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コロナ禍で新規事業に挑戦。鎌倉の人気レストラン“enso”開業の舞台裏

こんにちは、日東電化工業ヘルスケア事業部経営企画の早川です。

2022年4月、OSAJIが手掛けるレストラン“enso(エンソウ)”が鎌倉にオープンしました。コスメブランドであるOSAJIがレストランをはじめたのは、代表・茂田正和の「肌のためにできることは化粧品だけではなく、睡眠や食事、香りなど、心の豊かさにつながるインナーケアである」という考えからでした。

レストラン開店プロジェクトの発端は、enso開店の約1年前となる2021年の春ごろ。現在もOSAJIのブランドマネージャーを務める遠藤洋介が、茂田から「土地を借りたから」と言われたことにさかのぼります。発案した茂田に対して、アイデアを形にする役割を担った遠藤。今回は、遠藤の視点からenso開店の舞台裏に迫ります。


構想からプロジェクト初期

ー最初に飲食店のアイデアを聞いたときに戸惑いはなかったですか?

1年半くらい前のある日、茂田さんとお酒を飲んだ後に「いい場所があるから見に行かない?」と言われたんですよね。最初は何の話かよく分からなかったんですが、実際に見に行くと大きな古民家で、既に土地も契約されていて、もうやるしかないじゃないみたいなノリでした。意外と戸惑いや拒否感はなかったですね。やってみたいと思いました。

ー遠藤さんは、飲食店の運営経験があったのでしょうか。

全くなかったです。もちろん自信もなく、心配しかなかったです。でも普段から、人はやってできないことはないと考えているので、いろんな人を集めて頑張ろう!という感じで始めました。普段はブランドマネージャーとして、OSAJIブランド全体の数字や各部署をみてるんですが、他にやる人がいないから僕に回ってきたのかなと思います。

ーどこから着手したのでしょうか。

一番最初は、茂田さんがデザインや建築のチームを作ってくれました。そのチームと一緒に、こんな内装だったらいいよねとか、こんなお皿があったらいいよねなどと議論して、コンセプトを作っていきました。

茂田さんの発案したアイデアを形にするために、スケジュール管理や人員体制からはじまり、「PL はこう考えてますけど、どうですか?」「お客さんにどういうことを伝えたいですか?」といったことを茂田さんにヒアリングしながら進めていきました。いわゆるプロジェクトマネージャーの立ち位置ですね。

ーちょっと横道に逸れますが、遠藤さんのキャリアについて、少し教えてもらえますか?

日東電化工業に入る前も、別の会社でブランドマネージャーをやっていました。肌着やタオルを作っているオーガニックコットンのブランドです。店舗出店から店舗開発、商品企画、生産管理など、ゼロからイチを作るような仕事を経験しました。

いろいろあって、次のステップも考えていた時に飲みに行ったら茂田さんがいて「今うちポジション空いてるよ」って言われて(笑)。オーガニックのコスメブランドをつくる構想を聞きました。その構想はもちろん、茂田さんの人間性や、考え方にとても惹かれました。給料は下がりましたが、頑張ろうと思いました。

立ち上げチームが揃うまで

ー話を戻します。ensoの立ち上げチームはどのように作っていったのでしょうか?

最初からスムーズにいった訳ではないんですが、シェフがいないとレストランが成り立たないなと考えて、求人を出すことになりました。100名以上の方から応募をいただいたなかで出会ったのが現シェフの藤井さんです。

この藤井さん、茂田さんと同じように考え方がクリエイティブなんですよね。有名大学を出たのにレストランで働いてるような人。就職もせずにカフェのレストランをやっていて。テーマを設定して実際に料理を作ってもらったところ、とても美味しくて、茂田さんの食の好みとも合致することがわかりました。

一方で店舗マネージャーも募集していまして、そちらは美術関係の仕事をしていた津田さんが応募してくれました。運営方法について宿題を出したら翌々日にはパワーポイント 30 枚ぐらいの資料を作ってくれて、茂田さんとも「これはもう決まりだね」と話して決定しました。

よい方と出会えて、本当にラッキーでしたね。採用が決まった藤井さんと津田さん、茂田さんと私。これで「ピースが揃ったな」という感じでした。

ー遠藤さんが面接を行う際はどういう人に魅力を感じますか?

芯がある人。話を聞く人。優しそうな人。苦労していたかどうか。それと、OSAJIのカルチャーに合いそうかどうかですね。面接では、好きなファッションブランドはなに?とか聞いていますね。

あとは自立ですね。自立できる人じゃないと難しいです。我々は大きな会社ではないので、なんでも丁寧に教えられなくても勝手にやってくれる人じゃないと組織が回らないという事実はあります。今回のシェフもマネージャーも自分で考えて動けるし、自分の思いがある。

ー チームが揃ったのが2021年の10月ごろだそうですね。そこからは順調でしたか?

いえ、大変でした(笑)。茂田さんのアイデアを形 にするのってすごく難しくて、それぞれの思いもあるし。茂田さんは多忙なのでなかなか時間を取れないし、予算もある、スケジュールもある。障害がすごく多かったですね。例えば 最初は土鍋をメインにする想定だったのですが、そこから今のスタイルに至るのに、議論を繰り返す必要がありました。

開店直前〜直後

ー4 月にオープンすることは、いつ頃決まったんでしょうか?

1月末オープンを目指してたんですが、全然終わらなくて、4月になりました。例えばenso店内では、香りの調香と物販をやってるんですが、それが決まったのも多分 1 月だった思います。そのときは、蔵前のOSAJIの店舗と同じのをやろうって言うと、茂田さんが「いや。それじゃあ鎌倉にわざわざ来てもらうのに申し訳ない。違うことやりなさい」っていう。そうなるとまた 0 からのスタートとなります。

あとは内装もなかなか終わらなかったです。冷蔵庫が全然間に合いません。工事が間に合いません。電気が通らない。。そんな荒波もありました。

ーメニューはどんな風に決まったんですか?

茂田さんがキーワードをいっぱい出すんですよ。「ローカルガストロミー」とか「地消地産のメニュー」「香りをテーマにしてほしい」とか。それを現場のシェフとかみんなで話し合うんですよね。

他にも、コース料理にするのかアラカルトにするのか。飲み物とかどうするのか、ペアリングするのか。みんなで会話しながらまとめていく感じでした。結果的に、藤井さんの良いところと茂田さんの良いところがメニューに反映されたんじゃないかなと思ってます。

ー開店時のマーケティングや PR はどんな風に進めたんでしょうか?

飲食店のマーケティングなんて全くわからなかったので、専門家のアドバイスを受けつつ進めました。そうは言っても、やはり自分たちの資産がOSAJIなので、OSAJIを知っている方にきちんと伝えること、OSAJIを知ってる人が興味を持ってもらうことを基本に考えました。

あとは口コミですね。予想外だったのが、コスメと比べると、飲食は SNSにアップされる確率が高かったことです。もちろん映えるように工夫はしましたが、お店を訪れた方々が次々とSNSにアップしてくれて、それを見てくれる人がまた来てくれるサイクルができたと思います。想像以上に最初のドライブがかかった記憶があります。

ensoのこれから

ー手応えを感じたんですね。

そうですね、飲食店をやったことないのでわからないですが。その頃にお客さんがまわり始めたなと感じました。もちろん、まだまだこれからですが、一旦事業としては成り立ったなと感じています。

ー開業して半年あまり。いまのensoと今後について教えてください。

現地の仕事はほとんど現場に任せちゃっています。他の企業などとコラボや、PR 用の素材を作ろうかとかっていうのを仕込み始めています。

今後は、認知が上がって予約の取れないレストランになると理想的だなと思います。あとは、事業なので多店舗展開も考えないといけないですね。飲食ってすごく素敵な仕事だと思っていて、もちろんやる人は大変なんですが、事業としての可能性も感じています。

ー最後に。プロジェクトを通して、茂田さんとの関係はどのようなものでしたか?

ensoの仕事に関わらずOSAJIの仕事でも、私は「お片付け屋さん」だと思っています。茂田さんが構想し、広がったアイデアを私が片付ける。そして、ただ従うだけではなく、茂田さんに噛み付くこともよくあります。もちろん大人なので、甘噛みですけどね(笑)。

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