ミテモ採用担当の重田です。
皆さんいかがお過ごしでしょうか?8月ももう少しで終わりを迎え、少しずつ過ごしやすい気候になってきたのではないでしょうか。
ミテモでは「教育とデザインの力で誰もが自創する未来をつくる」という言葉をビジョンに掲げて日々様々な取り組みを行っています。今日は、その様々な取り組みの中から、ミテモが取り組む地域共創事業の事例を1つ紹介させていただきたいと思います。
地域共創事業といっても、多岐に渡る事業を進めており、今回はその中でも地域に訪れる人を増やしたい、地域資源のファンを増やしたいという観点から取り組んだ一例となります。ちなみに、なぜ地域に訪れる人や地域資源のファンを増やしたいかという理由は以下となります。
・地域に訪れることで、地域経済へ寄与できる
・地域に訪れることで、目的以外の副産物とも関わる機会が創出され、地域を総合的に見ることができる
・地域資源の現場を直接見ることで、モノへの価値観が向上し、ファンになっていく可能性がある
・ファンになることで地域に自ら足を運び、繰り返し訪れるようになる
・場合によっては第2のふるさとになり、新たな視点を運ぶ「よそ者」にもなりうる
ミテモの地域共創事業についての詳細は以下のリンクより確認ください。
ミテモ地域共創事業概要→https://www.mitemo.co.jp/service/localproduce/
さて、前置きはこれくらいにして今日のストーリーの本題へと進みたいと思います。
今回は、私が定期的に足を運ぶ和歌山県和歌山市にあるニットの産地についての取り組みを紹介します。
まずみなさん、「ニット」と言うとどのようなイメージをお持ちですか?私は初めてニットに関わった時、ニット=ちょっと分厚くて手編みのマフラーやセーターなどの編み物をイメージしていました。もちろんこれが間違っているわけではないのですが、「ニット」=編み物全般を指すと言うことで、普段着ているTシャツやスウェットなども編んでできたものは「ニット」と言います。
和歌山は、丸編(まるあみ)ニット生地の生産量は全国第1位で、約4割 のシェアを誇ります。生機中心の受注生産だけでなく、染め上げまでの一貫生産を推進している全国屈指のニットの産地です。
ちなみに写真の画像が丸編をする機械になります。機械の説明をすると時間がかかるので割愛しますが、周りにある糸のロールから丸編機に糸が入り、そして真ん中下部に生地が編み上がっていきます。丸編機でできた記事の特徴は、寸胴のように生地が丸く繋がっており、機械のサイズによってその大きさが変わります。生地と生地を縫い合わせる目がないため、肌着などの着心地を重視するものでも良く利用されています。
ニットの技術的な話はここまでとして、改めてミテモが行っている取り組みについて紹介します。ミテモででは和歌山ニット工業組合青年部の有志と、雑誌編集社Beginさんが手がける「和歌山大莫小」とコラボレーションする形でこれまでも何度か取り組みを行ってきました。
「和歌山大莫小」は各ニット事業者の皆さんのそれぞれの強みや技術を活かした製品を作り出し、ユーザーだけでなく産地も笑顔になるようにとの想いがこめられた取り組みです。毎年、白Tシャツや黒スウェットなどシンプルな製品を各社各様の技術を用いた製品を発表しており、全国にファンも増えてきています。
ミテモはこの取り組みの中に「現地に訪れる」という機会を作ろうと現在取り組んでいます。
改めて地域が持続可能へと一歩を踏み出すためには、地域活性化の一丁目一番地である地域産業が賑わっていくことが大事です。製品が売れることも大事ですが、持続可能という視点を考えた時に、消費者が地域のファンになること、事業者のファンになること、要は「産地のファン」をつくることが大事だと考えています。
ではどのようにして「産地のファン」をつくるのでしょうか?
その1つの取り組みとして、7月の中旬に阪急百貨店うめだ店で実施したポップアップイベントと連携し、オンラインファクトリツアーを実施しました。
※オンラインファクトリツアーの様子
これまでも産地に足を運んでもらうために、現地での体験ツアーなどを数多くの企画を実施しましたが、興味を持ってもらえるもののなかなか集客がうまくいかないという事象がありました。集客がうまくいかない理由として、非常にニッチなジャンルかつ、近くない移動距離、そこを目掛けていくには情報や関係性が乏しいなど様々な要因が挙げられます。
幾度の失敗を経て、ファンを作る上でも関係性を作るにも順序が必要であるということを学びました。そこで、今回はまずは知ってもらうという一歩を進めるためにオンラインにてポップアップ会場と事業者の工場をつなぐ試みを実施しました。
オンラインでただ単に繋ぐだけでなく、事業者の方や阪急と共にトークセッションを企画し、モノの作り手が見えること、作り手の背景が見えること、作り手の想いを共有する場所として実施し、当日は買い物中に足を止めていただく方など多くの方に見ていただくことができました。
ファンを作るために、まずは認知をしてもらうための最初のステップは踏み出せたと思います。ただ、今回は1Wayな内容であったため、次回は興味を持った方をインタラクティブな場を作り出し、ファンになる機運をさらに高めたいと思います。この場をつくることは、ミテモの持つ教育とデザインの力を発揮できるポイントであり、いろんなステークホルダーが混じり合うからこそ関係性が醸成されるような場をつくっていきたいと考えています。実際に10月に実施予定ですので乞うご期待ください。
最終的には直接地域に訪れるファンを増やし、そこでまた新たな関係性や仕事が生まれる創発を期待しています。質の高いファンが増えることで、地域の持続可能に貢献できると信じ、引き続き産地のファンをつくる取り組みを続けていきます。
ここに書いている部分は本当に触りの部分ですので、是非興味を持たれた方はご連絡ください。
重田