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「事業を通して日本を元気にしたい」業界を導くテクノロジストのビジョン

▲2018年7月よりデータテクノロジー部 部長を務める岩本智裕

大手モバイル企業、スタートアップ、フリーランスと、多様なワークスタイルで自己実現に挑戦してきた岩本智裕。2015年にアプリマーケティングの先駆者として迎えられたオプトで、現在は顧客のデジタルフォーメーションに挑戦しています。そんな岩本が目指すビジョンを、これまでの歩みを振り返りつつ紹介します。

これからはITの時代がやってくる——。そう考えていた岩本は、大学、大学院でプロジェクトマネジメントとテクノロジーを学び、就職の際も、エンジニア職を志望して活動。大手など様々な企業の内定通知の中から就職先に選んだのは、業界のトップ企業として知られるシーエー・モバイルでした。

岩本 「僕の生涯の目標は、『大きなことを手がけて人を幸せにし、それによってもたらされた利益で日本のGDPを上げること』。これを実現するためには、大きな会社に入るほうが、可能性が高いと考えました。ただ現代は、歴史ある大企業であっても、生き残るには過酷な時代ですし、組織が大きければ大きいほど、自分のやりたいことに取り組めるまでのタイムスパンが長いことも気になりました。その点、シーエー・モバイルは、若手でも裁量を与えられ、かつ成長できる環境があります。自己実現に向けた一歩を踏み出すには最適な職場だと考え、入社を決めました」

入社後は、アプリケーションやソーシャルゲームの制作等に従事。そのなかで、岩本は広告が秘める可能性に気づきます。

岩本 「エンタメ系サービスを手掛けていたころです。収益を上げるため、それまでの課金モデルから広告モデルに変えたところ、成果が現れました。その結果、コンテンツの充実化を図ることができ、ユーザーの深度を増すことにも成功したのです。よくよく考えると自分が利用しているサービスのほとんどは広告収益で成り立っていると感じました。広告は市場を発展させる大きなエンジンであると実感しました。」

その後も、アドネットワークの開発責任者を務めるなど着実に実績を重ねていたなか、最初の転機は訪れました。教育系スタートアップからオファーが舞い込んだのです。転職か、現職にとどまるか。ふたつの選択肢を前に、岩本の脳裏には、先の「日本を元気にしたい」という想いが駆け巡っていました。

教育系スタートアップ、フリーランスを経てオプトにジョイン

▲アクティブラーニング型の教育を支援する団体に所属していた頃の岩本

実は岩本は、フリーランスになる以前、自らアクティブラーニング型の教育を支援する団体を立ち上げるほど、教育への関心を高く持っていました。

岩本 「就活にあたり、『自分が何のために働くのか』と考えたときに、中学生の頃に整備委員長をしていたことを思い出したんです。掃除は好きではないのですが、結構まじめに取り組んでいたんです。なぜなら、自分がサボったせいで誰かに負担をかけるのが嫌だったから。その経験を通して、『誰かがすごく苦労している傍らで、僕だけ楽をしたり幸せになったりははしたくない』という価値観に気づきました」

けれども現代の日本では、「頑張っても、必ずしも報われるわけではない」という風潮があると岩本は分析します。

岩本 「そんな風潮に歯止めをかけ、日本に好影響を生み出すために僕にできることを考えていたら、『自分自身がいい人材になる』『自分がいい人材を生む』というふたつの答えに行きついたんです。そのために、まずは若いうちに成果を出し、その実績のもと、教育業界で後進の育成に励みたいと思うようになっていきました」

飛び込んできたオファーを前に、「早くも自分が描く目標の糸口が見えた」そう思う反面、現職のおもしろさにも後ろ髪をひかれます。岩本を決断させたのは、「どちらを選んだほうが、格好いいと思えるのか」という独自の判断軸でした。

岩本 「大きな会社をから飛び出し、スタートアップで挑戦している数年後の自分を見たいと思ったんです。関心の高い教育分野のビジネスを手がけつつ、十分な裁量も持っている。理想とする働き方にもっとも近いと思えました」

こうして、大手モバイル企業のエンジニアから、スタートアップ企業の唯一のエンジニアとしてジョブチェンジした岩本。目標に向かって盤石な道を歩きはじめたかのように見えましたが、1年後には離脱を選ぶことになります。

岩本 「自分の能力の限界を感じましたね。創業者のビジョンに強い感銘を受けていましたが、実力不足でスピードに僕の能力がついていけなかった。自分が会社の成長を止めていることに、精神的に追いやられてもいました。結果、修業の場に戻ろうと考えたんです。そんな岩本が次に選んだのは、就職ではなく独立。フリーランスエンジニアとしてリスタートを切ります。
このとき役に立ったのが、新卒から身につけたモバイルの知見です。僕は2012年の新卒なのですが、この年にiPhoneのプロモーションがはじまったんですよ。以降、ずっと第一線にいて、新規事業で開発にも携わっていました。気づけば、アプリマーケティングの領域では、国内でも優位な知見を持っていたんですよね」

ちょうどその頃、業界のCTOが集まる会が開催されました。

岩本 「参加していたオプト執行役員・石原靖士に、営業を兼ねて声をかけたところ、『会社に遊びに来ないか』と誘われました。このころオプトには、エンジニアの仮想組織となる、『OptTechnologies(オプトテクノロジーズ)』を立ち上げる動きがあり、テクノロジーに造詣の深い人を探していたんです』

こうして岩本とオプトは、運命的な出会いを果たすこととなりました。

「イントレプレナー」として組織の中で力を発揮するという選択

▲所属する領域会議にて発表をする岩本

会合での出会いを機に、アプリマーケティングのコンサルティング業務をオプトから受注した岩本ですが、フリーランスの立場では、関与できる範囲が限られることに気づきます。オプトもまた、岩本が途中で抜けることのリスクを考えていました。

岩本もオプトも、実現したい世界は同じです。オプトの持つアセットに魅力を感じた岩本は、自分の能力を余すことなく発揮したい想いから、正社員の道を選ぶことを決断。コンサルティング契約を交わした4か月後には、「オプト岩本」が誕生していました。

岩本 「入社後はコンサルティングをしつつ、OptTechnologies(オプトテクノロジーズ)の立ち上げに携わっていました。仕事の裁量も十分でした。視野が広がり、また視座も上がったことから、「アプリは手段のひとつ」と考えられるようになるほど、デジタルマーケティング全体を俯瞰できるようになりました」

時は流れ、入社から4年目を迎えた2019年1月現在。社会人生活の約半分をオプトで過ごそうとしている今の心境を、岩本は以下のように話します。

岩本 「新卒入社した、サイバーエージェントグループは、『自らがイノベーションの当事者』という感覚の強い企業体です。一方のオプトは、『顧客と一緒に、世の中にイノベーションを起こす』という考え方があると感じています。どちらのほうが相性がいいだろうって考えると、僕はオプトかもしれませんね」

これは「アントレプレナー」と「イントレプレナー」の違いだと、岩本は話します。

岩本 「アントレプレナーは、自身の独創的なアイデアやコネクションをフル活用して事業を築くビジネススタイルです。難易度が高く、成功の確率も非常に低いですが、成功したときのリターンは魅力的です。かたやイントレプレナーは、既存のアセットを使いながら組織をリードしていくことでビジネスを変化・革新させていくもの。

オプトがやろうとしているのは、後者に近しいのかなと。僕自身、スタートアップ時代にアントレプレナーとして失敗した経験を踏まえると、顧客と一緒にイノベーションを考えるイントレプレナーのほうが合っていると感じています」

「先義後利の意識で、いい人が儲かる世の中に」 オプト・岩本の描く未来図

▲新卒時代から一貫して掲げる「日本のGDP向上への貢献」というビジョンを掲げる岩本

事業においては、自身の目標と照らしながら着実に歩みを進める岩本ですが、マネジメントにおいても、理想のリーダー像を確立しようと取り組んでいます。そこには、トライ&エラーを繰り返しながらも、「組織で働く」ことを選んだ岩本の創意工夫がありました。

岩本 「意識しているのは、MGRとしての手腕は自分が手を動かした成果でなく、メンバーが動いて作ってくれた成果であるということです。僕が手を動かすよりも、成長を促し、サポートすることを優先し、メンバーが自走できるようになることです。これは、『メンバーの成果が組織の成果となり、ひいては僕のマネジメントの成果にもつながる』という考えからです。フリーランスを経ての入社だったので、当初はプレイヤー気質が抜けず、メンバーも僕の背中を追うしかない状態でしたね」

さらに当時は、「自分の知っていることは当然まわりも知っている」という感覚で仕事をしていたので、コミュニケーションも不足していました。

岩本 「そこを改めた今は、メンバーとの1on1の場を毎週設け、教育や相互理解の時間に充てています。この結果、メンバーの自律心が育ち、仕事の能率も高まったぶん、僕の手が空くようになりました。あとは最近、良くも悪くも、メンバーにジョブチェンジを提案することもあります。それは、メンバーが目指すWillに対して、CanやMustが合わない場合もあるから。ジョブチェンジによりメンバーの仕事の幅が広がるケースもあったので、異動希望があれば積極的に出すように伝えています」

月次報告会、週報の発信等、情報共有に熱心なのも、岩本のマネジメントの特色です。

岩本 「さらには、分報もやっていますよ。社内SNS(SlackのTimes)を使って、Twitterのように現在の状況や思っていることを発信しています。僕の考えや目指すべき方向を少しでも理解してもらいたいという想いから取り組んでいますが、その背景には『“幸せな意思決定者”になりたい』という、僕が目指すべきリーダー像があるんです。合議制で物事を決めていくには、僕のいるデジタル市場は成長産業すぎて間に合いません。

だから、ある程度のことは、僕が責任を持って意思決定をしてスピードを上げていきたい。とはいえ、メンバーの意見が反映されない、決定に納得性がない組織はうまくいかないと考えています。お互いに情報流通を最適化して、幸福が最大となる選択を都度行いたいと考えています。」

大手企業、スタートアップ、フリーランスと、さまざまな働き方を通して培った経験に、オプトのカルチャーがミックスされた岩本は、主観で感じたオプトという企業の性質を客観的な視点に転換できる持ち主の一人。そんな岩本が考える、オプトの可能性とは?

岩本 「頭脳明晰、かつデジタルリテラシーが高い人の集団。それがオプトだと思います。加えて、先義後利の意識がある。そんなステータスを持つオプトには、日本のGDPを高める起爆剤の役割を期待しています。ソーシャルが急速に進む現代では、情報流通の速度が速まり、先義後利も早く訪れる時代になりました。

いわば、いい人が儲かる世界になってきたということです。そんないい人が集うオプトが属するICTの領域は、これからの日本がもっとも注力しなければならない産業のひとつ。僕もオプトの一員として、ひとつでも多くのイノベーションを生み出していきたいです」

岩本が新卒時代から一貫して掲げる「日本のGDP向上への貢献」というビジョンを、オプトというフィールドを通して実現させる未来も近いかもしれません。


<プロフィール>
岩本智裕(Tomohiro Iwamoto)
2012年に新卒入社した企業で、アドネットワークの開発、アプリ開発に従事。 その後、スタートアップにて新規サービスの立ち上げを経験。フリーへ転身後、2015年オプト入社。アプリデータマネジメントツール「Spin App」の開発プロダクトマネージャーなどを経て、現在はデータテクノロジー部 部長に従事。

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