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仮想通貨とブロックチェーンのいまinベトナム

こんにちは、海外事業室の西です。
ベトナムへの駐在開始から早くも4か月が経過ししようとし、一時帰国した際にベトナムに「帰る」と口走ってしまうほど新天地にハマっております。海外での新規事業立上げは起業とほぼ同義で、文字通り七転八倒しているわけですが今日は転がっているフィールドのいまを紹介します。

日本では一時の熱狂的なブームが落ち着いたものの、逆方向の話題で目が離せない仮想通貨。
ここベトナムでは公式に「政府が発行する通貨以外での決算は禁止する」という通達が出ています。
ところがそんなお達しはどこ吹く風、不動産取引を中心とした国民の投資熱はすさまじく、仮想通貨取引もアプリを使ってぽちぽちと普通に行われています。
規制が緩和したのか、2~3か月前まで遮断されていた国内から日本の某取引所へのアクセスは、現在はなぜか繋がるようになりました。

ベトナムも他の東南アジア各国と同様にコンピューターサイエンスの研究が非常に盛んであり、ブロックチェーン技術を利用したソリューションを提供するスタートアップが多いと聞きます。
2か月前と少し前の情報になってしまいますが、日本発のグローバルフィンテック企業のひとつであるQUOIN社のホーチミンオフィスで行われたセミナーの内容を紹介し、その盛り上がりを感じていただければと思います。

■イベント名:
Real World Blockchain with Quoine, WeTrust, and Kambria
主催者:QUOIN


満員御礼。とても素敵なオフィスです。ビリヤード台がありました。

■アジェンダ:
・WeTrustのGrorge Li CEOによるトーク”ブロックチェーン技術による金融”と新プロダクトSpringの紹介
・パネルディスカッション”ベトナムのブロックチェーンエコシステムにおけるリアルワールドの具体例” with QUOINE, WeTrust, Kambria
・観衆とのQ&A
・ネットワーキング
・パネリスト

  • George Li, CEO, WeTrust
  • Thuc Vu, CEO, Kambria
  • Ray Hennessey, CSO, QUOINE
    ・モデレータ: Alan VanToai, Co-founder, ChainFuel.com

■トーク概要
①QUOIN
https://quoine.com/
2017年10月、QUOINEは60人しかいなかったが、2018年7月QUOINE現在既に200人のメンバーがおり、すぐに300人になる勢いで成長している。
分散型台帳周辺のいくつかのエキサイティングな取り組みを行っている。
誰もが利用できるフィンテックコミュニティのための、適切にオープンソース化された元帳を構築したい。
この件についてフィンテックコミュニティからの回答を受け取るためのブログがすぐに公開される予定です。
Ray氏がLiquid Distributed Ledger (LDL)の責任者。

②WeTrust
https://www.wetrust.io/
We-Trustの共同設立者兼CEOが、We-Trustの新製品を発表し紹介。

<Financial inclusion>
=金融包摂:すべての人々が経済活動のチャンスを捉えるため、また経済的に不安定な状況を軽減するために必要とされる金融サービスにアクセスでき、またそれを利用できる状況(世界銀行の定義より)
ビットコインが分散型の通貨であるとしたら、分散型金融サービスを暗号通貨を利用して実現することができるのでしょうか?
Financial inclusionには、セリング、コインなどの金融商品にアクセスすることを意味します。
金融サービスにアクセスできない人にアクセスを提供し、暗号通貨の利用は許認可不要なので既にアクセスしている人にとってはより公正で安全な取引となります。

信頼性のある融資サークル
2016年後半にコンセプトを作り、2017年に資金を調達し、2018年初頭に機能実装を行います。
スマートコントラクトを使用して、お互いの情報を把握し資金にアクセスするための従来のセービングモデルに基づいて、ユーザーは虚偽なく金銭を貸し借りすることができます。

<Spring>
コミュニティによってキュレーションされた暗号通貨資金調達(crypto fundraising)プラットフォーム。
暗号通貨はテクノロジースタートアップの資金調達の世界を変え、営利と非営利両方のための革新的な資金調達を可能にします。
現在、世界中の様々な非営利団体に40兆円($400B)以上が投資されています。
暗号通貨資金調達の利点はグローバルでの参加者、支払い手続きの簡素化、ミッションドリブンなクリプトコミュニティ、支払領収書の透明性、資金のガバナンス、税務上のメリットの明確な記録などが挙げられます。
Springは、暗号化された寄付を楽しく魅力的にし、エコシステムと暗号通貨に対する意識を高めます。
特徴…
分散型:コミュニティへのパワー、仲介なしで受取人に直接届けられます。
エンゲージメント:サポーターと非営利団体が相互に作用し、彼らのミッションについて対話を続ける場所として機能します。
インスピレーション:サポーターには貢献のためのユニークなトークンが与えられ、彼らのサポートを提示ための洗練された方法を取ることができます。

<WeVote>
Token Curation Registry(TCR):信用ポイントを保持している人が、プラットフォーム上にある組織を評価して投資し、資金を調達できるようにします。さらにWeVoteは、フロントページでキュレートしたい組織が広告の種類に基づいてトークンを受け取ることを可能にします。

③Kambria
https://kambria.io/
トークン化を使用してソフトウェアからハードウェアまで、さまざまなタイプのテクノロジーを共有するオープンイノベーションプラットフォーム。
コントリビューター、クリエイター、ライターは、その制作活動に対してトークンで支払いを受けることができます。

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パネルディスカッションの後、会場からの質疑応答コーナーと移ったのですが、印象的だったのが会場の積極性。
パネリストやモデレーターが話していてもやや食い気味で新しい質問を投げかけたり、一人が終わればすぐさま俺も俺もと手を上げる。
「ブロックチェーンはファイナンス以外にも有効な技術なのになぜそういう話ばかりするんだ?」といったやや突っ込んだ質問まで飛び出し、関心の高さ・知識に対する貪欲さを目の当たりにしました。

ちなみにオズビジョンでも、サービスの会員様や広告主様に対するさらなる付加価値の創出に、高度なテクノロジーの導入を模索しており、この春からR&D室が新設されています。

謝辞:本レポートはパスカリアジアベトナム社のジャン氏のサポートにより作成されています。

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