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「世界が広がる子供を見て、世界が広がっていない自分に気がついた」歌舞伎の解説者で4歳児のママが、もう1度社会に出たいと感じた"たった1つの理由"

「あんなに小さかった我が子も、気がつけば言葉を話せるようになり、たくさんのモノに興味を持つようになった。この子の世界は、体の成長と共に広がっていくんだと思うし、そうあり続けてもらいたい。」

でも、そんな中で、自分の世界の広がりをどこか諦めてしまっていないでしょうか。育児・家事に追われ、楽しく働くことから目を逸らし、自分の世界が狭まっていることに目を瞑ろうとしていないでしょうか。

今回の記事でご紹介する山田さんも、自分の世界がいつの間にか狭まっていることに気がつき、そこから抜け出すべく、現在SAKIYOMIで一緒に働いている1児のママさんです。山田さんはどのようなキャリアを歩み、どうして社会に戻りたいと考え、SAKIYOMIで活躍しているのか。そんなお話を皆様にお伝えできればと考えています。

育児に、家事に時間を費やしてきた中で、いつしか忘れていたあのワクワク、楽しさ、そして社会や組織に対する貢献から得られる幸福感。そんな皆さんが忘れかけていた、諦めかけていた何かを、今一度思い出させてくれる記事になっています。ぜひ最後までご覧くださいませ。

山田 絵理子 / エキスパート(業務委託) / オンボーディング(企画職)

美大に在籍中、コピーライター、CMプランナーとして活動を開始。卒業後もライターとして活動し、雑貨のコピーライティング、雑誌の企画・編集、歌舞伎の解説などに携わる。出産や育児を機に仕事から一時離れるものの、再度ライターとして活動復帰。2022年2月にフリーランスライターの仕事を行う傍ら、SAKIYOMIのオンボーディング(企画職)領域にジョイン。クライアント様のアカウント設計から、諸準備物のディレクションに携わる。

新卒フリーランスライター。異色の経歴によって培われた圧倒的な言語化能力。

ーー山田さんは新卒のタイミングからフリーランスとして活動なさっていたんですよね。どういった背景で「新卒フリーランス」というキャリアがスタートしたのでしょうか。

仕事を始めたのは美大生の3年生くらいからでした。その当時「mixi」が流行っていて、私もその流れに乗ってブログを書いていたんです。そしたら、たまたまデザイン専攻の先生の友人でありコピーライターの方が私のブログを読んでくださっていて「文章が面白いからライターをやってみないか?」と誘っていただいて。そこからコピーライターとCMプランナーの仕事をやり始めたのが、お仕事を始めたきっかけです。

ーーめちゃくちゃ面白いキャリアの始まり方ですね!

自分自身は「キャリア」というものを真面目に考えたことがないんですけどね。そのコピーライターの師匠のご友人がプロダクションの方で、フリーランスを集めた会社を立ち上げるところで。そこで1年半くらいライティングをしたり、CMの企画を考えたりしていました。

ーー一般的にあまり馴染みのないお仕事だと思いますが、具体的にはどんなことをやっていたのでしょうか。

そうですね。コピーを書くよりも、CMを企画することの方が圧倒的に多かったです。オリエンテーションを営業から受けたら、一枚絵などで案を出し、次の打ち合わせでさらに具体的な絵コンテに落として提案。さらにその中から営業チームが良いと思ったものを選んでコンペに持っていく、といった流れでした。名古屋の結婚式場のCMで使うコピーが採用された記憶があります。

ーーすごいですね。そこからずっとライター一筋だったんですか。

結果的にではありますけど、その後も言葉を扱う仕事が多かったですね。ニューヨーク近代美術館(MoMA)のデザイン雑貨の販売員をしていた時は、NYのコピーライターが書いた文章を日本のコピーライターが翻訳し、それを短くまとめて店頭のPOPにしてみたり、ライブドアのニュースサイトでネットニュースを更新するアルバイトをしていた時は、ゲーム感覚でネットニュースのタイトルをリライトして「どんなタイトルだったら伸びるんだろう」ってことを考えてみたり。面白いもので言ったら「フリースタイルな僧侶たち
(宗派を超えた若手僧侶が作るフリーマガジン)」の企画や編集に携わることや、今も続けているんですけど「歌舞伎の解説」なんてこともやってきましたね。

ーー本当に幅広くライターとして活躍なさってこられたんですね。今も続けられているという「歌舞伎の解説」について、もう少しお伺いしてみたいです。

かれこれ10年ほど続けてきているんですが、歌舞伎を見る際に使用する「イヤホンガイド」から流れてくる音声を作っています。高校を卒業したくらいのタイミングで初めて歌舞伎を見たんですが、その面白さから「どうにかして歌舞伎と携わりたい」と思うようになって。自分の中で辿り着いたのがイヤホンガイドを貸すアルバイトでした。

早速調べてみて、すぐに貸し出しのアルバイトは見つかったんですけど、その下にちょこっと記載してあった「解説者募集」の5文字に妙に惹かれてしまって。ダメもとで話を聞いてみたら、すぐにトライアルでの執筆を言い渡されて、見事合格。結婚を機に東京から京都に引っ越してきたんですけど、ありがたいことに京都でも解説者のお仕事をいただけて、気がついたら10年ちょっと歌舞伎の解説者をやっています。

歌舞伎の舞台ってかなり過酷なスケジュールで設計されていて。演目を月毎に変えていくのが一般的なんですけど、新しい演目のお稽古をする期間は長くて4日くらいしか無いんです。事前に台本が渡されて、お稽古1週間くらい前までに原稿を作り、音声を録音。お稽古期間に入ると、録音した音声を聞きながら舞台稽古との齟齬をチェックし、原稿を書き直す。そして再録音。これを初日くらいまで繰り返します。
参考:イヤホンガイドが届くまで ~新入社員がつづる解説制作レポート~

どこまでいっても舞台の主役は役者さんなので、「演目の内容が理解できる最大限の情報量」を「短い時間で的確に伝える最小限の単語数」で伝えなければなりません。歌舞伎は江戸時代の風俗なので、ただ現代語に置き換えるだけだとニュアンスまで伝わらなかったり、長い演目の一部分だけを取り出して上演することが多いので、それまでの経緯を舞台進行の中で簡潔に伝えなければならないことも多かったり。限界まで言葉を噛み砕いて表現する必要があるので、言葉選びの力は身についたなと感じます。

出産と育児で感じた世界の矮小化。その脱却のために選んだものが、社会に出て働くということ。

ーー山田さんほどライターとしてのキャリアが長ければ、未経験のお仕事に挑戦なさる必要もないのではと感じてしまいます。どういった経緯からSAKIYOMIで働くに至ったのでしょうか。

4年ほど前、出産と子育てをきっかけに、お仕事をお休みする期間がしばらく続いていました。そこから子供も大きくなり、保育園にも入るようになって、最近になって少しずつ歌舞伎の解説者として復帰し始めていたんです。いつものように稽古に立ち会わせてもらって、録音をしているときに「10年間今のお仕事を続けてきたけど、自分の世界は全く広がっていない。」と、ふと感じたんです。それとは対照に、子供は大きくなるにつれて自分の世界を広げていて。子育てだけをしていると関わるものが全て家庭に限定されてしまっていて、自分の世界がどんどん狭くなっていることに気がつきました。

これは、きっと私だけが感じていることではないと思っています。お仕事から遠ざかってしまうことで、世界が徐々に狭くなってしまい、気がついたら社会に入っていく自信も失ってしまっている。そんな状態をどうにかしてこじ開けたいと思ったのが、新しくチャレンジする場所を探していた理由です。

ーー山田さんがおっしゃられるように、社会に出るハードルが知らない間に上がってしまっている人は多いように感じます。多数存在している仕事の中からSAKIYOMIのオンボーディング(企画職)に応募してくださったのは、どういった理由があったのでしょうか。

「これなら出来るかも」と直感的に思ったのが1番大きな理由ですね。会社員として働いたことがなくて、それでいて歌舞伎という"ニッチで汎用性がない仕事"に携わっていたので、自分の力が会社の中でどう役立つのかが全く描けていませんでした。そんな中で、オンボーディングメンバーの求人だけが自分にも出来そうだと感じましたし、世界を広げられるフィールドがそこにあると思えたんです。あとは純粋にフルリモートで働けることや、在宅で出来るためマスクをしなくていいこと、仕事と仕事の合間に家事が出来ることなど、業務委託ならではの理由もあったりしますね。

ーー現在はSAKIYOMIのオンボーディングメンバーとして、どのようなお仕事をされているのでしょうか。

ご契約してくださったクライアント様の「アカウント設計 / 企画」が主なお仕事です。クライアント様の商材からターゲット像を導き出して、どんなユーザーにどんなコンテンツを届けるのかという「THE マーケティング」的なことを行っています。現在は4社のオンボーディングに携わりながら、SAKIYOMIのオウンドメディアのライティングにも携わらせていただいています。

インスタ未経験でも関係ない。なぜなら、これまでの人生経験が1番の財産であり、武器になるから。

ーーこれまでのライター業とオンボーディングとでは、されていることに乖離があるように思われます。過去の経験が現在のお仕事に活きていると感じることはありますか。

CMプランナーとしての「企画の経験」と「人生経験の多さ」は、オンボーディングの中で活かせていることかな、と。CMプランナー時代は、ただひたすらに「この商材をどう紹介したらユーザーに魅力が伝わるのか」を考えていました。まさにオンボーディングのアカウント設計でやっていることと同じですよね。

もう1つの人生経験の多さは、SAKIYOMIの”若さ”に起因するもので。SAKIYOMIで働いている方って本当に若いんです。平均年齢は25歳くらい。でも、一緒にお仕事をするクライアント様は当然30代以上、人によっては40代、50代の方もいらっしゃいます。

つまり、クライアント様は当たり前のように経験してきていることを、SAKIYOMIで働いているメンバーは知らないということが非常に多く発生しているんです。例えば「結婚」。先日、結婚式場のクライアント様のオンボーディング案件を担当したのですが、結婚式を経験したことのある人にしかわからないインサイト(本質)がそこにはありました。そういったSAKIYOMIのメンバーがまだ経験したことのないものを「すでに経験している」ということが、SAKIYOMIの中での1つのピースになれている感覚があるんです。

ーー確かに、結婚も出産も引越しも、ライフイベント周りの経験にSAKIYOMIのメンバーは弱い印象があります。

そうですね。でも、その弱さをかき消すほどの熱心さにはいつも感心させられます。特にInstagramに対する熱量は半端じゃないですよ。SAKIYOMIの中には本当にたくさんの運用ノウハウが蓄積されているんですが、それらは全てSAKIYOMIのメンバーが地道な仮説検証を繰り返して獲得してきたことを、ついこの間教えていただきました。

事業が急成長していることも影響して、組織的に追いついていない部分も多く見られるんですが、そんな中でも「どうにかしてやろう」という気概には尊敬の意を覚えますし、これまでの人生で味わったことのない新しい感覚と経験を得られています。日々学ばせてもらえているというのが、実際に働いてみて感じたことですね。

ーー最後に、未経験でもオンボーディングメンバーとしてお仕事をやり続けられる理由があればお伺いしたいです。

やはり年齢的な部分は大きいのかなと思っています。オンボーディングという領域は、もちろん良質なコンセプトを生み出すことも重要ではありつつ、どこまでいっても「これからお仕事をご一緒するクライアント様との信頼関係を構築すること」が第一に求められます。

そういった観点で考えると、外見的な面でも年齢が上に見える私がクライアント様の前に立った方が、信頼度や信用度は高くなるなと思っていて。Instagramやマーケティングに関する知識は本当に0からのスタートで、とても不安に思っていた部分もあったのですが、しっかりと今、オンボーディング領域の中で自分が役に立てることがあるとわかり、いろんな業種の方と関わりながら自分の世界を深く広くしていけたら良いなと日々思っております。

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