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社員インタビュー24人目は、サービスグループ gusukuユニット デベロップメントチームの鶴 智秋さん(つるくん)です!
学生時代は情報科学を専攻し、ソフトウェア工学やコード解析の研究に取り組んできたつるくん。2023年に新卒でアールスリーへ入社すると、最初の業務としてオープンソースソフトウェア「chomskei(ちょむすけ)」の開発を担当しました。その後は gusuku Customine(カスタマイン)、gusuku Deploit(デプロイット)、gusuku Everysite(エブリサイト)の開発に携わっています。チームの成長とともに活躍の場を広げているつるくんに、お話を伺いました!
プロフィール
サービスグループ gusukuユニット デベロップメントチーム エンジニア 鶴 智秋
生まれ・育ちは広島県広島市、大阪府在住。趣味はアニメ鑑賞、テレビゲーム、水族館・博物館巡り。好きなことはIT技術に関する話。
幼い頃からゲームに親しみ、高校では物理の先生の勧めでプログラミングに挑戦。コードを書くことや、読みやすく整えていく工程に面白さを感じるようになり、競技プログラミングの全国大会にも出場した。そこから情報科学の道へ進み、大学ではソフトウェア工学やコード解析の研究に取り組んだ。
2023年に新卒としてアールスリーへ入社し、現在は研究で培った知識を生かしながら gusuku サービスの開発を担当している。
――つるくん、よろしくお願いします!まず、学生時代にはどんなことを学んできたのでしょうか?
もともとゲームが好きで、なんとなく「将来はゲーム開発に関わりたい」と思っていました。大学進学も情報系を考えていて、その話を高校の担任の先生にしたところ、物理の先生へと話が伝わり、「プログラミングをやってみない?」と声をかけてもらいました。そこから本格的にプログラミングに触れ始めたのが、すべての出発点でした。
教えてもらいながらプログラミングに触れるうちにどんどん楽しくなり、競技プログラミングに挑戦するようになりました。高校では、全国大会であるスーパーコンピューティングコンテストに出場しました。例えば、数値をどう配置すれば縦横斜めの合計が揃うかを考える、いわゆる魔方陣の高度な穴埋め問題のような課題にも取り組みました。ただのパズルではなく、限られた時間で数理的に問題を整理し、効率よく解く方法を考える必要があり、とても刺激的でした。
チームでは数学に強いメンバーたちと協力しながら、自分はプログラム実装を担当。ほかにも個人で参加する情報オリンピックなどの大会にも挑戦し、問題をどう分解してコードに落とすかを考える楽しさを感じるようになりました。
――スーパーコンピューティングコンテストへ出場されていたなんて、本格的ですね。大学ではどんな分野を学ばれていたんですか?
大学では情報科学を専攻し、1~3年にかけて専門科目を積極的に履修しながら、学外でも専門書を読み進めるなど、興味のある分野を深掘りしていきました。とくにソフトウェア工学の考え方に強く惹かれ、コードをどう設計し、どうすれば読みやすく保てるのかを考える過程に、面白さを感じるようになりました。
大学2年には、高校時代に出場したスーパーコンピューティングコンテストのアシスタントとして、参加者からの質問対応を担当しました。自分の知識や経験を活かしながら、人に説明する経験を積めた時間だったと感じています。
4年からはソフトウェア解析の研究に取り組み、膨大なソースコードの中から類似コードを検出して品質改善につなげるコードクローン分析をテーマに研究を進めました。研究を通して、仮説を立てて検証し、結果を整理して伝える一連の流れを経験できたことは、大きな自信につながりました。
大学院でも研究を深め、深層学習を用いたコードクローン検出技術に対する評価方法の見直しなど、より専門性の高いテーマに挑戦しました。その成果として、専門家の審査を通過する査読付き論文を2本執筆し、国際会議や学会で発表する機会にも恵まれました。こうした研究経験は、粘り強く考え抜く姿勢として、今の開発業務にも活きていると感じています。
――査読付き論文の執筆や学会発表など、学生時代にかなり本格的な研究をされていたんですね…!そうした経験を経て、就職活動ではどんなことを考えていたのでしょうか?
大学院での研究を一通りやり切ったタイミングで、大学院1年の秋頃から就職活動を始めました。大学までに学んできたことを活かして、開発からテスト、保守まで関われる環境を軸に考えていました。
研究職という選択肢もありましたが、プログラムを書くことが好きで、手を動かして開発する仕事がしたいという気持ちが強くありました。しかし、いくつかの企業の選考を受ける中で、評価のされ方や雰囲気に違和感を覚えることがありました。技術そのものに向き合い、時間をかけて積み重ねていける環境を求めていたため、なかなか「ここだ」と思える会社に出会えず、悩んでいた時期でもありました。
そんな中、大学院2年の春頃に教授から「研究室のOBの会社を紹介するよ」と声をかけてもらったことで、アールスリーを知りました。ノーコードのサービスでありながら、しっかりと開発をしているという点に、「どういう仕組みなんだろう?」と純粋に興味を持ったのを覚えています。
また、同級生の日茂さんが先に入社して働いていることも、判断の後押しになりました。身近な人がすでに働いていることで、安心して選考に進むことができました。
最初の面談では、経営陣2人とお話ししました。堅苦しさがなく、「本音で話していいんだ」と感じられたのを覚えています。
2回目の面談では、現在同じデベロップメントチームで働いている西島さんと岩田さんと技術の話をしました。コーディングテストを含めたやり取りの中で、技術の話をする時間そのものが楽しく、やり取りを重ねる中で「一緒に働くイメージ」が具体的に想像できました。「この人たちと一緒に開発したい」と思ったことが、入社の決め手になりました。
――そうしてアールスリーへの入社を決められたんですね。実際に入社してみて最初はどんな雰囲気で、仕事を任されたのでしょうか?
入社した当時、デベロップメントチームはベテランの先輩だけという体制でした。そんな中に新卒として加わることになり、正直なところ、かなり緊張していました。
入社後は、kintone認定アソシエイトの取得に向けた勉強を進めつつ、少しずつ業務にも関わっていく形でした。アールスリーでは、この資格が実務に関わるための基礎として位置づけられています。
その一方で、入社して間もないタイミングで任されたのが、オープンソースソフトウェア「chomskei(ちょむすけ)」の開発でした。金春さんから「つるくんならできそうだね」と声をかけてもらい、kintoneのアップデートでは告知されないこともあるHTML構造の変更を検知するツールの開発を担当することになりました。
このツールは、カスタマインを利用しているお客様への影響をいち早く把握し、問題が起きる前に気づけるようにすることを目的としたもので、実運用を前提とした開発です。新卒で入社したばかりの自分に、いきなりこうした役割を任せてもらい、「できるかな」と不安に思う気持ちもありましたが、「大きな役を任されたからには頑張ろう」と気持ちが引き締まりました。
ベテランの先輩方に囲まれながらの開発は緊張感もありましたが、コードを読み、仕組みを考え、少しずつ形にしていくプロセスそのものはとても楽しく、「やっぱり自分はプログラミングが好きなんだな」と実感する機会にもなりました。
不安と緊張の中でのスタートではありましたが、最初にちょむすけの開発を任された経験は、その後の業務に向き合う姿勢の土台になっていると感じています。
――不安もありつつ、「やってみよう」という気持ちが強かったんですね。その後は、どんな形でプロダクト開発に関わっていったのでしょうか?
無事にkintone 認定アソシエイトを取得後、カスタマインやデプロイットのテスト業務に本格的に関わるようになりました。
テスト業務では、機能が正しく動くかを確認するだけでなく、実際の利用シーンを想定しながら「ここで困る人がいそうだな」「この操作は不安になりそうだな」といった点を意識してテストケースを考えていました。不具合を見つけて原因を突き止めていく過程そのものが、とても面白いと感じていました。
他の人が見落としていた不具合や、実装者が想定していなかったケースを見つけられたときは、「ユーザーさんに安心して使ってもらえるプロダクトにつながっている」と実感し、やりがいを感じました。
そうしたテスト業務を通して、プロダクトの仕組みや全体像が少しずつ見えるようになり、次第に開発にも関わるようになっていきました。
カスタマインの不具合修正だけでなく、サービスの中でも影響範囲の大きい機能の開発を担当しています。
たとえば、住所入力で利用されている郵便番号APIのリプレースでは、データの正確性や更新頻度を見直し、より安定して使える仕組みに切り替える対応を行いました。日常的に使われる機能だからこそ、ユーザーさんの業務に与える影響を強く意識した仕事だったと思います。
また、カスタマインの生成AI連携機能の開発も担当しました。新しい技術をどうプロダクトに組み込み、実際の業務で使える形にするかを考える経験は、これまでとは違った難しさと面白さがありました。
実装にあたっては、自分で調べながら進めることが多いですが、カスタマイン特有の設計やサービスの根幹に関わる部分については、先輩に相談しながらチームで議論しています。テストで培った「使われ方を想像する視点」が、開発にも活きていると感じています。
――テストから開発へと関わり方が広がっていったんですね。さらに新サービスであるエブリサイトの開発にも携わるようになりますが、最初に話を聞いたときはどんな気持ちでしたか?
エブリサイトの開発は、2024年の年明け頃からスタートしました。カスタマインやデプロイットといった既存サービスのテストや開発に携わってきた中で、新しいサービスを立ち上げるプロジェクトが動き出し、自分もその一員として関わることになりました。
最初に任されたのは、エブリサイトの画面構成を考えるプロトタイプ制作でした。「画面をタイル状に切って、結合する」という、大枠のアイデアだけが共有された状態で、それをどう形にするかを考えるところからのスタートでした。
正直、不安もありましたが、大きな役割を任されたからこそ、しっかり向き合おうと思いました。
エブリサイトでは、1つのページ画面をどこで切り、どのように結合して構成するかを考えることが重要になります。HTMLは入れ子構造で表現されますが、画面としては一枚の平面に見せる必要があるため、その二つをどう結びつけるかという設計そのものに向き合う場面が多くありました。
結果的に、プロトタイプは短期間で形にすることができました。カスタマインやデプロイットのテストを通して、既存の画面やコードを読み解いてきた経験が、「この操作性ならユーザーが扱いやすいだろう」「この設計なら将来の機能追加も柔軟にできそう」と判断する際に活きていたのだと思います。
エブリサイトのプロトタイプ開発は、自分にとって大きな挑戦でしたが、これまで積み重ねてきた経験を総動員することで、一歩前に進めた実感があります。
――エブリサイトの開発を経て、チームのあり方やご自身の視点にも変化が出てきているのではないでしょうか?
ちょむすけの開発では、環境構成を IaC(※)としてコードで管理する形を取りました。当時は個別の取り組みでしたが、この経験が後にチーム全体の開発環境を見直すきっかけの一つになっていきました。
(※)Infrastructure as Code:環境の設定をコードで管理し、再現性や共有性を高める手法
自分が入社した当初、デベロップメントチームではアーキテクチャ構成を手作業で管理しており、設定の把握が特定の人に依存しやすい状況でした。IaC を取り入れることで、環境構成そのものをコードとして共有できるようになり、「これ、どうなってるんだっけ?」と立ち止まる場面が自然と減っていきました。
その結果、チームの人数が少しずつ増えていっても、大きく混乱することなく開発を進められるようになってきたと感じています。後から入ってきたメンバーにも説明しやすくなり、開発の流れを共有しやすくなりました。
最近では、タスクの進め方や役割分担についても自然と話し合うようになり、技術的な相談だけでなく、「チームとしてどう進めるか」を考える機会も増えています。
自分自身も新卒で入った頃とは違い、「チーム全体が動きやすくなるか」という視点を持つようになったと感じています。
――エブリサイトの開発やチームの変化を経験する中で、どんなところにやりがいを感じていますか?また、これから挑戦していきたいことについても教えてください。
エブリサイトの開発やチームの拡大を経験する中で、仕事のやりがいもよりはっきりしてきました。
一番のやりがいは、やはり「開発そのものが楽しい」という点です。
自分が書いたコードや設計した仕組みがプロダクトとして形になり、実際に使われる前提で動いていく。研究で身につけてきた「コードを読む」「品質を考える」という力が、そのまま仕事に活きていると実感できる瞬間は、純粋にうれしいですね。
これまでの業務を振り返ると、仕事の関わり方も少しずつ変わってきたと感じています。最初は任されたことを一つずつ確実にこなすところから始まり、次第に「これは自分がやってみたい」「ここは挑戦できそうだ」と思うものに、自分から手を挙げるようになりました。いきなり何でも担当するというより、チームの状況を見ながら、少しずつ関われる領域を広げてきた感覚です。そうした積み重ねが、今の仕事の楽しさややりがいにつながっていると思います。
チームの人数が増えたことで、自分に求められる役割も少しずつ変わってきました。目の前のタスクだけでなく、「この進め方でチーム全体は回りやすいか」「今、誰が詰まりそうか」といったことを考える場面が増え、責任は確実に大きくなっています。
その分、開発に関わる手応えも以前より強く感じるようになりました。
技術レベルの高い先輩たちに囲まれながらも、分からないことをきちんと聞けて、挑戦を後押ししてもらえる環境だからこそ、今の自分があると感じています。
今後は、大学院時代に学んだソフトウェア解析の知識も活かしながら、チーム全体の開発効率がより良くなるような技術や仕組みを取り入れていきたいと考えています。
個人として成長するだけでなく、チーム全体が安定して前に進めるような土台づくりに、関わっていけたらうれしいですね。
将来的には、先輩たちのように幅広い技術を押さえつつ、一つひとつをきちんと深掘りできる、広く深いエンジニアを目指しています。
――最後に、つるくんが感じている、アールスリーやデベロップメントチームならではの魅力や、「こういう人と一緒に働きたい」と思う人物像について教えてください。
アールスリーの好きなところは、「どう進めるか」を自分で考え、選べる余地が大きいところだと思います。
たとえば、まず結論を出してから進めたほうがいい場面もあれば、具体例を積み上げながら、少しずつ認識をそろえたほうがいい場面もあります。その状況に応じてトップダウンとボトムアップを自然に切り替えていて、「とりあえずやってみたい」「こうしたほうが良さそう」という提案も、根拠を持って説明すればきちんと聞いてもらえる。逆に、結論を急いだほうがいいときは、先に方向性を示して進めることもあります。
このバランス感覚は、デベロップメントチームならではだと感じています。
また、開発効率を高めるための環境づくりにも理解があり、勉強用の書籍を読んだり、新しいツールを試したりすることが、そのまま仕事に活きるのも魅力ですね。「技術が好き」という気持ちを切り離さずに働ける環境だと思います。
個人的には、コンピュータや技術そのものが好きで、分からないことを放置せず、自分なりに考えて前に進もうとする人が向いていると思います。コンピュータ関連で何かに熱中してきた人と、一緒に働けると嬉しいです!