かつて立ち上げた事業をソフトバンクグループへ引き継ぎ、一時は「守り」の経営に入っていた私が、なぜ今、再びゼロからのスタートアップに挑むのか。
それは、SaaSと生成AIの登場により、僕が夢見た「美しいほど全自動の社会」がついに実現可能になったからです。
これは、戦略コンサルを経て2000万人規模の事業の立ち上げに携わった私が、人生をかけて「新たな社会インフラ」を創り上げる、第二創業の物語です。
序章:僕は、目立つタイプではなかった。ただ、託されたら、勝ちに行く人間だった。
子供の頃の自分は、前に出たいタイプでもなく、リーダーになりたがりでもなかった。
静かで、周りをよく見る子ども。
ただ、不思議と人生の節目には「声がかかる」。
誰かが困っているとき、班をまとめるとき、何かを任せたい誰かがいるとき。
その役割が、気がつくと自分の目の前に置かれていた。
その瞬間、負けず嫌いが発動する。
どうせやるなら、誰もやったことがないレベルまで勝ちにいく。
そして、気づけば仲間がついてきてくれる。
——その連続が、僕の人格をつくった。
「ならば仕事も、“面白いものをやり切れる場所”に行きたい」
そう思うようになるのは自然な流れだった。
第一章:大学時代——世界が変わる瞬間を、自分の目で見たいと思うように
大学時代、就職活動の時期に読んだのが、ビル・ゲイツとスティーブ・ジョブズの自伝。
そこに書かれていたのは、世界が動く瞬間(PC市場ができあがる瞬間)に飛び込んだ若者の物語だった。
世の中の構造が変わる瞬間に、立ち会いたい——そんな思いが強くなる。
「いつか、自分もそういう場所に立ちたい」
そんな気持ちは、大学を卒業しても消えなかった。
第二章:戦略コンサルへ——丁稚奉公と体育会の世界
大学を出て飛び込んだのは、BCG出身者が起こした戦略コンサル。
いまの言葉でいえば“ブラック”に分類されるかもしれない。
でも、あれはあれで僕を鍛えた3年間だった。
- 丁稚奉公
- 体育会的
- 思考力・構造化・物量勝負
- ともかくハードワーク
つらいというより、自分の限界がひたすら塗り替えられていく感覚だった。
そして社会人3年目の頃、インターネットの波が日本にも押し寄せてきた。
感じたのはただひとつ。
「大波がきた」
焦燥感にかられた。
気がついたら、僕はスタートアップの世界に向かっていた。
第三章:最初の起業——前半はグロース、後半は崩れ、そして“タスキ渡し”へ
立ち上げは、本当に少人数だった。
“立ち上げフェーズの熱”というのは、現場にいた者にしか分からない。
プロダクトも、組織も、ビジネスモデルも、全部がゼロから。
ただ、とにかく勢いがあった。
初速のグロースは、驚くほど速かった。
「やればできる」という感覚が全員に生まれた。
自分自身、これほどのスピードで会社が伸びる光景を初めて見た。
しかし、後半戦はまったく違った。
無理をした歪みが、至るところで爆発した。
膨らしこのように組織は肥大、目の届かないところで様々な問題が噴出、ストレッチがかかりすぎていた事業、その全てが積み重なり、10年経営した最後の数年は、ほとんど敗戦処理のような時間だった。
最終的には、なんとか事業を形にして、ソフトバンクグループへタスキを渡すところまで持っていった。
その後、その会社はソフトバンクグループの下で、無事に上場を果たしたが、それは完全にソフトバンクグループの力。
その10年は、勝ち負けでいえば、僕にとっては負けの章。
でも、そこで学んだことは、いまも僕の中で生きている。
第四章:OrangeOne創業——「声をかけられて、また立ち上げへ」
最初の起業から間もなく、某一部上場企業の経営者お二人から声をかけられた。
「韓国に面白い技術がある。事業化を手伝ってくれないか?」
これが、OrangeOneの起点だ。
韓国のチームと組み、面白いプロジェクトを次々と形にした。
遠隔サポートの巨大プロジェクトに参画し、2000万人規模のインフラづくりにも関わらせていただいた。
声をかけてくれたお二人への感謝は今も変わらない。
第五章:守りの経営⇒そして、コロナとSaaSと生成AIがすべてを変えた
OrangeOneを創業してからの15年間は、どちらかというと“守り”だった。
持っている武器、手札、経験を最大限に活かし、会社を堅実に運営する毎日。
もちろん、それは悪いことではない。
社員に責任がある以上、安定は重要だ。
ただ、心のどこかに
「これでいいのかな」
と言う小さな違和感があった。
その違和感が一気に疼きはじめたのが——
- コロナ
- SaaSの急拡大
- 生成AIの大ブレイク
この3つの“歴史の曲がり角”だった。
「また、未来が大きく動き始めた」
それを感じた。
第六章:第二創業へ——“すべてを自動化する未来”に殉じる
そして今、僕ははっきりと確信している。
世の中の仕事は、想像より早く、限りなく自動化される。
しかも技術のパーツは、もうすべて揃っている。
- SaaS
- API
- オーケストレーション
- 生成AI
- オートメーション
- データ連携基盤
業務を区切れば、「美しいほど全自動」の世界は、誰でも作れる時代になった。
だからこそ、僕は決めた。
残りの人生のすべてを、“完全自動化の社会インフラ”づくりに捧げる。
この5年は、そのために殉じる。
勝ち負けではなく、使命として。
あの頃憧れた「世界を動かす側」に、もう一度戻るために。
これが、僕の第二創業の物語のはじまりです。
終章:これを読んでくれた皆様へ
ここまで読んでくださった方へ、心からありがとうございます。
少しだけ、いまの僕が願っている未来をお話させてください。
いま、世の中には “本当はぜんぶ自動化できるのに、まだ人が苦しんで回している” 仕事が無数にあります。
技術のパーツはもう揃っています。組み合わせれば、美しく、低コストで、完璧に回る仕組みはいくらでもつくれる。
それを現実にしていく——僕はここからの人生を、その挑戦に賭けたいと思っています。
そしてこの挑戦には、2つの役割があります。
①「すべてを自動化する世界」をいっしょにつくる仲間へ
きっとあなたも、どこかで感じているはずです。
「もう、できるよね?」「誰かがやれば、一気に変わるよね?」
そんな未来への“確信めいた違和感”を。
僕は同じ仮説を持っています。
- ノーコード
- ワークフロー
- SaaS
- AI
これらを正しく重ねれば、企業の業務は大部分が自動化できる。
必要なのは、最初の一歩を踏み出す勇気と、未来を信じる力だけ。
もしあなたが 「新しい世界のつくり方」に関心があるタイプなら、この道はきっと、あなたの才能を最大化できる場所になるはずです。
②いまの企業を“楽にする”伴走型の事業を担ってくれる仲間へ
世の中には、まだ自動化の波に乗れていない会社もたくさんあります。
でも、少しの工夫と、正しいツールの組み合わせだけで、毎日の仕事は驚くほど軽くなる。
僕たちはその“最初の一歩”を提供する会社でもあります。
高度な技術よりも、寄り添う力と、泥臭い伴走力。
その積み重ねで救える現場が、まだ無数に残っている。
「誰かの毎日を楽にする仕事」に喜びを感じるタイプなら、ここはあなたの才能を思い切り発揮できる場所です。
最後に。
勝ち負けではなく、使命として。
あの頃憧れた「世界を動かす側」に、もう一度戻るために。
僕は再びゼロから未来をつくる挑戦をはじめました。
つぎは、あなたと一緒に。
この物語の続きを、一緒に書いてくれる仲間を探しています。