今回のインタビューは、NABLASの代表をしている中山社長にインタビューをさせていただきました。KaggleのMasterが3名が在籍していることを筆頭に、インド工科大学出身者が3名在籍、大手検索エンジン企業で勤務していたエンジニア、ポスト京プロジェクト「富岳」にエンジニアとして携わっていた者、理化学研究所AIPでの勤務経験者、4カ国で働いていた経験のあるWebエンジニア、などなど、NABLASには世界クラスの高い技術力を持つメンバーが多数在籍しています。そんなスペシャリストたちがなぜNABLASに集まるのかを伺わせていただきました。
(注: 2020年4月10日現在、新型コロナウィルスの影響によりNABLAS社では全社的にリモートでの作業に移行しております)
■グローバルに活躍するAI人材が集まる場所
ー NABLASには世界クラスの優秀な人材が集まっていると聞きました。在籍メンバーについて教えてもらってもよろしいでしょうか。
中山社長:
まず、KaggleのMasterを持っているメンバーが3人います。ご存知の方が多いとは思いますが、Kaggleは、世界中の研究者やデータサイエンティストなど、機械学習のスペシャリスト達が賞金をかけて競い合うサービスといいますかコミュニティで、自分の作るAIモデルの精度や性能を競います。そこでいくつものコンペティションで上位にランクインすることで、Masterになることができます。
他にも、Google社長のピチャイさんなどを輩出したインド工科大学(通称 IIT)の出身者が3人います。IIT出身者は、シリコンバレーや日本のIT系分野でも奪い合いがおきているほど、技術力の高い優秀な方を多く輩出している大学です。
また、検索大手Yahoo!でエンジニアをしていたメンバーや、機械学習の分野では世界的な研究をリードしている理化学研究所AIP出身者もいます。他にも、「富岳」(ポスト「京」プロジェクト)にエンジニアとして携わっていた人、さらには、日本にくるまでに台湾・韓国でも活動していたスペイン人のWebエンジニア等も在籍しております。
あと、ユニークなところでは、ルービックキューブの元日本記録保持者なども先月まで在籍していました。世界で数十人しか持っていない称号をとる、という大きな目標にチャレンジするために、残念ながら先月で退職してしまいましたが。このように、NABLASには世界レベルで優秀な人材が集まっているだけでなく、インターナショナルかつ多様なメンバーが集まってきている状況です。
ー多様なメンバーですね。ユニークな人と関われるのも面白そうです。
■優秀なメンバーとオフィス環境でスキルを高められる好循環
1階の芝生スペースで仕事をするメンバー
ーでは次に、なぜ優秀なメンバーが集まってくるのか。その為にどういった工夫をされているのか教えてください。
中山社長:
まず優秀な人が集まる理由として、一番重要なのは、技術者は優秀な人たちが集まるところに行きたい、気持ちが強いという点です。
今まで多くのエンジニア・技術者の方々とお話をさせていただく機会がありましたが、技術力が高い人たちと一緒に仕事する事で、自分の技術が高められると考えている方が非常に多いと感じます。お金とか環境とかも大事だと思うんですけど「良い人が集まるところに、さらに良い人が集まる」、これが一番大事なことなのではないかと考えています。それが今の好循環に繋がっているではないかと考えています。
ーまずは、人ですね。
中山社長:
はい、まずは人です。最初に一緒に働くことができたメンバーを中心に、また良い人がどんどん集まっているのが大きいと思います。
二番目に重要な点として、技術に対するリスペクト、パフォーマンスを最大化する為の工夫です。
私もエンジニアなので作業環境には特にこだわりがあります。例えばNABLASではデフォルトで昇降デスクや大型の曲面ディスプレイを渡しています。大型の曲面ディスプレイは、例えば論文や他人のコードなどを参照しながらコーディングして、バックグラウンドで実験を回して監視するような作業も一度にできるように、十分に大きなものを提供しています。また、計算機環境としてDGX Stationが3台ある他、GPUのクラスタがあって、自由度高く研究開発に使える環境を整備しました。
あとは、戦略的散歩制度とか、技術系メンバーが技術に集中出来るように上手くサポートするリレーションスタッフの存在もありますね。他にも、みんなが毎日来たくなるオフィス作りは大事していて、ボルダリングウォールや芝生エリアも作りました。また、バーカウンターはスタッフ同士がコミュニケーションを取りやすくなる効果があります。加えて、ランチミーティングやランチを支給する制度も整備しました。
ーこういう環境はメンバーからの意見を集めるんですか?
中山社長:
私が技術者視点で、重要だと思うもの、特に業務に集中して高いパフォーマンスを発揮するために重要だと思うものを設計して導入することが多いです。ただ、要所でみんなの意見を聞いて、良いアイデアを取り入れていくようにはしています。例えば、芝生エリアは一階のフロアを作る時にエンジニアからの要望で、それはいい! と思ったので採用しました。
ーなるほど。メンバーの声も反映されるのですね。
■得られるものが大きいと思える人材を見つけだすライブコーディング面接
ー次に、採用にリソースをかなり割いているとお聞きしましたが、具体的に教えてください。
中山社長:
AI業界は圧倒的に人出不足と言われていて、良い人・技術力の高い人を採用するのが非常に難しいんです。私は、みんなが「この人と一緒に働くことで得られるものが大きい」と思える人材を採用することが重要だと思っていますが、そのために有効に働いていると感じているのが、ライブコーディング面接という方法です。
具体的には、PythonやLinux、機械学習に関する技能をライブで実演してもらい、深く議論するような形式を取っています。その中で、コンピュータ・サイエンスの知識や、人工知能技術に対する理解の深さや幅について、かなり正確に把握できますので、大事にしています。唯一の弱点は、性格については測定できないところでしょうか(笑)。
ーライブコーディング面接は、いつから取り入れているのですか?
中山社長:
実は、私は大学の研究室でもエンジニアや研究者の採用を長年担当していましたので、大学時代のことも含めると、かれこれ8年くらい前から実施しています。会社としては、創業から取り入れています。選考にかなりの時間はかかるのですが、そのかわりに、ライブコーディング面接のおかげで技術力の高い人は採用できていると感じています。
ーなるほど。ライブコーディング面接を行う事で、今までの採用が上手くいっているんですね。
■実現可能か分からない難問、チャレンジングな仕事
社内にあるボルダリングスペース
ー次に、チャレンジングな面白い仕事が多いということで、具体的にどのようなお仕事なのか教えてください。
中山社長:
技術職のメンバーの多くは、R&D(Research&Development)事業で研究開発を主体とする業務に携わっています。R&D事業とは、企業さんからデータをもらい、我々はテクノロジーを提供して一緒にイノベーションを作る、といったことをメインに行っている事業です。
イノベーションを作ると言いましても、いろんなアプローチがあります。他の分野での成功例を参照にしながら技術を転用するような性質のプロジェクトもありますが、革新性の高い技術を作る際には、出来ると分かっている事をやるのではなくて、出来るかどうか分からない、どこまで精度が出るのか分からないものにチャレンジするような、技術的に大きな困難を伴うプロジェクトも多いです。そのため、R&Dのプロジェクトは、一般的には高い技術力を要するかなり難しい仕事になります。ただNABLASでは、そこに長い時間をかけて、しっかりと腰を据えてその問題に取り組み、色々なアプローチを試しながら目的を達成していきます。
できることが既知ではない大きな課題を解こうとする際には、その過程でいろんな問題が出てきますが、その度にみんなで知恵を出し合いながら、一つ一つ乗り越えていく点は、チャレンジングですが面白い部分だと思っています。
ーなるほど、そういうところに面白みがあるのですね。
中山社長:
結果論ですが、メンバーと話してみると、パズルや問題を解くのが好きなメンバーが多いことに気づきました。プログラミングとゲーム、パズルには似たところがあって、難しい問題を解く楽しさをR&D事業の面白さとして感じている人が多いのかもしれません。
■歯応えのある難問を解決する技術と人材の拠点
東大付近の優秀人材と交流ができるスペース
ー最後に、他社との違いや強みについて教えてください。
中山社長:
最先端の技術が集まっている事、そして人ですね。
世界レベルで戦える点と、東大の前に拠点を設けた事による大学との連携や本郷の周りにいる優秀なAI人材との繋がりなど、地の利を活かした戦略を今後もやっていきたいです。
NABLASがまさにAI人材の集まる拠点で、ここに来れば歯応えのある問題解決ができ、最先端の技術や研究成果などを活かしながら、社会に価値を生み出していける点を強みに感じていただけたらと思います。
ーなるほど、内容は以上です。ありがとうございました。
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