両親の仕事関係のパーティーや、親戚一同が集まる数十名の祝い事を主催しもてなす、常に人が集う家で育った。自分も楽しいし、みんなも喜んでくれる。「楽しかった、また来るよ」。そんなやりとりが、子供の頃から心地よかった。だから就職活動は、ホテルやブライダル業を選んだ。他社でふたつの内定を得ていたが、Plan•Do•Seeは何度目かの面接で不採用になった。だが、「どうしても入りたい」「とりあえず会ってほしい」と自ら会社にアクションを続け、アルバイトからスタートして社員の座を手に入れた。

「アルバイトでも入ってしまえば、こっちのもんだ、と思って。根拠のない自信だけを持って本社に足を運んで直談判したんです（笑）Plan•Do•Seeとの出会いは説明会で、衝撃的なかっこよさでした。陽気な人たち、セクシーな空間、親しみやすい接客、建物は超が付くくらいの本物。僕は幼い頃から日本の歴史を学ぶことが好きで、大学でも史学を専攻していたので、Plan•Do•Seeの運営する素晴らしいお店とそこに息づく物語の数々、街らしさと文化を大切に、お店をつくる考え方に感銘を受けました」

入社後は、THE KAWABUN NAGOYAのバーテンダーを皮切りに、ダイニングインチャージ、ウェディングプランナーとさまざまな職種を経験し、2017年にWITH THE STYLE FUKUOKAで、ブライダルマネージャーに抜擢され、2019年に神戸のORIENTAL HOTEL のブライダルマネージャーに着任した。プランナー時代は、自身の結果を出し続けることが最優先だったが、マネージャーになってから一番大切にしているのは、チームのメンバーの成長だという。

「人生で今が一番楽しいですね。最近思うのは、自分が影響できることの幅が広がったこと。僕は、Plan•Do•Seeが会社として大切にしたいことと、自分がPlan•Do•Seeの一員として大切にしたいことが重なっていると信じています。ウェディングプランナーをしていたときには、自分が担当しているお客様だけにしか届けられなかった価値が、マネージャーになることで、チームメンバーの30人に考えと価値を共有することができる。隣には同じ志を持つ心強いメンバーがいてくれるから、ひとりでやるよりも30倍以上のスピードでそれが広がっていく。こうしてPlan•Do•Seeが大切にしている価値が世の中へ届き、与えられるインパクトが大きくなっていくんだなって。ただ勘違いしてはいけないのは、広げるだけでは価値は全く存在していなくて、お客様にご支持いただくことで初めて価値が生まれる。初マネージャーを任せられたWITH THE STYLE FUKUOKAで、福岡随一の組数の結婚式をお手伝いさせていただいた経験が、そのことを僕に教えてくれました。自分たちの考えていることが、日本の結婚式をもっとよくしていくことにつながっているんだと、自信を持つことができました。ありがたい人生を送らせていただいています」

福岡で確かな実績をつくったあと、ORIENTAL HOTELで現在も着実に価値を広げ、業績を伸ばし続けている。彼のやり方は、福岡での成功例をそのまま展開するのではなく、そのノウハウをすべて捨て、チームの顔ぶれやオフィスのムード、市場における競合優位性などすべてを踏まえ、もう一度ゼロから考えて、そのお店に合った方法で活路を見いだしていく。

「僕は、まずはメンバーを知ることから始めます。みんなが大切にしていることは何なんだろう、やりたいことって何なんだろうって。限られた人生のなかで出会えた大切な人だからこそ、仕事の軸だけでなく、図々しいかもしれないけれど、人生の軸から大切にしたいと思って接しています。それを知ったうえで、仕事でいつも中心に据えていることは、もし自分がお客様だったらどうされたら嬉しいか、どういう商品があったらワクワクするか、ということ。このことをずっと考えながら、メンバーの得意を生かしてお店をつくっていくことを意識しています。常に自問自答してやっているから、満たされたことがないですね。もっとできるんじゃないか、まだできそうだな、って」

入社したときはみな「泥んこの原石」と彼は言う。入社して周りに磨かれ、自分で磨き上げて、やがて輝く存在となる。Plan•Do•Seeの一員になって7年、年間MVPを獲得したこともある。その存在は、確固たるものになっている。かつて友人が集まったように、彼の周りには、いつも多くのメンバーが寄り添う。もてなし上手の彼は、Plan•Do•Seeの舞台で輝き続けている。

やまもと だいき
2012年入社。東京都出身。大学卒業後、アルバイトを経て社員になる。レストランやウェディングプランナーを経験したのち、ORIENTAL HOTELのブライダルマネージャーに抜擢された。将来、日本を働きがいにあふれた社会にしたいと、常に大きな夢を描いている。