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M&Aを専門にしていた私が、リテール金融領域で起業した理由

私たち株式会社MONO Investment(以下、MONO)は、リテール金融事業者や個人投資家向けサービスを展開しているフィンテック事業者です。

今回は、当社代表の佐々木に対して、創業の想いや現在の事業、今後の展開などについてインタビューを行いました。

自己紹介とこれまでのキャリアについて

——簡単に自己紹介をお願いします。

佐々木:はじめまして。佐々木と申します。現在MONOの代表取締役を務めています。
元々はみずほフィナンシャルグループで投資銀行業務や産業調査業務に従事していました。その後ベンチャーの世界に飛び込み、2020年にMONO Investmentを起業して、今に至ります。

——いつ頃から起業をしようと思っていたのでしょうか?

佐々木:父親が自営業をやっているので、幼い頃からサラリーマンとして働き続けるというより、いつかは自分で事業をやるんだろうなという感覚はありました。

——大学時代はどんな学生だったのでしょうか?

佐々木:大学1年生の時から3年生まで英語ディベートサークルに所属していて、アメリカ人に英語のディベートで勝つことを目標に、ディベートにのめり込みました。

ディベートで論理の組み立てや分析することの面白さを知った私は、今度は体系的に物事を分析する大局的な視野を身に付けるために、アカデミックの世界に進みたいと思うようになりました。そのため、大学卒業後は就職するのではなく、経済学研究科に進みました。

ただ、実際に大学院で研究を始めると、私が元々イメージしていた研究者像と、職業人としての大学教授との実情にギャップを強く感じました。そこで、アカデミックの世界からは一旦距離を置き、社会に出てみようと思い就職することに決めました。

——どういったキャリアを歩まれたのでしょうか?

佐々木:色々な業界のトップランナーと関わりを持てるという観点から、新卒でみずほフィナンシャルグループに入社しました。GCF(Global Corporate Finance)という専門職採用で入社したので、入社1年目からお客さんを担当して投資銀行業務に従事することができました。

仕事内容は非常にタフですが、グループ内のリソースを最大限に使いながら最適解を見つけるという、やりがいの大きい仕事でした。

またシンガポール駐在も経験しました。シンガポールでは非日系企業の産業調査や日系企業の海外進出・M&Aのアドバイザー業務、経済産業省からの受託業務で、日本のインフラを輸出するためのコンサルティング業務などに従事しました。

みずほでは多種多様な経験をさせていただき、非常に充実した毎日を送らせていただいておりましたが、金融機関での仕事はお客様のベストパートナーとして意思決定をサポートすることで、当然ですがビジネスの最終意思決定を自分で行うことができません。自分の仕事力に自信が出てくると、「サポーターではなく意思決定者として自分のビジネスを創りたい」という想いが強くなってきました。そのため、みずほを退職し、スタートアップの世界に飛び込みました。

——スタートアップ での経験も教えてください。

佐々木:創業までに2社ほどスタートアップを経験しています。1社目はみずほ在籍時にお誘いをを受け入社したM&Aプラットフォームを運営している会社です。私自身がみずほ時代にM&A業務を経験していたこともあり、また裁量の大きい仕事に従事出来そうだったので、入社を決めました。入社後は、新規事業の立ち上げなどに従事し、事業開発のイロハについて触れることが出来ました。

その後、私募債に特化した証券会社であるSiiiboという会社の創業に関わり、CFOとしてベンチャーキャピタルからの資金調達やアライアンスを担当しました。

創業の想い リテール金融業界をよくすることで日本の投資市場を前に進めたい

——MONOの事業を説明してもらえますか?

佐々木:MONOではリテール金融、特に個人の資産運用に関わる事業をしています。リテール金融事業者や投資家に対して、資産運用に係るさまざまなソリューションを提供し、彼らの資産運用や運用提案をサポートすることを目指しています。事業の詳細に関しては中西のインタビュー記事をご覧ください。

——なぜリテール金融に目を付けたのでしょうか?

佐々木:金融庁は2000年代前半から、「貯蓄から投資(資産形成)へ」というスローガンを掲げ、国民1人1人が資産形成を行うことを促しています。また、数年前からは、金融機関に対してフィデューシャリー・デューティ(受託者責任)を声高に叫んでおり、顧客本位の業務運営を実現するように金融機関に対して求めています。

しかしながら、リテール金融業界は、お客さんから頂く手数料で成り立つビジネスモデルです。そのため、どれだけたくさんの手数料をお客さんから取れるか、ということに金融機関の意識は向きがちです。

ゆえに短期的に商品を売り買いする回転売買や、手数料率が著しく高い商品を投資家に対して提案することも多く、フィデューシャリー・デューティの実現は道半ば、「貯蓄から投資(資産形成)へ」という考えも浸透しているとはいえない状況です。

私は、金融機関がお客様本位の提案を実現するためには、ポートフォリオ運用という考えが必要不可欠だと考えます。ポートフォリオ運用とは、性格の異なる複数の銘柄へ分散して投資をする手法のことで、ほとんどのプロの投資家(機関投資家)はポートフォリオ運用を意識しています。

一方、ポートフォリオ運用を実現するためには、難解な投資理論を理解する必要があるのですが、日本のリテール金融の営業担当者の多くはそういった知識を持っておらず、最適な運用方法を知らないことがほとんどです。

そこで、元々BlackRock Japanでプロの投資家向けにアドバイスをしていた中西と共に、リテール金融向けのサービスを提供することで、日本の投資を取巻く状況を改善できるのでは、と思いこの領域で挑戦することにしました。

現在の仕事内容

——現在はどのような仕事に取り組まれていますか?

ビジネス全体の責任者は私、開発の責任者は中西という棲み分けで事業を行っています。

現時点での私のミッションは大きく3つあります。

1つ目は経営戦略の立案です。システム開発や運営オペレーションについては、他のメンバーに任せており、私自身は会社全体を俯瞰しながら、会社にとって必要なことは何かというのを日々考えています。当社のリソースや顧客ニーズ、競合他社の状況、国内外における政治的・経済的な動きなど様々な要素を踏まえて検討する必要があるので、難しい仕事ではありますが、同時に会社を経営する上で特に重要な、やりがいのある仕事です。

2つ目はベンチャーキャピタル等からの資金調達です。前職で培ったノウハウとコネクションを活用し、MONOでも資金調達業務に従事しています。当社のような創業初期のスタートアップにおいて、資金が調達できるかどうかは、文字通り生命線です。資金調達が出来なければ、どれだけ良い事業であっても倒産してしまいます。正直胃がキリキリすることも多い業務ではありますが、おかげさまで、多くのベンチャーキャピタルが私の話に耳を傾けてくれており、資金調達もうまく行っていますので、引き続きこの状況をキープしたいと思っています。

3つ目は企業とのアライアンス促進です。まだまだ会社の規模は小さいので、成長スピードを加速するためには、他の企業と連携することは必要不可欠だと考えています。もちろん、こちらの都合だけを押し付けてもうまく行きませんので、相手先の経営戦略や事業戦略などを踏まえた上で、当社と先方の双方にとってメリットのあるアライアンスが組めそうな会社を日々探しています。

■MONOに入社を考える方へのメッセージ


——どのような方に来て欲しいでしょうか?

細かい話は、その時々の募集人材によって異なりますが、全体を通して言えるのは、マネジメントの視点で物事を考え、行動できるような人に来ていただきたいということです。

MONOは、創業間もない会社です。そのため、仕事に対する裁量は広くなります。裁量が広いというのは、やることとやらないことを、自分で整理して実施するということを意味します。単に指示を待つだけでなく、自ら仕事を掘り起こして、バリューを出してくれるような方に来て欲しいと考えています。

——最後にMONOが中長期的に見据える未来を教えてください。

佐々木:私たちは、リテール金融業界を今まで以上により良くしたいと考えています。投資銀行やアセットマネジメント業界は少人数精鋭で優秀な人が集まっていますが、リテール金融業界は正直なところ、玉石混交で優秀な人もいればそうでない人もいます。

そんなリテール金融業界において、MONO Investmentを活用してもらうことで、どの担当者が提案しても、一定レベル以上のサービスを提供できる世界を作りたいと思っています。営業担当者はお客様との関係構築に注力して、提案のロジック構築などそれ以外の部分はMONOが提供する。ヒトとAIの強みが組み合わさて最適なソリューションを提供することで、リテール金融業界の質の向上に貢献したいと考えています。

私たちのビジョンや事業内容のご関心のある方は、ぜひお気軽にご連絡いただけるとありがたいです。

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