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感情が動かなければ、人は行動しない。
ゴールデン・サークル理論のサイモンさんもそう言ってます。
言語や論理を理解する大脳新皮質に情報を届けても人は行動しない。行動を引き起こすには、感情をキャッチする大脳辺縁系に届けろとね。
大脳辺縁系は動物脳。つべこべ言わず、相手の感情を動かして反射で行動してもらえってことです。
だから大事なのですよ…
プレゼンが!!!
プレゼンはコミュニケーションをデザインする技法。行動を促すコミュニケーションの設計のすべてが詰まっています。
どうもこんにちは、福本です。
今日はプレゼンのお話です。
クソ長いよ。
目次
・このブログを最後まで読んでくれた人へのお約束
・ちなみに、みなさんのプレゼンはどんな感じっすか?
・論理ではなく感情に訴えかけるプレゼンのコツ
・ダメダメな僕のプレゼン体験記
・失敗を繰り返す中で見えてきた3つの課題
1.プレゼンを点の集合ではなくストーリーで構成すること
2.プレゼンターが英雄を気取らないこと
3.聴衆が買いたいモノは時間という視点
・結局どうすれば上手いプレゼンができるの?
・プレゼンのお作法取扱説明書
1.ゴール
2.現状
3.失敗談
4.課題
5.解決策
6.論理
・さいごに
このブログを最後まで読んでくれた人へのお約束
このブログを読んで頂けてるということは、
少なからずプレゼンのお作法に興味をお持ちですよね?
僕の場合、社会人になってからプレゼンをする機会がものすごく増えました。だからすごく興味がある分野です。
自分の仕事も相まって、これまでたくさんの老若男女のプレゼンを見てきましたし、自分自身たくさんのプレゼンをしてきました。目の前に座るたった1人に届けるプレゼンから、数百人に一斉に届けるプレゼンまで。
ありがたいことに、それで大きなお仕事を頂いたりビジコンのような場でもいくつも賞を頂いてきました。
場数をこなしていけば、プレゼン経験が少ない人との差は生まれますし、プレゼンのお作法について聞かれることも多くなってきます。
どうやってプレゼン作ってるんですか?
僕もたまーに聞かれるので答えられる範囲でお答えしますが、
プレゼンの大事な部分ってなかなか伝えられないんですよ。
聴衆が何人だろうがプレゼンの根本が変わることはありません。要は、行動してもらいたいことをメッセージに落とし込んで、スライドにまとめるだけ。
だから大事な質問は、
あなたが行動してもらいたい人は誰?
となります。
この「誰?」に合わせて作ることが大事なんですよ。
とだけ伝え、その場からササッと逃げようとすると、
それが分からんから聞いとんねん!!ちゃんと教えてくれや!!!
と、ドヤされます。特にうちの若手から。
今後、二度と同じことを伝えないで済むように、このブログでチャレンジしたいと思います。
プレゼンの大事な部分を言語化するチャレンジを!
もちろん前提が変われば、内容も変えなければなりません。
たとえば、あなたが自社のプロダクトのプレゼンを通して、顧客に行動してもらいたいとします。
この場合、あなたという「個の力」を全力で使ってしまうと、顧客が行動する理由があなたになってしまいます。
つまり、モノの価値は高まりません。
モノの価値を高めるためには、個の力をおさえ、価値の伝え方を統一して固定化するという方法が必要になります。
しかし、モノの価値が伝わっていない段階や、ツイッターで自分をブランド化しようとする場合などで個の力を全力で発揮するべきです。
たとえば、
モノ = あなた
このケースでは、全力で個を出す方が行動してもらえる確率が高まるのも事実です。行動してもらってから価値が高まることなんてザラにありますから。
そして、
このブログはツイッターでじぶんをブランド化することがテーマ。
なので、今日は個を最大限に活かすプレゼンのお作法を書きます。
とはいえ、
行動して欲しいことをメッセージに落とし込んで、あなた自身が伝える。
本質的に、このプレゼンの定義が変わることはありません。
これまでプレゼンに苦手意識を持っていた人や、決まった型を持っておらずプレゼンの結果にムラがある人にこそ読んで頂きたい。
このブログを読み終わったときには、聴衆に行動してもらえるあなただけのプレゼンを、戦略的に作ることができるようになっていることをお約束します!
ちなみに、みなさんのプレゼンはどんな感じっすか?
まずはみなさんに質問です。
そもそもみなさんはプレゼンをどうやって学びましたか?
そして、
自分なりのプレゼンスタイルってお持ちですか?
この2つの質問に、自信のある回答はできましたか?
はい!はい!俺、俺ー!!!
という方、素晴らしい。
それが一番自分にあった正しい方法です。
わざわざ僕の変なブログを読む必要はありません。このブログに「スキ」をつけて、離脱して頂いて結構です。
自信を持って回答できなかった人だけ、読み進めてください。
先日のプレゼンツイートに対する反応を見る限り、僕の印象はプレゼンに自信を持てず、なんとなくやってきた人が多いんじゃないかなーということです。
そういった人の中にはこれまでプレゼン本などの媒体から、情報をたくさん得てきた方もいるでしょう。
しかし、こんなにもプレゼンに関する情報が溢れている世界で、
なぜいくら学んでも上手くできないのでしょうか?
この問題の原因は、人間にとって盲点となるところにあるのです。
ひとつ実験してみましょう。
では…
右手でほっぺたをポリポリと掻いてみてください。
かんたんでしょ?ポリポリと掻けましたか?
それでは次。
どうやってほっぺたを掻いたか説明してください。
ん?
と思われたかも知れませんが、がんばって説明してみてください。
えーっと… 右手をほっぺたに近づけて、人差し指と中指を軽く2回折り曲げて掻きました。
お見事です。そのとおり。ほとんどの人はその動作を行います。
しかし。
実際はそんなことを意識せず、何となく「掻く」という動作を行いませんでしたか?
そうなんです。僕がここで伝えたいことは、上手いプレゼンができる人たちは、無意識で上手いプレゼンができるような型がもう、カラダに染み込んでいるということ。
その型を無理やり言語化したものが、あなたがこれまでに学んできたプレゼン方法です。
えーっと… 右手をほっぺたに近づけて、人差し指と中指を軽く2回折り曲げて掻きました。
これと同じなんです。無意識の動作を意識的に言語化されたことを通して学んでも、同じように上手くできるようにはならないよということ。
わざわざ言語化しているわけですから、余計に混乱します。混乱しないように書けば書くほど、必要なエッセンスが削ぎ落とされていく。
つまりプレゼンは、
言語化できないけど、どうやるか知ってること
に分類される動作なのです。
言語化できないけど、どうやるか知ってることは、俗に「スキル」と呼ばれています。カラダに染み込んでいるプレゼンのお作法も広義の意味では、「掻く」という動作と同じスキルです。
スキルを言語化できるのであれば、今頃世の中はプロフェッショナルで溢れているはずですよね。
でも現実はそうじゃない。
本になっている時点で、
言語化できてどうやるか知ってること
になります。
つまり「マニュアル」です。
マニュアルをみれば確かにできるようになります。言語化できていることだけは確実に。
しかし言語化の壁を乗り越えない限り、上手いプレゼンが無意識に実行できるスキルとして身につくことはありません。
言語化の壁を乗り越えるための方法に、場数を踏むという概念が存在します。失敗を繰り返す中で気づきを得て上手くなる。
それはたしかにそうなのですが、実は正しい型で場数を踏むことで最短でスキル化を実現することができます。
ここまでが、どれだけプレゼンを学んでも上手くならない原因です。
ではその上で、どうすれば上手くなれるのか。
大事なことはここから。
だからまずは、魚をイメージしてください。
あなたはどんな状態の魚をイメージしましたか?
太陽の光にキラキラ反射ながら水の中を泳いでいる美しい魚
OR
お刺身
まず宣言しておきたいのが、僕がこのプレゼンブログで目指したいことは、「水の中で泳いでいる美しい魚型のプレゼン」であるということです。
決して「お刺身型プレゼン」ではありません。
良い食材をキレイに並べることも美しいしおいしいのですが、お刺身になった時点で魚としてはもう死んでますからね。本来の魚のイメージからはかなり乖離したものになります。
あなたのプレゼンに命をぶち込みましょう。
身体性を五感でビンビン感じられるようなプレゼン。その方法をここから先で説明します。
論理ではなく感情に訴えかけるプレゼンのコツ
スキルがマニュアルになった時に失われるもの。
それが、感情です。
あなたが読んだプレゼンマニュアルに、
感情の動かし方は書いてありましたか?
そもそも感情ってなんですか?
それは僕にも分かりません。
ただひとつ分かっていることは、論理だけで人は動かないということです。これまで何千回と身をもって体験してきました。論理的に正しいことが伝わって納得までしてもらえたのに、行動してもらえないという経験です。
みなさんにも同じような経験はありませんか?
実は、論理の使い所はただひとつしかありません
それは、
プレゼンをすでに受入れてくれた人が、自分で決断したことをあとで正当化しやすくするために用意してあげるもの。
論理の見せ場は唯一ここだけなのです。
※ 論理だけで納得してくれてGOサインを出す人は、あなたの熱量に対して行動してくれた人でありません。つまり、責任感と行動に対する所有感が低い可能性があります。論理がひとつでもズレていたら、あとで責任をなすりつけられる可能性があるのでご注意を。
もちろん論理を入れるなという話ではありません。
論理だけでプレゼンを構成するなという話です。
プレゼンの事後の用途によっては論理を多めに入れたり、柔軟な対応をしなければいけません。
しかし、動いてもらうためには感情が必要なんです。
論理をいくら並べたって、プレゼンを聞いた人に動いてもらえなければ時間泥棒ですよ。
だからプレゼンは、
意図する通りに動いてもらえたどうかとの戦いなのです。
プレゼンはスキル。本を読むだけでは上手くならない。なぜならほとんどのプレゼン本には、言語化できる論理しか書かれていないから。
だから本を読んでも上手くならない。
そしてここまで僕が大風呂敷を広げてきたことにお気づきでしょうか。
内心ヒヤヒヤしております。
なぜなら、プレゼンはスキルだから言語化できないんだ!と主張する一方で、このブログで言語化しようとしていますから。
書きながら破綻しないかとヒヤヒヤもんですよ!!!
しかし、僕は最後までチャレンジします。
ひとりでも多くの人に、見応えのあるプレゼンをできるようになってもらいたい。
その一心だけで、最後どうなるかわからないまま筆を進めております。
意図する通りに動いてもらえたどうかとの戦いに勝つ。
これがプレゼンの目的。
と、ここまで偉そうに書いてきましたが、何を隠そうこの戦いにいつも負けていたのが
僕なのです。
ダメダメな僕のプレゼン体験記
起業当初の四畳半あるかないかのスペースで、ノープランで起業したアホ。
それが僕。
だから自分にとって、プレゼンは生死を分かつ重大なイベントでした。なぜなら、プレゼンを聴いてくれた人が契約という行動を起こしてもらえなければ、生きることができませんでしたから。
来る日も来る日も夜中まで、Keynoteを叩いてプレゼンを作る日々。
誰にプレゼンを教わるでもなかったので正しいやり方が分からず、上手くいかない自分のプレゼンにいつも嘆いていました。
プレゼンって一体全体どうやってやんねん!!!
僕には営業の経験があります。そして営業の成績も良かったです。
しかしなぜか起業してからは、
自分がやっているのは「営業」ではなく「プレゼン」なんだ!
と、わけのわからない考えを持っていました。
カッコつけた資料ばかり作って、何が言いたいか全く分からない。契約をしてもらうというより、
カッコいいプレゼンだと言ってもらうこと
が目的になっていましたね。
いま考えてもマジで謎の行動です。
当然、そんなプレゼンですから伝わらないから動いてなんてもらえない。
それで死ぬーって嘆いている状態。
本当に謎の負のループの中で悶々としていました。
当時、プレゼンに関する本はたくさん読んでいました。そしてほとんどの本に書いてあったのは構成や論理の使い方ばかり。
本を読んで何度も改善を繰り返しましたが、
全く人は動いてくれませんでした。
メリットもデメリットも分かるんやけどなー
なんか納得できない感が残るねんなー…
僕のプレゼンを聞いた人がおっしゃるのはいつもコレ。
なんやねんその納得できない感ってのは!!!
もっと具体的にーーーーー!!!!
という具合。
当然僕たちは無名ですし、無形の自社商材にこだわってセールスをしていました。そういう背景がある限り、納得できない感を生んでいるんだと、半ば変な理屈をつけて上手くいかないことへの責任転嫁をしてたゴミ状態。
そうこうしながらも、
刻一刻とお金が尽きていくカウントダウンは進みます。
何が原因かを探るために、死に物狂いで毎日プレゼン・プレゼン・プレゼン。
さらに自分だけ売れるようになっても意味がありません。同僚も同じことができるようにならないと、これまたGO TO HELL。
再現性があって、人を動かすことができるプレゼンの型を一体どうすれば作ることができるのか…
そんなある日…転機がやってきました。
TEDでこの動画を見つけたのです。
またでてきました。サイモンさん。もうかなり有名ですからみなさんもご存知ですよね。
この動画をみて、全部自分が間違っていたことに気づきました。
納得できない感の「感」は感情である。
感情が動かなければ人は行動しない。
つまり、感情を全く動かせていなかったのです。事実がどれだけ良い結果だろうが、感情が伝わらないと誰も行動してくれない。
ゴールデン・サークルで言うところの、
Whatばっかり伝えてたんですよ。
動画の中の一文を引用すると。
アップルには、iPhoneという製品があります。iPhoneは美しくデザインされ、簡単に使える親しみやすい製品です。ひとついかがですか?
こんな感じです。Whatだらけ。全然欲しくならない。
これをWhyから伝えようというのがゴールデン・サークル理論。
我々のやることはすべて、世界を変えるという信念のもとに行っています。なぜなら違う考え方に価値があると信じているからです。私たちが世界を変えるための手段。それは美しくデザインされ、簡単に使える親しみやすい製品たちです。そしてこれらすべてを実現してできたのが、iPhoneなのです。
なんじゃこりゃーーー!!!
やってみたい!!!
衝撃を受けましたね。
善は急げと動画のキモとなる部分を日本語で書き起こして、間・テンポを意識しながら特訓・特訓・特訓。
カラダが覚えたら、即実践。
すぐに試してみたかったので、とりあえず集客したい人に向けたゴールデン・サークル理論の宣教師的スライドを作りました。
品質の良さを伝えるのではなく、ゴールデン・サークルに則って情報を伝えてみませんか?という内容です。
スライドが出来たら、すぐさま外に飛び出して実践で特訓・特訓・特訓。
するとすぐに反応が返ってきました。
何を売ってるか知らんけど、キミが売ってるもん買わしてくれ!
文字通り、宣教師的に伝え歩いていたので、商品の設定をしていないというこれまた謎の行動でしたが、話を聞いてもらった人から、この言葉が続々と飛び出してきたんです。
サイモンすげぇーーー!!!
僕はまだ生きられるという安心感に満たされながらも、すぐさま自社の商品にゴールデン・サークル理論を反映しました。
同僚にも自分が話してる動画を見せて実践させてみたところ、全員が成約率90%以上と恐ろしい数字を叩き出せるように。
当時の自社製品が小さなトレンドにのっていたことと、価格が安かったことも少なからず影響していますが、プレゼンに対して強い自信を持つことができたのは事実。
これらプレゼンの原体験を通して、僕はものすごく多くの学びを得ることができました。
特に学びとして大きかったのは、より多くの人に行動してもらうためには、ゴールデン・サークル理論の粒度を細かくする課題があるということ。
そこで次は、僕が失敗を繰り返す中で見えてきた課題についてまとめます。
失敗を繰り返す中で見えてきた3つの課題
これまでたくさん失敗をしてきました。
数をこなしていると上手くいく方法も分かってくるもの。しかし、自分の発想にない新たな気づきを得る時はいつも、
想定していたプレゼンの流れから脱線したときです。
話が脱線しても流れに身を任せ自然に話を進めることで気づいた、プレゼンにおいて押さえるべき3つの大事なこと。
場の流れに身を任せて気づいた3つの大事なこと
1.プレゼンを点の集合ではなくストーリーで構成すること
2.プレゼンターが英雄を気取らないこと
3.聴衆が買いたいモノは時間という視点
ひとつずつ説明します。
1.プレゼンを点の集合ではなくストーリーで構成すること
実は、プレゼンに置いてこれがすべての根幹になります。
話が脱線する時というのは、場の空気をみて今伝えた方が効果的なことに自分が気づいている状態。つまり想定していなかったけど聴衆が求める話と言えます。それが新たな「線」となって見えてくるのです。
なにも脱線してくださいという話ではありません。
実際に声に出して臨場感のある中でプレゼンをしていると、
あっ伝わってないなと感じることはないですか?
ひとつひとつのスライドが独立した「点」になっている時によく起こる現象で、一連の物語としてプレゼンが機能していないのです。
最初から最後までが一連の物語として機能しているかどうか、プレゼンを作る段階から声に出してストーリーとして作っていくということが、ここで伝えたいこと。
プレゼンは点の集合ではなく、ひとつのストーリーでなければなりません。
ひとつの一貫性のある物語としてプレゼンを構成して伝えます。当然、物語ですから感情の浮き沈みは発生しますし、それも含めてのプレゼンです。
人間は大事なことをいくつも覚えられません。
伝えたいことすべてを大事なこととして伝えるから、最初の方に伝えられたことはほぼ忘れてしまいます。だから聴衆は忘れないためにメモをとる。で、スライドの展開がはやいからメモできない。
これが一番ストレスになり、感情が動かない要因になります。
「教育とは、学校で学んだことを一切忘れてもなお、覚えているもの。」
アルベルト・アインシュタイン
プレゼンが目指す形はこのアインシュタインの言葉。枝葉は忘れられてもいいのです。ひとつだけ本当に伝えたいことが伝わっていれば。
あなたは映画を観る時にメモをとりますか?
でもいい映画は何がいいか覚えているでしょう。それと同じです。
あなたが全部伝えたいと考えているそれぞれの「大事なこと」は、物語でいうところの、
ドラマ
です。
ドラマには、劇的な出来事という意味があります。
つまり「Aが、ドラマの結果、B」に変わるということ。
全部を伝えたいプレゼンは、休まることのないドラマが連続の映画なのです。そんなしんどい映画に、感動する暇なんてないですよ。
聴衆を生き地獄に陥れたいのですか?
プレゼンも同じです。本当に伝えたいことはひとつに絞り、プレゼン全体をひとつのストーリーで構成するしかありません。
またストーリーとして構成するということは、
スライド間をどんな言葉でつなぐのか。
も意識しなければなりません。
場面転換の妙技なくしてストーリーは成立しないから。
スライド間のつなぎの言葉を軽視する人が多いのですが、これを忘れるとすべてが台無しです。
だから声に出しながらスライドを作ることが大事なのです。
ストーリー間にちゃんとハシゴがかかっているか。平坦な話ばかりしていないか。声で伝えることをスライド内にダラダラ書いていないか。
しっかり確認しましょう。
まとめ
枝葉の話は本当に伝えたいたったひとつの大事なことの脇役!伝えたいことをひとつに絞り、声で伝えることはスライド内にダラダラと書かずに、声に出しながらストーリーとしてのプレゼンを構成する!
2.プレゼンターが英雄を気取らないこと
質問です。
あなたはプレゼンターとして聴衆全員から憧れられていますか?
あなたに憧れていない人がひとりでもいるなら、英雄を気取ったプレゼンをするのはかなりリスキーな選択です。
なぜなら、
プレゼンはストーリーだから。
ストーリーには脚本が必要で、
脚本のもっとも大事な役割を担うのがキャラクターです。
あなたは主人公としてのキャラクターになるのです。
主人公は、物語の中で一番大変な目に遭う人のこと。
つまり、一番大変な目に遭っているあなたというキャラクターを聴衆に共感してもらい、あなたの視点からプレゼンを観てもらわなければいけません。
すでにあなたが、聴衆から多くのポジティブな認知を獲得している存在であれば英雄になってもいいでしょう。
しかしそうではない場合、聴衆は全く感情移入できません。
英雄じゃなければどんなキャラクターでやればいいんだ!!!
そうなりますよね。ご安心ください。
他にどんなキャラクターがあるのか紐解いてみます。
12年前、僕は半年ほど脚本を書く学校に通っていました。そこで物語の骨格である脚本の世界には、キャラクターは4種類のタイプしかないと僕は学びました。
まとめるとこの4つです。
主人公キャラクターの4タイプ
1.英雄
2.普通の人
3.負け犬
4.罪深き者
英雄・普通の人・負け犬・罪深き者。それぞれのタイプに特徴があり、苦難を乗り越える過程でキャラクターは成長し感動を生みます。
キャラクターについてわかりやすく解説してくれている本を新たに手に入れたので、各キャラクター毎の特性を本の内容から引用します。
「英雄」型の主人公
読者に対して優位に立ち、読者に尊敬の念を抱かせる。完璧な人間ではないかもしれないが、自分の能力に自信があり、迷わず行動を起こす。読者は、英雄型のキャラクターを見て「私と同じだ」と思うのではなく、あんな風になりたいと憧れる。
「普通の人」型の主人公
読者と対等の関係を持つ。読者はこの型の主役に自分を映し見るので、共感が発生する。主役の欲求に共感し、主役が必要としているものも理解できる。自分に対する疑念や、限界、行く手を阻む障害を乗り越えようと苦闘する。
「負け犬」型の主人公
読者に対して下位に立つ。ヒーローらしからぬヒーローであり、運が悪い。敵対する勢力に対して勝ち目がなく、どうしていいかわからない。だから、読者はそのような主人公を守ってあげなければと思う。同情、称賛、緊迫感を得やすい。
「罪深き者」型の主人公
アンチ・ヒーローという呼び名でも知られており、読者とは正反対のタイプ。行ってはいけない方向に曲がり、行ってはいけない道を選ぶキャラクター。道徳的に問題があり、人間性の位面を代表するような人物。誰でも暗い部分を垣間見たいと思っているので、このようなキャラクターは魅力的に映る。
いかがでしょうか。実はキャラクターにはこのような設定があるのです。
人前でプレゼンをするときには、どうしても「英雄」を気取ったプレゼンをしてしまうんです。
誰でも恥をかきたくないし、憧れられたいから。
わかります。カッコつけたい気持ちは痛いほどわかるのですが、
プレゼンをしているのは、聴衆からするとカッコよくないあなたです。
あなたはすでに多くの認知を獲得していて、格の高いメディアなどから取り上げられていますか?
もしそうではない場合、冒頭から英雄を気取ったプレゼンをすると聴衆は耳をふさぎます。最後に英雄になれればそれでいいじゃないですか。
じゃあ「普通の人」でやればいいの?
実は、そうでもないんですよ。
普通の人は、プレゼンの聴衆と対等な立場なのです。すべての聴衆に行動してもらうためには、ひとりも取りこぼさないように聴衆よりもさらに下位に立つ必要があります。
つまり、
「負け犬」型の主人公になるのです!
負け犬キャラクターでストーリーを作り込み、聴衆からの同情を得る。そうすることで聴衆よりも下に潜り込む。
自分よりできない奴にもできたんだから自分にもできる!
聴衆にはそう感じてもらって、全員の感情を底からかっさらって、引き上げていきます。構造的に4つのキャラクターのイメージを分類してみました。
強く成し遂げたいと考えていることを信念と表現し、信念が顕在化しているか潜在化しているか。
そしてドラマが自分から動いて発生しているのか(能動)、意図せず発生してしまってから動くのか(受動)で分類しています。
負け犬型の主人公にも、強く成し遂げたいことはある。でも自分が考える行動がすべてが裏目に出てしまう。そこに同情が生まれます。
そひてある日意図せず降ってきた、目の前のでかい問題に立ち向かわなければならなくなります。
襲いくる苦難をなんとか乗り越えたことで、聴衆から称賛される。
負け犬とはこのようなキャラクターです。
最近で言えば「カメラを止めるな」という映画は、二重構造の負け犬型の主人公だと僕は考えています。
映画の主人公が負け犬型なことはもとより、映画自体を擬人化して考えると負け犬型のプロモーションを行っています。低予算。無名俳優。単館上映などなど。
苦難を乗り越えていまものすごいことになっていますよね。
キャラクターの構造は人であろうが人でなかろうが、どんなものにも応用できます。
負け犬型プレゼン、ここに勝機ありです!
まとめ
英雄になるな!つねに負け犬であれ!
3.聴衆が買いたいモノは時間という視点
あなたのプレゼンの聴衆がほしいのものは一体何でしょうか。
新たな気づき?
ソリューション?
映画であれば分かりやすいですね、観客は感情が上下する体験にお金と時間を支払っています。
ではプレゼンは?
実は、聴衆はあなたから時間を買っているのです。
時間??
そう、時間です。
本来聴衆が、自力で苦難を乗り越えなければいけなかった時間です。
たとえば、Aという商品を買う顧客を例にしてみましょう。
顧客がAという商品を購入する理由は、購入することですぐに解決したいことがあるからですよね。
もしAを購入しなければ、解決したい困り事があって、自分で手当たり次第に行動し、失敗を繰り返し、課題をみつけて、ひとつずつクリアしてようやく手に入るのが、Aを購入することと等しい解決策です。
つまり、顧客がAという商品を買う理由には、自力で解決策にたどり着くために苦難を乗り越えるという時間が含まれています。
なぜわざわざこのような言い換えを行っているかというと、
プレゼンの役割が明確になるからです。
聴衆は商品に魅力を感じているわけではなく、あなたが苦難を乗り越えてきた時間に魅力を感じています。
では商品をより魅力的にするためには?
そうです。
プレゼンによって苦難時間の価値を高めるしかないのです。
そう捉えると、シンプルじゃないですか?
なぜなら、あなたの苦難の物語を最大化させればさせるほど、聴衆が自力で乗り越えなければならない苦難も多くなるから。
つまり。
「時間価値」を大きく見積もってくれるということです。
かんたんに言えば、
苦難乗り越えるのめっちゃしんどかったで!
ということを表現するだけ。
そうすれば、あなたが最終的に行動してもらい対象(商品etc.)の魅力は高まるのです。
だから、プレゼンにおいては本当なら秘密にしておきたい方法を、絶対に出し惜しみをしてはいけません。
秘密のテクニックをすべて伝えて、聴衆があとで自力でできそうだと感じてもらうことがコツ。
でも、全部を伝えたら誰も買ってくれないんじゃないの?
そう思いますよね。
おもしろいのはここからです。
あまりの苦難の量に、答えを知ってもほとんどの人は真似しません。
やり方はわかったけど実際やろうと思ったらめっちゃ大変…
簡単には真似できない…
この真似できない痛みが最大化したときに、聴衆の心の中にひとつの変化が訪れます。
もっとカンタンにできる方法ないんかな…
そこで、お待たせしましたとなります。
実は、それがあるのです!!!
ここでようやくあなたが本当に伝えたかった、
たったひとつのメッセージ
が登場します。
これまで聴衆のみなさんが抱える課題を解決するための方法を、包み隠さずお伝えしてきました。しかしいざ実践しようと思うと、めちゃくちゃ大変で行動できるイメージが湧かない…
そうなると思ってました!!
なので今回、こんなものを用意してみました。
こちらの商品は、みなさんが私と同じ苦難を乗り越えなくてもいいように、誰でも、かんたんに、一瞬で、目的を実現できることを願って作られたものです!おひとついかがでしょうか?
という具合に大げさにするときな臭くなってしまうので、流れだけ覚えておいてくださいww
ここで僕が伝えたいことは、苦難なんてわざわざ乗り越えなくても、たった一瞬で解決できる方法を提供してあげること。
それがあるから人は行動してくれます。
なので、プレゼンを聴いてくれた聴衆に、本当に覚えて帰ってもらいたいことは、このひとつだけと言っても過言ではありません。
まとめ
聴衆は時間を買いにきてる!秘密のテクニックを包み隠さず伝えて苦難の時間価値を上げろ!
結局どうすれば上手いプレゼンができるの?
結局、そこですよね。
そして今回もまた長いブログになってしまいました。色んな角度から書いてきましたし、最初の方に書いていたことは忘れてしまったかも知れません。
がしかし、
ここまでのすべてを忘れてしまっても大丈夫です。
いえ、むしろすべてを忘れてください。
僕がこのブログを通して伝えかったたったひとつのこと。
ここまでのすべてを1枚の図にまとめました。
感情の話、ストーリーの話、キャラクターの話、時間価値の話。
もうそんなことどうでもいいです!
この図の通りにプレゼンのストーリーを構成し、そのまま声に出して伝えるだけ。
それだけで大事なことがすべて押さえられている、あなただけの「水の中で泳いでいる美しい魚型のプレゼン」ができるようになります。
それでは御覧ください。
実は、たったこれだけなのです。
ここまでのすべてを一度でも読んだ方であれば、頭のどこかにはなぜこれが必要なのか、その原理がインストールされています。
だから本当にこの通りに作るだけ。難しく考えなくてもこれまでに説明してきたことを感覚的にすべて押さえられます。
だからこの図は、
ここまで長い文章をお読みいただいたみなさんへのプレゼントです。
途中離脱した人や、ここから読んでも、根本がインストールされていなければ、使いこなすことができません。なのでここまで読み切ったみなさんは、自信を持ってください。
本当にこの通りにやるだけです。
なぜなら、僕が考えるスキルを最短で修得するコツは、言語化されたことを頭に入れたらアンラーニング(学習棄却)することだから。
学んだことを一度すべて捨てるのです。
捨てることができたら、無意識に学びを出せるように構成された型を使って実際にやってみること。たったそれだけでスキル化を最短で実現することができます。
この図の取扱い説明書だけ最後にサクッとまとめておきますね。
プレゼンのお作法取扱説明書
1.ゴール
ここで伝えるのは、あなたは何を目指しており、そもそもなぜこのプレゼンを行っているのか、プレゼンを聴き終わった聴衆がどのような理想の状態になれるのかを伝えることができれば達成です。
ゴールを伝えることで聴衆の心の中では、期待に対するポジティブな感情が膨らみます。
2.現状
現状で伝えることは、ゴールと乖離している聴衆の現在について。
聴衆にはゴールを目指そうと伝えましたが、大事なことはまず現実を直視してもらうこと。現状をあえて再認識してもらうことで、理想と乖離していることへの痛みが膨らみます。つまり落差があればあるほど効果的。
ここで生じた痛みが、聴衆が耳を傾けくれるキッカケとなります。
3.失敗談
ゴールと現状を伝えることで理想と現実が乖離していることを認識してもらえました。すると聴衆の中で次に起こる変化は、すでに理想の状態を実現している、
プレゼンターと聴衆の間で心理的な距離が生まれるという変化。
あなたは聴衆との心理的な距離を埋めるために、あなた自身がゴールに向けて行動する過程で体験してきた失敗談を伝えるのです。
そう。あなたの負け犬ストーリーです。
実は、自分も昔はみなさんと同じ状態だったんですよー。ということを失敗談としてストーリーで表現します。すると、プレゼンターと聴衆の心理的距離は徐々に近づいていきます。
失敗談のキーワードは、聴衆よりも下位に立つということ。負け犬型の主人公になることで、生まれる同情と緊迫感。
決して英雄になってはいけません。
聴衆が感じていた理想と現実のギャップが一転、あなたの失敗談に自分を重ねるようになり、自分よりもダメダメだったプレゼンターへの同情が芽生え、感情移入を生み出します。
4.課題
負け犬が苦難を乗り越え成長していくストーリーに人は惹かれます。「課題」では、あなたが失敗を通して気づいた課題を聴衆に伝えましょう。
どのような課題を設定すればいいのか。
押さえるべきは他では得られない新たな気づきを与えること、そして実行可能なことです。
失敗談でプレゼンターに重ねていた感情を、自分でもやれそうだという期待を持つことで再度ポジティブな感情を持って自分自身に向け直してくれます。
ゴールの話を聞いた聴衆のポジティブな感情と少し違うのは、これさえやればいいんだという安心感が生まれていること。そしてここから聴衆の中で最後の変化が生まれます。
やればいいことは分かった!
でも…
やっぱり自分でできるか不安。自分だけできなかったらどうしよう。もう忘れたかも。面倒くさい。もっとカンタンにできないか。
などの聴衆の自己保存が働きます。そこで最終の提案を行うのです。
あなたが本当に伝えたかったたったひとつのメッセージを。
5.解決策
これまで色んなことを伝えてきましたが、
みなさんはもうこの課題を乗り越えなくてもいいのです。
なぜなら私が再現性のある方法にまとめたから。何も考えなくとも、誰でも、一瞬で同じことをできるようにしています。
と伝え、聴衆の背中を押してあげます。
つまり、あなたが苦難(課題)を乗り越えてきた時間をすべて詰め込んだ、たったひとつの解決策を伝えるのです。
この時、解決策の抽象度が高い場合、四象限で整理して追加説明してあげることも重要です。
ここまで提供できてはじめて、本当にこれをやるだけでいいんだという安心感を聴衆は持つことができます。
いよいよ、最後のひと押しで行動してもらう準備は完了です。
6.論理
最後は論理です。プレゼンでの論理の定義を覚えていますか?
プレゼンをすでに受入れてくれた人が、自分で決断したことをあとで正当化しやすくするために用意してあげるもの。
そうです。
聴衆が行動する決断をしたことを正当化するための論理を伝えましょう。
このような理由を全部押さえているから、本当にたったこれだけをやれば大丈夫なんですよということを伝えます。
解決策の補足する解説を行ってあげることがベターです。
そしてストーリーの臨場感を落とさないために、最後にもう一度。
声に出して伝えることをスライドに内にダラダラと書かない!
プレゼンブログは以上です!
さいごに
今回もたくさんの文字をお読み頂きありがとうございました。
僕はいつも今回お伝えしたプレゼンの型を使っています。プレゼンをするときはもちろん。営業をするときも、ツイッターをするときも、ブログを書くときも。
これはすべての人に有効な方法だ!
なんてそんな偉そうなことは言えません。
が、少なくとも、実績がまだあまり多くない、まだまだ無名な人が自分のメッセージを伝えたい時に、効果的に使える型だと信じております。
本来、言語化できないスキルとしてのプレゼン。
今回の僕のスキルを言語化するというチャレンジは、先程お伝えしましたとおり、実際にこの型を使ってプレゼンを実践して頂き、
上手くいったよ!
という声を聞かせて頂いてはじめて達成することができます。
だからこそ、ぜひ一度試してみてください!!!
感想待っています!!!
ところで。
みなさんは、お気づきだろうか?
このブログ自体がプレゼンのお作法に則って構成されていたことに。