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30歳後半でエンジニアからセカンドキャリアとしてディレクターに転身した話(後半)

■はじめに

前回のストーリーではエンジニアからディレクター転身の話を中心にしましたが、今回はディレクターになっていろいろと失敗したリアルな話を書いていこうと思います。

前回のストーリーはこちらから

これからディレクターを目指そうと思っている人、ディレクターになったばかりで苦労している人に特に見てもらいたい内容となっています!参考になれば幸いです!

■本記事について

本記事は以下の構成としています。

  • 意思決定を何度もひっくり返してしまった失敗談
  • 本当に解決したいことと向き合えていなかった失敗談
  • 案件推進のボトルネック特定が遅かった失敗談

■意思決定を何度もひっくり返してしまった失敗談

〇どういう失敗?

ディレクターになり立てだったころの失敗談で、案件の詳細はお伝え出来ないんですが、僕の軸がブレブレで開発部署と案件の関係部署の間で、意思決定を何回もひっくり返してしまった話です。

いま思うと本当に恥ずかしい話ですが、開発の話を聞いたら開発側に、関係部署の話を聞いたら関係部署側に、意見がころころと変わってしまっていました。

〇どうして失敗した?

失敗した原因は一つではないですが、情報収集が圧倒的に足りていなかったのが一番の失敗と振り返っています。また、情報を網羅的に集めて正しい意思決定をしよう、という意識が当時は弱く、目の前にある情報だけで解決しようとしていたと思います。

何か意思決定するうえで情報がそろっていないとメリデメの評価も正しくできないですし、都合のいい情報だけの意思決定にしかすぎません。

これは業務に限った話ではなく、何かを買うときなども日常的に情報を集めて意思決定していると思います。例えば、掃除機が欲しいと思ったときに金額だけで決定せずに性能や口コミも含めて意思決定しているはずです。買い物する際に金額だけで意思決定して後悔した経験は誰でも少なくとも1回はあるはず。この失敗はそれと一緒です。

〇どうすれば失敗しなかった?

正しく意思決定するために、情報が足りているか考え抜く。そして何が何でも必要な情報を集めること。これに尽きると思っています。

また、各部署で考えていること、思っていることは考えてもわからない(想像することは大事ですが)ので、前のめりで1次情報を取りに行く。

これをやるだけでも結果はだいぶ違ったと思います。

■本当に解決したいことに向き合えていなかった失敗談

〇どういう失敗?

本当に解決したい課題を置き去りにして、課題感ないところまで解決する打ち手を考えてしまった話です。

僕の失敗談ではありますが、イケてない要件定義もこれに通ずるものがあると思っています。

例えば、「こういう機能があれば更に有益なものになりそう」みたいな発想から、本来の目的を見失い、コストも膨れ、出来上がったものは全然目的を達成できない、もしくは目的達成できたとしてもほんの一部の機能しか使われない、みたいなケース。

そんなイケていない意思決定を当時の僕はしてしまったんです。

〇どうして失敗した?

この案件で本当に解決したい課題が何かを自分の中で定義できていなかったこと。

やりたいこと・解決したいことの目的を持つことがディレクターとして重要だし、それを軸にしてすべての検討や方針が決まるのでブレてもいけないんです。

今だからこそこう考えられるものの、当時の僕は「あったらいいな」を詰め込むことに意味があると思ってましたし、案件における軸の定義もできていなかったと思います。(ふわっとこういう課題を解決できればいいよね、くらいの温度感)

〇どうすれば失敗しなかった?

案件で解決したいものは何かを腹落ちするまで考え抜く、です。

蛇足ですが、弊社では「この案件で解決したいことって一言で言うと何?」とよく問われます。

一言で表現できるまで、やりたいことをシャープにする、ということは本当に難しいんです。

あとは現場で尊敬する人から教えてもらった言葉で、「あったらいいなは作らない」です。

なぜ作らないで言うと、目的が明確でないから。明確でない、ということは案件における解決したい課題(軸)がない状態。誤解を恐れずに言うと、無意味な(可能性がある)ものを作り出していると同義と考えてます。

これはいまも案件を検討するうえで大事にしている考え方です。皆さんも意思決定する際にもし悩まれたら考えてみてください。

■案件推進のボトルネック特定が遅かった失敗談

〇どういう失敗?

これは僕がディレクターになって、一番苦労して時間のかかった案件で、最終的には検討したものは対応しないことになったのですが、その結論が出るまでに時間がかかりすぎたことが失敗、と僕は考えています。

〇どうして失敗した?

案件のボトルネックは案件始まったタイミングで薄々気づいていたものの、まずは案件として何をやりたいのかを優先して検討してしまったこと。

検討すること自体悪いことではないとは思いつつも、結局案件をやらないのであればその検討時間はコストでしかなく、事業にとってはマイナスなこと。

ボトルネックからアプローチしていれば、もっと早い段階で検討を終えることもできたと思っています。

ただ検討したこと自体はその後活用されていることもあり、すべてが無駄だったわけではないのですが、事業単位で考えるとやっぱりマイナスだったと思っています。

〇どうすれば失敗しなかった?

案件を進めるうえでボトルネックになりうるものがあるかを考え、もしあるようであればそこからアプローチして案件検討の可否の確認を行う。

とはいえ、当時の僕にはやっぱり難しかったと思いますし、スキルも大事ですが経験値も絶対に必要な案件だったな、と振り返っています。そういう意味では抽象度、難易度ともに高い案件を任せてくれたプロジェクトに感謝しかないです。

■最後に

最後まで読んでいただきありがとうございます。

今回は失敗談を中心としたストーリーとしましたが、ここに書いたこと以外にもたくさん失敗して、たくさん学んでいます。そしてこれからも失敗すると思います(笑)

何よりディレクターなり立ては本当に戸惑うことが多かったです。

というのもエンジニアのころと同じ考え方ではディレクターとしての価値を発揮できない、つまりエンジニアとディレクターとでは発揮すべき価値が全然違うからだと思ってます。

これは僕なりの定義なのですが、
エンジニアの価値は、要件を最適な方法(工数、保守性、性能面)で実現すること。
ディレクターの価値は、案件で解決したいものを特定し、最適な解決手段を意志決定すること。
(どっちの価値も発揮できるスーパーマンは存在しますが、言うまでもなく僕はスーパーマンではない)

ただ幸いにも周りのサポートもあって、どうにか困難を乗り越えていくことができています。
相談に乗ってくれる社内メンバーもいるので、一人で抱え込まずに仕事ができる環境というのも本当にありがたいです。

ディレクターに興味があるけど、なんとなく不安で飛び込めない人がいらっしゃれば気軽にご連絡ください。僕も最初は本当に不安でしたし、よりリアルなお話もできるかと思います。

また、イケてる要件定義を作りたいけど作り方が分からない人なども是非是非ご連絡ください!

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