今回は谷口先生にインタビュー!薬剤師人生、現場一本でやってきたという谷口先生の「仕事の流儀」とは?人生のターニングポイントではどんなことが?
現場一筋でやってきた、その想い
―――本日はよろしくお願いします!
よろしくお願いします!薬局事業部の統括役員をやっています、谷口優一です。現在は津市にあるあおぞら薬局という店舗で勤務しています。大学卒業後、ちょうど22・23年くらいになりますね。卒業してから今までずっと、町の薬局の現場一本でやってきました。
ーーー薬局現場一筋との事ですが、それには何か理由があるのでしょうか?
その当時の時代背景もあったのですが、メーカーや病院勤めというのがあまり好きじゃなかったからですね。今はそうではありませんが、昔は病院と薬剤師の距離が遠かったんです。メーカー勤めを選んでも、営業先が病院でした。どうしても患者さんとの距離があったんですね。僕はなるべく薬局に買いに来られる方と直接触れ合えるような仕事をしていきたいという想いがありました。だから現場一筋なんです。この思いはこれからも変わらないと思っていて、生涯現場で患者さんと近い距離で働きたいですね。
ーーー患者さんとの触れ合いを1番大切にされているんですね!
そうですね!薬を扱う専門職である私たちは、お医者さんと患者さんの橋渡し的な役割があるんです。直接私の言葉で説明して届けてあげたいですね。また、何とか地域の人のためになれる仕事をしていきたいです。
ーーー橋渡しなんですね!重要な役割ですよね。薬剤師になられたのも、その役割にひかれたのでしょうか?
まず、おじが薬剤師で薬局を何店舗も経営している経営者だったのがあるかなと思います。そのおじが小さい頃から色々よくしてくれていて…また、勉強も文系より理数系の方が好きだったというのもあって、小さいころから将来は薬剤師になるんだろうなと漠然と考えていました。患者さんと接する医療に携わることができるというのも憧れで。
ーーー小さいころからのイメージを実現されたのは本当にすごいことだと思います!薬学部の友達がいるのですが、まず大学がとても大変そうで…。
おじから、薬剤師として働き始めてからの話はよく聞いていたんですけど、その前段階の大学がめちゃめちゃ大変だという話は私が大学に入った後に教えてくれたんです(笑)最初に教えてよ!って思いました笑 でも何とか今に至ります。
薬剤師人生のターニングポイント
ーーー憧れというのはきっと強いと思います。しかし、それだけだと大変な大学を乗り越えることができなかったんじゃないかなと思ったのですが、特に大学時代に心に残っていることはありますか?
そうですね。まず、最初は先ほどもお話ししたように、おじさんに憧れてかっこいいなという思いで大学に入りました。でも実際に大学に入ってみると、両親が医者だったり、薬局を経営していたり…という子が多かったんです。意識も高くて、薬剤師としてやるんだ!!という使命感に燃えていました。周りにそういった子が多くいたのは幸運なことでしたね。それに刺激されて憧れや格好だけでなってはダメだと感じました。医療に携わる者として心の底から使命感を持たなければならないということに1,2年生の頃に気付くことができました。
ーーー人生が変わる大きなきっかけですね。ほかにもターニングポイントはありましたか?
そうですね。ターニングポイントは2回あります。
1回目は少し遡りますが、大学3年生の頃です。今は薬剤師になるためには6年大学に通いますが、私たちの頃は4年制でした。だからでしょうか、3年生から授業の雰囲気がビックリするくらい変わったんです。4月の最初の授業から一気にピーンと張り詰めた空気になりましたね。薬剤師になるための最後の2年間だと思うと怖くなってきて、本気でやらないとついていけないなと思いました。
2回目は就職してから。ドラッグストアに就職したんです。田舎のドラッグストアでみんなのんびり和気あいあいとやっていました。しかし働き始めて3年目、もっと調剤に力を入れたい!ということになり、部署移動という形で調剤部門に移ることに。その時にまた雰囲気がコロッと変わって、周りの仲間も変わりましたね。張り詰めた空気で、緊張しました…。専門の薬剤師がものすごい勢いで勉強し、経験を積んでいる中で私も働くことになるので、もっと勉強しなければならないと感じました。周りはすごい人がたくさんいて、遊んでいたらとてもついていけません。大学で薬剤師の免許もらって薬剤師になったからといって一生安泰ではないという現実を目の当たりにしたんです。免許証はただの紙切れで、結局は勉強しないと使い物にならないと悟りました。
ーーーえっ、薬剤師というと安泰な仕事というイメージがありました…!
私も思っていました。たしかに免許自体はなくなることはありませんが、持っているだけではついていけません。実際、最初に調剤の店に行った時に何もできませんでした。立っているだけでついていけない。自分が使い物にならないと感じました。もちろんその当時、私に薬剤師としての経験がなかったわけでは決してなく、ドラッグストアの現場でお客さんと話をして、経験も積んできていたのですが…そうなるとは思いもしませんでした。薬を取りに行くだけでも怖くなってしまって、心の底から危機感を感じましたね。
例えば、調剤薬局のほうに来るとドクターや看護師さんもおられました。大きな病院の薬局だったので薬剤部があり、そこにも薬剤師がいました。医療に特化したたくさんの人たち、または医療の最前線に立つ人たちと対等に話をしなければならなかったのです。だから、今までいかに知識がなく、薄っぺらい薬剤師だったかということをそこで改めて思い知りました。
ーーー現在、コロナ禍ということもあり、新薬の開発等といったように『薬』が話題になっていると思います。やはり、薬というものもトレンドが変わっていくものなのですか?
薬が効くということについては、正直にいうとよく分からない部分が沢山あります。
例えば、バファリンやイブなどが頭痛に効く理由というのは今でもまだ正確には分かっていません。飲んだらおそらくこういう風に効いて痛みがなくなると言われている、という知識を学んでいきます。ところが研究が進んでいくと、実はそうではなかったというのが後から沢山出てきたりもするんです。想定されていたのと別の経路をたどって薬が効くということが分かったとか、効くと思われていた成分ではないものが効いたんだということが分かった、という風に。日々情報は更新されていくもので、昨日の情報ではなくて今日の情報が必要になります。だから、常に勉強し続けないとついていけなくなります。勉強し続けないと現場の第一線で患者さんに接する専門家として適当なことは言えません。私たちの発する言葉には責任があるもので、その担保になるように毎日勉強して新しい情報をインプットすることをやり続けないといけないです。
ーーー薬が効く理由が分かってないこともある、というのはビックリしました(笑)。だからこそ、勉強が必要なのですね!ちなみに、勉強するというのは勤務が終わって家に帰ってから文献等を読んでということですか?
もちろんそうです!勤務が終わってからなどです。私の場合は、主に休みの日ですね。日曜日や祝日など空いたところで研修会に行ったりです。今はこのご時世で研修会に行けてないですが、このようにzoomを使っての研修会もあります。そういうことを家に帰ってきてから、セミナーを1〜2時間聞いたりして、常に新しい情報をインプットしています。私たちは正しい情報を患者さんに説明しないといけない立場ですので。仕事中はかなり忙しいので休みの日に研鑽しますね。
メディカルリンクで感じていること
ーーーメディカルリンクに転職した経緯はどのようなものだったのですか?それに加えてなぜ、メディカルリンクを選ばれたのかというところも含めて教えていただきたいです。
結論から言いますと、知り合いから誘われたからです。メディカルリンクも今は20数店舗ありますが、もちろん1店舗からのスタートでした。その時、開局された方と私は関わりがあったんです。お世話になった方で、そこで誘いを受けました。当時、卒業してからずっとチェーン店にいたのですが、チェーン店はいいところもありつつ色々と疑問に思うところもあり…その点に少し悩んでいた時に、お誘いがあり私の力が役に立てばということでメディカルリンクに来ました。
ーーー実際に入ってみてどうでしたか?
そうですね。現在は経営に近い立場で仕事をさせてもらっていますが、当時から経営の方と現場の方が近い関係でいることができました。現場の意見がすぐ経営の方に行きやすいから、それは有り難いと感じます。
ーーー求職者や薬学生の方に向けて、実際に働いてみてメディカルリンクの良いところを教えてください。
はい。メディカルリンクでは現場を大事にすると言いますか、現場と経営側が近いです。よくあるような社長から一方的に通達がおりて現場の意見を聞かないとか、儲かるためだけの指示が下りて、現場にしわ寄せが行くといったことはありません。そうではなくて、メディカルリンクは自主性を尊重してもらえる会社です。現場からの意見をしっかり吸い上げて、経営陣がそれを聞いてくれます。もちろん、全部許可できるわけではないですが、じゃあやってみよう!というのも店舗ごとの自主性で尊重できます。
ーーー例えば新入社員の意見のように、経験年数は関係なく上まで通りやすい雰囲気があるのですか?
そうですね!新入社員の意見がかき消されてしまうということはよくあります。でも、ここはそうではなくてしっかりと上まで意見が渡って、その人の想いを汲み取ってあげる環境です。このような環境は会社経営をする上で私個人的にはとても大事にしていることです。社長もしっかりと聞いてくれるようになっています。だから、こういった部分で悩まれている方は働きやすいと思います。
ーーー最後の質問になります!
求職者の方へこんな方と一緒に働きたいというメッセージをお願いします。
私たちは、医療に携わる者です。そしてその商いとして薬局を核にしているので、やはり使命感に満ち溢れた人を望みます。患者さんのために、地域の方のためのことを考えられる人と、また、なぜあなたは薬剤師になったのか?という問いに、僕は、私は、〜〜したいんだ!という信念を持っておられる方と一緒に働きたいです。信頼感ある人を求めています!もし、そうでなかったとしても、メディカルリンクにはたくさんの薬剤師がいます。だから、自分の方向ややりたいことをしっかりと身につけられるようにバックアップはしますので、医療人としての使命感を弊社で培えるようにしていきたいと思います。
ーーー本日はお忙しいところありがとうございました!