今回は、成長期のネクサスエージェントで財務経理、法務総務コンプライアンス、賃貸管理、契約管理の礎を築いてきた、梶間友秀さんのインタビューをお届けします。
前職では、大手不動産会社で戦略企画、財務経理、さらには事業部長(賃貸・売買・管理)や取締役副社長といった要職を歴任。主に事業再生を担い、不動産実務から財務、経営まで幅広く経験するなど、20年以上のキャリアを誇ります。ネクサスエージェントに参画後は、その手腕を発揮して組織変革を牽引し、会社の上場フェーズへの移行を支えてきました。
今回は、組織変革の舞台裏や大手企業にはない「自ら仕組みを創り出す面白さ」、そして経営陣や社員の魅力についてお話を伺いました。成長企業でのマネジメントに挑戦し、組織の拡大に携わりたい方にとって、今後のキャリアを描くためのヒントが見つかるでしょう。
「わからないのが当たり前」から始まった事業再生と副社長への道
――多岐にわたるキャリアをお持ちですが、どのような姿勢で業務に取り組んでこられましたか?
どの業務も初めての連続だったので、基本的には「わからないのが当たり前」という前提で行動し、そのうえで「今、自分に何を求められているのか」を汲み取り、関係する方々の意図を理解することを徹底していました。
賃貸や売買などの事業部で現場に立っていた頃は、お客様の声からニーズを捉え、成果につなげて事業を軌道に乗せる日々で、お客様に満足していただける機会も多く、大きなやりがいを感じられる仕事でした。
その後、戦略企画や財務経理などのバックオフィス部門へ異動した際は、経営陣や株主が何を求めているのかを常に意識するようになります。具体的には「仮説検証と改善」というPDCAサイクルを徹底的に回し続けることです。多くの失敗も重ねましたが、そのすべてを糧にして成果を上げてきました。
――その後、現場から取締役副社長に就任されたのは、どのような経緯があったのでしょうか?
リーマン・ショックの影響を受け、当時勤めていた会社の経営が傾いたことがきっかけです。その際に切り離した売買仲介営業の部隊を復活させるため、休眠していた子会社の取締役副社長に就任し、事業再生を担うことになりました。
その後、同社でリノベーション事業や新築戸建て事業を立ち上げて軌道に乗せた後、親会社の立て直しのために財務経理部長として復帰を果たします。賃貸管理、売買営業、建物管理など、赤字に転じていた各部門のコスト構造の見直しと収益化を指揮し、組織再生に尽力しました。
――これまでのキャリアの中で、特に大きな失敗や学びはありましたか?
前職時代、会社が無理な資金繰りのしわ寄せから大きな失敗をしてしまった経験があります。大学時代にバブル崩壊の歴史を学んでいたにも関わらず、いざ目の前で同じような兆候が現れたとき、それに気づいて踏みとどまることができなかったのです。先人の失敗から、本当の意味で学びきれてはいなかったのだと痛感しました。この経験があったからこそ、その後はどの会社でも「仕組みとして無理をさせない」ガバナンスの設計に強くこだわるようになりました。
安定した前職からの転職 ― IT×不動産で「やりたいこと」を追求した理由
――様々な苦難を乗り越え、組織を再建された後、 最終的に転職を決意したきっかけを教えてください。
リーマン・ショック後に海外資本が入ったことで、本来目指していた不動産業から徐々に乖離していったことが大きな理由です。また、賃貸や売買、リノベーションなど多角的な事業展開をしているにもかかわらずIT化が遅れていたことも一因です。
現場の業務効率化を図る顧客管理ツールやオーナー向け連携アプリの導入など、積極的なDXを提案したものの、レガシーな組織の壁に阻まれて実現には至りませんでした。「このままでは本当にやりたい仕事を実現できない」と感じたことが、最終的な決め手となりました。
――ネクサスエージェントへの入社を決めた理由は何だったのでしょうか?
転職先を選ぶ軸として掲げていたのは、次の3つです。
1つ目は、再び現場で活動してみたいと考えていたリノベーション事業をやっている会社であること。2つ目は、上場準備を本気で進めている会社であること。パブリックカンパニーになるという基準を持った組織かどうかを重視していました。3つ目は、IT開発を自社で完結できる体制です。前職ではIT環境が整っていないことで苦い思いをしたため、この点はこだわりました。
ネクサスエージェントはこの3つの条件を満たすだけではなく、選考の中で岩田代表の「日本一の企業」を目標に掲げて上場を目指す熱い姿勢に惹かれました。さらに決定打となったのが、河野取締役のシステム内製化に関するインタビュー記事です。「ここなら前職で成し遂げられなかったITと不動産を融合させた組織・事業改革に挑戦できる」と確信し、入社を決断しました。
組織変革のリアル ― 成長期から上場フェーズへの導き方
――入社当初、契約管理部の管理職を務められましたが、当時は会社からどのような役割を期待されていましたか?
当時はまだ社員数も少なく、組織体制を整える過渡期でした。社内にいる管理者は新卒入社で係長に昇進したばかりの20代社員が2〜3人のみ。法務担当者を除けば、上場準備の実務経験を持つ経営幹部や管理者がいない状態でした。そうした若手社員が多い環境の中で、会社の成長を支える組織基盤の構築と人材育成が、当初期待されていた役割です。
――入社直後のやりがいや大変だったことを教えてください。
会社が急成長する中で、社内体制を構築しながら上場に向けて突き進むプロセスには非常に大きなやりがいを感じました。特に、入社間もないタイミングから期待を寄せていただき、契約管理部に加えて財務経理部の管理職も兼任するなど、事業のスピード感に合わせた挑戦ができたことは貴重な経験となりました。当時の財務経理部は、私を含めてわずか3名。うち1名は新卒入社したばかり、もう1名も他部署からの異動直後という極めて若い体制のまま、上場準備に向けた基礎作りが始まります。その後も法務総務コンプライアンス部、さらには賃貸管理部まで、事業とバックオフィスを結ぶ重要部署の統括を次々と任されました。当時は経験の浅い社員が多く、特にマネジメント層が不足していたため、人材育成と組織体制の整備を同時に進めるのは容易ではありませんでした。上場基準を満たす内部統制フローの構築や、コンプライアンス意識を現場へ浸透させることには非常に苦労しました。こうした試行錯誤を経て現在は組織基盤が整い、各部門が自律的に組織形成や業務を進められる段階への移行を遂げています。
――具体的にどのような組織体制の改革を行いましたか?
以前は、支払い期日が近づくと財務経理側が各部署のフォルダーを捜索し「請求書を見つけたので払っておきます」と処理してしまう。それが、当時は「理想の姿勢」だとすら思われていました。トヨタ生産方式で言われる「前工程を見に行く」という考え方を誤って解釈していたのです。
そこで、「各部門長が責任を持って判断したうえで、次の部署へ適切に引き継ぐ」というフローを導入し、徹底しました。支払いは必ず各部門長自身が申請し、稟議承認を得てから実行する仕組みへと刷新しました。現在では「課内で請求書を取りまとめて経理申請する」「事前に稟議を通す」といったルールが定着しています。
――これまでさまざまな部署を経験されてきましたが、マネジメントにおいて一貫して意識していることは何ですか?
大きな志を持って入社してくれる社員が多いからこそ、「その志を実現するためにどう動くべきか」を伴走して一緒に考えることを意識しています。
会社やお客様のために頑張る姿勢も素晴らしいですが、それは目的ではなく「志を叶えるための手段」であってほしいと考えています。例えば、周りを巻き込んで志を叶えたいならマネジメントスキルを磨いて管理職を目指す。キャリアを築くために信頼が必要なら、お客様や関係者の要望を捉えて結果を出す必要があります。
「誰かのために」という志が持てずに悩む人もいますが、悲観的になる必要はありません。「自分のため」という動機でも十分です。明確な意志を持ち、それを実現するための手段を一緒に見つけていきたいと考えています。
経営陣への絶大な信頼と、圧倒的な当事者意識を持つ組織のポテンシャル
――ネクサスエージェントの社員を見て、どのような将来性を感じますか?
ネクサスエージェントは新卒・若手中心の組織です。その若い社員の前向きな姿勢に大きな可能性を感じています。前職のような成熟した上場企業では、ゼロから組織を成長させた経験を持つ社員が少なく、変革を進めることにもどかしさを感じることもありました。上場後の企業から転職してきたメンバーが多く、完成された環境で働いた経験はあっても、「仕組みをゼロから創る経験」を持っていなかったためです。ゼロから仕組みを構築した経験がなければ、拡大期の組織運営を担うのは難しいのが現実です。
一方で、ネクサスエージェントの社員には「自分たちの手で組織を変えていく」という強い当事者意識があります。拡大期の組織において、この姿勢は欠かせません。
若手社員一人ひとりが上場に向けた拡大フェーズを直接経験し、中途社員の知見を吸収しながら「自ら仕組みを創れる人材」へ成長できるという、恵まれた成長環境がこの会社にはあります。この環境こそが、会社の高い将来性を物語っていると感じています。
――経営陣に対して抱いている期待感を教えてください。
創業当初から「日本一の企業」と「上場」を一貫して見据え、ブレずに愚直に走り続けている点に大きな魅力を感じ、強い信頼を寄せています。時には岩田社長が厳しい指導や常識にとらわれない決断を下すこともありますが、すべてはビジョンの実現のためであり、私も共にその景色を見たいと強く感じています。
財務経理を長く見てきた立場からすると、上場準備で最もネックになりやすいのが、経営陣の私的流用や不透明な支出です。ほとんど誰も乗っていない高級な社用車が何台もあったり、親族が名ばかりの役員に名を連ねていたりと、不透明なケースは世の中に珍しくありません。しかし、ネクサスエージェントには、そうした問題が一切見当たりませんでした。経営陣が早い段階から上場(あくまで通過点ですが)を見据えて動いてきたからこそ、私利私欲に走ることがありません。この健全さこそが、財務の現場を見てきた私が経営陣に強い信頼を寄せる大きな理由です。
また、創業メンバーとして営業部門を牽引する角田取締役は、間違いなく日本トップクラスの営業力の持ち主です。これまで見てきた数々のトップ営業マンと比較しても、その実績と手腕は群を抜いています。だからこそ、単なる上場にとどまらず、目標である 「日本一」を達成できると確信しています。
未来の仲間へ ― 他社の一歩先を行く組織を共に創る
――今後、ネクサスエージェントにどのような人に入社してほしいですか?
現在、組織体制の基盤が整い、各部門長の配置も大きく進みました。ここからさらなる拡大フェーズへ移行するにあたり、求めるのは「自ら仕組みを創りたい」「主体的に挑戦したい」という強い情熱を持った方です。中でも、企業規模に関わらず上場準備や組織づくりに携わった実務経験をお持ちであれば、その経験と手腕を大いに発揮していただける環境だと思います。
――逆に、今のネクサスエージェントに足りないと感じる部分はありますか?
現在、社内の組織体制はかなり整ってきたと感じています。ただ今後の課題として唯一あげるなら「つくる人」の存在です。ネクサスエージェントでは経営方針上、企画立案を得意とするメンバーが多く育つ環境にあります。一方で、実際に現場で手を動かせる「つくる人」の層の厚みは、まだ十分とは言えません。企画は数名の経験者がいれば十分に機能するため、今後は現場で手を動かせる実行力のある人材を補強していく必要があると感じています。
――今後の展望として、どのような組織を目指していますか?
ネクサスエージェントが全社を上げて「日本一の企業」を目指す以上、不可欠なのは 各部署の役割定義です。「何をもって日本一に貢献するのか」を明確にし、愚直に追求していく必要があります。
例えば賃貸管理業界では、不動産販売会社の下請け業務や作業の消化のみに終始するケースも少なくありません。しかし、本来の賃貸管理とは、オーナー様の資産価値を最大化するためのパートナーであるべきです。目指す理想は、オーナー様お一人おひとりに専任担当者が寄り添い、「こうすれば資産価値を高められる」と主体的に提案できる組織体制です。課員一人ひとりがオーナー様の利益を第一に考え、主体的に提案できる組織になれば、間違いなく他社の一歩先を行く「選ばれる存在」になれると考えています。
――最後に、ベンチャー企業で新たなキャリアを目指す人に向けてメッセージをお願いします。
ベンチャー企業では、主体的に動いて自らの手で組織を創り上げていくスタンスが求められます。単に「これまでの知見で活躍できるだろう」という受動的な姿勢ではなく、変化の激しい環境をチャンスと捉え、自ら戦略を立てて泥臭くやり抜ける熱意のある方に、ぜひ挑戦していただきたいです。
ネクサスエージェントには、素直で前向きな仲間が集まっています。会社とともに自分自身を飛躍的に成長させられる環境を用意していますので、志を共にする方とお会いできることを楽しみにしています。