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広告運用の必勝法は、気合と根性!?大手企業から指名され続ける男・松尾の仕事の流儀 #MOLTS潜入録

※この記事はMOLTSのコーポレートにて、2020年12月01日に投稿した記事の転載となります。(https://moltsinc.co.jp/media/molts-history/8240/)

こんにちは!株式会社LIGのマーケター兼ほぼライターのまこりーぬです。

当連載【(まこりーぬの)MOLTS潜入録 】では、とことん成果で語り合う集団「MOLTS」のみなさんにマーケティング領域で成果を出すための秘訣をお聞きしていきます!

今回はMOLTS取締役兼広告運用のプロフェッショナルでもある松尾謙吾さんに、「広告運用の必勝法」や「広告運用者の仕事の流儀」についてお聞きしました。

全国の広告運用者のみなさま、パートナー企業とともに広告運用に取り組むマーケターのみなさま、ぜひご一読ください!

▼初回の記事はこちら

給与は全公開!?メンバー全員が独立採算で成果を出し続けるデジタルマーケティングエージェンシー「MOLTS」の秘密に迫る #MOLTS潜入録

大手企業やマーケティングに強い企業から指名で相談がくる理由

まこりーぬ:本日はよろしくお願いいたします!松尾さんはどのくらいの規模の広告運用案件を担っていらっしゃるのでしょうか?

松尾:広告費という観点では少額だと月30万円前後のお客様もいらっしゃいますが、MOLTSに参画してからだと過去にクライアント合計で月2億円ほどのご予算を任せていただいたことがあります。月5,000万〜1.5億ほど予算を持った、いわゆる大手企業様の広告運用もお引き受けしていますね。広告運用だけでなく、その投資先の戦略設計やインハウス支援などさまざまな取り組みがあるので、広告費だけで語るのは難しいですけど。

まこりーぬ:月億単位の広告費…すごい額ですね(涙)。大手企業様との巨額案件にもビックリですが、松尾さんのご実績として、ライフメディアプラットフォーム事業を展開している株式会社じげんさんとのお取り組みもありますよね。「え、じげんさんってマーケティングに超強いイメージがあるけど広告運用外注しているの!?」と驚きました。松尾さんがパートナーとして選ばれた理由をぜひ教えていただけないでしょうか?

松尾:じげんさんってBtoBtoCというビジネスモデル(アグリゲーションメディア)で、広告運用の手法や指標が他とは異なるんですよ。事業を伸ばすためには、単純に「CPAを安くしよう!」ではなく、非常に大量の変数と全体のバランスを見ながらどこに投資していくべきかを考える必要があるんですね。その難易度の高さから、社内に最強のマーケティング軍団を抱えてはいても、彼らと同じレベルで事業成長を一緒に考えられるパートナーになかなか出会えていなかったんです。

一方で僕の場合、一括査定サイトやポータルサイトの運用などを過去に経験していたこともあり、じげんさんの課題をすぐに理解し成果を出すためにやるべきことをお話しすることができたんですよ。それが僕を重宝してくださっている理由だと聞いています。

まこりーぬ:松尾さんがお客様の事業成長にコミットしている、成長を導ける知見をお持ちであることが伝わるエピソードですね。

「パートナー」「仲間」としてつき合えるお客様だけが成果を出せる

まこりーぬ:松尾さんは普段どんなスタンスでお客様に向き合っていらっしゃいますか?

松尾:お客様のチームの一員であるつもりで関わっています。なのでLPや商品サービスについても改善すべきだと思ったことは、広告運用の領域を超えていても遠慮せずすべてお話しします。そのほうが成果に繋がりますからね。

先日お客様である株式会社BEYOND BORDERS代表の遠藤さんから「松尾さんと最初に打ち合わせをしたとき、広告の相談をしているのに広告の詳細な話を1ミリもしてくれませんでしたよね。そんな人なかなかいませんよ?すぐ事業のところまでツッコんでくるから」って笑いながら言われたんですが、象徴的なエピソードだと思います(笑)。

まこりーぬ:1ミリも話さないのはすごいですね(笑)。そこまでがっつりご指摘いただけるとなると、お客様側も松尾さんの意見を受け入れ実行できる、柔軟な組織である必要があるように感じました。

松尾:そうですね、「自分たちで手が回っていない業務を代理店にやってもらおう」ではなく、「パートナーとして一緒に事業を伸ばそう」という姿勢をお客様側も持ってくださっていて、且つ僕らに介在価値がある場合にお仕事を受けるようにしています。逆に僕たちのことを「業者」と乱暴に表現するようなお客様は平気で断りますよ。「いや、あなたたちと仕事したいなんて一言もいってないんで」みたいな(笑)。

まこりーぬ:なるほど、呼び方に関係性が表れるわけですね。

松尾:個人的な感覚ですが「業者→業者さん→代理店→パートナー→同じチームの仲間」の順でレベルが上がると思っています。いま僕がお仕事させてもらっているのは「同じチームとしてやっていきたい」と言ってくださるお客様ばかりです。

成果を出すためには広告運用の方法だけでなく、商品サービスをはじめ考えられる改善要素すべてについてお客様と議論する必要があると思っています。対等な関係でないと、この状態って作れないですよね。

まこりーぬ:松尾さんのそのパートナー意識は広告運用のお仕事をされ始めたときからお持ちなのでしょうか?どうしても若手の頃は作業者になりがちなんじゃないかと思ったのですが…。

松尾:最初からですね。お客様のお金の流れを理解していれば当たり前に生まれるマインドセットだと思います。広告運用について自分が教育する立場になるときに必ず伝えている話なんですが、仮に自分の銀行口座から月30万円引かれていたとします。「30万円使ってコンバージョン0件でした!以上です!」って代理店から言われたら、まこりーぬさんどう思いますか?きっとブチ切れますよね。

従業員のお給料をはじめ事業資金を必死にやりくりしている貴重なお財布からお金を預かっているというのに、「自分はまだレベル的に作業者で…」って、それはおかしいですよね。自分が広告運用者としてどのレイヤーかなんて関係なく、当たり前にお客様のパートナーとなれるチームでなきゃいけません

まこりーぬ:私も一部お客様の広告運用を担っている立場なので、激しく心に突き刺さりました。ありがとうございます!(涙)

松尾:自分ごと化できているかどうか、1円も無駄にしたくないという思いをちゃんと持っているかどうかはやっぱり大事なんですよね。無駄っていうのはCVがとれないことではなく、ただ予算を垂れ流してしまうことです。毎回100%成功することなんてないので、失敗も糧にする姿勢が広告運用者には求められますね。

この辺の話は昔からよく話していて、僕の中で「クライアントと美味い酒を飲むための広告運用者の流儀」みたいなものがいくつかあるんですよ。

まこりーぬ:なんと!それは気になります!よければ教えていただけないでしょうか?

広告運用者を教育するときに必ず伝える仕事の流儀

松尾:3つほど紹介しますね。1つめは、代理店で働く人向けではありますがKPI設計を任せてもらえるやりがいを感じようということ。「お客様からKPI設計の依頼がきた、重たいなぁ」って捉えちゃう人が多いんですけど、これってめっちゃ貴重な経験なんですよね。大手企業であればなおさら新卒1~2年目の社員が広告戦略全体を提案する機会なんておそらくほとんどないわけで、KPI設計は代理店にいるからこそ得られるチャンスです。そのやりがいをちゃんと考えようねっていう話です。

2つめは、当時在籍していた代理店社内にケンカを売るようなメッセージだったんですけど(笑)、事例は自分たちで作ろうということ。媒体の新メニューが出たときって「事例がないから自分のお客様には提案できない」と言う人がすごくたくさんいるんですよ。そうじゃなくて、精度が読めないなかでも試すべきかお客様と議論して、事例なんて自分たちで作りましょうよって伝えていました。実際のところ僕のお客様はβ機能でも積極的に取り入れてくれていましたね。

まこりーぬ:グ、グサリグサリときております。3つめもぜひお願いします(涙)。

松尾:3つめは、自分だけでなくチームとして成果を出せるようになろうという話です。お客様に対し、自分1人でできることとチームでできることには大きな差があります。自分だけが成長しようじゃなくて、うまくいっていることや悩んでいることをチームの集合知にしていく。そうすればチームとして大きな成果を上げられるようになりますよね。これは僕自身が個人事業主ではなくMOLTSという会社にいることを選んだ理由の1つでもあります。

まこりーぬ:なるほど。成果を出すチームとなるために松尾さんが意識されているポイントは、ナレッジ共有の他にもありますか?

松尾:役割を明確化する、一方で明確化し過ぎないバランスですね、矛盾するようですが。たとえばとある広告運用案件において、僕は基本的に戦略設計を担い、日々の運用は他のメンバーに任せます。しかし突発的な依頼がきてメンバーが対応できなければ、入稿などのオペレーションでも僕が手を動かすこともあるし、逆にメンバーから僕に対して「これって戦略からブレてませんか?」と声をかけてくれることもある。つまり役割の責任範囲は決めるけど、「これしかやっちゃいけない」「これだけやればいい」という発想にならないことが重要だと思っています。

まこりーぬ:たしかに、「これだけやればいい」という考え方って成長もできないし、広告代理店の離職率を上げている一つの要因になってしまっている気がしますね。3つのメッセージ、ありがとうございました!

大切なのは妥協せずにデータを掘り下げること、つまり気合と根性

まこりーぬ:広告運用者のあるべき姿もお聞きできたところで、松尾さん、ぜひ「広告運用の必勝法」を教えてください!!!

松尾:「気合と根性」って言ったら怒られますか(笑)?

まこりーぬ:なんと。意外な回答ですね(笑)。

松尾:「気合と根性」は決して冗談ではなくて、成果に影響する変動要素はすべて妥協せずに掘り下げることが必勝法なんじゃないかと思います。成果がよかったときって分析しない人が多いですよね。でもなぜよかったのか、もっと改善するためにはどんな手があったのかを深く考えるべきです。また、つい成果の悪い部分ばかりに着目しがちですが、他に伸びている部分があれば全体はよい方向に向かう可能性だってある。局所的ではなく全体をフラットに捉えて、なぜよかったのか、なぜ悪かったのかをしっかりとお客様と議論する状況を作ることがなにより大切だと思っています。

まこりーぬ:「気合と根性」という言葉は、出てきたデータに対して妥協せずに掘り下げようという意味だったんですね。広告費を1円も無駄にしない!というマインドにつながっているように感じました。…逆に失敗する場合の共通点はありますか?

松尾:目的がブレているときですね。「目的の明確化」ができていない場合たいてい失敗します。なんのためにやっているのか、誰に何を届けたいのかをちゃんと整理できている状態にすることが大事かと。

まこりーぬ:目的の明確化って、みんな頭ではわかっているけどできていないわけですよね。いったいなぜ明確化できていないのでしょうか?(涙)

松尾:どうしても経営者との距離が離れるほど「言われたことをやる」状況になってしまいがちなので、その過程で本来の目的が見えなくなってしまっているケースが多いと思います。新規顧客を獲得して将来的な利益を伸ばすことが目的だったはずなのに、気づけばCPAの議論しかしていないとか。もうなんのために広告出稿しているのかわからないですよね。

特に広告の管理画面を見ていると毎日アホみたいにいろんなデータが出てくるので、データ量に忙殺されて本来の目的を見失っていく傾向があります。最初は目的を理解していた人でも、途中からしゃべれなくなるパターンって多いんですよ。

まこりーぬ:大変よくわかります(涙)。自分1人でも目的を忘れないよう努めるべきですが、どうしても業務に忙殺されるタイミングってあるので、客観的に目的を振り返らせてくれるパートナーの存在を作ることも大事だな、と改めて思いました。

やりたいことはない。ただ周りの人に恩を返すだけ

まこりーぬ:最後に少し、松尾さんご自身についてうかがってもよろしいでしょうか。事業家視点を強くお持ちであると感じたのですが、これはどうやって身につけられたのですか?

松尾:新卒で入った会社での経験が大きいです。人財系の会社で、社長や人事部長相手の営業を1年半ほどやっていたんですよ。いまの時代だと減ってきていると思いますが、体育会系営業会社の働き方で、テレアポしながら1日4〜5件営業に回っていました。

結局「うちの商品買ってください」といっても売れなくて、「いまの御社の状況はこうですよね、こういうことができると課題解決になると思うんですけどどうですか?」と議論させてもらえた経営者や決裁者のところだけが受注できたんですよね。そうしているうちに事業家視点は鍛えられたのかな、と思います。

まこりーぬ:そんなご経験があったのですね!納得しました。非常にストイックな印象も受けておりますが、松尾さんを突き動かす原動力はいったいなんでしょうか?

松尾:いまは「2030年、頂の景色を見ながら、解散」というMOLTSのミッションに向かってちゃんとやろうと思っていますが、僕は基本的に1ミリも仕事をしたくない人間なんですよ(笑)。「宝くじが当たったら仕事を辞めます」ってずっと昔から言っていました。ただ根っからの負けず嫌いなので、同じレイヤーにいる人と比べられて「お前のほうがたいしたことねぇな」って言われたらムカつくんですよ。だからそういう風には言われないようにしているだけです。

まこりーぬ:なるほど。半端ない負けず嫌いでいまのポジションを確立されていらっしゃるのですね。…広告運用のお仕事を続けている理由はどうしてですか?

松尾:広告運用は始めて3ヶ月で飽きているんで、ずっと続けているのが自分のなかで奇跡ですね(笑)。それでも続けているのは、必要としてくれている人がいるからっていうのが大きいです。広告代理店は人財の入れ替わりが激しい業界なので、その中で実績を上げていれば周りはすごく評価してくれるし、ありがたいことに仕事の相談をいただく機会も多いんですよ。

やりたいことも特にない、飽き性でただ負けず嫌いな僕を生かしてくれているのは間違いなくいま周りにいる人たちのおかげなので、その人たちに少しでも恩返ししたい、貢献したいという思いで仕事を続けています。

まこりーぬ:「周りの人が求めてくれているからそれに応えよう」と思う感覚、大変共感します。松尾さん、本日はお忙しいなか貴重なお時間をいただきありがとうございました!

さいごに

広告運用に関わる人にとっては「グサリとくる…」「超共感する!」内容が多かったのではないでしょうか。私も広告運用に携わる1人ですが、松尾さんとの1番の差は、シンプルに「どれだけ自分ごと化できているのか」だと感じました。

また、いざお客様の事業成長を自分ごと化して考え成果を出すためには、やはり圧倒的な経験量、知識量が必要ですよね。個人でできることとチームでできることには大きな差があるというお話もありましたが、まさにチームであればより短期間で知識をインプットできるかもしれないし、ハードな経験も支え合っていけるのかもしれません。

広告運用者としてのマインドセットを見直すのはもちろんのこと、私はどうも個人プレイが多くなりがちなので、チームとして成果を上げることをしっかり意識したいと思います!(涙)

以上、まこりーぬがお届けしました!

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