先日、ブラジリアンミュージックのLIVEに参加してきました。
私は音楽には頓着がなく、詳しいとはお世辞にも言えないような人間です。今時の人間にしては、珍しく音楽をあまり必要としていないタイプであるという自負があります。そんな私がブラジリアンミュージックという、メジャー路線からは少しズレる音楽を聞くに至った理由はさておき、私はたった1度のLIVEですっかりその音楽に惚れ込んでしまったのです。
ビジネスに必要不可欠な「ファン」の存在
ファンの獲得が収益に直結する業界といえば、エンターテイメントに関わる業界のイメージが強い。それ以外の事業では、顧客のニーズにマッチするサービスを提供していることが第一にあり、「ファンを作る」ということは、その結果のひとつであり、主たる目的には据えられることは少ないのではないでしょうか。
しかしながら、継続的にサービスを受け取りたいと考えるのは「ファン」であることは間違いないので、どのような業界・事業であったとしても「ファンを作る」ということを目的にした展開をすることで、収益はついてくると考えられる。
なにはなくとも「ファンを作る」ということは、ビジネスにおいて外すことのできない視点であるといえます。
顧客のレベルにあったサービスが心をつかむ
私は、ブラジリアンミュージックのLIVEにて、すっかり心をつかまれ、ファンになってしまったわけですが、「ファンを作る」にあたって、大切なポイントを体感したと思っています。
それは、「共感ポイント」の有無です。
コミュ二ケーションにおいても、相手とのラポールを築いたり、親和性を感じさせたりする方法として「共感」はあります。
私は音楽に造詣が深くないため、音楽の歴史やジャンルなど、まったく知識はありませんし、楽器のことも技術的なことも、アーティストのこともわかりません。お恥ずかしいことですが、まったくの無知と言っても過言ではないレベルです。
そんな私が、どうして「共感」することができたのか。
それは、演者の「感動」の部分に他ならないのです。
今回の「ファンになる」に繋がる共感とは何かというと、演者自身が音楽を楽しみ、音に溢れる場を作っていることに喜びを感じているその「感動」にあると私は考えます。
舞台上の演者の楽しそうなエネルギーは確実に私に届いたのです。
感動とは、エネルギーの波だと私は思っています。水たまりに雨水が溢れて、波紋が広がるように、感動のエネルギーがぶつかると、必然的に人は感動してしまうものなのです。
音楽に詳しくない私にとっては、音楽の良し悪しやジャンル云々以上に、演者の方々の楽しそうな姿というものが何よりも響いた。そして、それほどまでに楽しませるブラジリアンミュージックに興味が湧いてCDを購入する。
おそらく、音楽に詳しい人ばかりの集まる場であれば、そこで展開される技術的なものだとか、使われている楽器などによって、ファンが生まれることもあるかもしれません。
どのような商品を取り扱っていても、顧客層に合わせた共感ポイントを提示できるかどうかが、ファンを作る鍵になります。
そして、その全ての鍵の根本にあるものが提供者側の感動なのではないでしょうか。
オーケストラの指揮者についての記事がありました。
オーケストラの指揮者は舞台の上で一体何をやっているのか?
(出典:GIGAZIN)
オーケストラを聞いたことのない人は少ないと思いますが、指揮者による表現の違いまでわかる人は多くはないのではないでしょうか。この記事により、オーケストラを楽しむための切り口がひとつ提示されました。
指揮者まで見ているオーケストラ好きの人にとっては、指揮者が自身の中にある感動をどう表現するのかという細かなところがファンになるきっかけになるのだろうなと思います。
自分が一番伝えたい感動は何か、それに共感する顧客層はどこなのか。そういった視点からファン作りを意識し、ビジネスへ繋げられると良いのかもしれません。