みなさん、こんにちは!株式会社Neautech(ニューテック)で広報を担当しております、金城です。
Neautechは「医療とテクノロジーで自分をもっと好きになれる社会へ」をパーパスに掲げ、オンライン美肌治療サービス「ANS.(アンス)」を主軸に展開する、ヘルステックのスタートアップ企業です。
今回お話を聞いたのは、今年の6月から取締役に就任した金澤祐子さんです。数多くの企業やビジネスモデルを評価してきた「ビジネスのプロ」である金澤さんが、なぜ次なる挑戦の舞台にNeautechを選んだのか。外から見たNeautechの強みや、11.2億円のシリーズB資金調達の舞台裏、そしてテクノロジーで実現する未来の医療体験について語っていただきました。
金澤 祐子(かなざわ ゆうこ) / 取締役
外資系経営コンサルティングファーム、銀行、MBA留学を経て、ベンチャーキャピタルにてヘルスケア系スタートアップ投資に従事 。その後、医療系スタートアップでの事業責任者等を経て、Neautechへ参画。現在は取締役として、コーポレートおよび新規事業を牽引しています。
多彩なキャリアの先に選んだ、Neautechというフィールド
── これまでのキャリアについてお聞かせください。
私のファーストキャリアはコンサルティングファームです。その後、サービス業の仕組み構築やM&A後の企業再構築(PMI)に関心を持ち、銀行に転職。そして、MBAを取得するために海外留学しました。帰国後はベンチャーキャピタルに入社。ここから医療・ヘルスケア領域に深く関わるようになりました。
医療系スタートアップへの転職を経てイグジットを経験し、一旦コンサルに戻ったあと、もう一度VCの世界へ。今度は「作る側」として、自分でファンドを組成・運用するところまでやりました。
Neautechとの接点はその頃で、業務委託でNeautechの資金調達を支援しました。VCをやりながら並走して手伝ううちに関わりが深まり、正式にジョインしました。
── 現在、Neautechではどのような業務を担当されていますか?
主に2つあります。1つは資金調達。シリーズBがひと段落ついたので、今は株式周りの業務をやりながら、次のステージを見据えた準備を進めています。
もう1つが新規事業で、具体的には「医療プラットフォーム事業」の立ち上げです。Neautechはこれまで自由診療のオンライン診療サービスを主軸に成長してきましたが、今後の上場を視野に入れると、収益の多角化が欠かせません。その中心に据えているのが保険診療の領域です。
また、保険診療は医療機関との連携が不可欠で、先生方とも深く向き合う事業です。私は、医療系スタートアップで、「医療従事者を助けないことには患者さんは救われない」ということを実感しました。今もその視点を大切にしながら、先生方を支えるパートナーとなれるよう、この新規事業に取り組んでいます。
プロの目が捉えた「最後の1ピース」。Neautechに眠る真のポテンシャル
── 多くの企業を見てきた金澤さんの目に、Neautechはどのように映りましたか?
大きく2つの点に面白さを感じました。
1つ目は、医療の分野でしっかりお金を稼いでいること、そしてそのスキームが確立されていることです。
医療分野でビジネスを成立させるのは、本当に難しいことです。たとえば、研究開発型のベンチャーであれば、製品が完成するまで収入がゼロという状態が続きます。苦労してニーズ調査をしても、いざリリースすると「思っていたものと違う」となるケースも少なくない。
そんな業界の中で、Neautechは着実に成長していました。「こんなことが可能なのか!」と、正直驚いたほど(笑)。しかも、その成長はいい加減にやった結果ではなく、収益性と誠実さのバランスが丁寧に保たれていた。そこに強さを感じました。
2つ目は、会社の雰囲気がとてもよいことです。女性が多い職場というのは、どうしても雰囲気が偏ったり派閥ができたりすることがありますが、Neautechは本当に和気あいあいとしていて、上から下まで「いい空気を作ろう」という意識が共有されていた。それがすごく新鮮でした。
いろんな会社を見てきた経験から、「最後の1ピースがハマるとドンッと伸びそうだな」という、可能性を感じました。
── その1ピースとは何ですか?
担当している「医療プラットフォーム事業」の立ち上げが、その1つだと思っています。多面的な収益源を作ること、そして走り続けることを優先してきたぶん、手薄になっていた守備を固めること。この2つが揃えば、もう一段上のステージへ飛躍できると思います。
── 入社してから新たに気づいたことはありますか?
中に入って初めてわかったのが、徹底したエビデンスベースの姿勢です。
美容・自由診療・オンライン診療というフィールドだと、正直なところ「そこまで厳密に医療エビデンスを確認してプロトコルを組んでいるのかな」と思われることも多い。ところが実際に中に入ってみると、患者さんへの「ライトアンサー」を追求するカルチャーが組織全体に浸透していて、それは想定以上でした。
国内未承認の薬を使っているサービスや、副作用への対処が不十分なサービスが混在する業界の中で、Neautechの医療に対する真摯な姿勢は、もっと外部に伝わってほしいなと思っています。
総額11.2億円。投資家がNeautechの「医療変革」に期待した理由
── 2025年10月のシリーズB(総額11.2億円)では、投資家にNeautechの可能性をどう伝えましたか?
率直に言うと、自由診療のオンライン診療だけを事業としている会社は、投資家から値がつきにくいんです。「診療をオンラインに移しただけ」と見られると、参入障壁が低く、真似されやすいと判断されるためです。差別化の要素がなければ、なかなか高い評価は得られません。
ただ、Neautechは数字が圧倒的に伸びていたので、まず話を聞いてもらえる土台はありました。ここは助かった点です。
そこで代表の水本さんと一緒に、「自由診療で培ったケーパビリティを土台に、保険診療という新たな収益の柱を立てていく」というストーリーを描きました。保険診療(疾患治療)はテクノロジーやデータ活用との親和性が高く、医療ITとしての成長性を市場から評価されやすい。このストーリーを投資家に丁寧に伝えていきました。
── 何度もお二人で議論を重ねられたそうですね。
そうですね。バリュエーションの目標が高かったこともあり、資金調達はめちゃくちゃ……めちゃくちゃ大変でした(笑)。でも、投資家のみなさんが最終的に評価してくださったのは、成長性だったと思います。この事業モデルが横展開していく可能性と、医療体験そのものを変革するという大きなミッション。その両方に期待していただけたと感じています。
医療のインフラへ。Neautechが仕掛ける「未来の当たり前」
── 今後、どのような医療体験を提供していきたいと考えていますか?
「メリハリの効いた医療体験」を目指したいと思っています。
全ての人に対して、手厚い対応をすればいいわけではない。リスクが高い人にはしっかりケアし、リスクが低い人にはシンプルに対応する。そのリスクベースのアプローチが標準になればいいなと思っています。
たとえば、ちょっとしたニキビの診療に2時間待つのは、やはり嫌ですよね(笑)。受診のハードルが下がれば、治療の途中でやめてしまう「治療中断」も減るはずです。テックタッチとヒューマンタッチをうまく設計することで、治療終了または寛解まで、患者さんが手を離れないような体験を作れると思っています。
── 5年後・10年後、Neautechは医療をどう変えていくと思いますか?
今のNeautechが目指しているのは、「問診から処方後のフォローまで、患者情報が一気通貫でプラットフォームに乗っている状態」を作ることです。診療データ、検査データ、処方データ、患者自身がアップする情報——これらがひとつのプラットフォームでつながる。これは、これまでなかったものです。
AIの進化によって、データが完璧でなくても、それを活用できる幅が格段に広がっています。情報が連携されていれば、同じような傾向の患者さんが「次にどうなるか」という予測もできるようになる。お医者さんにかかる前の予防行動をサポートすることも、5年単位で現実的になってくると思っています。
日本は、海外と比べると予防医療への意識が低い部分があります。保険点数が出ないので、病院側が予防にコミットしにくい構造です。でも、Neautechのプラットフォームがそのギャップを埋められるかもしれません。
10年後には、ちょっと体調が悪くなったら「まずNeautechに相談してみよう」という状態が当たり前になっている、そういう未来を描いています。そこまで至る道筋を、今まさにつけようとしているところです。
── 最後に、これから一緒に働きたい人物像を教えてください。
「できない理由」ではなく、「できる仕組み」をゼロベースで考えられる人と一緒に働きたいです。医療という領域は、前例がないとか、万が一のリスクがあるとか、そういう理由で変化に慎重になりがちです。でも、そればかりを「中にいる私たちが言ってはダメだ」と思っています。そうならないためにどうするかを考えるのが私たちの仕事です。
オンライン診療の「第2フェーズ」と言えるこのタイミングで、既存の成功体験の上にAI時代の医療体験を作り直そうとしている。難しそうに見えるからこそ面白いと思える人、柔らかい頭でフラットにチャレンジできる人に来てほしいと思っています。あとは、性格のいい人(笑)。今のNeautechのいい空気感を、一緒に楽しんでいけたらと思っています。
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編集:金城華乃子
取材:佐々木ひとみ
写真:恒松 弘匡