久々に友人とカラオケに行き、桑田佳祐のモノマネでマイクを回そうというノリについていけず、改めて自分の底を知った、KANです(モノマネ練習します)。
自分にはちょっとした野望があります。
それは、日本のPlant Based Natural Productsを世界に広げること。
理由は多々ありますが、その根幹にあるのは「日本人だから」という思いでしょうか。今回のコラムでは、日本人としての視点から、Plant Basedの価値を伝えたいと思います。
■米国で外国人に称えられ、気づいた日本人としての誇り
日本のPlant Based Natural Productsを広げる、そのきっかけとなったのは、遡ること15年前の、米国シンシナティで開催された、FUN FOOD Equipment メーカー大手GOLD MEDAL社のカンファレンスでの出来事です。
当時、大泉工場は、米国GOLD MEDAL社の日本正規ディストリビューターとして、米国産のポップコーンマシンを中心とするFUN FOOD マシンを、日本市場に大量に販売していました。
年に一度、GOLD MEDAL社のあるシンシナティで開催されるカンファレンスにて、表彰式が開催されているのですが、自分は事業スタート3年で、表彰されるに至りました。
世界中のディストリビューターが集まり、華やかに彩られたパーティー会場にて、「OIZUMI KOJO JAPAN!」とアナウンスされ、世界中の方々からの拍手喝采の中、盾を受け取った瞬間の高揚感は、今でも忘れません。
興奮冷めやらぬ中で、パーティーは終了。
ホテルの部屋に戻り、一息ついた瞬間に、今まで感じたことのない感覚に襲われました。
「アメリカのプロダクトを日本に広め、外国の方々に表彰されることは、日本のためになっているのか?」
もちろん、新しい価値を日本のマーケットに広げたことに関して、後悔の念など微塵もなく、関わってくれた、国籍問わず多くの人々に感謝の気持ちはあります。
しかし自分の内なる部分にある、日本人としてのアイデンティティが、自分の中にモヤモヤした気持ちを生み出したのも、事実。
GOLD MEDAL社CEO DANとのツーショット
■海外に行くことで得られる情報とこれからのアクション
その後も、定期的に海外を訪れ、新しい食のカルチャーに触れてきましたし、今もその活動は続いております。
最新の食のカルチャーの震源地は、米国をはじめとする海外でいち早く誕生するというのが、今までアクションしてきた自分の結論です。
POPCORNもCold Pressed Juiceも、Organicという概念もPlant BasedもKOMBUCHAも、きっかけの多くは海外です。味やそのもののあり方、ブランディング、パッションやカルチャーといった面で、日本を大きくリードしているものがそこにはあり、自分にはそれらが輝いて見えていました。
コペンハーゲンのレストランnomaのLive感あふれるキッチンは、まるで映画の世界に入り込んだような感覚に陥る
■日本に「持ち込む」必要性があるのか
キラキラとした、そういったプロダクトと触れ、その情報を掘り下げていくと、ふと、それそのもの(例えばブランド)を、日本に持ち込む必要性があるのだろうかという疑問の壁に当たりました。
その際たるものが、Cold Pressed Juice。
野菜や果物の持つ栄養素を液体として抽出し、摂取するCold Pressed Juiceですが、そもそも野菜や果物って、日本でも作られていますよね。であれば、海外で人気のCold Pressed Juiceブランドを持ち込むのではなく、必要なのは、海外の方法を取り入れ、日本の良さを活かしたものを作ることだと気づきました(足りないものは補う)。
さらに、現在大泉工場が最も注力しているKOMBUCHAは、そもそも日本でも1970年台にブームとなった紅茶キノコが原型であり、発酵という日本でも古くから伝承されている、技術を使って作られたプロダクト。
その他、Plant basedもOrganicも、日本で実践している人たちがたくさんいる。全てを海外から持ち込む必要はないと、感じました。
日本の生産者と手を取り合いながら創り上げる、日本のCold Pressed JuiceブランドSUNSHINE JUICE
■日本から世界に発信にはどうしたらいいのか
ここで逆説的に、世界が日本から仕入れたいと思うプロダクトとは何かを、しっかり考えることで、持ち出すことができます。
改めて、現代版「食べることは、命と向き合うこと」を定義すると、どうなるのか。大泉工場が今まで培ってきた、そしてこれからも発信していくべきことは何か。それを熟考すると、精進料理と発酵に行き着きました。
Plant Based Productsのあり方を提唱し、CafeやGroceryを運営、KOMBUCHAの製造販売など、多角的にやってきましたが、このアクションはこれからも変わりません。そして、日本古来の食のあり方として、殺生を禁じる仏教の教えに基づいて作られる精進料理との相性の高さを、改めて感じました。
今回の大泉工場NISHIAZABUリニューアルにご尽力いただいた、発酵デザイナー小倉ヒラク氏
■『ZEN BOWL』の誕生とこれから
そして2024年10月、発酵の知恵と精進料理の精神を取り入れた、心と体に優しいウェルネスフード『ZEN BOWL』が誕生しました。
この商品は、ただの食事ではなく、心と体、そして地球に調和をもたらすことを目指した、ウェルネスフード。
Plant Based、自然由来の原材料を使用することはもちろんのこと、古くから受け継がれてきた、食材の力を引き出す発酵メソッドを取り入れ、「五葷(ごくん)」という、にらやニンニク、らっきょう、ねぎ、アサツキ(たまねぎ)などの、匂いが強く、精力をつけると言われる野菜を避ける、まさに精進料理の精神に則ったBOWL(丼)が、完成しました。
原則日本の食材でのみ作る、全く新しいBOWLが、ここに誕生です。
今回のプロダクト開発にも、多くの仲間の知見が結集され、ここに至りました。
まずは西麻布店舗からスタートし、ゆくゆくは海外に進出予定です。日本のフードカルチャーの一端を担えるよう、突き進んでいきます。
Plant Based x Natural Ingredients x Hakko method = ZEN BOWL
2024年11月7日(木)、大泉工場NISHIAZABUは、Plant Based専門日用品販売店URBAN GROCERYから、『大泉工場+CULTURE』として、この『ZEN BOWL』を中心とした新たなPlant Based Cafeに生まれ変わります。
100% Plant Based、Natural Productsの取り扱いは継続しながら、ZEN BOWLを日本、そして世界に発信していく。「醸造」と「文化」という二重の意味が込められた「CULTURE」は、発酵のように、じっくりと時間をかけて新たな可能性を育み、人と自然が共鳴しながら、新たな「豊かさ」を創造していきます。
引き続き、よろしくお願いいたします!