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チーム作りに奔走したADPLANプロダクトマネージャーの1年半。〜2016年下期MVP受賞者インタビュー:宮本舜さん〜

2016年下期MVPを獲得した宮本舜さん。ADPLANのプロダクトマネージャーとしての活躍が評価され、MVPを受賞しました。


ADPLANは2000年にリリースされ、インターネット広告に“効果計測”という概念を取り入れた画期的な製品です。

過去に幾度かのバージョンアップを行ない、長くオプトの成長を牽引してきましたが、今年1月にフルリニューアルを実施しました。


このリニューアルプロジェクトを率いたのが宮本さんです。

これまでは外部パートナーと行っていた開発も、今回のリニューアルから社内で行うこととなり、OPT Technologies発足前の組織づくりから取り組むべき、難易度の高いプロジェクトとなりました。



■「モノづくりはチーム作り」を実感した1年半


田中:この度はMVP受賞おめでとうございます!今のお気持ちやまわりからの反応などぜひお聞かせ下さい。


宮本さん:

ありがとうございます。これから多くの新機能を実装し、いよいよ実際にクライアント様に活用していただくフェーズに入っていくADPLANにとっても追い風になる嬉しい受賞でした。また、今回受賞の経緯もチームとしての取り組みを評価頂いた部分も大きかったですので、チームとしての受賞という気持ちが強いです。一緒にここまで頑張ってきたチームメンバーには本当に感謝しています。一方、会社のADPLANに対する期待値の高さを感じる賞でもあったので、今後に向けて一層身が引き締まる思いです。


田中:上長からの手紙(※MVP発表時には上長から受賞者に向けた手紙が金澤社長によって代読されます。)の中にもADPLANのリニューアルは、難易度の高いプロジェクトだったとありました。具体的にどういった部分に難しさがありましたか?


宮本さん:

ADPLANはこれまでのオプトの成長を支えてきたプロダクトでもありながら、近年は競合製品との激しい競争にさらされていました。その中でこれまでの機能とのバランスを考えつつ、新たなニーズを機能として反映させることが難しかったです。またオプトは、エンジニアと肩を並べ、モノを作っていく文化に乏しかったので、どうやってモノづくりを進めていくのか、こちらがイメージしている内容を、どのようにエンジニアの方々に伝えるのが良いかを模索するところからスタートしました。


そういった状況は自分にとってはもちろん、エンジニアの方々にとってもストレスを感じさせてしまっていたと思います。会議体や開発のためのフォーマットなど、「構造」を整えることに当時の上長と2人でかなり苦労していましたが、いまいち成果を感じられない苦しい時期でした。


田中:そこから大きくプロジェクトが動き出したのはどういったきっかけがあったんですか?


宮本さん:

大きくボトルネックになっていたのはエンジニアサイドとビジネスサイドがチームとして機能していなかったことです。プロジェクトが立ち上がった当初はビジネスサイドからエンジニアサイドの責任者に機能に対するビジネス要求を伝え、エンジニアサイドの責任者から実際のエンジニアに伝えて開発するというフローになっていました。


しかしこれではその機能の開発意図や業界的な知見を求められる細かな仕様、ひいてはADPLAN自体の意義を実際に開発頂くエンジニアメンバーに感じてもらうことは困難な状況でした。そこでよりエンジニアサイドとの直接的なコミュニケーション量を増やすことになりました。幸いエンジニアサイドも同じ課題感を感じていたため、チームとして取り組むこととなりました。


田中:なるほど。具体的にはどういった取り組みを行ったのですか?


宮本さん:

一言で言うと、アジャイル開発のスクラムフレームワークをチームに取り入れました。ただし、あくまでチームの課題をベースとして取り組み、チームメンバーが納得感を得られることを最も重視しました。スクラムの特徴でもありますが、ビジネス側とエンジニア側をつなぐ直接的なコミュニケーションが増え、距離が縮まりました。またエンジニア側から、プロダクトの意義や、開発する機能のビジネス的な価値についての質問を受けることが増え、さらにチームをより良くするための能動的なアイディアが出るようになりました。この変化は参加させて頂いたGoogle社の研修の学びにも通じるものがあり、確かな手応えを感じてましたし、変化の早い業界ニーズに柔軟に対応できる開発チームとして真に自走し始めたと思っています。


■量でしか実力差を埋められず、体力的にもきつかった新人時代


田中:今ではすっかりテクノロジー領域の宮本さん、という印象が強いですが、入社後最初のキャリアは運用広告のコンサルタントを経験していたんですね。


宮本さん:

はい、初めはSEM運用の部署に配属されました。その後異動もありましたが、約1年弱はSEMに携わっていました。仕事が人一倍できない自分は量でカバーするしかない!と思っていたので、なんとか食らいついていましたが、体力的にはかなりしんどい時期でもありました(笑)。ただこの当時、仕事やプロとしてのあるべき姿など、様々な指摘を先輩方に頂いた経験が私のビジネスマンとしての基礎を作ってくれていますし、今の仕事にも生きています。その後は元々興味を持っていたテクノロジー領域で、アドテクツール導入のコンサルティングチームが新たに立ち上がるがどうか、という話を当時の上司から頂き、異動が決まりました。


田中:テクノロジー領域に異動してからはどうでしたか?


宮本さん:

社内に答えがない、という仕事に向き合うことになりました。コンサル時代は、先輩の仕事ぶりを観察したり、わからないことがあれば相談したり、指摘を頂くことができましたが、新しい取り組みを行うチームということもあり、社内どころか、業界としても新しいことにチャレンジしていく必要があったので、トライ&エラーの繰り返しでした。これまでの仕事と比べて、答えが見えないことが増え、苦しさはありましたが、今振り返ると、答えが見えない仕事に取り組む楽しさやストレス耐性を育てて頂いたと思います。



■正解がない“プロダクトマネージャー”という役割


田中:約1年前、宮本さんを取材した時に「営業でもコンサルでもない新しいロールモデルになりたい」とお話していましたが、技術的なバックグラウンドがない中での“プロダクトマネージャー”という仕事のどんな部分に醍醐味を感じていますか?


宮本さん:

“プロダクトマネージャー”は、業界や会社によってもその定義が曖昧な職種のひとつで、こうなればいいという正解がないという部分が面白いですね。それでいてプロダクトの成功、チームが機能するかどうかはプロダクトマネージャーの働きが重要になるケースが多くあると思っています。特に広告業界だけに限らずBtoB業種の場合、目の前のお客様のニーズに応えることも勿論重要ですが、市場がどのように変化し、未来のお客様のニーズはどうであり、そのニーズにプロダクトとしてどうあるべきなのかを見据えて戦略を考え、会社やチームに伝えることが難しくもやりがいを感じる部分です。ある意味プロダクトマネージャーはその事業に対する「社長」だと感じています。


心がけていることは、チームが気持ちよく仕事ができる環境を作ること、そしてデジタルマーケティングの最先端をいくフロントメンバーとの会話をいかに多く持つか、ということです。机に座ってあれこれ考えるだけではなく、実際にアクションを起こして情報を得て、走りながら考えることが特に変化の激しいこの業界では重要だと思っています。


田中:プロダクトマネージャーとして、自分が変わっていかないといけないなと思う部分はありますか?


宮本さん:

私は、直感で行動するのが苦手なタイプで、しっかり情報を構造化して整理しないと心配で決断できないのが短所だと思っています。そうした課題を克服するためには、スピード感のある意思決定とそれが間違っていた場合に素早いピボットに踏み切れることが重要だと考えています。まだまだ実力不足な部分はありますが、徹底的に情報の整理速度を上げること、意思決定後に素早く改善する意識をより持つこと、を重視してさらに再現性の高いプロダクトマネージャーを目指したいです。


田中:今後、中長期的に見てチャレンジしていきたいことがあれば教えてください。


宮本さん:

はい、まずは誕生したばかりのADPLAN新バージョンをしっかり育てていきたいです。これから、デジタルブランディングとしての計測に関する新機能をADPLANには搭載していく予定ですが、オプトのフロントメンバーとはもちろん、その先にいるお客様と一緒に作り上げていくことことが重要だと思っています。またその環境やニーズの変化に迅速に対応できる開発チーム体制を強化し、自走し始めた開発チームのトライ&エラーを全力でフォローしたいと思っています。個人的に掲げている合言葉は『偉大なプロダクトは偉大なチームからうまれる』です。



一方で、オプトの歴史を背負ってきたADPLANとはいえ、今回はあくまでプロダクトリニューアル。個人的には0→1でのプロダクト作りにも挑戦し、新たな価値を会社に還元していきたいです。


ADPLANリニューアルプロジェクトは困難の連続でした。でも、誰よりも宮本さん自身が、ADPLANのリニューアルはこの先のオプトにとって欠かすことのできない武器であると確信していたといいます。


仕事をする上でのポリシーを聞いた時、返ってきた言葉は「学ぶ」「逃げない」「やりきる」。

苦しい時期にもその思いを大切にしてきた宮本さんだからこそ、オプトにバックグラウンドがないエンジニアが多いチームにも関わらず、“オプトイズム”に溢れるチームを作り、ADPLAN開発をリードしていくことができました。


オプトにおけるモノづくり文化、新ADPLANはまだまだ生まれたばかり。これからもモノづくりを追求していきたいと話す宮本さんとADPLANに、同じ社員でありながら期待が高まるインタビューとなりました。


★これまでのMVP受賞者を下記ページにて一覧でまとめております。こちらも是非ご覧ください。

optcafe!MVP賞特集
オプトは讃える文化を大切にしています。半期毎に行われる全社表彰の様子とMVPの声をご紹介します。
https://www.opt.ne.jp/creative/mvpcontent/index.html
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