PAAK DESIGN(パークデザイン)株式会社は、「いいもの」を目指して、お客さんとも、社内のメンバーともコミュニケーションを重ね、アイデアを磨いていくチームです。
2017年の立ち上げ以来、設計デザインのスキルを強みに、コンセプトづくりから建築を手がけてきました。
店舗やオフィスの空間設計のほか、宿の運営や古材を活用した家具・雑貨の販売など、設計事務所の型にとらわれず、幅広い仕事に取り組んでいます。
現在募集しているのは、PAAK DESIGNのメイン事業である建築・内装設計監理。
設計やデザイン、ものづくりが好きな人はもちろん、ゆくゆくは独立を目指したい人にとっては、存分に腕を磨ける環境だと思います。
拠点を置く、宮崎・日南市の城下町、飫肥(おび)。
宮崎空港からバスに乗り、海岸に沿って南に向かう。1時間半ほどすると、景色が海から山へと変わった。終点・飫肥で降車すると、道沿いには白壁の建物が立ち並んでいます。
よく見ると、薬局やゲストハウスなど、リノベーションされた建物に店舗が入居していることがわかります。宮崎といえば海と山のイメージかと思いますが、城下町もあります。
PAAK DESIGN株式会社の事務所は、この通りに面した喫茶店と同じ建物にあります。
「下で珈琲を淹れているのは、僕の父です。早期退職して焙煎所をはじめたい、と言い出したのがきっかけで。ここは酒蔵の倉庫だった建物で、空間設計はもちろん、お店づくりの部分から携わりました」
「地元のこと、なんにも知らないなぁと、ふと思って。ちょうどその頃、日南市の油津という地区の商店街の活性化に取り組んでいる方がいたんです。話を聞くうち、自分も地元のためになにかできることがあるんじゃないかと思うようになり、Uターンしました」
商店街の活性化に取り組む、株式会社油津応援団で設計の仕事を担当。3年間で20件以上の店舗やIT企業オフィスの立ち上げに関わりました。
その後独立し、5年前に立ち上げたのがPAAK DESIGN株式会社。
「会社を立ち上げた当初から、自社のことを『設計事務所』とは呼ばず、建築デザインで培ったノウハウと地域資源を掛け合わせられたら、と思っていました。そうすれば、いろいろな仕事が生まれるんじゃないかという予感があったんです」
「店舗・オフィスの設計や古民家のリノベーションはもちろん、観光客がまちを周遊するための企画、レモン農家から「余ってしまうレモンをどうにかできないか」と相談されることもあります。」
「お客さんのなかには『コーヒーを出したいけれど、ほかのことは何も決まっていない』という方もいて。そんなときは、どんなお店にしたいのか、どんな人に来てほしいのか、イメージを整理するところからはじめます」
設計事務所では、お客さんの要望に沿って空間設計をするところからはじまることが多いけれど、弊社ではもっと手前のところから関わっています。
「せっかくお店をはじめるなら、ちゃんと利益がでて、楽しく続けられる状態がいいと思うんです。ただ要望を満たすだけの設計なら、僕らでなくてもできる。お客さんが想像していない部分まで考えを巡らせてデザインに落とし込むのが、僕たちの価値だと思っています」
ブランディングやマーケティング、店舗運営のような専門外のことも、宿やレストラン、物販の店舗など、さまざまなお客さんの相談にのりつつ、少しずつノウハウを蓄積してきました。
さらに、「今までのお店づくりで培ったノウハウを、自分たちの事業でも活かしてみよう」と、スタートしたのが「PAAK HOTEL 犀」。
築100年の古民家をリノベーションした犀では、地元食材をみずから調理したり、建物内に設置された作家の作品を楽しんだりして、ゆったりした時間を過ごすことができます。
ほかにも、解体される古民家から引き取ってきた古家具や古道具を販売するPAAK STOCKも運営しています。
「仕事が多岐にわたっているので、何屋さん?って思われるかもしれない。でも、課題に直面すると、自分だったらどうやって解決するだろう?と考えることが習慣になっていて」
たとえば、空き家になった古民家があったとして、条件がいい物件でも、プレーヤーの少ない地方では活用する人が現れず、そのまま解体されてしまうことも少なくありません。
「東京だったら『自分じゃなくても、ほかの人がやるだろう』って思うけれど、ここでは自分から行動を起こさないと何も起きない。行動すれば、周りの意識も変わっていくと思うんです」
お客さんの想いをかたちにするために学んだことが会社の知識になり、それをアウトプットし続けています。
今回募集する設計担当は、PAAK DESIGNの軸になる人。
年々受注する案件が増えていることもあり、新しくチームに加わってくれる人を探しています。
1年前に鬼束さんとともに設計を担当していたのが、大迫さん。4年半前に新卒で入社し、現在は独立して福岡に拠点を移されました。
「大手の設計事務所への内定も決まっていたけど、そこで働きたいと思えなくて。視野を広げてみようと祖父母の家がある宮崎へ来たら、油津で面白いことをしている人たちがいると聞いて。そこで鬼束さんと出会ったんです」
大迫さんが休学して携わるようになったのは、油津商店街にある学生が運営するゲストハウス。その設計をしていたのが鬼束さんだった。
当時は、PAAK DESIGNが立ち上がって1年ほど経ったとき。鬼束さんが声をかけたのがきっかけで、入社することになりました。
PAAK DESIGNでは設計・監理のほか、家具の選定から発注、開梱、設置まで担当することもあります。
「デザインって突き詰めれば際限がないから、どこまでも仕事ができてしまう。その大変さは業界で共通しているものなので、忙しさでいえば都会と地方で違いはないと思います」
「ただ、ふらっと外に出れば美しい城下町に満天の星空が広がっていて。飫肥という場所で働いていることが救いになっていますね。仕事の行き帰りでむやみにストレスを感じることがない。ちょっとした自慢なんです」
入社後は、鬼束さんに同行して現場で仕事の進め方を学んだ大迫さん。
社内でアイデアを検討するときは、鬼束さんとふたりのときもあるし、会社の他のメンバーと一緒に考えることもある。
「『本当に人が来たくなるのかな?』と、そもそものところに立ち返るようにしています。要望通りにつくれば楽だけれど、長い目でお客さんのためになるのかどうかを考えることが大切で」
「吟味した結果、クライアントさんが最初にイメージしたものと異なるアイデアを恐る恐る、提案することもあります。最終的に先方が判断した案でベストを尽くしますが、最近は僕らの提案に乗っていただけることが増えてきたように感じますね」
さまざまな角度から、お客さんのことを思って考え抜く。その姿勢がにじむ提案だからこそ設計を任せてもらえるのだろうし、空間設計にとどまらない相談が舞い込んでくるのだと思います。
「いそがしい状況でも『しんどいな、まぁいいか』と思えるくらい、楽観的な見方ができる人がいいですね。設計ができてものづくりが好きなら、うちの仕事は楽しいと思いますよ」
「それと、いろいろな仕事や土地を知ることに興味のある方がいいかもしれません」
設計デザインというスキルがあると、なんでもできてしまうように感じます。
「うちで仕事をすれば、空間設計から経営まで、いろんなことができるようになると思いますよ。お客さんに応じてやり方もさまざまだし、仕事の型が決まっているわけでもない」
「仕事をこなすというよりは、デザインや提案で人を感動させたい!と、心から思えるかどうか。それが一緒に働くうえで大切なことだと思います」
1年前に独立し、現在は福岡県糸島市で設計事務所を構えています。
独立も大歓迎です。
新しい仲間とどんな仕事が生まれるのか、今から楽しみです。
(阿部夏海様の文章を2024年6月加筆修正して作成)