を通じて100年社会に貢献する。】
このミッションの通り、長期的には今後もずっと人にこだわったビジネスをやっていこうと思ってる。
創業から30年以上、ずっと人と人が繋がるビジネスをやってきたけど、それはこれからも変わらない。
いまいる社員も人との繋がりが好きな者が集まっていてライズのカラーにもなってるし、人にこだわることが、ライズの経営の基本になってると思う。
中期的なもので言えば、やっぱり組織のスケールアップをしていきたい。ライズには現場社員だけで構成される組織や役職体系があるけど、その組織をスケールアップすることでより強化したいと思っている。
会社って売上も大事なんだけど、うちの会社は特に人にフォーカスしてるから、5年先くらいを目途に毎年10%ちょっと組織スケールをしていく予定。現在の社員数が580名ほどなので、社員数を1000名にするイメージかな。
桂川:会社の社員数や業績などの開示については、役職社員向けに決算報告会もしてますよね?
岩井社長:会社の業績がどうなっているのか、ある程度数字を開示しないと社員も不安だろうからね。細かい会計数字は別としても大まかな数字は知りたいだろうし。それに今の時代は一定の情報を社員に開示する時代だよね。
桂川:決算報告会は、会社の今後の方向性を含めて社員の顔を見ながら社長自らリアルで直接説明してくれましたよね。
説明用のパワポも社長がすべて自分で作成したとか。現場のエンジニア達も決算報告会で会社の業績や今後が知れて良かったって言ってました。
岩井社長:そう言ってもらえると嬉しいね。
桂川:ライズは本当に人と人との距離が近くて、まとまった組織感があると思います。
一般的な会社では、社長や経営側が何をどう考えているか、社員には分からない場合が多いはずですが、ライズは社長が決算報告会をやったりするので帰属意識とか安心感にも繋がると思います。来年の決算報告会を楽しみにしている社員も多いですね。
⑧最後に
桂川:最後になりますが、これを見た方に何か伝えたいことはありますか?
岩井社長:ライズはこれからも成長を続けていくので、今回のインタビューでライズに興味を持ってくださった方はぜひ一度お問合せください。そしてぜひ一度本社に来てみてください。本社がある松戸は、とても素敵な街ですよ。
桂川:岩井社長、本日はありがとうございました!
皆様、お待ちしております!