この記事では、OLTAが大切にしているバリューについて、実際のOLTAメンバーの取り組みを通じてご紹介します。
事業と組織を成長させていくために、私たちはOLTAのバリューを指針に日々の業務や意思決定を行っています。今回は、情シス担当の福島さんが取り組んだ「社内向けAIアプリケーションプラットフォーム導入プロジェクト」をピックアップ。福島さんへのインタビューを通して、OLTAの「新しいことに挑戦するカルチャー・バリューを体現しやすい環境」をお伝えできればと思います。
OLTAのカルチャーに少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです!
OLTAが掲げる3つのバリュー
- Stay Gold:変化を恐れず未来に向けて挑戦を続ける。これまでの考えに縛られず自由な発想で考え行動する。
- Orchestration::オーケストラのように様々な強みを持つプロフェッショナルの集団として、お互いを認め合い、調和をしながらみんなでコトに向かう。
- With Why::目的意識と当事者意識を持ち、本質的な価値提供にこだわる。目的意識を持ち、顧客の課題解決に全力で取り組む。
<今回インタビューされたメンバー>
情報システム担当:福島 啓斗
OLTAの1人目の社員として、CRM導入やセキュリティ体制を構築。前職では東芝で原子力事業部の管理会計に従事。
京都大学大学院修士。
趣味は読書と紅茶、ときどきゲームも。
OLTAでの初の試みにチャレンジするきっかけ - 副業での気づきを社内展開 -
ー今回のプロジェクトに取り組んだきっかけを教えてください。
このプロジェクトに取り組むきっかけは、私の副業での経験でした。OLTAでは副業が許可されており、私も情シス関連の副業をしています。副業では、本業とは異なる環境で新しい知識や視点を得ることができています。
ある時、副業先から「生成AIを業務で活用したいが、セキュリティ面で不安がある。簡単に使えて、安全な環境を構築できないか」と相談を受けました。調査を進める中で、"Dify"というオープンソースのLLMOpsプラットフォームを知りました。Difyは、ローコード・ノーコードでAIアプリケーションを開発・運用できるツールです。副業先ではクラウド版のDifyを利用しました。
この副業先での経験から、Difyの可能性を強く感じ、自分自身でも試してみることにしました。その中で、「これをセルフホストすれば、よりセキュアかつ柔軟に活用できるはずだ」と確信しました。具体的には、GCP上にDify環境を構築し、さらに独自の認証基盤を組み合わせることで、強固なセキュリティと利便性の両立が可能だと考えました。
「この仕組みは、OLTAの業務効率化にも活かせる」と直感し、社内展開を思い立ちました。
わずか5分で決まった「挑戦を後押しする」スピーディーな意思決定
ープロジェクトを提案したとき社内の反応はいかがでしたか?
OLTA社内でこのプロジェクトを提案した際のやり取りは、非常にスピーディーでした。
以下は社長と私のやり取りの一部ですが、私の最初の投稿からわずか5分以内の出来事です。
私:「ChatGPT の 新しいモデル“o1-preview”が、大学院時代に僕が8時間かけて解いた物理学の波動方程式の問題を15秒で解いてしまった。賢すぎる。これは社内のさまざまな課題を解決する原動力として使えそうなので、ぜひPoCしたい。あと社内でセキュアにAIを使える基盤を作ることができると思うので、ぜひやらせて欲しい。詳細と予算はこんな感じです(詳細略)」
社長:「詳細あまり読み込めてないんですが、金額のところ確認しました。総額7万円くらいの金額感で認識合ってますか? ならGoでいいですよ」
<提案時のSlackでのやりとり>
このように、OLTAには技術の実証に対するスピード感があり、新しい取り組みを提案しやすい環境だと感じています。「小さく始められるならば、うまくいかなくても構わないからまずは試してみよう」という考え方が浸透しています。
新たなAI基盤構築というチャレンジ - 社内のあらゆる場面の業務効率化に貢献 -
ー実際のプロジェクトへの落とし込みや社内への展開はどうでしたか?
このプロジェクトの目的は、社内の誰もが情報の機密性を確保しながら、簡単にAIアプリケーションを利用・開発できる基盤を整えることでした。
具体的な構成は以下のとおりです。
・Difyのセルフホスト
オープンソースのLLMOpsプラットフォーム「Dify」を自社サーバー(GCP)上に導入。
・認証基盤の構築
Difyにはアプリケーションが公開状態になる仕様があるため、独自の認証基盤を挟む構成にし、機密性と可用性を両立。
・AIアプリケーションの活用
社内で様々な業務効率化を目指せるよう、簡単に作成・利用できる環境を整備。
この構成により、社内の誰もが簡単にAIアプリケーションを利用・開発できるようになりました。まだ試行錯誤の部分は多いものの、目的に応じたAIアプリケーションを素早く作成・利用できる環境が整っています。
ー社内ではどのように活用が進んでいますか?
活用の形としては、特定の業務に特化した活用と汎用的な用途での活用の2パターンに大きく分かれます。
前者では、広告のキャッチコピーや採用求人の作成など、クリエイティブな業務におけるアイディア出しのサポートツールとして活躍している例があります。
後者では、長文データの要約や構造化、図表化を行うアプリケーションがよく使われています。企画書や提案書の作成、Slackでのコミュニケーションの円滑化に役立っています。その他にも、汎用的なチャットボットでは、特定のトピックについて相談すると課題が整理され解決の方向性が示されるため、その後の上司や同僚とのディスカッションや解決に向けた取り組みがスムーズになったという声もありました。
メンバー全員がAIを良き壁打ち相手として当たり前に活用するよう、さらに普及を進めていきたいと考えています。
<こちらは一例ですが、職種を問わず幅広く活用されています!>
ー社内への展開に際して、工夫したことはありますか?
全員へ一斉公開すると問い合わせが殺到し、システムだけでなく私自身も対応に追われる可能性が高いと考えました。そこで、AIツールづくりに意欲的なメンバーを早期導入者(early adopter)として選び、「まずは試してみませんか?」と声をかけながら段階的に公開しました。すると、その早期導入者から話を聞いた別の社員が「私も使ってみたい」と興味を持つようになり、少しずつ社内に広がっていきました。
このアプローチは、スモールスタートでアプリやプロンプトを磨き込みながら社内へ展開する点でも大きな効果があったと考えています。もし一斉公開していたら、「期待していた出力が得られない」「使い方がわからない」といった失望感を与えていたかもしれません。しかし、早期導入者からのフィードバックを反映し、ある程度使いやすいアプリを用意してから全員に公開できたことで、導入初期からスムーズかつ満足度の高い活用が実現できました。
こうした段階的な導入によって、「AIを積極的に活用していこう」という社内文化づくりにも一歩近づいたと実感しています。前職で培った泥臭い根回しの経験が、この柔軟な進め方を成功に導く上で大いに役立ちました。
<Slackチャンネル「#バリューシャワー」に集まった社内メンバーからの声 >
<インタビューを終えて>
今回ご紹介した福島さんの取り組みは、以下の3つの観点でOLTAのバリューである「Stay Gold」を実践した好例だったのではないかと思います。
- これまでの考えに縛られず、自由な発想で考え行動する
- 最先端のAI技術に対して常に感度高くアンテナを張り、自社業務への活用のアイデアを膨らませ、実現に向けてチャレンジ。
- 変化を恐れず、未来に向けてみんながワクワクする挑戦をし続ける
- アイデアを形にするために、ステークホルダーを巻き込みながらスモールスタートかつクイックに行動し、全社への浸透につなげた。
- Still Day1の精神で行動する
- 基盤導入をゴールとせず、さらに全社でのAI活用の拡大に向けて、普及活動を継続している。
このように、OLTAには挑戦を後押しする文化、迅速な意思決定、そして個人の成長を重視する環境があります!
私たちは、共に挑戦をしていける仲間を募集しています。OLTAのバリューに共感し、少しでも「OLTAで働きたい!」と思っていただけましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。