オフィス用品・店舗用品も揃うラクスルビジネスモール|ネット印刷のラクスル
ラクスルビジネスモールは、ネット印刷でおなじみのラクスルでオフィス用品・店舗用品や包装資材が買える通販サイトです。24時間注文受付、初回送料無料。2回目以降も1,500円以上の注文で送料無料。
https://stockroom.raksul.com/
「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」
このビジョンを掲げるラクスルにおいて、いま最も熱い“バッターボックス”の一つが、2025年9月に正式リリースされた『ラクスルビジネスモール』です。しかし、その道のりは決して平坦なものではありませんでした。15年間積み上げてきた「ラクスル=印刷」という強固なブランドイメージ。その巨大な壁の前に立ち尽くした1日の注文数、わずか5件。
この絶望的な数字から、いかにして半年で60万点超もの商品を揃え、中小企業の「働く」を支えるインフラへと脱皮させたのか。物理学の研究から一転、ビジネスの荒波を「想定外の連続」と笑う高須さんに、その強かな事業開発の真髄をたっぷりと伺いました。
物理学から「手触り感」を求めてビジネスの深淵へ
突きつけられた現実。1日5件の注文から始まった「認知の壁」との戦い
「巨人の肩」とAIを駆使し、半年で60万点超の商品を揃える
「想定外」を愉しむ。バッターボックスに立ち続けるBizDevの資質
編集後記
── 高須さんは、ラクスルに入社する以前はどのようなキャリアを歩まれてきたのですか?
高須: 僕は大学院を出て、葉酸サプリのDtoC事業などの女性のライフイベントに関わる事業を手掛けるベンチャー企業に新卒入社しました。そこで3年間、新規事業の立ち上げや事業責任者を経験した後、ラクスルへジョインしました。
── 大学院では何を専攻されていたんですか?
高須: 物理学です。日常生活で接することはほぼないような、原子やら粒子やらといった内容の研究をしていました。
── 物理学!それでサプリに関する分野に?
高須: いえ、全然違います(笑)。大学、大学院と物理学を専攻し、周囲の友人もほとんどが大手メーカーの研究職へ進みました。でも僕は研究室にこもるよりも、もっと自分の動きで世の中が変わる“手触り感”のあるビジネス職に就きたいと考えたんです。「自分は物理の専門分野を一生の仕事にしていくタイプではなさそうだな」と、大学院のときに気づいて。大手からベンチャーまで広く検討しましたが、より手触り感があり、先々の成長が見込める小さめのベンチャーを選びました。
── 一社目では、どのような経験をされたのでしょうか。
高須: 1年目で新規事業を任され、お母さんと赤ちゃん向けのオフラインイベント事業の集客からイベント運営、オペレーション設計全般を担当しました。順調でしたが、コロナ禍でイベント開催が難しくなり、ベビー用品のレンタル事業に移りました。そこでも2年間、事業責任者として一定の成長を作ることができたのですが、会社がメイン事業にフォーカスし始めた際、一人で小さな新規事業を続けていることに強烈な孤独感を感じるようになったんです。「みんなが同じ方向を向いているはずなのに、自分だけが違う方向を見ているのではないか」と。悶々とする日々の中で、より大きな事業で、多くのプロフェッショナルと切磋琢磨したいという気持ちが大きくなりました。
── そこでラクスルを選ばれたわけですが、決め手は何だったのですか?
高須: 事業として伸びているところでチャレンジできそうなこと、そして「働く人を楽にする」という軸が合致していたことです。実は、ラクスルには多様な業界から優秀な人材が集まっているという認識は新卒時から持っていましたが、当時は“すでに出来上がった会社”に見えていたので、選考は受けませんでした。
でも、2年間自分で事業を回す経験を経て、今ならここで活躍できるかもしれないと考えが変わりました。特に選考過程で受けたワークサンプルが大きな決め手になりました。僕自身、出された課題に本気で向き合いましたが、面接官の視野・視座・視点のレベルがとにかく桁違いに高かった。当時は「数ヶ月後の数字をどう上げるか」といった短期的な視点しか持てていなかったのですが、「3年後をどうなっていると思うか」という長期的な時間軸を突きつけられ、自分に足りない視点を知り、こういう人たちと働きたいと強く感じたのが、最終的な決断に繋がりました。
── 入社後はグループ会社のダンボールワンを経て、現在につながるプロジェクトを引き継がれました。当時の状況はどうでしたか?
高須: 正直、異動のオファーが来た時は「え、このタイミングで異動?!」と驚きました。ちょうどその半年前にダンボールワンで商品開発部の部長に就任したばかりで、これから本格的にチームを牽引してダンボールワンの成長を作っていこうと思っていた矢先だったんです。 しかし、会社にとって極めて重要なプロジェクトであることは理解していましたし、自身のキャリアとしても、チャンスだと捉えて、バトンをしっかりと受け継ぐ覚悟を決めました。
── プロジェクトの構想自体は、どのようなものだったのでしょう。
高須: ラクスルの印刷ECは非常に多くのお客様に選ばれていますが、チラシなどはイベント等の販促機会に連動した購買頻度で、購入頻度をこちらでコントロールしづらいという弱点がありました。また、名刺は総務、チラシは販促と窓口が分かれていることも多く、印刷商品間でのクロスセルも容易ではありませんでした。 そこに文具や事務用品などの「消耗品・備品」という事業運営に不可欠な商材を入れることで、ラクスルとお客様の接触頻度を高め、最終的にラクスルをより使い倒していただこう、というのが構想の原点です。
着任した当時、商品ラインナップはそれなりにありましたが、一番の課題はお客様が増えていないことでした。1日の注文もたった数件で「なかなかやりがいあるな(笑)」と。数字を見れば見るほど、お客様にまったく選ばれていない現実に直面しました。
── それはかなり厳しいスタートですね。まずは何から手を付けたのでしょうか。
高須: まずは「なぜ選ばれていないのか」という問いを明らかにしようと思いました。認知がないのか、既存の取引先から変えられない理由があるのか、あるいは商品力が足りないのか。2ヶ月ほどお客様にひたすら営業活動を行いました。電話もしましたし、メールで「お時間をいただけないか」とお願いして回り、実態を掴みにいきました。そこで見えた一番の課題が、15年かけて築き上げられた「ラクスル=印刷」というあまりに強固すぎるブランドイメージでした。
── ブランドそのものが、新しい挑戦の「壁」になっていたのですね。
高須: そうなんです。お客様の頭の中では「印刷ならラクスル」というイメージが完成しすぎていて、そこでオフィス用品や備品も買えるという認知が圧倒的に足りていませんでした。そもそも比較検討の土俵にすら上がれていない状態だったんです。 ただ、泥臭くお話を聞き続けるなかで、「認知があって、価格が安ければ買ってくれる」という確信は持てました。この想像以上に分厚い「認知の壁」をどう壊していくか。それが、僕に課せられた最初のミッションになりました。
── 「認知の壁」を壊すために、具体的にどのような戦略の転換を図ったのでしょうか。
高須: お客様の話を徹底的に聞く中で、ある致命的な欠陥に気づいたんです。当時、ラクスルで扱えていた商品は、お客様がビジネスで必要とするもののわずか15%程度でした。残りの85%が揃っていない場所で「うちで買ってください」というのは、お客様へのエゴでしかないなと。
だったら、カテゴリを細分化して少しずつ増やしていく当初の構想は一度捨てて、一気に網羅性を高めて「ここに来れば何でも手に入る」という状態を最速で作ろう。サービス名も『ラクスルビジネスモール』へと刷新しよう。そう決断し、目標を「100万点の品揃え」に置きました。
── 100万点! 凄まじい目標ですが、どう実現したのですか。
高須: 自分で目標を設定しておきながら、実は一番苦労しました(笑)。
ビジネス側のリソースが実質的に僕一人しかない中、圧倒的に商品掲載数を増やすために立てたのが「巨人の肩に乗る」戦略です。業界の先を行くパートナー企業と提携し、そのラインナップを丸ごと掲載させてもらうパートナーシップを構築しました。
さらに、本来なら他社では100人体制でやるような膨大な商品マッピングやデータ登録、仕入れ先との交渉ですが、そこはラクスルの強みであるAIをフル活用しました。ラクスルではAIを用いた業務効率化を積極的に推進しています。AIのおかげで、ほぼ一人で回し切ることができました。
結果として、リニューアルから半年で60万点超えの品揃えを実現しました。かつて9ヶ月かかっていた新規ドメインの構築も、今回は3ヶ月足らず。この圧倒的なスピード感こそがラクスルらしさだと思っています。
── 『ラクスルビジネスモール』が正式リリースされ、「印刷ならラクスル」から「中小企業のインフラとしてのラクスル」へ大きく舵が切られました。今後、このビジネスをどのように伸ばしていきたいですか?
高須: M&Aが進むなかで、会社全体の成長ドライバーにしていきたいです。印刷よりも消耗品や備品のほうが手に取りやすい側面もあるので、事業全体を活性化させる「活力剤」のような存在になれればと思っています。
ビジネスモールは、抽象度高く言えば「ラクスルの既存のお客様向けに、よりラクスルを使いやすく、頼っていただけるようになるサービス」です。End-to-Endで中小企業の経営課題を解決するテクノロジープラットフォームを目指すという会社の方針のなかで、中小企業のビジネス成長を支えるインフラとして、重要な役割を担っていきたい。印刷事業が1000億円という数字を目指す上で、確固たる存在感を出していきたいと考えています。
── 高須さんご自身の今後の展望はいかがですか?
高須: 実は、僕自身はあまりガチガチのキャリアプランを持っていないんです。新卒のときには「3年で役員になる!」といった肩書きにこだわった時期もありましたが、想定外の連続だった一社目での経験を通じて、「人生は計画通りにはいかないな」と痛感しました(笑)。
それからは、目の前にある壁をひたすら壊していくこと、想定外の事態をどう面白がるか、というスタンスに変わりました。今回のビジネスモールの立ち上げも、トラブルを含めて、大体のことは想定外。でも、それこそが面白いんです。
ラクスルには、既存の強いアセットを使いながら、「良くなるなら、まずやってみよう」と、挑戦を後押ししてくれる文化があります。BizDevというキャリアにおいて、これほど多くの打席に立てる場所はそうそうないですよね。重責はありますが、それ以上に「正解のない問い」に挑むワクワクに満ちています。
── 最後に、この記事を読んでいる未来の仲間にメッセージをお願いします。
高須: ラクスルは大きな意思決定を、スピード感を持って、かつ強烈に実行できる会社です。自分自身でスタンスを持ち、二本足で立って事業を前に進められる“遊撃部隊”として立ち上げフェーズを楽しみ、自ら事業を育てたいという方にとって、最高のバッターボックスがあります。一緒に、働く人を楽にする新しいインフラを創りましょう!
高須さんのお話を通じて最も心に響いたのは、「想定外を面白がる」という圧倒的な肯定感でした。
物理学の研究からベンチャーの荒波へ、ベビー用品のレンタルから巨大なビジネスモールの再建へ。一見すると脈絡がないように見えるその歩みですが、その根底には常に「働く人を楽にしたい」という一貫した哲学と、目の前の課題を突破する圧倒的な実行力が宿っています。
注文数1日5件の絶望的なスタートから、60万点超の希望へと事業を脱皮させたのは、過去の自分すらもアンラーニングし続ける高須さんのしなやかな強さでした。
⚾️「印刷のラクスル」が、日本のあらゆる「働く」を支えるインフラへと進化するその最前線で、あなたもバットを振ってみませんか。