AIの進化は止まりませんが、「人と人、企業と社会を結ぶPR」の現場では、実際にどのように活用されているのでしょうか。
多くの人がイメージするのは「効率化」や「時短」かもしれません。しかし、創業50年を超えるプラップジャパンが目指しているのは、単なる効率化ではありません。 それは、これまで個人の「センス」や「勘」に頼りがちだったPRの成功法則を解明し、AIの力で「再現性」を持たせること。
社内でのAI浸透に奔走し、PRの成果を加速させるために挑戦を続けるTakakiさんに、現場のリアルな現在地を聞きました。
内定者プロフィール
Teshima:東京都出身。中学まで8年間野球、高校は陸上長距離と運動に打ち込む。ロックバンドが好きだったことから大学ではバンドでリードギターやギターボーカルをやるなど音楽漬けの日々を過ごす。
Toyoda:東京都出身。中学校まで都内で学生生活を送り、高校はカナダに単身留学。大学生時代はスターバックスでのアルバイトを4年間続け、店舗運営にも深く携わった。
Sakurai:宮城県出身。幼少期から料理をすることが好きで、大学時代は、バーを経営するサークルに入ったり、イタリアンバルでバイトをしたり、お酒にハマったりと「食」に携わり続ける4年間だった。
Takakiさんプロフィール
2019年にプラップジャパンへキャリア採用社員として入社。入社後5年間はクライアントの広報支援業務をするコミュニケーションサービス統括本部(以下、CS)に所属。現在は専門部署でAIに関する社内啓発活動を行っている。
(奥様の影響でちいかわのグッズを集めているという優しいTakakiさんは、私たちのインタビューにも笑顔で優しく丁寧に答えてくださいました!)
1.PRの知見を活かした「伝え方」でAIを社内に根付かせる
——Takakiさんは、今どんなことを行っているんですか?
主に社内の“AI利用促進”に繋がる活動を行っています。
ご存知の通り、ここ数年でAIは一気に普及しました。ただ、導入する企業は増えても、現場レベルでの「定着」や「継続利用」となると、世界的に見ても多くの企業が壁にぶつかっているんです・・・
単にAIを与えるだけでは意味がないので、その壁を取り払い、生産性向上という本来の成果につなげるために日々取り組んでいます!
——今の部署 に異動された経緯と異動後に意識されたことはなんですか?
もともとCSにいた頃、数字やデータを活かした「データドリブンなPR」にすごく可能性を感じていたんです。(尊敬する先輩がやっていたこともあり、、笑)
データを紐解いてPRの正解を探っていくプロセスが好きで、それを突き詰めていく中で、「今の時代、AIを使えばもっと最短距離でこれを実現できるんじゃないか」って確信して、今の部署に来ました。
そこで重要になるのが「再現性」だと思っています。
PRの現場ではよく「成功要因はケースバイケース」と言われますが、それでは次に繋がりませんし、会社としての資産にもならない。「なぜメディアに紹介してもらえたのか」をちゃんと解き明かして、誰が担当しても同じ成果を出せるようにしたいんです。
その「再現性」ある仕組みをAIの力で作っていく、ということは常に意識していますね。
——社員の皆さんに、AIの捉え方をどのように伝えているのでしょうか?
「人の思考を広げるパートナー」として捉えることを大切にしています。
どうしても画面の中にあるものなので、AIを便利な道具として扱ってしまいがちなんですが、よく「ハーバード卒の超優秀な新人」と例えています。
彼らはIQもポテンシャルも、ものすごく高い。でも“新人”だから、こちらの文脈や意図を丁寧に伝えないと、想定の斜め上な答えが返ってきたりします。
だからこそ、上司である私たちが的確な指示と判断を行い、導いてあげる必要があります。
そうした向き合い方ができるようになると、定型作業を巻き取ってくれるのはもちろん、自分ひとりでは思いつかなかったようなアイデアが生まれることもあります。
AIと対話しながら思考を深めていくことで、結果的に自分自身の仕事の質も高まっていく。そうやって、お互いに価値を引き出し合える関係を築いてほしいですね。
——AIを社内全体に広めるために行っているアウトプットを教えてください
大事にしているのは、単に「お知らせ」をして終わりにするのではなく、いかに日々の業務の中に自然と根付かせられるか、ということです。
そのために、メールやチャット、社内サイトはもちろん、オフィスの壁などの物理的な空間も含めて、社員が日々触れるあらゆる動線にタッチポイントを作っています。
ただ、ここで難しいのが「伝え方」なんです。
いくら「AIなら1分で議事録が作れます」と機能的なメリットを説いても、それだけでは人は動きません。「あ、これなら楽になるかも」「自分に関係があるな」と直感的に感じてもらえないと、見てすらもらえないんですよね。
だから、思わずクリックしたくなるようなキャッチコピーや、目を引くビジュアル作りにこだわっています。慣れない技術を、みなさんが興味を持つコンテンツに変換して届ける。ここはまさに、PRの経験が一番活きている部分だと思います。
2.AI時代に高まる「自分の判断軸」を磨く重要性
——AI活用推進をしていく中で、一番インパクトのあった出来事はなんですか?
ズバリ「AIが利益を生む力になった瞬間」です。
このような活動は実際に成果がみえるまでの道のりが長いことが多いです。でも1年目で、実際の案件でのフィーアップを実現し、さらに社内アワードでも特別賞を受賞することができたことは、私にとって大きなインパクトがありました!!
利益が上がったという会社にとっての価値があるものを生み出せたこと、それらがすぐに力になったというスピードの部分、この二つの手ごたえを早期に実感できたことは非常に嬉しかったです。
——AIを用いて日頃の業務で変わったこと、逆に変わらないことは何でしょうか?
一番変わったのは、「考えるための余白」が生まれたことかなと思います。
メールや資料作成でも、真っ白な状態から悩み始めるのではなく、AIが作ってくれた「60〜70点の土台」がある状態からスタートできます。
これによって浮いた時間と脳のスタミナを、本来人間がやるべき戦略立案やクリエイティブな思考に充てられるようになりました。
一方で変わらないことは、「自分の中に確かな判断軸を持つこと」ですね。(AIがない時代よりも重要になってきたともいえるかもしれません、、!)
今はまだAIが完璧ではないので、しれっと間違った答えを出すこともあります。
その違和感に気づくには、自分の中に確かな判断軸が必要不可欠ですし、60〜70%の出力物を100%のものに仕上げるためにも欠かせません。
その判断軸を作るのは、日々のPR実務や日常生活の経験や学習を通じて自ら学び、磨き続けることでしか得られないものです。私自身、改めてロジカルシンキングを学び直すなど「自分の判断軸」を強化することを意識しています。
3.誰もが「ハイレベルなPR思考」を実践できる組織へ
——AIを活用することで、プラップジャパンは業界内でどのようなポジションを目指しているのでしょうか?
個人的には、「PRにおけるデジタルコミュニケーションのリードポジション」を確立したいと思っています。AIを戦略の中枢に据えることで、業界内での存在感をさらに高め、より上位のステージへ押し上げることを目標として掲げています。
——他社のAI活用と比べて、プラップジャパンならではの取り組みを教えてください。
現在、50年の歴史で蓄積された「秘伝のタレ」とも言える膨大な知恵を、AIが使いこなせる形へ加工する作業を進めています。この独自のナレッジと仕組みを掛け合わせることで、社歴を問わず誰もがハイレベルなPR思考を実践できる組織へと進化し、デジタル領域でリードを築いていきたいと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
対話を通じて感じたのは、AIを導入すること自体が目的ではなく、「人がどう考え、どう判断するか」を何よりも大切にしているという点でした。
AI時代だからこそ、PRの仕事はより“人間らしさ”が問われる。そんなメッセージが、今回のインタビューには詰まっていました。
Takakiさん、貴重なお話をありがとうございました。